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第二章 お師匠様がやってきた
警告アラート「飯マズ」の洗礼
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カーナ王国の新たな環使いの聖女アイシャとその恋人トオンの師匠となるため、カズンの故郷アケロニア王国から彼の師匠ルシウスがやってきた。
こんな王都の外れの古い建物にいてはならないような、麗しい男前が来てしまった。
朝食がまだだというルシウスを、トオンが簡単な食事があると誘うと、相伴にあずかると言ってくれたので再び食堂に集まることにした。
アイシャとトオンには、話を優先してしまったせいで、少し遅い朝食になる。
「む?」
何か違和感を感じたらしく、ルシウスがスプーンを持ったまま、配膳されたチキンスープの皿の前で固まっている。
しばらくじっとチキンスープを見つめていたが、意を決したように中身をスプーンですくい、ひとくち口に含む。
「ブフォオッ!?」
そして咳き込むように吹き出した。
「……やっぱり」
「無だ、無なんだよアイシャ。無になれば何だってするする胃に入るもんさ」
だが、自分たちの苦境を知ってもらうには、実際にトオンのおいしくない料理を食べてもらうのが一番手っ取り早かったのだ。
脳天を突き抜けるような、味覚を不調和で満たしたその不毛な味わいは、強固な自我を持つルシウスすら一瞬、気が遠くなりかけた。
こんなところで死んで堪るか、という強い思いを掴もうとするが意識を失いそうになる。
だが、数年前亡くなった、己の慕っていた兄が花畑の向こうから「こっち来んな」と必死でルシウスを追い返すような仕草をしている姿が見えた。気がした。
ので、何とか正気を取り戻すことができた。
「何なのだこれはーっ!?」
「あ、生き返ったわ」
「生き返ったね。すごい」
スープの垂れる口元を拭い、ルシウスはギッと音がしそうなほど強い視線でスープを睨みつけた。
スープ皿が軋んだような音を立てたが、多分気のせいだろう。
そして向かいに並んで座っていたアイシャとトオンを見る。
その湖面の水色の瞳は少し涙ぐんでいる。
「も、もしや、私が気に入らぬからこのような仕打ちを……?」
「ち、違います! 料理がこの有様だから、前もカズンはごはんを作ってくれてたんですよ!」
「これが今の私たちのごはんなんです! これしか食べる物がないんですうううう!」
まさかの新人いびりを疑われて、慌ててふたりは言い訳した。
「そ、そうか。ならば良いのだが。……鑑定スキルが反応したから何事かと思えば“激マズ”なる警告が表示されたではないか。初めて見たぞそんな警告」
毒よりタチが悪い、と言いながらルシウスがふたりにストップをかけてチキンスープをすべて厨房に持って行って、鍋に残っていた分も合わせて廃棄した。
アイシャとトオンが後ろから覗いてみると、手際よく厨房の冷蔵庫や棚、保管庫を確認して材料を確保している。
おもむろに後ろを振り向いて、ふたりに笑いかけた。
「すぐできるから、君たちは食堂で待っているといい」
そして15分後、ルシウスが新たなチキンスープの鍋を持って食堂へ戻ってきた。
カズンが使っていたネイビーのエプロンを付けて白いシャツを腕まくりしているその姿は、
「カズンのお師匠様っぽい」
「うん、間違いないやつだわ」
姿勢正しく背筋がすっと伸びているところや、手際良く厨房で包丁を動かし調理していた動作がカズンと重なる。
というより、カズンのほうがこの彼を真似して育ったのだろうことが、よくわかる人物だった。
そしてまた、このルシウスの作るチキンスープがとにかく美味かった。
商店街で手に入る食材しか使っていないはずなのに、一口一口が、最後の一滴まで幸福だった。滋味深い味だ。
