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×テイマー
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僕はテイマーのカペラ。相棒は森狼のベテルギウス。つい最近まで森の中で暮らしてた。
随分前に死んだ父さんに会いに勇者・シリウスが森に来たのは三ヶ月くらい前のことだった。
シリウスは父さんがもういないことを知ると、ただ「そうか」と呟いた。その姿が、なんというか寂しそうに見えて、僕らはシリウスが元気になるまで一緒にいることにした。
彼に一緒に行きたいと告げたときは驚いていたけれど、笑って仲間に向かえてくれた。ギルドに登録するのに必要だからとベテルギウスと契約してテイマーになり、僕らは冒険者になった。
いつか、彼と別れる日が来ても、僕らだけで冒険者として旅を続けるのも悪くないのかもしれない。
街道から少し逸れた場所に今日の野営の準備をする。シリウスが火を熾している間に、四方に結界石を設置するのが僕たちの役目だ。決めた位置に設置したら、魔力を込めて結界を発動させる。
これがなかなか便利で、雨風すら凌げるのだ。もはや、家なんかいらないんじゃないだろうか。
「準備できたよ」
「ありがとう」
僕らが結界を張っている間にシリウスは料理を始めていた。手元を覗くと今日は具沢山のスープらしい。ベテルギウスのためか肉は大きめにカットされている。
呼ばれてシリウスの側まで行く。彼は僕の頭に手を乗せると【浄化】の魔法をかけた。本当は食事前に手洗いうがいしたいけれど、外ではそれもできないから、その代わりらしい。体もきれいになるから一石二鳥だ。
「手伝う?」
「パンの準備を頼む」
言われて荷物から黒パンを取り出す。ナイフでカットして並べておく。食べる直前に焚き火で少し炙るのがコツだ。
空を見れば、太陽は随分と低い位置まで来ていた。
「できたぞ」
「はーい」
並んで食事する。それだけのことなのに、なんだか擽ったい。シリウスとベテルギウスに挟まれて心がぽかぽかした。
「今日のスープも美味しい」
「よかった。まだあるからな」
「うん!」
最初の頃は、兄弟がいたらこんな感じかなって思ってた。けど、自分の気持ちがそれだけじゃないことに気づいてしまった。
食事中に明日の行程の確認をして、後片付けをする。焚き火は火の精霊にお願いして、僕たちは毛布の上に体を横たえた。ごろりと寝転ぶ僕らの間にベテルギウスがぎゅうぎゅうと割り込んでくる。
「この甘えん坊めー」
今日も頑張ってくれたベテルギウスを甘やかすように全力撫で回す。気が済むまで撫でたあと、ようやくベテルギウスを解放する。迷惑そうな顔をしながらしっぽが揺れてるのは隠せていない。
「ほら、寝るぞ」
シリウスはそう言ってベテルギウスごと僕を抱え込んだ。一瞬心臓が跳ね上がったけれど、体温が心地よくて身動きできない。
ベテルギウスは苦しかったのかもぞもぞ出ていって、足元に丸まった。
「ねぇ。シリウスと父さんはいつ知り合ったの?」
「あー、何年前だったかな。カペラはまだちっちゃかったから覚えてないかぁ」
「会ったことあるの?」
「おう。……実はな、俺はこの国の人間じゃないんだ」
「え?」
「ずーっと遠い国の出身で、シリウスってのはこの国での名前なんだ。お前の親父さんが付けてくれた」
「父さんが……」
「元いた国での名前は青星っていうんだ」
「あおせ?」
「そう。なまえになれるようにって、親父さんはシリウスとしか呼んでくれなかったけど……。時々、褒めてくれるときだけ青星って呼んでくれた」
シリウスは懐かしそうに、でもどこか寂しそうにそう言う。僕は彼の頭を撫でた。
「青星はえらいね。がんばってる。すごいよ青星」
「カペラ……」
「強いし、かっこいいし、料理もうまいし、えっと、青星はすごいね」
「……ありがとう」
