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13 新品じゃなくてもいいじゃない
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「お父様、何故できないのですか!?お父様も貧民街は見たことがおありでしょう?この世のものとは思えぬ有様なのですよ?早急に対処せねば、暴動や病の流行など、より大きな問題を生みかねません」
宰相執務室にお父様を訪ね、貧民街での上下水道整備と病院建設を掛け合ったが、「予算がない」とにべもなく断られた。
「リリー、国民のために働きたいと改心した最近のお前の頑張りには目を見張る。王妃として、立派なことだ。だが、アズミアの財政はカツカツなのだよ」
それなら私の宮廷費をもっと削ってもいいと言ったら、「それでは足りない」。
個人で所有している領地を売ってもいいと言ったら、「それはできない」。
パインズバッハ公爵家から援助してくださいと食らいついたが、「王都のインフラに公爵家の財産をつぎ込むことはできない」と、よくわからない貴族の事情を持ち出されてしまった。
(王妃なのに何もできないの…?)
「私は…この国で最も身分の高い女性ではないのですか…?国民の生活に責任をもつ存在ではないのですか…?」
「肩書きだけではできないこともあるのだよ」
「私が…世間知らずの王妃だから…」
やる気と身分だけでは乗り越えられない壁がある。
私室に戻ってお茶を準備してもらう間にも、ため息がこぼれる。
「今日は王妃様のお好きなクイーンメリーにいたしました」
「ありがとう」
いつもならお茶を出した後にさっと離れていくメイドが、何か言いたげにそばに立っているので目を向ける。
「どうしたの?」と聞くと「最近の王妃様は…孤児院や貧民街を視察されたり贅沢を控えられたり…あの…これまでに増してご立派です。何か私にできることがあれば何なりとお申し付けください」と頭を下げる。
「これまでに増して」という言葉に彼女の配慮が見えて苦笑する。でもその言葉が本当にうれしく、「言葉は人を元気にする」と何かの本で読んだことが実感を持って胸に迫る。
「ありがとう、アビゲイル。あなたのその言葉だけで元気が出たわ」
「はいっ」
そこでふと思いつき、アビゲイルに質問してみた。
「ねぇアビゲイル。あることをやるためのお金がどうやっても足りないのだけど、諦められないの。そんなとき、あなたならどうする?」
「えっ!?そ、そうでございますねぇ…」
急に質問されたことに驚きながらも、アビゲイルは考えを巡らせる。
「私なら、例えば服が欲しいなら、自分で作ったり、より安いもので我慢したり、中古を買ったりいたします」
「中古って…何?」
「お古、と申しましょうか。平民は、他の人が着なくなった服を安く譲り受けたり買ったりすることがあるのです」
それだわ!
「アビゲイル、ありがとう!図書館に行くからついてきて!」
「は?…はい!」
(きっとできるわ!)
宰相執務室にお父様を訪ね、貧民街での上下水道整備と病院建設を掛け合ったが、「予算がない」とにべもなく断られた。
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それなら私の宮廷費をもっと削ってもいいと言ったら、「それでは足りない」。
個人で所有している領地を売ってもいいと言ったら、「それはできない」。
パインズバッハ公爵家から援助してくださいと食らいついたが、「王都のインフラに公爵家の財産をつぎ込むことはできない」と、よくわからない貴族の事情を持ち出されてしまった。
(王妃なのに何もできないの…?)
「私は…この国で最も身分の高い女性ではないのですか…?国民の生活に責任をもつ存在ではないのですか…?」
「肩書きだけではできないこともあるのだよ」
「私が…世間知らずの王妃だから…」
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私室に戻ってお茶を準備してもらう間にも、ため息がこぼれる。
「今日は王妃様のお好きなクイーンメリーにいたしました」
「ありがとう」
いつもならお茶を出した後にさっと離れていくメイドが、何か言いたげにそばに立っているので目を向ける。
「どうしたの?」と聞くと「最近の王妃様は…孤児院や貧民街を視察されたり贅沢を控えられたり…あの…これまでに増してご立派です。何か私にできることがあれば何なりとお申し付けください」と頭を下げる。
「これまでに増して」という言葉に彼女の配慮が見えて苦笑する。でもその言葉が本当にうれしく、「言葉は人を元気にする」と何かの本で読んだことが実感を持って胸に迫る。
「ありがとう、アビゲイル。あなたのその言葉だけで元気が出たわ」
「はいっ」
そこでふと思いつき、アビゲイルに質問してみた。
「ねぇアビゲイル。あることをやるためのお金がどうやっても足りないのだけど、諦められないの。そんなとき、あなたならどうする?」
「えっ!?そ、そうでございますねぇ…」
急に質問されたことに驚きながらも、アビゲイルは考えを巡らせる。
「私なら、例えば服が欲しいなら、自分で作ったり、より安いもので我慢したり、中古を買ったりいたします」
「中古って…何?」
「お古、と申しましょうか。平民は、他の人が着なくなった服を安く譲り受けたり買ったりすることがあるのです」
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