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第二章 お師匠様がやってきた
聖女様が冒険者!?
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ルシウスの倉庫用の家からダンジョンへ向かう前に、アイシャとトオンの冒険者登録と、装備を揃えることにした。
どちらも冒険者ギルドで行う。
冒険者ギルドはトオンの古書店と同じ赤レンガ造りの、こちらは三階建て建物だ。
冒険者ギルドはどの国、どの地域の本部や支部も、冒険者たちがすぐ現地で発見できるよう同じ建物と設備を持っている。
一階は受付と依頼掲示板、武器防具や備品など冒険者活動に必要な物品の売店、討伐品の売却・換金所、食堂や酒場がある。
二階は会議室とギルド職員の仕事場と休憩所、三階はギルドマスターら支部の責任者の執務室と倉庫だ。
冒険者ギルドにやってきた聖女アイシャに、ギルド内にいた人々は一斉にざわついた。
さすがに一般の冒険者たちと同じように受付するわけにはいかなかったので、一同は三階のギルドマスターの執務室で事情を話すことになった。
ギルドマスターはもちろん、聖女アイシャの詳細を知っていた。
魔物の大侵攻スタンピードには国の騎士や兵士だけでなく、冒険者ギルド経由で冒険者たちにも討伐依頼が常に出ていたからだ。
「なるほど、聖女アイシャと関係者の魔力使いたちですか。今は市井で暮らしているから、生活費を稼ぐためと、腕を磨くためにダンジョンに潜りたいというわけですね」
カーナ王国、王都の冒険者ギルドのギルドマスター、ロディオラは女性だった。
年は五十代半ば、黒髪を乱れなくまとめ髪にした、如何にもキャリアウーマンといった感じの、銀縁眼鏡の初老女性だ。
しかし規則なので、最初に冒険登録する際には実力測定用の魔導具で測定を受ける必要がある。
まずはアイシャが。
「聖女アイシャ。魔力量はやはり多いですね……。体力6、魔力9、……ランクはAになります」
アイシャの場合はまだ若いから各数値は今後、変動する可能性があるとのこと。
必要と思ったとき、幾度か再測定することを勧められた。
「トオン、男性。なるほど、『聖女アイシャの世話役』ですか。体力5、魔力4、……ランクは最初のEからスタートが良いでしょう」
ぽそりと「カーナ王国の元国王……」とギルドマスターが呟いたが、三人はあえて聞こえなかった振りをした。
そこまで情報が読めているなら、初代聖女エイリーの息子とも表示されているはずだ。
内緒ですよ? 内緒ですよ?
と、じーっと三人の目がギルドマスターを見つめる。
ギルドマスターはもちろんと言うように小さく三人に頷いて見せた。
どちらも冒険者ギルドで行う。
冒険者ギルドはトオンの古書店と同じ赤レンガ造りの、こちらは三階建て建物だ。
冒険者ギルドはどの国、どの地域の本部や支部も、冒険者たちがすぐ現地で発見できるよう同じ建物と設備を持っている。
一階は受付と依頼掲示板、武器防具や備品など冒険者活動に必要な物品の売店、討伐品の売却・換金所、食堂や酒場がある。
二階は会議室とギルド職員の仕事場と休憩所、三階はギルドマスターら支部の責任者の執務室と倉庫だ。
冒険者ギルドにやってきた聖女アイシャに、ギルド内にいた人々は一斉にざわついた。
さすがに一般の冒険者たちと同じように受付するわけにはいかなかったので、一同は三階のギルドマスターの執務室で事情を話すことになった。
ギルドマスターはもちろん、聖女アイシャの詳細を知っていた。
魔物の大侵攻スタンピードには国の騎士や兵士だけでなく、冒険者ギルド経由で冒険者たちにも討伐依頼が常に出ていたからだ。
「なるほど、聖女アイシャと関係者の魔力使いたちですか。今は市井で暮らしているから、生活費を稼ぐためと、腕を磨くためにダンジョンに潜りたいというわけですね」
カーナ王国、王都の冒険者ギルドのギルドマスター、ロディオラは女性だった。
年は五十代半ば、黒髪を乱れなくまとめ髪にした、如何にもキャリアウーマンといった感じの、銀縁眼鏡の初老女性だ。
しかし規則なので、最初に冒険登録する際には実力測定用の魔導具で測定を受ける必要がある。
まずはアイシャが。
「聖女アイシャ。魔力量はやはり多いですね……。体力6、魔力9、……ランクはAになります」
アイシャの場合はまだ若いから各数値は今後、変動する可能性があるとのこと。
必要と思ったとき、幾度か再測定することを勧められた。
「トオン、男性。なるほど、『聖女アイシャの世話役』ですか。体力5、魔力4、……ランクは最初のEからスタートが良いでしょう」
ぽそりと「カーナ王国の元国王……」とギルドマスターが呟いたが、三人はあえて聞こえなかった振りをした。
そこまで情報が読めているなら、初代聖女エイリーの息子とも表示されているはずだ。
内緒ですよ? 内緒ですよ?
と、じーっと三人の目がギルドマスターを見つめる。
ギルドマスターはもちろんと言うように小さく三人に頷いて見せた。
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