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第四章 出現! 難易度SSSの新ダンジョン
SSSランクダンジョンの誕生
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ジューアは無表情のまま、手の中に魔法樹脂で透明な松ぼっくり型の塊を作り、アイシャに投げ渡してきた。
「こやつらの姿と言動を記録した。魔力を流せば再生できる。関係各所には神人ジューアが制裁を下したと説明すれば良い」
「わ、わかりました。と、とりあえずルシウスさんの介抱を……」
だが、ルシウスの怪我を治癒しようと近寄ったアイシャの足元に、衝撃が走る。
すぐにユーグレンの大楯に庇われたが、アイシャもユーグレンも、そして拘束する男が殺されて解放されたトオンも信じられない思いで攻撃した人物を見た。
「ルシウスさん!?」
そう、アイシャに攻撃してきたのは、冒険者装備を血だらけにしているルシウスその人だった。
「す、済まない。身体が自分の言うことを聞かん……!」
怪我の治りの早いルシウスは、ノーダ男爵に刺された傷も、先ほど暗殺者に斬りつけられた傷も塞がりつつあるようだが、様子がおかしい。
「何か変な術でもかけられたとか? アッ、武器に毒が塗ってあったとか!? ……って変なエラーが出てるー!?」
ジューアが侵入者たちごと撹乱の魔導具を破壊してくれたことで、再び環が出せるようになった。
混乱しつつもトオンが胸回りに環を出してルシウスの分析をしようとした。だが、おかしなエラーが出てステータスが読み取れない。
元々ハイヒューマンの彼はステータス表示がバグりやすいのだが、弟子のトオンは師匠のルシウスのステータス閲覧許可を貰っているにも関わらず、だ。
「悪い条件が重なりすぎた。ボスを確保してすぐに、一度外に出なければならなかったな」
ぽつりと神人ジューアが呟いた。
「え?」
「ダンジョンが新たなボスを作り出す前に、弟はボス不在のダンジョンに取り込まれてしまったようだ」
「「「!???」」」
ジューアが言うが早いか、どん、と重苦しく強烈なプレッシャーがその場にいたものたちを襲った。
「な、何だこの感覚は? まるで魔物の腹の中にいるかのような」
「……弟を取り込んで、ダンジョンがランクアップしたのだろう。恐らく今のこのダンジョンは、Sランクより上」
「そ、それって」
「私もS以上のランクはあまり知らない。この感じだとSS……違うな、もっと上の……」
SSSだ、と神人ジューアは淡々と言った。
ハイヒューマンで莫大な魔力を有するルシウスを取り込んだダンジョンが、SからSSSにランクアップした、と。
アイシャたちは血の気が下がる思いを味わった。そんなハイパーランク、聞いたこともない!
「お前たちは外に出て、冒険者ギルドに報告を。この後の行動はギルドマスターに指示を仰ぐように」
「ジューア様はどうされるのですか!?」
「私は姉だ。弟の元に残るに決まってる」
「だ、ダンジョンボスですよ!? そんなことしたら……」
ジューアは問答無用で指を鳴らした。
気づくと、アイシャとトオン、ユーグレン、それにユキノはダンジョン深奥から一番近い、外部への転移ポイントを設置した休憩エリアにいた。
どうやらジューアの力で転移させられたようだ。
「とりあえずジューア様の言う通り地上へ戻ろう。なあに、ルシウス様もジューア様もハイヒューマンだ。きっと何とかなるさ」
ユーグレンが軽口を叩くがその顔色は青褪めている。
「や、ヤバいよねこれ。だってルシウスさんって」
すごく強いんでしょう……? とトオンは恐る恐る、ユーグレンに確認した。
アイシャとトオンは現在までルシウスの弟子として、一緒に何度も国内ダンジョンに潜ってきた。
だが、ランクがそこそこのBランクのダンジョンに過ぎなかったので、ルシウスの本領発揮である〝聖剣〟で戦ったところはまだ見たことがなかったのだ。
(俺たちにとってルシウスさんは、愉快で面倒見の良いお師匠様だけど。けど本当は……)
ものすごく嫌な予感がした。
不幸は続いた。
「ピャウッ!?」
全力で地上への出入口を目指そうとしていたとき、突然、綿毛竜のユキノが鳴き声を上げた。
いつもの軽やかな鳴き声ではない。悲鳴だった。
「ユキノ君、どうした!?」
「ピュイッ(みんな、急ぐよ!)」
「わっ!?」
来たときと同じように、三人まとめてふわふわの前脚で抱え込まれた。
余裕がないようで、荷物を抱えるように無造作に抱え込まれて互いにぶつかり合い痛かったが、文句を言える雰囲気でもなかった。
全力でアイシャたちを抱えて飛んだユキノが停止したのは、ダンジョン内に数十ヶ所作った休憩所のうちの一つだった。
ここは深奥に向かうとき、雛竜たちがいないことに気づいた地点の、少し手前になる。
「う、嘘……」
透明な魔法樹脂の床の上に、小さな赤い水溜まりができている。
周囲には羽毛や、羽毛の剥げた翼が散らばっていた。
それらの中央付近には赤く汚れた毛玉がいくつも落ちている。
その数、四体。
残りの一体を、見慣れぬ冒険者姿の大男が液体の入った大瓶に瓶詰めして抱えている。
床に落ちている毛玉より、ほんの少しだけ小さい。ということはあの雛竜は。
「五号ちゃん!」
「おっと、そこまでだ、聖女様。そこから動いたらこのドラゴンは酒漬けのままあの世行きだぜ」
「酒漬けですって!?」
「まさかこんな僻地の小国でレア竜種、しかも幼体の綿毛竜に遭遇できるとはなァ。知ってたかい? 魔力の高い魔物や魔獣は酒に漬け込むと高級ポーションの材料になるんだぜ」
