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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、カズアキを見送る
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王様たちと別れた後、カズアキはすぐに目を覚ました。
そのカズアキと少しだけ二人で話す時間があった。
実際には暗闇の中を高スピードで飛んでたけど、
――今だけ、二人で時間の岐路に立っている。
「カズ君。戻ったら同い年の俺も東京いるしさ。どっか遊びに誘ってくれよ」
「うん」
俺は中学からは東北から家族で東京に出て、以来会社を退職するまでずっと東京にいた。
「うちの親父、ケチだからさ。叔父さんから小遣い貰ってきて」
「もうー、ユウ君てば」
カズ君がくすくす笑う。笑い方がばあちゃんそっくりだ。品があってかわいい。俺やあのグレイシアさんともほとんど同じ顔してるのにな。
「やっぱり叔母さんとはソリ合わねえんだろ? 無理しないでさ、メールでもいいから愚痴ならいつでも聞くし」
「……うん。携帯持ってないからパソコンから送るね」
そうだった。あの毒叔母はまだ早いと言って中学生のカズ君に携帯電話を与えていなかった。
十数年前の当時はまだガラケー全盛期だ。中高生で携帯を持ってなければ学校の友達からハブられる。
だが連絡を取りたがった田舎のばあちゃんのお願いを受けて、俺の親父がカズ君の父親に「持たせてやれ」と強めに言ったんだ。
そんで毒叔母が邪魔しないように、親父があいつには新規契約、俺には機種変更で秋葉原の電気屋に連れて行ってくれたんだ。
「高校は地元のとこ行くんだろ? 夏休みと冬休みは絶対もなか村に行こうぜ。叔父さんは仕事忙しいだろうけど、うちの車で一緒に行けばいいよ」
そうだ。高一の冬にこいつが事故死したとき、俺は家族でもなか村のばあちゃんちに帰省していた。
訃報を聞いたのはもなか村でだったのだ。
速攻、ばあちゃんを連れて東京に戻り、通夜と葬式、火葬まで終わった時点で、一度叔父さんちに親族で集まった。
そのとき、カズアキの部屋で、親父がこいつの日記を見つけた。
――叔母がカズアキを精神的に虐待してた証拠満載の日記をだ。
「そろそろ元の世界か。できるならお前の時代に一緒に行ってやりたいんだが」
俺たちは次元の狭間を飛んでいる。
暗い空間の中に、もうずっと無数の世界のドームが泡のように浮かんでは消えていく。
不思議だよな。宇宙はこういう構造になってたのかっていう。
「うちの親父の振りしてお前んちに探りに行くとかどうだろう?」
「無理じゃない? ユウ君、ゲンキ伯父ちゃんより小さいし」
「うぐ。俺これでも188あるのに……」
親父は2メートル近くて俺より一回り以上デカい。無理かあ。
「それにユウ君は伯父ちゃんみたいな迫力もないし」
「ごもっともで」
あの覇気はなかなか出せないもんなあ。
あれ、でも王様は迫力も覇気もなかなかのものだった。もしかしたら俺もあんなふうに進化する可能性ありかも?
そのときだ。俺たちの目の前に一つの世界が飛び込んできた。
都会的なビルを背景に、ブランドショップの並ぶ大通りが見えている。
街灯が点灯し始めた時間帯だ。夕方の逢魔が時ってやつだ。
「えっ。これ銀座の歩道橋か?」
俺が八十神に企画パクりされて彼女に振られた後、コンビニのコーヒー片手にしょんぼり夕陽を見つめた歩道橋だ。
もう太陽が落ちた時間帯のようだが、商業ビルや街灯で周囲は明るい。
歩道橋の上、真ん中あたりに男女二人の姿が見える。何やら言い争いをしているようだ。
一人は五十代ぐらいの身なりの良い女性。
スーツ姿のもう一人は……
「鈴木!?」
まさかの元勤め先の困った後輩君だ。
「オサム……お母さん」
カズアキが呆然と呟いている。
「〝お母さん〟って。……え、まさかオサムって………………あー! 従兄弟か!」
すぐ思い出せた俺さすがだわ。
そうだ、カズアキには年の離れた弟が一人いた。一度も田舎のばあちゃんちに来なかったし、俺は葬式のとき会ったきりだけど名前はオサムだった。
そんで元後輩鈴木の下の名前もオサム。くそ、男でカタカナの名前は案外珍しいんだ、なんで気づかなかったー!?
いや気づけねえって、御米田家の苗字ならともかく鈴木じゃん!?
「僕、行ってくるね」
例のLEDセイバーをカチカチ操作して大人の姿になったカズアキが言う。
「待てカズアキ!」
戻る時代が違うべ!?
「またな、ユーグレン。また、アケロニア王国で会おう」
「!?」
俺のじゃない名前でカズアキが俺を呼んだ。
それって王様の名前……!
