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試作:リマ症候群
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必要なことはたったひとつだった。
真実だ。
「α出入り口を見張れ。」
これはその為に必要な手段に過ぎない。
「β人質の拘束は終わったか。」
βが返事をした。俺達は元軍人だ。
造作も無く、手際良く、怯える一般市民を集合させ、ボディチェックをこなし結束バンドで後ろ手に拘束し端から座らせていく。
「静粛に皆さん。」
ボスが良く通る声で人質全員の注目を集めた。
「どうか大人しくしていてくれ。そうすれば可能な限り怪我をさせることはないと約束しよう。」
そうだ。
俺達はただの荒くれ者じゃない。これは銀行だが。
俺達はただ金が欲しくて銀行強盗なんかをしているんじゃない。
これは、意味のある行動だ。
これは、俺達の主張を通す為に必要な活動なんだ。
「それをテロと言うんじゃないのかっ、!」
「静粛に。」
そうだ。これはテロと言われるものかもしれない。一般市民からしたらその違いは微々たるものかも知れない。だがデモとテロの違いは、そこに暴力が加わるかどうかによる。
だから俺達は繰り返ししつこく呼び掛けている。
俺も、ボスに従い同じ言葉を繰り返す。
「静粛に。静かにしてくれ。」
そうでないと、抱えた銃の引き金を引くことになる。
悲鳴、怯えた顔、睨み付ける男に、身を小さくする女達。
泣き出す子供を隠すように抱きしめる母親。
すまない。
俺達には、これが必要なんだ。
襲撃から6分。
計画通り、銀行の周囲にはパトカーが到着した。けたたましいサイレンの音で鼓膜が破れそうだ。シャッターは全て下ろした。俺達が狙撃される心配は無い。今の所は、だが。
Prrr
「来たな。」
警察からのコネクトだ。
これから俺達は交渉に入る。この偶々今日銀行に来ていた人達はこの瞬間から名実ともに人質へとカテゴライズされる。
メディアにとっても警察にとっても。
これでまずは一つ俺達の行動は前進した。
公的機関が人質の交渉を求めて来た、と言う事は俺達はテロリストではなく。ただの銀行強盗だと見なされた。
何故なら。
この国はテロリストと交渉などしないからだ。
ここから二歩目に進む。次に俺達の進める駒は<交渉>だ。
「おはよう。実に爽やかな朝だな、警察諸君。そんな朝に騒がせてすまないが今から俺達の要求を言う。メモは取らなくて良いか?」
ハハ、と仲間が笑う。
この人はいつもこうだ。緊迫するような瞬間にこそ冗談を言う。俺達が敵地に乗り込む前も、突撃した建物が数分後に爆撃され命からがら這いずって森の中まで逃げ延びた時だって、こうだった。
「こちら元グリーンベレー所属<セブンスター>。ジョージ・スタントン司令を連れて来てくれ。そうしたら先ずは、妊婦を一人解放する。貴女、名前は。」
ボスが彼女に視線を合わせる。
「カレン、よ」
「ミセス・カレン。ファミリーネームも教えてくれるか。警察が君の身元確認をするのに必要なんだ。生年月日と社会保障番号の下4桁も良いか。」
カレンと名乗った女性は、ボスの態度に面食らいながら答えていた。
「ありがとうカレン。ルースター、彼女に水を。」
「イエスボス。」
俺はルースターなんて名前じゃない。英語で雄鶏って意味だ。そもそも新人をヒヨッコなんて言うのは日本の文化だからな。そう口を滑らせた時から俺の新人時代のあだ名はチックに決まった。
ーーヒヨコって意味だ。
それが成長したら雄鶏になる。ルースターだ。
これがこの人達のコミュニケーションだ。何にでもあだ名を付ける。イケてる名前を付けて縁起を担いだりもする。
俺は下調べ通り、銀行の事務所に勝手に入りウォーターサーバーから水を注いで彼女に渡した。
「ありがとう、」
こんな状況でも俺達に礼を言うのか。
交渉役からの電話を切ったボスが、また人質に向き合った。
「次は貴方だ。名前は。」