瓶の中でアルコール漬けになっているのは、ユキノの末娘の五号だ。ガーネットの目を閉じて、ぷくぷくと泡の小さな息を吐いている。
「こやつらの姿と言動を記録した。魔力を流せば再生できる。関係各所には神人ジューアが制裁を下したと説明すれば良い」
「わ、わかりました。と、とりあえずルシウスさんの介抱を……」
だが、ルシウスの怪我を治癒しようと近寄ったアイシャの足元に、衝撃が走る。
すぐにユーグレンの大楯に庇われたが、アイシャもユーグレンも、そして拘束する男が殺されて解放されたトオンも信じられない思いで攻撃した人物を見た。
「ルシウスさん!?」
そう、アイシャに攻撃してきたのは、冒険者装備を血だらけにしているルシウスその人だった。
「す、済まない。身体が自分の言うことを聞かん……!」
怪我の治りの早いルシウスは、ノーダ男爵に刺された傷も、先ほど暗殺者に斬りつけられた傷も塞がりつつあるようだが、様子がおかしい。
「何か変な術でもかけられたとか? アッ、武器に毒が塗ってあったとか!? ……って変なエラーが出てるー!?」
ジューアが侵入者たちごと撹乱の魔導具を破壊してくれたことで、再び環が出せるようになった。
混乱しつつもトオンが胸回りに環を出してルシウスの分析をしようとした。だが、おかしなエラーが出てステータスが読み取れない。
元々ハイヒューマンの彼はステータス表示がバグりやすいのだが、弟子のトオンは師匠のルシウスのステータス閲覧許可を貰っているにも関わらず、だ。
「悪い条件が重なりすぎた。ボスを確保してすぐに、一度外に出なければならなかったな」
ぽつりと神人ジューアが呟いた。
「え?」
「ダンジョンが新たなボスを作り出す前に、弟はボス不在のダンジョンに取り込まれてしまったようだ」
「「「!???」」」
ジューアが言うが早いか、どん、と重苦しく強烈なプレッシャーがその場にいたものたちを襲った。
「な、何だこの感覚は? まるで魔物の腹の中にいるかのような」
「……弟を取り込んで、ダンジョンがランクアップしたのだろう。恐らく今のこのダンジョンは、Sランクより上」
「そ、それって」
「私もS以上のランクはあまり知らない。この感じだとSS……違うな、もっと上の……」
SSSだ、と神人ジューアは淡々と言った。
ハイヒューマンで莫大な魔力を有するルシウスを取り込んだダンジョンが、SからSSSにランクアップした、と。
アイシャたちは血の気が下がる思いを味わった。そんなハイパーランク、聞いたこともない!
「お前たちは外に出て、冒険者ギルドに報告を。この後の行動はギルドマスターに指示を仰ぐように」
「ジューア様はどうされるのですか!?」
「私は姉だ。弟の元に残るに決まってる」
「だ、ダンジョンボスですよ!? そんなことしたら……」
ジューアは問答無用で指を鳴らした。
気づくと、アイシャとトオン、ユーグレン、それにユキノはダンジョン深奥から一番近い、外部への転移ポイントを設置した休憩エリアにいた。
どうやらジューアの力で転移させられたようだ。
「とりあえずジューア様の言う通り地上へ戻ろう。なあに、ルシウス様もジューア様もハイヒューマンだ。きっと何とかなるさ」
ユーグレンが軽口を叩くがその顔色は青褪めている。
「や、ヤバいよねこれ。だってルシウスさんって」
すごく強いんでしょう……? とトオンは恐る恐る、ユーグレンに確認した。
アイシャとトオンは現在までルシウスの弟子として、一緒に何度も国内ダンジョンに潜ってきた。
だが、ランクがそこそこのBランクのダンジョンに過ぎなかったので、ルシウスの本領発揮である〝聖剣〟で戦ったところはまだ見たことがなかったのだ。
(俺たちにとってルシウスさんは、愉快で面倒見の良いお師匠様だけど。けど本当は……)
ものすごく嫌な予感がした。
不幸は続いた。
「ピャウッ!?」
全力で地上への出入口を目指そうとしていたとき、突然、綿毛竜のユキノが鳴き声を上げた。
いつもの軽やかな鳴き声ではない。悲鳴だった。
「ユキノ君、どうした!?」
「ピュイッ(みんな、急ぐよ!)」
「わっ!?」
来たときと同じように、三人まとめてふわふわの前脚で抱え込まれた。
余裕がないようで、荷物を抱えるように無造作に抱え込まれて互いにぶつかり合い痛かったが、文句を言える雰囲気でもなかった。
全力でアイシャたちを抱えて飛んだユキノが停止したのは、ダンジョン内に数十ヶ所作った休憩所のうちの一つだった。
ここは深奥に向かうとき、雛竜たちがいないことに気づいた地点の、少し手前になる。
「う、嘘……」
透明な魔法樹脂の床の上に、小さな赤い水溜まりができている。
周囲には羽毛や、羽毛の剥げた翼が散らばっていた。
それらの中央付近には赤く汚れた毛玉がいくつも落ちている。
その数、四体。
残りの一体を、見慣れぬ冒険者姿の大男が液体の入った大瓶に瓶詰めして抱えている。
床に落ちている毛玉より、ほんの少しだけ小さい。ということはあの雛竜は。
「五号ちゃん!」
「おっと、そこまでだ、聖女様。そこから動いたらこのドラゴンは酒漬けのままあの世行きだぜ」
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「まさかこんな僻地の小国でレア竜種、しかも幼体の綿毛竜に遭遇できるとはなァ。知ってたかい? 魔力の高い魔物や魔獣は酒に漬け込むと高級ポーションの材料になるんだぜ」
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