そのままニヤッと、してやったり、な顔をして、カズアキは銀座に降り立っていった。
→鈴木は母と歩道橋で揉み合いになり……
※御米田とカズアキが高校生の頃だとiP◯oneは既にあった。けどまだ持ってるのは新しいもの好きの一部だけで、ガラケーのが多くてPHSは下火になりつつあった頃ですね。
そのカズアキと少しだけ二人で話す時間があった。
実際には暗闇の中を高スピードで飛んでたけど、
――今だけ、二人で時間の岐路に立っている。
「カズ君。戻ったら同い年の俺も東京いるしさ。どっか遊びに誘ってくれよ」
「うん」
俺は中学からは東北から家族で東京に出て、以来会社を退職するまでずっと東京にいた。
「うちの親父、ケチだからさ。叔父さんから小遣い貰ってきて」
「もうー、ユウ君てば」
カズ君がくすくす笑う。笑い方がばあちゃんそっくりだ。品があってかわいい。俺やあのグレイシアさんともほとんど同じ顔してるのにな。
「やっぱり叔母さんとはソリ合わねえんだろ? 無理しないでさ、メールでもいいから愚痴ならいつでも聞くし」
「……うん。携帯持ってないからパソコンから送るね」
そうだった。あの毒叔母はまだ早いと言って中学生のカズ君に携帯電話を与えていなかった。
十数年前の当時はまだガラケー全盛期だ。中高生で携帯を持ってなければ学校の友達からハブられる。
だが連絡を取りたがった田舎のばあちゃんのお願いを受けて、俺の親父がカズ君の父親に「持たせてやれ」と強めに言ったんだ。
そんで毒叔母が邪魔しないように、親父があいつには新規契約、俺には機種変更で秋葉原の電気屋に連れて行ってくれたんだ。
「高校は地元のとこ行くんだろ? 夏休みと冬休みは絶対もなか村に行こうぜ。叔父さんは仕事忙しいだろうけど、うちの車で一緒に行けばいいよ」
そうだ。高一の冬にこいつが事故死したとき、俺は家族でもなか村のばあちゃんちに帰省していた。
訃報を聞いたのはもなか村でだったのだ。
速攻、ばあちゃんを連れて東京に戻り、通夜と葬式、火葬まで終わった時点で、一度叔父さんちに親族で集まった。
そのとき、カズアキの部屋で、親父がこいつの日記を見つけた。
――叔母がカズアキを精神的に虐待してた証拠満載の日記をだ。
「そろそろ元の世界か。できるならお前の時代に一緒に行ってやりたいんだが」
俺たちは次元の狭間を飛んでいる。
暗い空間の中に、もうずっと無数の世界のドームが泡のように浮かんでは消えていく。
不思議だよな。宇宙はこういう構造になってたのかっていう。
「うちの親父の振りしてお前んちに探りに行くとかどうだろう?」
「無理じゃない? ユウ君、ゲンキ伯父ちゃんより小さいし」
「うぐ。俺これでも188あるのに……」
親父は2メートル近くて俺より一回り以上デカい。無理かあ。
「それにユウ君は伯父ちゃんみたいな迫力もないし」
「ごもっともで」
あの覇気はなかなか出せないもんなあ。
あれ、でも王様は迫力も覇気もなかなかのものだった。もしかしたら俺もあんなふうに進化する可能性ありかも?
そのときだ。俺たちの目の前に一つの世界が飛び込んできた。
都会的なビルを背景に、ブランドショップの並ぶ大通りが見えている。
街灯が点灯し始めた時間帯だ。夕方の逢魔が時ってやつだ。
「えっ。これ銀座の歩道橋か?」
俺が八十神に企画パクりされて彼女に振られた後、コンビニのコーヒー片手にしょんぼり夕陽を見つめた歩道橋だ。
もう太陽が落ちた時間帯のようだが、商業ビルや街灯で周囲は明るい。
歩道橋の上、真ん中あたりに男女二人の姿が見える。何やら言い争いをしているようだ。
一人は五十代ぐらいの身なりの良い女性。
スーツ姿のもう一人は……
「鈴木!?」
まさかの元勤め先の困った後輩君だ。
「オサム……お母さん」
カズアキが呆然と呟いている。
「〝お母さん〟って。……え、まさかオサムって………………あー! 従兄弟か!」
すぐ思い出せた俺さすがだわ。
そうだ、カズアキには年の離れた弟が一人いた。一度も田舎のばあちゃんちに来なかったし、俺は葬式のとき会ったきりだけど名前はオサムだった。
そんで元後輩鈴木の下の名前もオサム。くそ、男でカタカナの名前は案外珍しいんだ、なんで気づかなかったー!?
いや気づけねえって、御米田家の苗字ならともかく鈴木じゃん!?
「僕、行ってくるね」
例のLEDセイバーをカチカチ操作して大人の姿になったカズアキが言う。
「待てカズアキ!」
戻る時代が違うべ!?
「またな、ユーグレン。また、アケロニア王国で会おう」
「!?」
俺のじゃない名前でカズアキが俺を呼んだ。
それって王様の名前……!
そのままニヤッと、してやったり、な顔をして、カズアキは銀座に降り立っていった。
→鈴木は母と歩道橋で揉み合いになり……
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