▶︎【R18】天塚桃李〜四人の龍王様の嫁になりました〜

mimimi456/都古

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第三十一話 石ころ+

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義栄寝室は例えるなら、石油王の寝室と言った感じで。
金と赤の布にぐるっと銀の刺繍が縫い込まれている。
敷布、ベッドカバー、天蓋の布もそうで派手に派手な色合い。
そして豪華。
ちょっと水を飲むのも銀の水差しに銀のコップだった。

その銀がちょっと苦手で。
元々金属製品が得意じゃ無い。重いし。
木が良いな。

「好きなものを使えば良いだろ。」

当然だろ、と顎をしゃくってあれよあれよと言う間に何でもかんでも作らせ始めた。
既製品という概念が無いのは恐ろしいな。

これでもかと積まれた赤のクッションを背に敷いた義栄。
その足の間に抱え込まれ分厚い胸に背中を預けて前を向く。

「目を閉じて深く息を吐け。」

背中が温い。

「もう一回。」

「ふーっ。」

突如、部屋の空気が変わる。
ヒュッと夏の終わりに秋を知らせる冷たい風が吹いた。

「義栄、なんか空気が」

「分かるか。」

「なんとなく。」

目に見えるわけではないから、本当になんとなくとしか言いようがないが。

「これをこうする。」

西風は鋭さを帯び鎌風に変わる。
触れたものを切り裂く風だ。
それが桃李の胸元に向けられ、思わず小さな悲鳴をあげてしまう。

「ぃ、義栄...ごめ」

「オレが、怖いか。」

バレてる。
手を握ってるからそりゃそうだ。身体が跳ねたのが伝わったんだ。
あの火事以来、鋭い気配を向けられるのが怖くなった。
命の危機というものに遭遇すると人間はこんなに臆病になるんだな。