ーーーーー
面倒な事になったー…。
ああこれは良くない。
何が良くないかというとあの男だ。
ボスと呼ばれている指示役の男だ。しかも相手はグリーンベレーだ。最悪だ。
<セブンスター>と名乗った。
ーー生きてたんだな。
それも5人。
それでも半分以上はあの作戦で失ったと言う事か。
いや、余計な憶測はよそう。今、必要なのはこの場から生き延びる事だ。
「次、君は…」
「俺、知ってます。」
「ふむ、彼氏かルースター。」
「違います。俺のビザを作ってくれた人です。」
「ああ、成程。ミスタ…」
「夏木です。サムで良い。呼び難いでしょう。」
「では、ミスターサム。君は俺達のルースターの本名を知っているという事か。正直に話してくれ。」
カチャ、とボスがこちらに銃口を向けてくる。
この瞬間は、何度も練習した。研修が有るんだ。大使館なんかに勤めているせいでテロリストの襲撃訓練が有るんだ。毎年、毎年、ゲリラで。うんざりだった。その度にこうして手に汗が滲む。それなのに、指先はすっかり冷え切っていて…息が詰まる…っ、
「あまり、覚えていません。」
「それじゃ答えになってないサム。キチンと質問に答えてくれ。君はこの同郷の男のフルネームが言えるか、と私は聞いているんだ。」
チャキ
肩に押し当てしっかりと固定された銃口。
その先が狙うのはこちらの心臓。一切の躊躇無しか。
やはり面倒な男だ。
「顔だけは、薄ら見覚えがある程度…です。」
じっ、と彼を見てボスを見た。瞬きもせずに。
「お前の彼氏は随分と勇ましいな、ルースター?」
「だから違いますって。」
「ルー、お前は彼を見張れ。一言も聞き漏らすなよ。」
「はい。」
チャーリーと呼ばれていた隊員と、彼が入れ替わった。
「よろしく、夏木さん。」
「君もな、雄鶏くん。」
こんな異国の地の銀行で、二人の日本人が偶然同じ場所に出会した。それも人質と加害者の一味として。
ああ…面倒なことになった。
ああ…どうしたものかね…。
ーーーーー
銀行に有ったパソコンからビデオ通話が始まった。
警察の交渉人、それからボスが呼び出した俺達の宿敵。俺達の求める真実を知る男。俺達の元上司。
ジョージ・スタントン司令。
あの日の指示、作戦、あらゆる情報をコイツが仕切っていた。
俺達は上官に従う様訓練されている。それは俺達のボスでも例外じゃない。ボスが従うなら俺達<セブンスター>も従った。
「やぁ、スタントン司令。」
あの日、俺達は誰も知らない筈の作戦に向かい、6人の仲間を喪った。何も回収出来なかった。ドックタグも、胸ポケットに入れてた写真も、湿ったタバコも、軍帽も、袖の端切も、指の一本も。何も、一緒に連れて帰ってやれなくて。
ただ、作戦前まで寝てたベッドの側に置いていたほんの少しの遺品だけを抱えて、迎えすら来ない、連絡の取りようもない状況で犯罪者紛いの行動で国境を越え…奪ったトラックのラジオ放送で聴いたんだ。
「優秀なグリーンベレー<セブンスター>の隊員は全員死んだって、話だったが。この通り俺達はピンピンしてる。あんたは元気だったか、スタントン司令?」
ここに来て初めて、ボスがドス黒い感情を露わにした。
俺達だって同じ気持ちだ。腹の底から恐怖を、歯の付け根から震えを、鼻から血の匂いを吸った…あの日を思い出して空気が変わる。
子供が恐怖で泣き出した。
そうだな。俺も泣きたかった。
いや、だいぶ泣いた筈なんだ。
毎日泣いた
毎分思い出して、毎秒、仲間の声が俺を呼ぶのを記憶が呼び起こす。
おい、ターキー
俺は七面鳥じゃねぇ、って言う。
おい、チック
俺はヒヨコじゃねぇ。それに新人は卒業した筈だろ、って言い返す。俺の話を聞いて、ヒヨッコがヒヨコならお前はターキーだな、って冗談言ってた先輩も亡くした。
だから、あの人達が居た事を忘れない様に生き残った4人は俺をルータスと呼んで、俺は返事をする。
おかしいだろ、記憶の中にはこんなにうるせぇ先輩達が居るってのに、遺ってンのは写真1枚だけなんて…っ、そんなのおかしいだろっ、!
