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第三章 異世界転移の謎を解け!
その頃、日本では~side 鈴木1
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どうもー、ユウキ先輩の可愛い後輩、鈴木オサムっス。出てくるのがオレですいませんねえ。
先輩が故郷のもなか村ごと異世界転移して帰ってくる兆しもない中、まさかのオレのお兄ちゃんが過去から先輩のいる異世界に転移したことが判明。
酷暑の続いた今年の夏のことだった。
しかもユウキ先輩はそのことをオレや、父親のゲンキ伯父さんにも誰も日本に残ってる奴らには教えてくれなかった。
というより、スマホでメッセージを何度送っても先輩に届いてないようだった。
同じように先輩から俺たち宛にお兄ちゃんの話題が入ったメッセージも一通も届いていない
――何かありそうだ。これはおかしい。
同時期にあの八十神の野郎も異世界関係者だと言い出して、さすがのオレも困惑しましたわ……
ユウキ先輩のお父さんのゲンキ伯父さん、もなか村関係者だった米俵みどり社長、――ついでに八十神も含めた四人で異世界研究会を立ち上げることになりましたよ。
事情が通じるのがこの四人しかいねえんだから仕方ねえッスわ。
夏が終わる前に一度全員で会おうって話になりましてね。
お社長の東京支社が浅草にあるので、それぞれの仕事終わった後の夜、会合には自社ビルの会議室をお借りして。
ユウキ先輩ともなか村の事件は世間に知れ渡っちまったから、さすがにファミレスでふつーにベラベラ話すわけにもいかないんで。
小会議室で円卓を挟んで正面にお社長、八十神。こっち側にオレとゲンキ伯父さん。
……なんなんだこの濃いメンツ。
尻の収まりが悪くて、オレは意味もなくペットボトルの冷えたお茶を手でくるくる回して弄んでた。
「とりあえず、僕の事情を説明します」
八十神の説明は簡潔だった。
「僕は元々、御米田君が転移した先の異世界人なんです。ただし……今、彼がいる時代より約百年ほど未来に生きています」
いやいや。わけわかんねえんですけど?
オレだけでなくゲンキ叔父さんやお社長も微妙そうな顔になっていた。
「本名はラーフ公爵ジオライド。御米田君が転移したアケロニア王国の公爵家当主です」
公爵って貴族制度の一番上じゃん。こいつそんなに偉いのかよ。
その後いろいろ詳しく説明されたが、オレはほとんど聞き流していた。ゲンキ伯父さんとみどり社長は真剣に聞いてたけどオレには関係ないことばっかだったし。
ペットボトルの中身も空になって、新しいのを買いに一度外に出よっかなと思ったとこで八十神が本題に入った。
「ジオライドの主君が異世界アケロニア王国の王で、彼が魔法を使って日本に生まれたのが御米田君なんです」
「待て待て待て。待ってくれ八十神先輩。一息に言ってるけど情報量が多い。いきなりぶっ込んできすぎ!」
見ればゲンキ伯父さんとみどり社長もまだ微妙な顔のまんまだ。正直オレもコメントに困った。
「口頭だとわかりづらいですね。ホワイトボード、お借りします」
八十神は横長のボードの真ん中に縦線を描いて左右に分けた。左に〝異世界 アケロニア王国〟と書き、右に〝日本〟と書く。
アケロニア王国エリアに〝王〟と〝勇者〟〝ジオライド〟三人を書いて一人ずつ丸で囲った。
「異世界ではファンタジー映画みたいに世界の危機が訪れまして、勇者が王や仲間たちとラスボスを倒したんですが……敵が最後の悪足掻きで王を殺そうとして、勇者が庇って意識不明の重体になってます」
「そんで?」
「勇者が目覚めなくて、庇われた王が自分のせいだと弱ってしまいまして。目覚めない理由がわからなかったのですが、高度な人物鑑定の結果、『魂に欠けがある。前世の遺骨に邪念が取り憑いているようだ』と判明しました」
「前世の遺骨って」
この状況で該当する人物は? まさか。
オレはゲンキ伯父さんと顔を見合わせた。
「はい。過去に日本へ転移してきたアケロニア王族の子孫、御米田カズアキ君です」
「嘘だろ。お兄ちゃんって。でも遺骨はもなか村の御米田家にお父さんがまだ預けたままだって」
「村ごと異世界転移して、遺骨も今アケロニア王国にあるようですが……何も変化がないようなので、向こうでトラブルが起きてるのかも」
「ま、待てよ!」
今度はオレが立ち上がる番だった。
「い、今、カズアキお兄ちゃんが異世界にいる! 多分中学ぐらいの年だ、過去から異世界転移しちまってる! 本人と遺骨が同じ場所にあるんだぞ、そんなんどうなるんだよ!?」
「え? 〝お兄ちゃん〟って……鈴木君ってカズアキ君のなに?」
「そこからかよ! 弟だよ、実の! 父親違いだけど!」
そうだ。オレはもろに御米田家の異世界転移事件の関係者だ。
両親が離婚済みで、御米田家のお父さんが日本にもういないから、もなか村消失の騒ぎにも巻き込まれずに済んでたけど。
カズアキお兄ちゃんまで異世界に行ってるなら、無関係なわけがない。
パンッ
それまで黙って話を聞いていたみどり社長が手を叩いた。
オレはハッとして握り締めてた両拳を解いた。
「そこまでにしんしゃい。いったんお開き! お腹減ったからお鮨でも摘まみに行ぐべ!」
