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31 二回目の断頭台
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「一緒に逃げよう、リリー。誰も知らないところで二人で生きよう」
私は首を振った。
「いけないわ、レオナルド。とても危険よ。あなたを巻き込めない」
「危険でもいいんだ!リリーがいなくなったら俺は…っ!俺は…」
私はそっと格子から手を出した。
「そう言ってくれて嬉しいわ。でもだめよ」
レオナルドの目から涙がこぼれる。
「最後にひとつだけ、我が儘を聞いて」
「…どんなことでも」
私は彼の顔を引き寄せて、キスをした。
彼からもキスが返ってくる。
甘くて、切なくて、悲しい、最初で最後のキス。
「さようなら、レオナルド」
ーーー
私は二回目の断頭台へのぼる。
お祖母様が残してくれたペンダントはない。
「本当に終わりね」
処刑を見ようと広場に集まった民。
けれど私への怒号はない。泣いている人すらいる。
アビーも泣いている。
(ああ…やってきたことはきっと、間違ってはいなかったのだわ。少なくても、彼らには惜しまれながら送られるのだもの)
けれど惜しんでくれているはずのレオナルドの姿はない。
最後に一目、会いたかったのに。
前回は一緒に断頭台へのぼったパリス様が、私を断頭台へ送るように命令を下す。
その瞬間、広場に集まった民たちが断頭台…私に向かってなだれ込み始めた。
「俺たちを救ってくれた王妃様を、今度は俺たちが救え!」
「既得権益にすがりつく貴族たちが、王妃様に濡れ衣を着せたんだ!」
断頭台は打ち壊され、処刑を見守っていた貴族たちは捕縛された。
(どうなっているの…?)
「リリー」
「レオナルド!?」
平民風の服を着たレオナルドが、私の縄を解きながら説明してくれる。
「貴族の既得権益を守ろうとする者たちが、国民のための改革を目指す王妃に、反逆罪の濡れ衣を着せて処刑しようとしている」と情報を流し、これまでの私の働きぶりを評価してくれていた民衆や下級貴族たちが味方についたのだ、と。
広場の民衆は私を助け出したことで行き場を失い、今度は王妃糾弾の中心人物とされたニールストン伯爵のタウンハウスを取り囲んだ。
完全に包囲されて亡命も阻止された伯爵は、爵位と財産を返上し、エドナを切り捨て、自身の命を守るのが精一杯だった。
ニールストン伯爵に味方してエドナを擁護していた貴族たちも、民衆の勢いに恐れをなして私への非難を慌てて取り消し、事態は収束に向かった。
私は首を振った。
「いけないわ、レオナルド。とても危険よ。あなたを巻き込めない」
「危険でもいいんだ!リリーがいなくなったら俺は…っ!俺は…」
私はそっと格子から手を出した。
「そう言ってくれて嬉しいわ。でもだめよ」
レオナルドの目から涙がこぼれる。
「最後にひとつだけ、我が儘を聞いて」
「…どんなことでも」
私は彼の顔を引き寄せて、キスをした。
彼からもキスが返ってくる。
甘くて、切なくて、悲しい、最初で最後のキス。
「さようなら、レオナルド」
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私は二回目の断頭台へのぼる。
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「本当に終わりね」
処刑を見ようと広場に集まった民。
けれど私への怒号はない。泣いている人すらいる。
アビーも泣いている。
(ああ…やってきたことはきっと、間違ってはいなかったのだわ。少なくても、彼らには惜しまれながら送られるのだもの)
けれど惜しんでくれているはずのレオナルドの姿はない。
最後に一目、会いたかったのに。
前回は一緒に断頭台へのぼったパリス様が、私を断頭台へ送るように命令を下す。
その瞬間、広場に集まった民たちが断頭台…私に向かってなだれ込み始めた。
「俺たちを救ってくれた王妃様を、今度は俺たちが救え!」
「既得権益にすがりつく貴族たちが、王妃様に濡れ衣を着せたんだ!」
断頭台は打ち壊され、処刑を見守っていた貴族たちは捕縛された。
(どうなっているの…?)
「リリー」
「レオナルド!?」
平民風の服を着たレオナルドが、私の縄を解きながら説明してくれる。
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ニールストン伯爵に味方してエドナを擁護していた貴族たちも、民衆の勢いに恐れをなして私への非難を慌てて取り消し、事態は収束に向かった。
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