死に戻りの世間知らず王妃は、断罪を回避するために全力でやり直します!

こじまき

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2 自分を殺した男

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気分が優れないけれど、まさか「死に戻ったので、気持ちを整理するために、自分の誕生祝いの式典を欠席したい」とは言えない。

侍女たちを引き連れて、会場へと向かう。

朝起きてから今まで、一度も夫である国王陛下パリス様にお会いしていないけれど、変だとは思わない。

だって私たち国王夫妻は、絵に描いたような政略結婚の仮面夫婦だから。

私の実家であるパインズバッハ公爵家は、このアズミア王国でもっとも由緒正しいとされる貴族。

パインズバッハ公爵家の当主、つまり私の父は、政治家の最高位である宰相を務めている。

その公爵が「娘を王妃に」と望めば、王家であっても拒否はできない。

お互いが好きか嫌いか、そんな感情は考慮されない。

それでも、幼いころから許婚として一緒に時間を過ごしてきただけあって、以前はそれなりに仲が良かった。

パリス様はおおらかで気さくで、私のつたない話を面白そうに聞いてくださったりして…

私にはそんな陛下を幼いながらに本気で愛していたし、ずっとおそばでお支えしたいと思っていた。

それが私の存在価値だと、信じて疑わなかった。

でも私たちの関係は、よそよそしくなってしまった。

今となっては理由もきっかけも思い出せないけれど、結婚する前からすでに冷え切っていたのは確かね。

いつごろからだったか、陛下は、手あたり次第に貴族令嬢に声をかけるようになった。

公務に遅刻したり、気分が乗らないからとドタキャンしてしまうこともたびたび。陛下はすっかり変わってしまわれた。

でも、変わってしまったのは私も同じ。陛下に見向きもされなくなった寂しさを埋めるように、侍女や護衛兵に当り散らし、ドレスや宝石を買いあさるようになったのだわ。

そんなことを思いながらホールへ続く外廊下を歩いていると、廊下の先に姿勢の良い立ち姿の若い男性が見えた。

少し眉をひそめながら、庭のほうをじっと見つめている。

その途端、心臓がゾワッと縮むような気がした。

銀色の髪、紫の目。生真面目そうな顔立ち。

レオナルド・エステルベルグ。

先祖代々の忠臣として名高い、エステルベルグ伯爵家の三男。

パリス様の幼馴染であり、忠実な騎士でもある。私とも幼いころからよく見知った間柄だ。

好奇心旺盛でお転婆だった私に、「気をつけて」と言いながら剣の構え方を教えてくれた。

頭の中に、レオナルドが国王陛下と私を捕らえる映像が流れる。

《国王パリス、王妃リリー、お前たちの国民に対する罪は重い…》

私たちを捉えたのはレオナルド。彼は貴族でありパリス様の側近でありながら、革命軍に参加していたのだわ。

幼馴染なら、パリス様や私を捕らえるのも容易い。

だって、全く警戒されていなかったのだから。

私はもうひとつ思い出して、思わず自分の首を撫でた。

《見ろ。あれがお前の罪だ》

泣きながら私の首を跳ねたのも、彼…
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