「俺達はあの日、あの作戦が起こるまでのお前の行動を調べ上げた。」
3年だ。
俺達はコイツの身辺と、あの日の作戦と、関わった全ての人間を調べ上げた。
「俺達はお前のケツ毛の数まで言えるぞ。ナニのサイズまで発表してやてもいいぞ、スタントン。この会話は軍にも転送されているだろ。俺達の方で他にも送信しているから、とぼけるのは辞めておけよ。」
俺達の準備は万全だ。
この3年。死んだ人間がどうやってあちこち調べ回れたと思う。
俺達には味方が居た。
先輩の奥さん、兄弟、両親、パートナー。
全員が俺達の味方になってくれた。
ああ、そうだ。
俺達の先輩は、とっておきの家族を持っていた。
警察官、現役軍人、退役将校、色々力を貸してくれた。
その為に法を幾つも破らせて、申し訳ないと俺が頭を下げるのを…肩を叩いて許してくれた。
ーー私達は共犯だ、と。
だからこそ思う。
俺達は軍人だ。
ただの銀行に来ただけの一般市民に危害を加える事が有ってはならない。
これ以上、誰も巻き込まない。
俺達に必要なのは、真実だけだ。
ーーーーー
真実だ。
「α出入り口を見張れ。」
これはその為に必要な手段に過ぎない。
「β人質の拘束は終わったか。」
βが返事をした。俺達は元軍人だ。
造作も無く、手際良く、怯える一般市民を集合させ、ボディチェックをこなし結束バンドで後ろ手に拘束し端から座らせていく。
「静粛に皆さん。」
ボスが良く通る声で人質全員の注目を集めた。
「どうか大人しくしていてくれ。そうすれば可能な限り怪我をさせることはないと約束しよう。」
そうだ。
俺達はただの荒くれ者じゃない。これは銀行だが。
俺達はただ金が欲しくて銀行強盗なんかをしているんじゃない。
これは、意味のある行動だ。
これは、俺達の主張を通す為に必要な活動なんだ。
「それをテロと言うんじゃないのかっ、!」
「静粛に。」
そうだ。これはテロと言われるものかもしれない。一般市民からしたらその違いは微々たるものかも知れない。だがデモとテロの違いは、そこに暴力が加わるかどうかによる。
だから俺達は繰り返ししつこく呼び掛けている。
俺も、ボスに従い同じ言葉を繰り返す。
「静粛に。静かにしてくれ。」
そうでないと、抱えた銃の引き金を引くことになる。
悲鳴、怯えた顔、睨み付ける男に、身を小さくする女達。
泣き出す子供を隠すように抱きしめる母親。
すまない。
俺達には、これが必要なんだ。
襲撃から6分。
計画通り、銀行の周囲にはパトカーが到着した。けたたましいサイレンの音で鼓膜が破れそうだ。シャッターは全て下ろした。俺達が狙撃される心配は無い。今の所は、だが。
Prrr
「来たな。」
警察からのコネクトだ。
これから俺達は交渉に入る。この偶々今日銀行に来ていた人達はこの瞬間から名実ともに人質へとカテゴライズされる。
メディアにとっても警察にとっても。
これでまずは一つ俺達の行動は前進した。
公的機関が人質の交渉を求めて来た、と言う事は俺達はテロリストではなく。ただの銀行強盗だと見なされた。
何故なら。
この国はテロリストと交渉などしないからだ。
ここから二歩目に進む。次に俺達の進める駒は<交渉>だ。
「おはよう。実に爽やかな朝だな、警察諸君。そんな朝に騒がせてすまないが今から俺達の要求を言う。メモは取らなくて良いか?」