部屋の壁掛け時計を見ると、そろそろ九時近い。確かに仕事の後ですぐ浅草に来てたからいい加減腹が減ったっスわ……
「お社長、奢りですか?」
「あんだ、そういうどごだべ」
人間そうそう変わるわけねえでしょ。これがオレですよ。
先輩が故郷のもなか村ごと異世界転移して帰ってくる兆しもない中、まさかのオレのお兄ちゃんが過去から先輩のいる異世界に転移したことが判明。
酷暑の続いた今年の夏のことだった。
しかもユウキ先輩はそのことをオレや、父親のゲンキ伯父さんにも誰も日本に残ってる奴らには教えてくれなかった。
というより、スマホでメッセージを何度送っても先輩に届いてないようだった。
同じように先輩から俺たち宛にお兄ちゃんの話題が入ったメッセージも一通も届いていない
――何かありそうだ。これはおかしい。
同時期にあの八十神の野郎も異世界関係者だと言い出して、さすがのオレも困惑しましたわ……
ユウキ先輩のお父さんのゲンキ伯父さん、もなか村関係者だった米俵みどり社長、――ついでに八十神も含めた四人で異世界研究会を立ち上げることになりましたよ。
事情が通じるのがこの四人しかいねえんだから仕方ねえッスわ。
夏が終わる前に一度全員で会おうって話になりましてね。
お社長の東京支社が浅草にあるので、それぞれの仕事終わった後の夜、会合には自社ビルの会議室をお借りして。
ユウキ先輩ともなか村の事件は世間に知れ渡っちまったから、さすがにファミレスでふつーにベラベラ話すわけにもいかないんで。
小会議室で円卓を挟んで正面にお社長、八十神。こっち側にオレとゲンキ伯父さん。
……なんなんだこの濃いメンツ。
尻の収まりが悪くて、オレは意味もなくペットボトルの冷えたお茶を手でくるくる回して弄んでた。
「とりあえず、僕の事情を説明します」
八十神の説明は簡潔だった。
「僕は元々、御米田君が転移した先の異世界人なんです。ただし……今、彼がいる時代より約百年ほど未来に生きています」
いやいや。わけわかんねえんですけど?
オレだけでなくゲンキ叔父さんやお社長も微妙そうな顔になっていた。
「本名はラーフ公爵ジオライド。御米田君が転移したアケロニア王国の公爵家当主です」
公爵って貴族制度の一番上じゃん。こいつそんなに偉いのかよ。
その後いろいろ詳しく説明されたが、オレはほとんど聞き流していた。ゲンキ伯父さんとみどり社長は真剣に聞いてたけどオレには関係ないことばっかだったし。
ペットボトルの中身も空になって、新しいのを買いに一度外に出よっかなと思ったとこで八十神が本題に入った。
「ジオライドの主君が異世界アケロニア王国の王で、彼が魔法を使って日本に生まれたのが御米田君なんです」
「待て待て待て。待ってくれ八十神先輩。一息に言ってるけど情報量が多い。いきなりぶっ込んできすぎ!」
見ればゲンキ伯父さんとみどり社長もまだ微妙な顔のまんまだ。正直オレもコメントに困った。
「口頭だとわかりづらいですね。ホワイトボード、お借りします」
八十神は横長のボードの真ん中に縦線を描いて左右に分けた。左に〝異世界 アケロニア王国〟と書き、右に〝日本〟と書く。
アケロニア王国エリアに〝王〟と〝勇者〟〝ジオライド〟三人を書いて一人ずつ丸で囲った。
「異世界ではファンタジー映画みたいに世界の危機が訪れまして、勇者が王や仲間たちとラスボスを倒したんですが……敵が最後の悪足掻きで王を殺そうとして、勇者が庇って意識不明の重体になってます」
「そんで?」
「勇者が目覚めなくて、庇われた王が自分のせいだと弱ってしまいまして。目覚めない理由がわからなかったのですが、高度な人物鑑定の結果、『魂に欠けがある。前世の遺骨に邪念が取り憑いているようだ』と判明しました」
「前世の遺骨って」
この状況で該当する人物は? まさか。
オレはゲンキ伯父さんと顔を見合わせた。
「はい。過去に日本へ転移してきたアケロニア王族の子孫、御米田カズアキ君です」
「嘘だろ。お兄ちゃんって。でも遺骨はもなか村の御米田家にお父さんがまだ預けたままだって」
「村ごと異世界転移して、遺骨も今アケロニア王国にあるようですが……何も変化がないようなので、向こうでトラブルが起きてるのかも」
「ま、待てよ!」
今度はオレが立ち上がる番だった。
「い、今、カズアキお兄ちゃんが異世界にいる! 多分中学ぐらいの年だ、過去から異世界転移しちまってる! 本人と遺骨が同じ場所にあるんだぞ、そんなんどうなるんだよ!?」
「え? 〝お兄ちゃん〟って……鈴木君ってカズアキ君のなに?」
「そこからかよ! 弟だよ、実の! 父親違いだけど!」
そうだ。オレはもろに御米田家の異世界転移事件の関係者だ。
両親が離婚済みで、御米田家のお父さんが日本にもういないから、もなか村消失の騒ぎにも巻き込まれずに済んでたけど。
カズアキお兄ちゃんまで異世界に行ってるなら、無関係なわけがない。
パンッ
それまで黙って話を聞いていたみどり社長が手を叩いた。
オレはハッとして握り締めてた両拳を解いた。
「そこまでにしんしゃい。いったんお開き! お腹減ったからお鮨でも摘まみに行ぐべ!」
部屋の壁掛け時計を見ると、そろそろ九時近い。確かに仕事の後ですぐ浅草に来てたからいい加減腹が減ったっスわ……
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