うるさかったのか、ぐりぐりと僕らの間に頭を突っ込んでくるベテルギウス。その様子に二人で笑って、寝ようかと目を閉じる。火の精霊の歌に耳を傾けていれば自然と眠りに落ちていた。
随分前に死んだ父さんに会いに勇者・シリウスが森に来たのは三ヶ月くらい前のことだった。
シリウスは父さんがもういないことを知ると、ただ「そうか」と呟いた。その姿が、なんというか寂しそうに見えて、僕らはシリウスが元気になるまで一緒にいることにした。
彼に一緒に行きたいと告げたときは驚いていたけれど、笑って仲間に向かえてくれた。ギルドに登録するのに必要だからとベテルギウスと契約してテイマーになり、僕らは冒険者になった。
いつか、彼と別れる日が来ても、僕らだけで冒険者として旅を続けるのも悪くないのかもしれない。
街道から少し逸れた場所に今日の野営の準備をする。シリウスが火を熾している間に、四方に結界石を設置するのが僕たちの役目だ。決めた位置に設置したら、魔力を込めて結界を発動させる。
これがなかなか便利で、雨風すら凌げるのだ。もはや、家なんかいらないんじゃないだろうか。
「準備できたよ」
「ありがとう」
僕らが結界を張っている間にシリウスは料理を始めていた。手元を覗くと今日は具沢山のスープらしい。ベテルギウスのためか肉は大きめにカットされている。
呼ばれてシリウスの側まで行く。彼は僕の頭に手を乗せると【浄化】の魔法をかけた。本当は食事前に手洗いうがいしたいけれど、外ではそれもできないから、その代わりらしい。体もきれいになるから一石二鳥だ。
「手伝う?」
「パンの準備を頼む」
言われて荷物から黒パンを取り出す。ナイフでカットして並べておく。食べる直前に焚き火で少し炙るのがコツだ。
空を見れば、太陽は随分と低い位置まで来ていた。
「できたぞ」
「はーい」
並んで食事する。それだけのことなのに、なんだか擽ったい。シリウスとベテルギウスに挟まれて心がぽかぽかした。
「今日のスープも美味しい」
「よかった。まだあるからな」
「うん!」
最初の頃は、兄弟がいたらこんな感じかなって思ってた。けど、自分の気持ちがそれだけじゃないことに気づいてしまった。
食事中に明日の行程の確認をして、後片付けをする。焚き火は火の精霊にお願いして、僕たちは毛布の上に体を横たえた。ごろりと寝転ぶ僕らの間にベテルギウスがぎゅうぎゅうと割り込んでくる。
「この甘えん坊めー」
今日も頑張ってくれたベテルギウスを甘やかすように全力撫で回す。気が済むまで撫でたあと、ようやくベテルギウスを解放する。迷惑そうな顔をしながらしっぽが揺れてるのは隠せていない。
「ほら、寝るぞ」
シリウスはそう言ってベテルギウスごと僕を抱え込んだ。一瞬心臓が跳ね上がったけれど、体温が心地よくて身動きできない。
ベテルギウスは苦しかったのかもぞもぞ出ていって、足元に丸まった。
「ねぇ。シリウスと父さんはいつ知り合ったの?」
「あー、何年前だったかな。カペラはまだちっちゃかったから覚えてないかぁ」
「会ったことあるの?」
「おう。……実はな、俺はこの国の人間じゃないんだ」
「え?」
「ずーっと遠い国の出身で、シリウスってのはこの国での名前なんだ。お前の親父さんが付けてくれた」
「父さんが……」
「元いた国での名前は青星っていうんだ」
「あおせ?」
「そう。なまえになれるようにって、親父さんはシリウスとしか呼んでくれなかったけど……。時々、褒めてくれるときだけ青星って呼んでくれた」
シリウスは懐かしそうに、でもどこか寂しそうにそう言う。僕は彼の頭を撫でた。
「青星はえらいね。がんばってる。すごいよ青星」
「カペラ……」
「強いし、かっこいいし、料理もうまいし、えっと、青星はすごいね」
「……ありがとう」
うるさかったのか、ぐりぐりと僕らの間に頭を突っ込んでくるベテルギウス。その様子に二人で笑って、寝ようかと目を閉じる。火の精霊の歌に耳を傾けていれば自然と眠りに落ちていた。
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