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第二章 異世界ど田舎村を救え!
俺、従兄弟を思い出す ※おいちい回
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今日のおやつはばあちゃん特製パンケーキだ。
いつもなら居間のちゃぶ台で食すが、焼きたてすぐを食べたいので俺たちは台所のテーブルでばあちゃんが焼き上げてくれるのを待っていた。
小麦粉とミルク、バターはど田舎村産だ。
日々、焼きたてパンでも食べてるこのバターがヤバい。朝搾りの生乳から手作りしたフレッシュバターだ。保存用とは別にその日食べる分は水洗いしないからミルキーな風味がたっぷり残っている。
こいつを焼きたてパンにのっけてかぶりつくと、日常の細かいことがどうでも良くなってくる。そういう至福がある。
今回パンケーキを作ると言ったら酪農家の村民夫婦がバター作りのとき出る水分バターミルクも一緒に分けてくれたので、パンケーキがさらに風味豊かになりそうだ。
ばあちゃんの焼くパンケーキにはいくつか種類がある。
日本で一般的なベーキングパウダーでふっくら厚めに焼き上げるタイプもあれば、アメリカ風のほんのり塩気のきいた生地をバターでカリッと焼き上げたもの。
あるいは北欧でよく食べられている卵多めのクレープタイプのものもある。
今日は日本のふっくらベーシックタイプをホットプレートで焼く。家族四人全員分を一度に焼けるから便利なんだ。
目の前で焼けていくホットケーキにピナレラちゃんとユキりんのお目々がキラキラしてる。
真っ白な皿にぶ厚めにまあるく焼き上げたホットケーキをのせ、メープルシロップや蜂蜜、ジャムやバターは別添え。というか共有なので各自お好きなだけ。
「ピナレラちゃん。なにのっけて食べる?」
「うんとね、うんとね……はちみちゅ!」
「こんぐらい?」
「もっとー!」
「了解、たっぷりだな」
ノリ良く請け負ったそのときだ。
俺の耳元で鋭く甲高い女の声が聞こえた。
『いじきたない! やめなさい!』
ハッとなって俺は蜂蜜をディッパーですくう手が止まった。
ズキーンと偏頭痛が起きた。直接聞こえた声じゃない。昔、この台所で聞いた怒鳴り声がフラッシュバックしたようだ。
恐る恐るばあちゃんを見ると、俺と同じように過去の出来事を思い出したのだろう。いつもニコニコ笑顔のばあちゃんの表情がちょっと固まっている。
だがさすがに年の功というべきか、すぐ気を取り直して次のパンケーキをホットプレートで焼きに入った。
「ぱんけーき。おいちいねえ」
ピナレラちゃんの幸せそうな〝おいちい〟で俺も我に返った。
ユキりんは無言でパンケーキをナイフとフォークで攻略している。こっちはメープルシロップだ。この子は美味いもん食うときの集中力がすごかっぺ。
その後、ピナレラちゃんは半分、ユキりんはさらに二枚をお代わりしておやつタイムはおしまい。
俺とばあちゃんは……なんとか一枚ずつを食いきったが、少し胃もたれしている。パンケーキが悪いわけじゃない。嫌な過去の出来事を思い出してしまったせいだ。
おやつの後、ばあちゃんは俺たちに断って仏壇のある部屋に行ってしまった。
それから部屋にこもりきり。晩飯……はまあ夕方近くになったら米だけ研いでおくか。
家族の洗濯物を庭から取り込んで、ユキりんと一緒に畳んでいた。……ばあちゃんやピナレラちゃんは俺たち男のぱんつまでしっかり畳んでくれるがまあ気分的にお手伝いだ。
「ユウキさん。クウさんが部屋で拝んでるあの箱ってなに?」
「箱? ……ああ、仏壇のことか。亡くなったじいちゃんと、俺の従兄弟を偲ぶメモリアルモニュメントみたいなもんだ」
「従兄弟? 亡くなってるの?」
「もう随分前にな。俺と同い年だったけど十五の歳に事故で死んじまった」
「どんな人だったの、その従兄弟」とユキりんが聞いてきたので俺は久し振りに従兄弟を思い出して話すことにした。
いつの間にかピナレラちゃんも寄ってきて、俺の胡座の中にインしている。
本当はユキりんの膝に乗りたいようだがまだ少年で身体が小さいので、幼女のピナレラちゃんをずっと乗せていると足が痺れてしまうのだ。
……ふ。大きく育って良かったと思う瞬間だべ!
