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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、酒造り成功した
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ついに日本酒『異界最中』一号が完成した。
元々の最中の材料に、ど田舎村の湧水や米、さまざまな魔石や魔力を使いまくってようやくだ。
酒造りにあたって、ペンライト型のセイバーを持ってて多色の魔力を扱えるカズアキを酷使、いや自分から積極的に協力してくれたのも良かった。
毎日隣町の冒険者ギルドに通うのはユキりんに任せて、その間カズアキには俺と一緒にもなか酒造にお籠もりだった。
カズアキのセイバーが出せる魔力は、白から始まって赤青黄色の光の三原色とそれらを混ぜて出せる多様な色が使えた。
隣町で作って貰った醸造用の魔法瓶七つを駆使して全色で試し、最終的にカズアキ本人が持ってる黄金の魔力を注いで初めて完成したのだった。
この異世界では、黄金色は勇者だけが持つ魔力の色だと聞いていた。
そういえば、と王様から夢の中で人物鑑定スキルをカズアキに使ってみると、称号欄に案の定『勇者』がある。
俺になかった異世界転移チート山盛り。羨ましい限りだっぺ……
ネット掲示板に降臨した元杜氏の助言通り、日々醸してる酒に向けての祈りも欠かさなかった。
この辺は元神官だったという村長にも相談して、アドバイスを貰っていた。
まず材料になる米、酵母、水を揃えたらそれらに『大地の恵みに感謝します』とカズアキと一緒にありがたい気持ちを上げ上げに高めて祈った。
麹を作ったり、実際醸造に仕込むときは作業に集中するからあまり余計なことは考えられない。
魔導具の魔法瓶にもろみを入れて発酵させる段階で、『美味しいお酒になりますように!』『酵母さんがいい仕事しますように! できる、お前ならできる頑張れ!』みたいなことをひたすら祈っていた。
どの言葉が一番酵母の反応が良いかもノートに全部記録してある。
こんなことで本当に良い酒ができるのか不安はあったが、祈ってると俺やカズアキの胴体周りに例の環とかいう光の円環が出現していた。
俺は腰回り、カズアキは胸周りにだ。
この光の輪っかに意識を向けると、頭がスーッとして雑念が消える。
面白いもので、上手くいくかいかないかはわからなくても、『まあ何とかなるだろ』とかすかな安心感を感じるようになった。
「なあ。この環って、結局どういうものなんだ?」
「魔法やスキルを使うコントロールパネルになってるらしいよ。世界の理とリンクするから自分以外のものと通じ合えるって聞いた」
「ほう……?」
うむ、わからん。
俺の顔にも〝?〟が出ていたんだろう。カズアキも困ったように笑っている。
「一番有名なのはアイテムボックス機能だね。僕の場合は隣国の冒険者ギルドにいたとき、環の使い手から教わったんだ。お互い環を出してるときだけ理解が深まるというか……」
「あ、そうか。師匠から学ぶこと前提か」
「そうかも。解説書もあったけど環を出してないとき読むと抽象的なことばっかりでよくわかんなかった」
「そういうもんかあ」
酒造りの間、カズアキと一緒にいる時間が長かったからいろいろと話をした。
ここぞとばかりに家族のことを聞きまくったが、やっぱりお袋さんのことになると口が重い。
その分、叔父さんや弟のことは饒舌だった。この頃のこいつは弟が父親違いって知らないはずだから、俺もその辺は上手く誤魔化して話を合わせていた……
けど環に関しては概要だけで、あんまり深くは訊かなかった。
後になって、もっとしっかり確認しておけば良かったと思うことになるんだが、このときの俺にとって環はただのアイテムボックスに過ぎなかったからなあ……
元々、最中用の酵母は味が良いことで有名だった。麹や酒粕は通販もしていたぐらい。ブームの塩麹もめちゃくちゃ漬け物が美味くなるし。
地元民用にみりんも作ってて、大手メーカーの市販品とはやっぱり味が全然違っていた。
ばあちゃんなんかは酒をあまり飲まない代わりに、みりんを薬用酒代わりによく飲んでいたっけ。まあみりんも酒の一種だけどさ。
そんな最中酵母で醸した酒は、異世界の水と魔力と祈りのお陰で、出来上がった日本酒そのものが見事に薬用ポーション化した。
薬草を加えるまでもなく、だ。これには薬師のおじさんも驚いていた。
酒飲みたちに試飲してもらうと、お猪口一杯分ぐらいで血や気の巡りが良くなって気分がふわふわ、調子が良くなる。
「これは凄い。飲むと体内の魔力がよく通る。味も爽やかで飲みやすくて良いな」
グレイシア王女様にも絶賛いただき、ようやくの酒造り、大成功だ。
レシピは、もなか村の酒米〝最神〟とど田舎村に元々あった米のミックス。
磨き度は40%、種類は純米大吟醸だ。
魔力はカズアキの黄金色のやつ。
祈りは材料、発酵時に思いついたとき酒と酒に関わるすべてに感謝と『美味しくなあれ』を随時。
……だが残念なことに、ばあちゃんに飲ませても回復したのはほんの少しだけだった。
ベッドから上半身は起こせるようになったが、長時間は無理だった。