チキンスープは国や地域によって様々な種類があるが、ここカーナ王国では手羽元のチキンを玉ネギなどの香味野菜と一緒に煮込んだ、塩だけで味付けするものが主流だ。
野菜が煮えた後は、手羽元はそのままスープの具として食べてもいいし、途中で取り出して、骨から外した身をサラダやブリトー、サンドイッチの具にすることも多い。
今回ルシウスが作ってくれたのは、手羽元をそのまま入れたタイプで、玉ネギ中心に人参やズッキーニ、マッシュルームが小さく切られて入ったタイプだった。
それにこの辺の特産品である小ぶりのライムを絞って、さっぱりといただく。
「この辺は標高が高いようだな。生煮えになりやすいから、圧力鍋を使ったり、魔力で鍋に圧をかけるといいぞ」
ああ、料理上手の人の言葉だ、とアイシャもトオンも思った。
でもごめんなさい、私たちとてもとても、そのアドバイスを活かせるだけの腕もないのです。
「あの、ルシウスさん。ご挨拶が遅れましたが、ようこそカーナ王国へ」
「ようこそいらっしゃいました!」
トオン、アイシャの順でぺこりとルシウスに頭を下げた。
「師匠と呼ばせてください、ルシウスさん」
「ええ。お師匠様。もう絶対逃しませんからね!」
そして速攻でトオンもアイシャもルシウスに懐いた。
美味しいご飯は正義。
何よりこのルシウスは、あの美味しいごはんを作る人の師匠なのだ。
何から何まで間違いのない人物だ。間違いない。
このときのアイシャとトオン、ふたりの判断は、実際、一切の間違いのないものだった。
彼、ルシウス・リーストは調理スキルの特級ランク相当の技能の持ち主で、“食べるエリクサー”と呼ばれるヘブンズミールが調理できる稀少な人物だった。
さて、彼の滞在中、果たしてふたりは至福のヘブンズミールを食すことができるのだろうか?
--
導入編ここまで。
新キャラ、ルシウスおじさん37歳(貴族ニート)をよろしくお願い申し上げます。
ファーストシーズンもご覧の方は「ルシウス様何やってんのwww」という笑いをお楽しみいただけます(・∀・)
こんな王都の外れの古い建物にいてはならないような、麗しい男前が来てしまった。
朝食がまだだというルシウスを、トオンが簡単な食事があると誘うと、相伴にあずかると言ってくれたので再び食堂に集まることにした。
アイシャとトオンには、話を優先してしまったせいで、少し遅い朝食になる。
「む?」
何か違和感を感じたらしく、ルシウスがスプーンを持ったまま、配膳されたチキンスープの皿の前で固まっている。
しばらくじっとチキンスープを見つめていたが、意を決したように中身をスプーンですくい、ひとくち口に含む。
「ブフォオッ!?」
そして咳き込むように吹き出した。
「……やっぱり」
「無だ、無なんだよアイシャ。無になれば何だってするする胃に入るもんさ」
だが、自分たちの苦境を知ってもらうには、実際にトオンのおいしくない料理を食べてもらうのが一番手っ取り早かったのだ。
脳天を突き抜けるような、味覚を不調和で満たしたその不毛な味わいは、強固な自我を持つルシウスすら一瞬、気が遠くなりかけた。
こんなところで死んで堪るか、という強い思いを掴もうとするが意識を失いそうになる。
だが、数年前亡くなった、己の慕っていた兄が花畑の向こうから「こっち来んな」と必死でルシウスを追い返すような仕草をしている姿が見えた。気がした。
ので、何とか正気を取り戻すことができた。
「何なのだこれはーっ!?」
「あ、生き返ったわ」
「生き返ったね。すごい」
スープの垂れる口元を拭い、ルシウスはギッと音がしそうなほど強い視線でスープを睨みつけた。
スープ皿が軋んだような音を立てたが、多分気のせいだろう。
そして向かいに並んで座っていたアイシャとトオンを見る。
その湖面の水色の瞳は少し涙ぐんでいる。
「も、もしや、私が気に入らぬからこのような仕打ちを……?」
