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第三話
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ジジジと目覚まし時計が鳴る。
わたしは日課の砂糖水を作ると、今日は起きてこなかった彼を揺り起こしに行った。
「大和。」
しかし、返事がない。
わたしはドキリとして彼の頰を強く擦る。
「大和っ、起きなさい。」
わたしは焦っていた。
彼らの命は短いのだと何度も言い聞かせていた。
それなのにいざ、
こうして目を覚さない彼を見やると息が止まりそうだ。
「大和っ、!」
「んぅーーーなぁに。」
「大和、!」
嗚呼。
彼は彼は生きていた。
わたしの愛する濃いオレンジの瞳が
またうっすらと開かれた。
また寝惚け眼のようでとろりとしている。
「良かった、良かった大和。」
「けいすけ、さん。」
わたしは思う様大和を抱きしめた。
シャツのシワだとかネクタイが曲がるだとか
気にしてはいられなかった。
薄い布団から抱き起こし、
手ずから砂糖水を与え口付けた。
こくりこくりと飲み干す彼が恥じらいながら言う。
「恥ずかしい、けいすけさん。」
「そんなに可愛い事を言うと、もっと恥ずかしい事をしたくなる。」
「だめです。お仕事に遅れちゃう、から。」
大和に促されわたしは渋々身体を離した。
出掛ける前に、いつもの様に額にキスをして声をかけた。
「行ってきます。」
「気をつけて。」
その夜の事だった。
大和がいつもの様にわたしと肌を合わせ、互いに離れ難いほどに肉欲を貪り触れていないところなどない程に。
手や舌や唇で以て愛し合った。
薄い布団の上でタオルケット一枚で。
大和はわたしの腕枕で
ほんとうに小さな声で言った。
「慶介さん。」
「どうしたんだい。」
「僕ね、旅に出ます。」
わたしはその意味を
その言葉を予め知っていた。
そう告げられた飼い主は皆、
一様に必ずこう答えなければならない。
「... ...良い旅を、大和っ。」
「うん、慶介さんもだよ。」
わたしの瞳は馬鹿みたいに涙を溢していた。
分かっていたことなのだが。涙が止まらないのだ。
これでは、彼の顔も瞳も滲んで見えやしないのに。
溢れて、溢れてきて止まらない。
「泣かないで、慶介さん。」
抱き寄せる腕に触れる大和の形が段々薄れてゆく。
その身体は彼の美しいオレンジ色に包まれ、やがてわたしの腕には何も触れるものは無くなってしまった。
まるで溶けてしまった様に
大和の身体はそこにはなかった。
「大和、!」
だが、わたしは見つけた。
薄い布団の下のタオルケットの中に、点滅する濃いオレンジの光を見つけたのだ。
「大和っ、!」
これは大和に違いない。
わたしはそっと、そっと捲り彼を出してやる。
ふわ、と舞い上がった<彼>に、わたしは引き寄せられる様に後を付いて行った。
<彼>は開け放しの縁側を抜けわたしがサンダルを履く間も
周りを飛びつつ待ってくれていた。
世闇に濃いオレンジ色の彼の光がわたしを案内してくれる。
「わたしはね、大和。
こうなる事は分かっていたよ。
だからねほんとは少し前から仕事を変えたんだよ。」
大和を不安にさせたくはなかったから今日この日まで言うまいと決めていた。
わたしは大和が熱中症でふらついたあの翌日、会社を辞めた。
しがないわたしでも会社は惜しんでくれたし、新しい門出だと花まで贈ってくれた。
「それじゃあ。今まで毎朝どこに行っていたかって?」
わたしは目の前を飛ぶ<彼>の後ろ姿に
向かって、にぃ、と微笑みかける。
「君たちの店主に弟子入りしたのさ。
そうですよね、師匠。」
じゃく、じゃくと玉砂利を踏み締め、わたしたちはあの神社の茶屋の側にある池へ着いた。