ハハ、と仲間が笑う。
この人はいつもこうだ。緊迫するような瞬間にこそ冗談を言う。俺達が敵地に乗り込む前も、突撃した建物が数分後に爆撃され命からがら這いずって森の中まで逃げ延びた時だって、こうだった。
「こちら元グリーンベレー所属<セブンスター>。ジョージ・スタントン司令を連れて来てくれ。そうしたら先ずは、妊婦を一人解放する。貴女、名前は。」
ボスが彼女に視線を合わせる。
「カレン、よ」
「ミセス・カレン。ファミリーネームも教えてくれるか。警察が君の身元確認をするのに必要なんだ。生年月日と社会保障番号の下4桁も良いか。」
カレンと名乗った女性は、ボスの態度に面食らいながら答えていた。
「ありがとうカレン。ルースター、彼女に水を。」
「イエスボス。」
俺はルースターなんて名前じゃない。英語で雄鶏って意味だ。そもそも新人をヒヨッコなんて言うのは日本の文化だからな。そう口を滑らせた時から俺の新人時代のあだ名はチックに決まった。
ーーヒヨコって意味だ。
それが成長したら雄鶏になる。ルースターだ。
これがこの人達のコミュニケーションだ。何にでもあだ名を付ける。イケてる名前を付けて縁起を担いだりもする。
俺は下調べ通り、銀行の事務所に勝手に入りウォーターサーバーから水を注いで彼女に渡した。
「ありがとう、」
こんな状況でも俺達に礼を言うのか。
交渉役からの電話を切ったボスが、また人質に向き合った。
「次は貴方だ。名前は。」
ーーーーー
面倒な事になったー…。
ああこれは良くない。
何が良くないかというとあの男だ。
ボスと呼ばれている指示役の男だ。しかも相手はグリーンベレーだ。最悪だ。
<セブンスター>と名乗った。
ーー生きてたんだな。
それも5人。
それでも半分以上はあの作戦で失ったと言う事か。
いや、余計な憶測はよそう。今、必要なのはこの場から生き延びる事だ。
「次、君は…」
「俺、知ってます。」
「ふむ、彼氏かルースター。」
「違います。俺のビザを作ってくれた人です。」
「ああ、成程。ミスタ…」
「夏木です。サムで良い。呼び難いでしょう。」
「では、ミスターサム。君は俺達のルースターの本名を知っているという事か。正直に話してくれ。」
カチャ、とボスがこちらに銃口を向けてくる。
この瞬間は、何度も練習した。研修が有るんだ。大使館なんかに勤めているせいでテロリストの襲撃訓練が有るんだ。毎年、毎年、ゲリラで。うんざりだった。その度にこうして手に汗が滲む。それなのに、指先はすっかり冷え切っていて…息が詰まる…っ、
「あまり、覚えていません。」
「それじゃ答えになってないサム。キチンと質問に答えてくれ。君はこの同郷の男のフルネームが言えるか、と私は聞いているんだ。」
チャキ
肩に押し当てしっかりと固定された銃口。
その先が狙うのはこちらの心臓。一切の躊躇無しか。
やはり面倒な男だ。
「顔だけは、薄ら見覚えがある程度…です。」
じっ、と彼を見てボスを見た。瞬きもせずに。
「お前の彼氏は随分と勇ましいな、ルースター?」
「だから違いますって。」
「ルー、お前は彼を見張れ。一言も聞き漏らすなよ。」
「はい。」
チャーリーと呼ばれていた隊員と、彼が入れ替わった。
「よろしく、夏木さん。」
「君もな、雄鶏くん。」
こんな異国の地の銀行で、二人の日本人が偶然同じ場所に出会した。それも人質と加害者の一味として。
