異世界に転生した青年、「天災」の竜人となる

マックス

文字の大きさ
26 / 40
第2章

特訓

しおりを挟む
ギンハが仲間に加わって二週間が経った。

俺達は今ギンハを連れて依頼を達成しにモンスターのいる森で討伐対象を探している。

なぜギンハが一緒にいるかというと俺とアイリスが冒険者をやっている事を彼女に伝えたら手伝いたいと言ったので冒険者ギルドに登録してもらった。

俺からしたらギンハに手伝ってもらうのはありがたい。

なぜなら彼女の種族である銀狼は戦闘に特化しておりさらに戦闘向きの固有魔法を使えるからだ。

料理ができるギンハは珍しい部類だ。

ちなみに鑑定したギンハのステータスはこんな感じになっている。

ギンハ  15歳   女
種族   獣人・銀狼
職業   獣刀士    lv1
ステータス
HP     630/630
MP     520/520
力        420
防御    230
魔力    300
敏捷    640
技術    1050
スキル
刀術4、抜刀術4、体術3、土系魔法3、無魔法3、生活魔法4、魔力制御3、魔力探知2、
気配探知2、料理5
固有魔法
影魔法

職業の獣刀士というのは彼女に使いたい武器を訊いた時に俺と同じ武器と言われて俺がギンハを鍛えた結果ついたものだ。

ちなみに刀は俺が村で使用していたものを使ってもらっている。

スキルについては鍛えてたったの二週間でここまで上がってしまった。

これには理由がありおそらくギンハの技術が高いからだろう。

技術には器用さ以外にもスキルの成長速度の意味合いがある。

ギンハの技術は母さん以上なので途轍もなくスキルの成長が早い。

実際彼女は最初のスキルは料理しかなかったくらいだ。

おそらくこの技術の高さはギンハが前にいた村で身につけたものだろう。

何年間どんな環境で生活していたかわからないが多分そのはずだ。

ギンハは今日まで俺と稽古をしアイリスと魔法の練習をしていたので戦闘経験はない。

つまり今日がデビュー戦となる。

依頼の内容はゴブリン10体の討伐。

よほどのことがない限り大丈夫だろう。

今は俺が“鷹の魔眼”を使ってゴブリンを見つけたのでそこに向かっている。

「私にできるでしょうか?」

「きっと大丈夫だろ。今日まで頑張ってきたんだから」

「そうだよ。それに私とレオがいるから安心して」

「……はい、ありがとうございます」

ギンハは初めてモンスターと戦うので緊張しているようだ。

今の彼女の服はロングスカートにノースリーブではなくズボンに長袖を着て上からレザーアーマーをつけている。

歩き始めてから10分程で俺達はゴブリンがいる場所へ着いた。

数は6体。

初戦としては丁度いいだろう。

「ギンハ、相手はあのゴブリン6体だ。大丈夫だと思うけど気をつけて行ってこい」

「……はい、わかりました」

そう言うとギンハは魔法を発動する。

使う魔法は影魔法の“影移動”。

これは範囲内の影から影に移動する魔法で奇襲に便利だ。

“影移動”を発動したギンハは一番近くのゴブリンの影に移動し影から出て抜刀し素早く首を斬る。

それに気づいた他のゴブリンはギンハに襲いかかるがギンハは土系魔法の“ロックショット”を使い迎撃する。

“ロックショット”は“ロックバレット”よりも範囲が広いためこういう時は便利だ。

まともにくらったゴブリン5体が怯んでいる隙にギンハは距離を詰めて手前の2体の首を切り落とす。

残ったゴブリン3体は逃げようとするがギンハはそれを影魔法の“影縛”を使い動きを封じる。

後は動けなくなったゴブリンにとどめを刺して終わった。

ゴブリンの息の根が止まっているか確認したギンハはこっちに戻ってくる。

「あの……うまくできたでしょうか?」

「そんなに心配しなくてもうまくできていたよ」

「ありがとうございます」

俺がそう言うとギンハは嬉しそうに返事をする。

その後俺達はギンハの特訓を目的とした依頼を終わらせて転移で王都へと戻った。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

処理中です...