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その日学校に登校すると、クラスの雰囲気が何だか違った。最初は何がどう違うのかわからなかったけど、高坂君がご家族のご不幸で早退した後、私は悟った。
「全員知ってる」ってこと。
四時間目のグループワーク。席の近い人達と班にならなきゃなのに、明らかに私を入れてくれない。身体でガードして、近づくことさえできない雰囲気。
「いい子ちゃんの地味子のくせに」
「どうせレイにとったら遊びでしょ」
「すぐ別れるって」
そんな声が聞こえる。
「モブがカリスマと付き合ったら、こうなるんだ」ってことを、痛感させられる。どうしよう。授業に参加できない。先生は全然こっちを見てないし、そもそも先生に相談なんかしたら、もっと嫌がらせされるかもしれない。
怖い。
そう思って俯いたときに「山村さん」と声がした。
井原さん。追い打ちをかけるようにラスボスが登場した、という感じ。終わった。教室から出て行きたいし、本当に出て行った方がいいのかもしれない。
だけど井原さんはこう言った。
「この子たちに入れてもらえないなら、うちの班に入ったら?」
教室の雰囲気が変わる。だって女王がモブに手を差し伸べたんだから。
「い…いいの?」
「うん」
井原さんはちらっと、私と仲間外れにした遠藤さんと桂さんを睨んで、小さいけれど誰もが聞こえてしまうような強い声で「そういうのダサいって」と声をかけた。二人とも井原さんと仲が良かったはず…というか、井原さんの取り巻きだったはずなのに。
グループワークが終わると、井原さんはあまりにも自然に「山村さん、いつも一人で食べてるよね?よかったら一緒にご飯食べない?」と誘ってくれた。
「う…うん」
緊張しながらお弁当を口に運ぶ私に、井原さんは「私のこと、怖い?」とちょっと笑う。本当は怖いけど、「うん」なんて言えるはずもない。
教室中が、こっちのことは見ていないけど見ている感じ。聞いていないようで、私たちの会話を聞き逃さないようにしているのがわかる。
「レイに振られちゃったんだ。ナギのことが好きだから邪魔するなってさ」
「…うん」
「レイに嫌われたくないから邪魔はしない。嫉妬とかいじめとか、したくもないし」
「うん」
「だからむしろ仲良くしよ。山村さんを観察すれば、レイの好みがわかるかもしんないし」
「え…」
井原さんは楽しそうに笑った。
「怯えないでよ。冗談だよ。ね、私もナギって呼んでいい?」
「うん」
「じゃあユウナギケミでよろしくね。ナギって帰る方向、A駅方面だよね?今日一緒に帰ろうよ。恋バナしよ」
「全員知ってる」ってこと。
四時間目のグループワーク。席の近い人達と班にならなきゃなのに、明らかに私を入れてくれない。身体でガードして、近づくことさえできない雰囲気。
「いい子ちゃんの地味子のくせに」
「どうせレイにとったら遊びでしょ」
「すぐ別れるって」
そんな声が聞こえる。
「モブがカリスマと付き合ったら、こうなるんだ」ってことを、痛感させられる。どうしよう。授業に参加できない。先生は全然こっちを見てないし、そもそも先生に相談なんかしたら、もっと嫌がらせされるかもしれない。
怖い。
そう思って俯いたときに「山村さん」と声がした。
井原さん。追い打ちをかけるようにラスボスが登場した、という感じ。終わった。教室から出て行きたいし、本当に出て行った方がいいのかもしれない。
だけど井原さんはこう言った。
「この子たちに入れてもらえないなら、うちの班に入ったら?」
教室の雰囲気が変わる。だって女王がモブに手を差し伸べたんだから。
「い…いいの?」
「うん」
井原さんはちらっと、私と仲間外れにした遠藤さんと桂さんを睨んで、小さいけれど誰もが聞こえてしまうような強い声で「そういうのダサいって」と声をかけた。二人とも井原さんと仲が良かったはず…というか、井原さんの取り巻きだったはずなのに。
グループワークが終わると、井原さんはあまりにも自然に「山村さん、いつも一人で食べてるよね?よかったら一緒にご飯食べない?」と誘ってくれた。
「う…うん」
緊張しながらお弁当を口に運ぶ私に、井原さんは「私のこと、怖い?」とちょっと笑う。本当は怖いけど、「うん」なんて言えるはずもない。
教室中が、こっちのことは見ていないけど見ている感じ。聞いていないようで、私たちの会話を聞き逃さないようにしているのがわかる。
「レイに振られちゃったんだ。ナギのことが好きだから邪魔するなってさ」
「…うん」
「レイに嫌われたくないから邪魔はしない。嫉妬とかいじめとか、したくもないし」
「うん」
「だからむしろ仲良くしよ。山村さんを観察すれば、レイの好みがわかるかもしんないし」
「え…」
井原さんは楽しそうに笑った。
「怯えないでよ。冗談だよ。ね、私もナギって呼んでいい?」
「うん」
「じゃあユウナギケミでよろしくね。ナギって帰る方向、A駅方面だよね?今日一緒に帰ろうよ。恋バナしよ」
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