ああ…面倒なことになった。
ああ…どうしたものかね…。
ーーーーー
銀行に有ったパソコンからビデオ通話が始まった。
警察の交渉人、それからボスが呼び出した俺達の宿敵。俺達の求める真実を知る男。俺達の元上司。
ジョージ・スタントン司令。
あの日の指示、作戦、あらゆる情報をコイツが仕切っていた。
俺達は上官に従う様訓練されている。それは俺達のボスでも例外じゃない。ボスが従うなら俺達<セブンスター>も従った。
「やぁ、スタントン司令。」
あの日、俺達は誰も知らない筈の作戦に向かい、6人の仲間を喪った。何も回収出来なかった。ドックタグも、胸ポケットに入れてた写真も、湿ったタバコも、軍帽も、袖の端切も、指の一本も。何も、一緒に連れて帰ってやれなくて。
ただ、作戦前まで寝てたベッドの側に置いていたほんの少しの遺品だけを抱えて、迎えすら来ない、連絡の取りようもない状況で犯罪者紛いの行動で国境を越え…奪ったトラックのラジオ放送で聴いたんだ。
「優秀なグリーンベレー<セブンスター>の隊員は全員死んだって、話だったが。この通り俺達はピンピンしてる。あんたは元気だったか、スタントン司令?」
ここに来て初めて、ボスがドス黒い感情を露わにした。
俺達だって同じ気持ちだ。腹の底から恐怖を、歯の付け根から震えを、鼻から血の匂いを吸った…あの日を思い出して空気が変わる。
子供が恐怖で泣き出した。
そうだな。俺も泣きたかった。
いや、だいぶ泣いた筈なんだ。
毎日泣いた
毎分思い出して、毎秒、仲間の声が俺を呼ぶのを記憶が呼び起こす。
おい、ターキー
俺は七面鳥じゃねぇ、って言う。
おい、チック
俺はヒヨコじゃねぇ。それに新人は卒業した筈だろ、って言い返す。俺の話を聞いて、ヒヨッコがヒヨコならお前はターキーだな、って冗談言ってた先輩も亡くした。
だから、あの人達が居た事を忘れない様に生き残った4人は俺をルータスと呼んで、俺は返事をする。
おかしいだろ、記憶の中にはこんなにうるせぇ先輩達が居るってのに、遺ってンのは写真1枚だけなんて…っ、そんなのおかしいだろっ、!
「俺達はあの日、あの作戦が起こるまでのお前の行動を調べ上げた。」
3年だ。
俺達はコイツの身辺と、あの日の作戦と、関わった全ての人間を調べ上げた。
「俺達はお前のケツ毛の数まで言えるぞ。ナニのサイズまで発表してやてもいいぞ、スタントン。この会話は軍にも転送されているだろ。俺達の方で他にも送信しているから、とぼけるのは辞めておけよ。」
俺達の準備は万全だ。
この3年。死んだ人間がどうやってあちこち調べ回れたと思う。
俺達には味方が居た。
先輩の奥さん、兄弟、両親、パートナー。
全員が俺達の味方になってくれた。
ああ、そうだ。
俺達の先輩は、とっておきの家族を持っていた。
警察官、現役軍人、退役将校、色々力を貸してくれた。
その為に法を幾つも破らせて、申し訳ないと俺が頭を下げるのを…肩を叩いて許してくれた。
ーー私達は共犯だ、と。
だからこそ思う。
俺達は軍人だ。
ただの銀行に来ただけの一般市民に危害を加える事が有ってはならない。
これ以上、誰も巻き込まない。
俺達に必要なのは、真実だけだ。
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