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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、ついに最後のチートを使う
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必死こいて作った日本酒ポーションは、元気に成る効果はちゃんとあった。
けど一番効いて欲しかったばあちゃんに、あんまり効かない結果となってしまった。
そもそもばあちゃんは八十越えの高齢者だ。薬師のおじさんが言うように〝寿命〟だと俺たちは覚悟していた。
そこで俺は、夢の王様から貰ったチート大剣にあった魔石の、最後の一つを使うことにした。
朝一で、看病してもらってる男爵の屋敷のばあちゃんのところに駆けつけた。
ちょうどばあちゃんも朝飯を食い終わったところだった。側にこっちで預かってもらってたピナレラちゃんと、メイドさんが介助しながら、だったが。
「ユキちゃん。どうした?」
弱々しい声だったが、俺を気遣う優しさはそのまんまだ。胸に込み上げるものがあった……
自分のほうか大変なのに俺のことなんか気にしてる場合じゃねえべ!?
「ばあちゃん、ほら、あの夢の王様から貰った大剣があったべ?」
刀身に嵌め込まれた魔石は奇跡を起こす。
今からばあちゃんに使う、と言った俺に、だがばあちゃんはベッドの中から力なく笑った。
「ユキちゃん。その力はアキちゃんのために使ってけろ」
「え……?」
「アキちゃんに、元の世界に戻ったら何が起こるのか教えて、死なねえようにって警告してけれ」
「ばあちゃん……」
目の前でこんな話をしても、辛そうに顔を歪めるのは事情を前に話していたユキりんだけだ。
ピナレラちゃんはまだ難しい話はわからないし、当のカズアキはやはり内容が聞こえていない。不思議そうな顔をしている。
俺はばあちゃんのいる客間にカズアキだけ残して、ユキりんたちには外に出てもらった。
ぱたん、とドアが閉じるなり集中して魔力を両手の中に集めた。真紅の魔力がぼわっと吹き出して一振りの大剣を形作る。
俺にこの大剣をくれた夢の王様はこう言っていた。
『込められた祝福がお前に、不可能を可能にする力を与える』
王様すいません。あっという間にチート三つ使い切っちまいます。夢でまた会えたら残機をチャージしてくれたりしないでしょうか? できたら出世払いで……
あとお願いしますから魔石の効果の説明書ください……できたら三個目もウパルパ様がご降臨くださると嬉しいっぺ!
……だが、先日見た夢でウパルパ様にチャレンジさせられた『半分当たりで半分外れ』のビンゴ結果のこともある。
油断せずに行こう!
「奇跡を、お願いします王様!」
思いきり踏ん張って魔力を込めると、大剣の最後の魔石アダマンタイトは鮮やかな赤色に光った。
一つ目のときは宇宙空間、二つ目は海の中。三つ目は何かと構えたが、今回は景色は変わらなかった。
代わりに、魔石から迸った赤色の魔力の閃光が集積して部屋全体を満たした。と思ったらすぐに消えた。
気づいたときには部屋の中に見知らぬ人物が立っていた。
赤い軍服を着た若い女性だ。二十二、三歳くらいの黒髪ショートボブ――俗にいうオカッパヘアと意志の強そうな、飴茶の瞳の健康的でスタイルのいい女性だ。
続いて同じ魔石が今度は群青色に輝き、やはり閃光が走って真っ青な軍服を着た人物が現れた。
青銀のショートヘアにティールカラーの瞳の美貌の人。隣の女性より数歳年上、あの夢の中の王様と同い年くらいか。
『え、ええっ? 何が起こったの!?』
赤い軍服の女性は今まで魔石から現れた者たちと違って困惑しているし、虹色キラキラにも光っていない。
青い軍服のほうは……宇宙人三人組の美少女魔王様と、一個目の魔石を使ったとき現れたウルトラサイズのイケオジそっくりだ。
だが「ご親戚ですか?」と呑気に質問できる雰囲気でもなかった。
でも髪と目の色以外はユキりんにもそっくりだべ……
アッ、と俺は即座に重大なことに気づいて声をあげかけた。
この二人……いや片方だけだが夢の王様が片想いしてずっと切ない顔で見つめてた竜殺しのべっぴんしゃんだべ!
『こ、ここはどこでしょう?』
『聖女様。これはアケロニア国王の即位時に授けた大剣の魔石に召喚されたのでしょう。……もっとも、祝福と加護を使ったのは別の人間のようですが』
聖女様キター!
「そ、そうです、その王様から大剣を貰って! お願いします、俺たちを助けてください!」
『どうされましたか。説明を』
赤い軍服の聖女様は『従兄弟のカズアキ』に未来を教えようとすると阻害される現象を俺から聞くと、頷いて青い軍服の――竜殺しのべっぴんを見た。
それを受けて竜殺しが白い軍靴の底で軽く床をトンと叩いた。足元に夢の中の王様と似た、色違いの群青に光る帯状のフラフープが出現する。
もう一度床を叩くと、光のフラフープは部屋全体に広がって俺たちを内部に収めた。
『この輪は環と言う魔法です。環を使う者は運命のくびきから一時的に離れることができるのです』
「え、アイテムボックスじゃないんですか?」
『それは環の機能の一つですね。詳しく説明している時間のないことが残念です』
『さ、今ならその子に真実を教えることができる。あまり時間は保たないから早めにね』
『ええ。早くしないとこちらもアップルパイが焼けてしまうので』
ん? アップルパイ? と何かを思い出しかけたが、今はそれどころじゃない。
俺はベッドに身体を起こしていたばあちゃんと視線を交わし合い、頷いてから事態に目を白黒させているカズアキに向き直った。
「カズ君。いいか、これから俺が話すことは未来に起こる事実だ。信じられねえとは思うが聞いてくれ」
※ちょうど聖女様がアップルパイを焼いてるときに、ウパルパ様が御米田に召喚されてたという🍎
けど一番効いて欲しかったばあちゃんに、あんまり効かない結果となってしまった。
そもそもばあちゃんは八十越えの高齢者だ。薬師のおじさんが言うように〝寿命〟だと俺たちは覚悟していた。
そこで俺は、夢の王様から貰ったチート大剣にあった魔石の、最後の一つを使うことにした。
朝一で、看病してもらってる男爵の屋敷のばあちゃんのところに駆けつけた。
ちょうどばあちゃんも朝飯を食い終わったところだった。側にこっちで預かってもらってたピナレラちゃんと、メイドさんが介助しながら、だったが。
「ユキちゃん。どうした?」
弱々しい声だったが、俺を気遣う優しさはそのまんまだ。胸に込み上げるものがあった……
自分のほうか大変なのに俺のことなんか気にしてる場合じゃねえべ!?
