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【番外編】夏ももう終わりなのだ

おとうたんの威を借るウパルパなのだ

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 休憩から戻ってきたとき、いじめっ子のマキノ君が連れてきたのは随獣だった。

 どうやら、おうちに一度帰って、冒険者の両親の随獣を連れてきたということらしい。
 大型犬サイズの狼、エアウルフの背に乗って再びピアディに迫ってきた。
 綿毛竜コットンドラゴンのユキノ君がいま中型犬サイズなのを上回る大きさでやってくるとは、何とも。

「どうだ、プー! もふもふならこっちも負けてないぞ!」
「ぷぅ……(おのれ、こしゃくな!)」

 マキノ君が連れてきたのは、銀色のもふもふ毛の獣エアウルフ。風の魔法を得意とする狼だ。
 もふもふ度は綿毛竜コットンドラゴンのユキノ君といい勝負のふわふわである。

 だが今回、ピアディが準備してきたのは、呪いを武器として相手に脅しをかけるだけではない。
 可愛いだけではなく、何重にもしっかりセキュリティ配備する隙のないウパルパなのだ。

(ゆだんしてはならぬって、ジューアおねえたまの教えなのだ!)

 迷いなどどこにもない。ぷぅっと大きく息を吸い、そして。

「ぷぅ!(おとうたん、召喚カモン! おねがいしますぞ!)」

 まさかの保護者召喚。虎の威を借る狐、いや『聖剣の聖者様おとうたんの威を借るウパルパ』戦法である。

「ん? ようやく私の出番か?」

 実はずっと同じ広場にいて、冒険者ギルドの職員や他の父兄たちと「うちの子可愛い」談義をし合っていた聖剣の聖者様おとうたんだ。
 魔王おばばな姉から悪知恵を仕込まれたピアディが、何かやらかさないかのお目付け役でもあった。

 現れた麗しイケメンのおじさんに、子どもたち、特に女の子たちは喜んで歓声をあげていた。

 しかも、今回ピアディはいつものように聖剣の聖者様おとうたんの大きなお手々でぷにっと持ち上げられての抱っこだけではない。

「ぷぅ(おとうたんに抱っこ……かーらーの、お肩によじよじするのだ!)」

 お手々からむちっと柔らかな筋肉の付いたお胸、そして肩へとよじよじよじ登った。
 広くてがっしり、しっかりした肩の左側にばっちり短い四肢で踏ん張ってスタンバイオーケーなのである。自分までつよつよ気分を味わえるベストポジションだ!

「ぷぅ!(今日は保護者おとうたんもいっしょなのだー)」
「ず、ずるいぞプー! おとなをつれてくるなんて、このひきょうものー!」
「ぷふー(くく。なんとでも言うがよいのだ、負け犬のとおぼえー)」

 もうピアディはいっぱしのワルの顔だ。いじめっ子を追い詰めて気分が良い。











※最強保護者はやはりおとうたんで!(おうちを出る直前まで聖女ねえやと出番を取り合っていた)
おばばは皆に止められたかなと。

꒰( ˙𐃷˙ )꒱ プフーw
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