「ち、違います! 料理がこの有様だから、前もカズンはごはんを作ってくれてたんですよ!」
「これが今の私たちのごはんなんです! これしか食べる物がないんですうううう!」
まさかの新人いびりを疑われて、慌ててふたりは言い訳した。
「そ、そうか。ならば良いのだが。……鑑定スキルが反応したから何事かと思えば“激マズ”なる警告が表示されたではないか。初めて見たぞそんな警告」
毒よりタチが悪い、と言いながらルシウスがふたりにストップをかけてチキンスープをすべて厨房に持って行って、鍋に残っていた分も合わせて廃棄した。
アイシャとトオンが後ろから覗いてみると、手際よく厨房の冷蔵庫や棚、保管庫を確認して材料を確保している。
おもむろに後ろを振り向いて、ふたりに笑いかけた。
「すぐできるから、君たちは食堂で待っているといい」
そして15分後、ルシウスが新たなチキンスープの鍋を持って食堂へ戻ってきた。
カズンが使っていたネイビーのエプロンを付けて白いシャツを腕まくりしているその姿は、
「カズンのお師匠様っぽい」
「うん、間違いないやつだわ」
姿勢正しく背筋がすっと伸びているところや、手際良く厨房で包丁を動かし調理していた動作がカズンと重なる。
というより、カズンのほうがこの彼を真似して育ったのだろうことが、よくわかる人物だった。
そしてまた、このルシウスの作るチキンスープがとにかく美味かった。
商店街で手に入る食材しか使っていないはずなのに、一口一口が、最後の一滴まで幸福だった。滋味深い味だ。
チキンスープは国や地域によって様々な種類があるが、ここカーナ王国では手羽元のチキンを玉ネギなどの香味野菜と一緒に煮込んだ、塩だけで味付けするものが主流だ。
野菜が煮えた後は、手羽元はそのままスープの具として食べてもいいし、途中で取り出して、骨から外した身をサラダやブリトー、サンドイッチの具にすることも多い。
今回ルシウスが作ってくれたのは、手羽元をそのまま入れたタイプで、玉ネギ中心に人参やズッキーニ、マッシュルームが小さく切られて入ったタイプだった。
それにこの辺の特産品である小ぶりのライムを絞って、さっぱりといただく。
「この辺は標高が高いようだな。生煮えになりやすいから、圧力鍋を使ったり、魔力で鍋に圧をかけるといいぞ」
ああ、料理上手の人の言葉だ、とアイシャもトオンも思った。
でもごめんなさい、私たちとてもとても、そのアドバイスを活かせるだけの腕もないのです。
「あの、ルシウスさん。ご挨拶が遅れましたが、ようこそカーナ王国へ」
「ようこそいらっしゃいました!」
トオン、アイシャの順でぺこりとルシウスに頭を下げた。
「師匠と呼ばせてください、ルシウスさん」
「ええ。お師匠様。もう絶対逃しませんからね!」
そして速攻でトオンもアイシャもルシウスに懐いた。
美味しいご飯は正義。
何よりこのルシウスは、あの美味しいごはんを作る人の師匠なのだ。
何から何まで間違いのない人物だ。間違いない。
このときのアイシャとトオン、ふたりの判断は、実際、一切の間違いのないものだった。
彼、ルシウス・リーストは調理スキルの特級ランク相当の技能の持ち主で、“食べるエリクサー”と呼ばれるヘブンズミールが調理できる稀少な人物だった。
さて、彼の滞在中、果たしてふたりは至福のヘブンズミールを食すことができるのだろうか?
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導入編ここまで。
新キャラ、ルシウスおじさん37歳(貴族ニート)をよろしくお願い申し上げます。
ファーストシーズンもご覧の方は「ルシウス様何やってんのwww」という笑いをお楽しみいただけます(・∀・)
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