「ばあちゃん、ほら、あの夢の王様から貰った大剣があったべ?」
刀身に嵌め込まれた魔石は奇跡を起こす。
今からばあちゃんに使う、と言った俺に、だがばあちゃんはベッドの中から力なく笑った。
「ユキちゃん。その力はアキちゃんのために使ってけろ」
「え……?」
「アキちゃんに、元の世界に戻ったら何が起こるのか教えて、死なねえようにって警告してけれ」
「ばあちゃん……」
目の前でこんな話をしても、辛そうに顔を歪めるのは事情を前に話していたユキりんだけだ。
ピナレラちゃんはまだ難しい話はわからないし、当のカズアキはやはり内容が聞こえていない。不思議そうな顔をしている。
俺はばあちゃんのいる客間にカズアキだけ残して、ユキりんたちには外に出てもらった。
ぱたん、とドアが閉じるなり集中して魔力を両手の中に集めた。真紅の魔力がぼわっと吹き出して一振りの大剣を形作る。
俺にこの大剣をくれた夢の王様はこう言っていた。
『込められた祝福がお前に、不可能を可能にする力を与える』
王様すいません。あっという間にチート三つ使い切っちまいます。夢でまた会えたら残機をチャージしてくれたりしないでしょうか? できたら出世払いで……
あとお願いしますから魔石の効果の説明書ください……できたら三個目もウパルパ様がご降臨くださると嬉しいっぺ!
……だが、先日見た夢でウパルパ様にチャレンジさせられた『半分当たりで半分外れ』のビンゴ結果のこともある。
油断せずに行こう!
「奇跡を、お願いします王様!」
思いきり踏ん張って魔力を込めると、大剣の最後の魔石アダマンタイトは鮮やかな赤色に光った。
一つ目のときは宇宙空間、二つ目は海の中。三つ目は何かと構えたが、今回は景色は変わらなかった。
代わりに、魔石から迸った赤色の魔力の閃光が集積して部屋全体を満たした。と思ったらすぐに消えた。
気づいたときには部屋の中に見知らぬ人物が立っていた。
赤い軍服を着た若い女性だ。二十二、三歳くらいの黒髪ショートボブ――俗にいうオカッパヘアと意志の強そうな、飴茶の瞳の健康的でスタイルのいい女性だ。
続いて同じ魔石が今度は群青色に輝き、やはり閃光が走って真っ青な軍服を着た人物が現れた。
青銀のショートヘアにティールカラーの瞳の美貌の人。隣の女性より数歳年上、あの夢の中の王様と同い年くらいか。
『え、ええっ? 何が起こったの!?』
赤い軍服の女性は今まで魔石から現れた者たちと違って困惑しているし、虹色キラキラにも光っていない。
青い軍服のほうは……宇宙人三人組の美少女魔王様と、一個目の魔石を使ったとき現れたウルトラサイズのイケオジそっくりだ。
だが「ご親戚ですか?」と呑気に質問できる雰囲気でもなかった。
でも髪と目の色以外はユキりんにもそっくりだべ……
アッ、と俺は即座に重大なことに気づいて声をあげかけた。
この二人……いや片方だけだが夢の王様が片想いしてずっと切ない顔で見つめてた竜殺しのべっぴんしゃんだべ!
『こ、ここはどこでしょう?』
『聖女様。これはアケロニア国王の即位時に授けた大剣の魔石に召喚されたのでしょう。……もっとも、祝福と加護を使ったのは別の人間のようですが』
聖女様キター!
「そ、そうです、その王様から大剣を貰って! お願いします、俺たちを助けてください!」
『どうされましたか。説明を』
赤い軍服の聖女様は『従兄弟のカズアキ』に未来を教えようとすると阻害される現象を俺から聞くと、頷いて青い軍服の――竜殺しのべっぴんを見た。
それを受けて竜殺しが白い軍靴の底で軽く床をトンと叩いた。足元に夢の中の王様と似た、色違いの群青に光る帯状のフラフープが出現する。
もう一度床を叩くと、光のフラフープは部屋全体に広がって俺たちを内部に収めた。
『この輪は環と言う魔法です。環を使う者は運命のくびきから一時的に離れることができるのです』
「え、アイテムボックスじゃないんですか?」
『それは環の機能の一つですね。詳しく説明している時間のないことが残念です』
『さ、今ならその子に真実を教えることができる。あまり時間は保たないから早めにね』
『ええ。早くしないとこちらもアップルパイが焼けてしまうので』
ん? アップルパイ? と何かを思い出しかけたが、今はそれどころじゃない。
俺はベッドに身体を起こしていたばあちゃんと視線を交わし合い、頷いてから事態に目を白黒させているカズアキに向き直った。
「カズ君。いいか、これから俺が話すことは未来に起こる事実だ。信じられねえとは思うが聞いてくれ」
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