そこに待っていたのは、濃紺の地に水の流れる模様の入った着流しの男。
そしてわたしの師匠だった。
「その呼び方はやめないか慶介くん。それに<その子>が驚いている。」
「驚いたかい大和。」
きっと大和が人の形を保っていたなら、あのオレンジの瞳を大きく瞬かせていたに違いない。
その表情はきっと可愛い事だろう。
「さて、おかえり我が子。
今の名は大和と言うのだな。」
深夜の神社の裏手で、わたしたちはこの日特別な儀式をした。
師匠は大和にも丁寧に説明をしてその間<彼>は虫の形のままわたしの肩に留まっていた。
「理解出来たな?」
「はい。」
「では、始めようか。」
後から聞けば、師匠は魔法使いと言われるひとだった。
わたしたちはこの日特別な儀式でわたしたちの送るべき命の時はうんと伸びた。
師匠はあの時三桁のお年を召していらしたが、それにしてはお若い姿をしておられた。
代わりに大きな代償も得た。
わたしたちはあの儀式の日から各所を4年と経たずに移動しなければならなかった。
そうでなくては、変わらぬ見た目の差に疑問を抱く者がいたからだ。
それから多くの友だった人、恩師、親戚お隣さんの命を見送った。
それが当時のわたしにはとても、とても苦しくて胸が痛かった。
この世界にはわたしたちと師匠だけしか居ないのかと、呪いそうになる日々もあった。
しかし、わたしには大切な仕事が有った。
それは、<この子>たちを育てる事。
わたしはこの仕事を師匠から譲り受けた。
大和の額にキスをして、こそこそと師匠の元へ通っていた日々が今は遠く懐かしい。
元来、蛍が短命なのは、彼らの口が非常に退化してしまった事にある。
それは年々暖かくなるこの星の変化に彼ら蛍は着いていけなかったのだ。
師匠は幾つかの蛍たちにひとつの術をかけた。
その内、ひとつの種がとある変化を遂げた。
退化した口ではせいぜい砂糖水しか摂れない彼らが、大気中の溢れる生気を吸い始めたのだ。
それも蛹(さなぎ)から成虫になると、彼らは人型を取れるようになり言葉も理解した。
わたしはこの話を聞いて感心したのだ。
師匠の術も凄いが、
生きようと進化を遂げた彼らも凄いと。
師匠が何故この様な術を編み出したのかは知らないが。
きっとあの顔は恋に違いない、と大和がこそりとわたしに耳打ちした。
ともかく彼らの生きたいと言う煌めきが、わたしのつまらない人生を彩り恋を、愛を教え、
生きがいとも言える仕事に出会わせてくれた。
「慶介さん。」
「どうしたんだい?」
「それは、何をしているの?」
相変わらず美しい瞳で大和はわたしを見ている。
彼も緩やかに歳を経て今や青年の出立になっていた。
きっとわたしが師匠の元に弟子入りしなければ
彼のこんなに凛々しく立つ様は見られなかった事だろう。
「これは破廉恥な物語だよ。」
「な、にっ、を。」
「相変わらず可愛い君のぷるりとしたお尻をわたしはここに書き留めているんだ。
昨夜の君は惜しげもなく見せてくれたから入念に書き込んでいるところだよ?」
読んでみるかい、と促したが帰ってきたのは見事な罵声だった。昨夜の乱れた声よりも余程大きな声でひとつ怒鳴っていってしまった。
「バカ、!好きだけど、ほんとっ、バカっ、!」
「口が悪いなぁ。」
きっと師匠が教えたのだ。
前なら破廉恥と言う言葉の意味すら知らなかったろうに。
彼ら蛍は非常に賢く優しく美しい。
しかし
その命はほんの一夏程度しかない。
それでも<この子>たちは精一杯に生きていくのだ。
わたしはそんな彼らの命を
一時預かっているに過ぎない。
時が来ればこの子たちは
わたしと大和が出会った様に好いた人と巡り合い恋を知り愛を知り肌を合わせる熱さを知って、満足してその命を生きてほしい。
「せんせぇ?」
「どうしたんだい?」
「やまとくんがよんでる。」