こうなったら、やはりグレイシアさんが呼んでくれてる王家の医者が到着するのを待つしかないか。
……それまで、ばあちゃんが保つかどうかだ。
だが諦めたくない。
しばらくは酒造りを続けて、ばあちゃんに毎日飲ませる分や研究用の酒を確保することにした。
元々の最中の材料に、ど田舎村の湧水や米、さまざまな魔石や魔力を使いまくってようやくだ。
酒造りにあたって、ペンライト型のセイバーを持ってて多色の魔力を扱えるカズアキを酷使、いや自分から積極的に協力してくれたのも良かった。
毎日隣町の冒険者ギルドに通うのはユキりんに任せて、その間カズアキには俺と一緒にもなか酒造にお籠もりだった。
カズアキのセイバーが出せる魔力は、白から始まって赤青黄色の光の三原色とそれらを混ぜて出せる多様な色が使えた。
隣町で作って貰った醸造用の魔法瓶七つを駆使して全色で試し、最終的にカズアキ本人が持ってる黄金の魔力を注いで初めて完成したのだった。
この異世界では、黄金色は勇者だけが持つ魔力の色だと聞いていた。
そういえば、と王様から夢の中で人物鑑定スキルをカズアキに使ってみると、称号欄に案の定『勇者』がある。
俺になかった異世界転移チート山盛り。羨ましい限りだっぺ……
ネット掲示板に降臨した元杜氏の助言通り、日々醸してる酒に向けての祈りも欠かさなかった。
この辺は元神官だったという村長にも相談して、アドバイスを貰っていた。
まず材料になる米、酵母、水を揃えたらそれらに『大地の恵みに感謝します』とカズアキと一緒にありがたい気持ちを上げ上げに高めて祈った。
麹を作ったり、実際醸造に仕込むときは作業に集中するからあまり余計なことは考えられない。
魔導具の魔法瓶にもろみを入れて発酵させる段階で、『美味しいお酒になりますように!』『酵母さんがいい仕事しますように! できる、お前ならできる頑張れ!』みたいなことをひたすら祈っていた。
どの言葉が一番酵母の反応が良いかもノートに全部記録してある。
こんなことで本当に良い酒ができるのか不安はあったが、祈ってると俺やカズアキの胴体周りに例の環とかいう光の円環が出現していた。
俺は腰回り、カズアキは胸周りにだ。
この光の輪っかに意識を向けると、頭がスーッとして雑念が消える。
面白いもので、上手くいくかいかないかはわからなくても、『まあ何とかなるだろ』とかすかな安心感を感じるようになった。
「なあ。この環って、結局どういうものなんだ?」
「魔法やスキルを使うコントロールパネルになってるらしいよ。世界の理とリンクするから自分以外のものと通じ合えるって聞いた」
「ほう……?」
うむ、わからん。
俺の顔にも〝?〟が出ていたんだろう。カズアキも困ったように笑っている。
「一番有名なのはアイテムボックス機能だね。僕の場合は隣国の冒険者ギルドにいたとき、環の使い手から教わったんだ。お互い環を出してるときだけ理解が深まるというか……」
「あ、そうか。師匠から学ぶこと前提か」
「そうかも。解説書もあったけど環を出してないとき読むと抽象的なことばっかりでよくわかんなかった」
「そういうもんかあ」
酒造りの間、カズアキと一緒にいる時間が長かったからいろいろと話をした。
ここぞとばかりに家族のことを聞きまくったが、やっぱりお袋さんのことになると口が重い。
その分、叔父さんや弟のことは饒舌だった。この頃のこいつは弟が父親違いって知らないはずだから、俺もその辺は上手く誤魔化して話を合わせていた……
けど環に関しては概要だけで、あんまり深くは訊かなかった。
後になって、もっとしっかり確認しておけば良かったと思うことになるんだが、このときの俺にとって環はただのアイテムボックスに過ぎなかったからなあ……
元々、最中用の酵母は味が良いことで有名だった。麹や酒粕は通販もしていたぐらい。ブームの塩麹もめちゃくちゃ漬け物が美味くなるし。
地元民用にみりんも作ってて、大手メーカーの市販品とはやっぱり味が全然違っていた。
ばあちゃんなんかは酒をあまり飲まない代わりに、みりんを薬用酒代わりによく飲んでいたっけ。まあみりんも酒の一種だけどさ。
そんな最中酵母で醸した酒は、異世界の水と魔力と祈りのお陰で、出来上がった日本酒そのものが見事に薬用ポーション化した。
薬草を加えるまでもなく、だ。これには薬師のおじさんも驚いていた。
酒飲みたちに試飲してもらうと、お猪口一杯分ぐらいで血や気の巡りが良くなって気分がふわふわ、調子が良くなる。
「これは凄い。飲むと体内の魔力がよく通る。味も爽やかで飲みやすくて良いな」
グレイシア王女様にも絶賛いただき、ようやくの酒造り、大成功だ。
レシピは、もなか村の酒米〝最神〟とど田舎村に元々あった米のミックス。
磨き度は40%、種類は純米大吟醸だ。
魔力はカズアキの黄金色のやつ。
祈りは材料、発酵時に思いついたとき酒と酒に関わるすべてに感謝と『美味しくなあれ』を随時。
……だが残念なことに、ばあちゃんに飲ませても回復したのはほんの少しだけだった。
ベッドから上半身は起こせるようになったが、長時間は無理だった。
こうなったら、やはりグレイシアさんが呼んでくれてる王家の医者が到着するのを待つしかないか。
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