けど、あの時叱咤して助けてくれたのは義栄だ。
いつまで引きずってるんだ俺。

二人して黙ったままでしばらくそのままで居た。
手を握られて義栄の気配が馴染むのを待った。
背中は変わらず温かくて、頭を寄せた肩は心地良い。

少しずつ身体の強張りが解れていくと、ごそっと義栄の手が胸元を探る。

「なに?」

「見てみろ。」

探られた先には義栄がくれたネックレスが有る。
それがどうかしたのか。

「へ、これ、なんで?」

「ブタの貯金箱、とやらだったか?」

「凄い。」

そのネックレスは元は小さな正方形だった筈で、四龍最高硬度の金属らしい。使い方次第で盾にも武器にもなる代物だと言っていたが。

変形させて使う奴だったのか。
凄いな。

「どうやってやるんだ?」

「コイツにチカラを流し込む時、細部まで思い浮かべれば良い。」

「へぇ。」

それでさっき、義栄のチカラが向けられたのか。
怖かったな。俺にも出来るのか。

「やるんだろ姫。」

「うっす。」

ーーーーー

「集中しないか。」

「やってるっ、」

「出来てないだろ。」

例えるなら風邪を引いた時の身体の中に籠る熱を、意識的に捕まえてぎゅっと丸く固めてネックレスのプレートに突っ込む。

言うが易しだ。

どうにもうまくいかない。
義栄のチカラはそこに漂っているのが分かるのに、自分のチカラが薄過ぎてどこにあるのかさっぱりわからない。

この前子虎にチカラを流した時は上手く行ったのに。

「お前は吸われるのが専門だからな。」

「元は桃だしな。」

「オレ達の宝でもある。なぁ姫、分かりやすくしてやろうか。」

「え、うぁ...っ、何だよ。」

ひょい、と抱えられ今度は向かい合わせに座らされた。
義栄の膝の上で足は左に寄せて、腰を抱かれた。
顔が近いな。声も近い。

「宝珠は初め只の石ころだった。水晶だ。」

「へぇ。」

「その時も同じ事をした。ほら、食えよ姫。口開けろ。」

あ、と口を開けた所で舌が入ってきた。
熱くてぬるぬるで、絡ませてると気持ち良くて、義栄の舌をちぅと吸った。

吸ったら、ダメだった。

欲しい 欲しい 欲しい コレ 全部 のみたい

「モッと。」

きもち おいし きもち モット もっと もっと

「はぁっ。」

「美味いか?」

口から垂れた唾液もベロっと舐めて、飲ませてくれた。

「下手だな姫。」

「義栄、」

「何だ。」

「義栄の味、好き。」

ひんやりしたバニラアイスみたいだ。

「美味いか。」

「うまいっ。」

「なら集中しろ。ほら、忘れてるだろ。」

「あ。」

胸元をチャリと音がして、何をしてたのか思い出した。
プレートにチカラを流し込むんだった。

「ほら、たらふく食って分かりやくすなったろ。」

確かに。
身体いっぱいにチカラが溢れてる。
これなら、わかる。
プレートを握る。
この熱を、ぎゅっと集めて丸くして、ここに流し込む。

「そうだ。良いぞ。何の形にするか考えろよ。」

「で、出来た...ぁ、え!?」

手を解いて手のひらにころっと出来たそれは。
ブタの貯金箱の形をしてはいたが、何故かパンツを履いていた。

「なんで、パンツ」

「ふっ、期待させたか?」

「ぁ、尻触るなっ」

「まだ教える事が有る。そのまま良い気分で居ろよ。」


あとは練習有るのみだ。
チカラを流し込める様になる事。
自分でチカラを吸える様になる事が仙桃妃には必要だ。

「チカラを流し込むのも、自分で吸える様になるのも、オレ達が常に理性的であるとは限らないからだ。」

「穢れってやつか。」

「あぁ。」

「義栄がさっきくれたのとは違うのか?」

「あれは、オレの気だ。お前が吸うのはもっと奥だ。」

ぼーっと熱の籠る身体を抱きすくめられ、義栄のチカラに包まれる。

もっと奥って、どれだ?

「まだ奥だ。」

「奥って、なんかこれ、変な感じするんだけど、」

「あぁ。そうだろっ、」

義栄の声が耳に響く。
息が耳に掛かって熱い。
もじっ、と膝を擦り合わせる。

「食ってみろ姫。さっきと同じだ。」

「うん」

さっきと同じなら、このもやみたいなのをぎゅっと集めて、丸くして。

こっち おい で 。
おいで こっち だ 。

ゴクッ

「は、ぁ♡」

ピリピリする。
あぁ、俺がたまに飲んでたピリピリする奴って穢れだったのか?
なんか嫌なんだけど。

「美味い、か、?」

「美味しいけど。これ俺、穢れ食って気持ち良くなってるって事?」

「ふっ、正確には違う。」

桃李が吸っているのは只の穢れではない。
一旦、四龍に取り込まれた穢れだ。
つまり混じっている。

「味付きの飴みたいなものだ。」

「うーん。」

「飴のどこに味が付いてる分かるか?」

「いや、分かんない。」

「そう言う事だ。」

「これって、吸われる方も気持ちいい?」

「あぁ。良い。かなり。」

さっきから義栄の身体が熱いのが分かる。
それに、尻に当たる感触も。
俺も、さっきからもう、だめだ。

「義栄、もっとしたい。」

側にある耳に囁いて見た。
舌も這わせて、強請ってみる。

「あーーくそっ、あまりオレを煽るな。酷くするだろ。」

「少しなら酷くて良い。けどキスして。あんたのキス上手いから好きだ。」

「あぁ、分かった。後悔するなよ桃李。」

「キスしろ...ぁ、ふっ。」

「ほら、食えよ桃李。オレの中身食ってくれるか。」

キスに紛れて穢れが寄り集まって来るのが分かる。
これだ。
これを綺麗にするのが、俺のチカラの使い所。
義栄の舌を吸いながら、一緒に穢れも飲み込んでいく。

「んっ、どんだけ溜めてんだよ、」

「お前がチカラの使い方を覚えたから、もう溜めずにすむ。」

「ごめんな、キツかったろ。」

布の下から手が忍び込む。
腰と腹を掴まれ、親指が下腹を押して来る。

「良い...っ、気にするな。今はお前がいる。」

「ぁ、それ俺もしたい、」

義栄の手が下履きに突っ込まれる。
もう濡れてるそこを扱かれて、俺も義栄を気持ち良くしたい。

「良いぞ。ほら。」

夜が更けていく。
夕方から始めたはずの訓練は、たちまち色を変え濃く深く。

「はぁ...ぁ、ふ」

「桃李、口を開けろ」

桃李の強請った通り、絶え間なくキスを与えられ。
無意識から意識的にチカラを交えながら耳を犯される。

「桃李、オレの宝珠、オレ達の至宝」

気持ち良い。
かっこいい俺の強気でビビりの虎め。
猫みたいな瞳とふわっふわの癖毛を撫でる。

「俺の龍。」

「なんだ。」

「かっこいいな、」

「お前は可愛い。手が掛かるオレの宝だ。」

「ふっ、恥ずかしいやつ。」

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