異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

真義あさひ

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第三章 異世界転移の謎を解け!

俺、ライバルのその後を知る

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 そういえば、日本にいる元後輩鈴木から何度も似たようなメッセージがスマホに届いていた。
 夏の終わり頃からだ。

「八十神八十神って……何なんだ? このメッセージ群」

 十月に入ると、途切れ途切れのメッセージに〝退職〟の文字が入るようになる。
 もう十二月の今でもたまに来る。
 どうやらあの八十神も会社を辞めることになったみたいだ。ふーん、そうなのけー。かなりどうでもええのだけど?

 八十神関連のメッセージだけが中身が消えたり、虫食いになっている。
 意味がわからない、と返信しても鈴木に届いてるんだかわからない。

 元々、異世界と日本のメッセージは時間がよくズレていた。似たような現象が起こっているようだ。

 知らない人間からも何度かメッセージがあった。これも相手の名前がわからない。
 相手のプロフィール画面も、写真も名前も空白じゃなあ。



 俺が新卒で入社して辞めた東京新橋の総合商社は、業界では戦前からある古い会社だった。
 親父が外資企業のバイヤーをやってて、子供の頃からよく海外に連れてってもらってたから英語はできた。
 目利きの親父ほどじゃないが輸入や輸出に興味があったので商社がまず第一希望だったんだ。

 本社に新卒入社した十数名は一年かけて全国の支社への挨拶回りをさせられた。
 そのとき一番気が合ったのが、女受けしそうな綺麗な顔の優男だった。――名前は八十神アキラ。

 ちょうど京都支社の研修に参加したとき、空き時間に一緒に伏見稲荷神社に観光に来て、参道で名物のいなり寿司を食ったっけ。
 ばあちゃんの手作りを抜かすと、あれが外で食べた一番美味いおいなりさんだったなあ……三角形でちっちゃくて可愛いやつだった。
 聞けば八十神は高校までは京都市内に住んでたそうで、今も母親は京都に残ってるそうだ。

 その後、俺は営業部であいつは企画部に配属されたが、何だかんだ同期で話も合うし、よく飲みも言っていた。
 新橋はサラリーマンの街だし、銀座や有楽町、東京駅も徒歩圏だから、あちこち飲み歩いたもんだ。

 ……友人だったのかな。
 お互い妙にツンケンして仲が悪くなったのはいつからだっけ……



 八十神は大学時代、学費と生活費を稼ぐためにホストをやってたそうだ。
 持ち物にブランド物が多くて小洒落てたのは当時の太客たちからのプレゼントだったんだな。

 女の扱いは確かに慣れていた。社内はもちろん、飲みに行って若い女の店員がいると注文してないサービス品がよく出てくるし、帰り際に連絡先を書いたメモやカードを貰ってたなと。
 バレンタインの季節には、俺を含む他の男どもが一律一番安い小さい箱でバラまかれてるのに対し、海外のお高いチョコレートの箱を貰ってたっけ……
 や、俺だってその頃の彼女から手作りチョコがっつり貰ってましたけどね!?

 今になって思い返すと、印象に残ってたのは験担ぎする男ってとこだな。
 企画部だったあいつは、自分の関わるプロジェクトが始まる前と終わりに必ず本社近くの神社にお参りしに行ってた。
 俺も昼飯の後で寄ったあいつに付き合って、何度か参拝したことがある。

 田舎のもなか村の祠の話をすると、興味を示したことがあった。
 なら今度帰省するとき、車借りて一緒に行こうぜって話してたのは……手酷く俺を振った元カノと付き合う寸前くらいの頃か。

 八十神もだけど、元カノも今頃なにやってるんだろな?
 まあ、もう興味もないんだけどさ。



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