「あんまり楽しい話じゃないんだが」
NEXT→御米田の従兄弟の話続き
いつもなら居間のちゃぶ台で食すが、焼きたてすぐを食べたいので俺たちは台所のテーブルでばあちゃんが焼き上げてくれるのを待っていた。
小麦粉とミルク、バターはど田舎村産だ。
日々、焼きたてパンでも食べてるこのバターがヤバい。朝搾りの生乳から手作りしたフレッシュバターだ。保存用とは別にその日食べる分は水洗いしないからミルキーな風味がたっぷり残っている。
こいつを焼きたてパンにのっけてかぶりつくと、日常の細かいことがどうでも良くなってくる。そういう至福がある。
今回パンケーキを作ると言ったら酪農家の村民夫婦がバター作りのとき出る水分バターミルクも一緒に分けてくれたので、パンケーキがさらに風味豊かになりそうだ。
ばあちゃんの焼くパンケーキにはいくつか種類がある。
日本で一般的なベーキングパウダーでふっくら厚めに焼き上げるタイプもあれば、アメリカ風のほんのり塩気のきいた生地をバターでカリッと焼き上げたもの。
あるいは北欧でよく食べられている卵多めのクレープタイプのものもある。
今日は日本のふっくらベーシックタイプをホットプレートで焼く。家族四人全員分を一度に焼けるから便利なんだ。
目の前で焼けていくホットケーキにピナレラちゃんとユキりんのお目々がキラキラしてる。
真っ白な皿にぶ厚めにまあるく焼き上げたホットケーキをのせ、メープルシロップや蜂蜜、ジャムやバターは別添え。というか共有なので各自お好きなだけ。
「ピナレラちゃん。なにのっけて食べる?」
「うんとね、うんとね……はちみちゅ!」
「こんぐらい?」
「もっとー!」
「了解、たっぷりだな」
ノリ良く請け負ったそのときだ。
俺の耳元で鋭く甲高い女の声が聞こえた。
『いじきたない! やめなさい!』
ハッとなって俺は蜂蜜をディッパーですくう手が止まった。
ズキーンと偏頭痛が起きた。直接聞こえた声じゃない。昔、この台所で聞いた怒鳴り声がフラッシュバックしたようだ。
恐る恐るばあちゃんを見ると、俺と同じように過去の出来事を思い出したのだろう。いつもニコニコ笑顔のばあちゃんの表情がちょっと固まっている。
だがさすがに年の功というべきか、すぐ気を取り直して次のパンケーキをホットプレートで焼きに入った。
「ぱんけーき。おいちいねえ」
ピナレラちゃんの幸せそうな〝おいちい〟で俺も我に返った。
ユキりんは無言でパンケーキをナイフとフォークで攻略している。こっちはメープルシロップだ。この子は美味いもん食うときの集中力がすごかっぺ。
その後、ピナレラちゃんは半分、ユキりんはさらに二枚をお代わりしておやつタイムはおしまい。
俺とばあちゃんは……なんとか一枚ずつを食いきったが、少し胃もたれしている。パンケーキが悪いわけじゃない。嫌な過去の出来事を思い出してしまったせいだ。
おやつの後、ばあちゃんは俺たちに断って仏壇のある部屋に行ってしまった。
それから部屋にこもりきり。晩飯……はまあ夕方近くになったら米だけ研いでおくか。
家族の洗濯物を庭から取り込んで、ユキりんと一緒に畳んでいた。……ばあちゃんやピナレラちゃんは俺たち男のぱんつまでしっかり畳んでくれるがまあ気分的にお手伝いだ。
「ユウキさん。クウさんが部屋で拝んでるあの箱ってなに?」
「箱? ……ああ、仏壇のことか。亡くなったじいちゃんと、俺の従兄弟を偲ぶメモリアルモニュメントみたいなもんだ」
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「もう随分前にな。俺と同い年だったけど十五の歳に事故で死んじまった」
「どんな人だったの、その従兄弟」とユキりんが聞いてきたので俺は久し振りに従兄弟を思い出して話すことにした。
いつの間にかピナレラちゃんも寄ってきて、俺の胡座の中にインしている。
本当はユキりんの膝に乗りたいようだがまだ少年で身体が小さいので、幼女のピナレラちゃんをずっと乗せていると足が痺れてしまうのだ。
……ふ。大きく育って良かったと思う瞬間だべ!
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