「じゃあ、君も行こう。」
「うん。」
「上手に歩ける様になったね?」
「えへ。やまとくんがおしえてくれると
すぐにあるけるのじょうずになったよ」
「ふむ。わたしは教えるのは下手だからね。」
「そんなことないよ。」
「ありがとう、きみたちはやさしいなぁ。」
ジジジと目覚まし時計が鳴る。
わたしは日課の砂糖水を作ると、今日は起きてこなかった彼を揺り起こしに行った。
「大和。」
しかし、返事がない。
わたしはドキリとして彼の頰を強く擦る。
「大和っ、起きなさい。」
わたしは焦っていた。
彼らの命は短いのだと何度も言い聞かせていた。
それなのにいざ、
こうして目を覚さない彼を見やると息が止まりそうだ。
「大和っ、!」
「んぅーーーなぁに。」
「大和、!」
嗚呼。
彼は彼は生きていた。
わたしの愛する濃いオレンジの瞳が
またうっすらと開かれた。
また寝惚け眼のようでとろりとしている。
「良かった、良かった大和。」
「けいすけ、さん。」
わたしは思う様大和を抱きしめた。
シャツのシワだとかネクタイが曲がるだとか
気にしてはいられなかった。
薄い布団から抱き起こし、
手ずから砂糖水を与え口付けた。
こくりこくりと飲み干す彼が恥じらいながら言う。
「恥ずかしい、けいすけさん。」
「そんなに可愛い事を言うと、もっと恥ずかしい事をしたくなる。」
「だめです。お仕事に遅れちゃう、から。」
大和に促されわたしは渋々身体を離した。
出掛ける前に、いつもの様に額にキスをして声をかけた。
「行ってきます。」
「気をつけて。」
その夜の事だった。
大和がいつもの様にわたしと肌を合わせ、互いに離れ難いほどに肉欲を貪り触れていないところなどない程に。
手や舌や唇で以て愛し合った。
薄い布団の上でタオルケット一枚で。
大和はわたしの腕枕で
ほんとうに小さな声で言った。
「慶介さん。」
「どうしたんだい。」
「僕ね、旅に出ます。」
わたしはその意味を
その言葉を予め知っていた。
そう告げられた飼い主は皆、
一様に必ずこう答えなければならない。
「... ...良い旅を、大和っ。」
「うん、慶介さんもだよ。」
わたしの瞳は馬鹿みたいに涙を溢していた。
分かっていたことなのだが。涙が止まらないのだ。
これでは、彼の顔も瞳も滲んで見えやしないのに。
溢れて、溢れてきて止まらない。
「泣かないで、慶介さん。」
抱き寄せる腕に触れる大和の形が段々薄れてゆく。
その身体は彼の美しいオレンジ色に包まれ、やがてわたしの腕には何も触れるものは無くなってしまった。
まるで溶けてしまった様に
大和の身体はそこにはなかった。
「大和、!」
だが、わたしは見つけた。
薄い布団の下のタオルケットの中に、点滅する濃いオレンジの光を見つけたのだ。
「大和っ、!」
これは大和に違いない。
わたしはそっと、そっと捲り彼を出してやる。
ふわ、と舞い上がった<彼>に、わたしは引き寄せられる様に後を付いて行った。
<彼>は開け放しの縁側を抜けわたしがサンダルを履く間も
周りを飛びつつ待ってくれていた。
世闇に濃いオレンジ色の彼の光がわたしを案内してくれる。
「わたしはね、大和。
こうなる事は分かっていたよ。
だからねほんとは少し前から仕事を変えたんだよ。」
大和を不安にさせたくはなかったから今日この日まで言うまいと決めていた。
わたしは大和が熱中症でふらついたあの翌日、会社を辞めた。
しがないわたしでも会社は惜しんでくれたし、新しい門出だと花まで贈ってくれた。
「それじゃあ。今まで毎朝どこに行っていたかって?」
わたしは目の前を飛ぶ<彼>の後ろ姿に
向かって、にぃ、と微笑みかける。
「君たちの店主に弟子入りしたのさ。
そうですよね、師匠。」
じゃく、じゃくと玉砂利を踏み締め、わたしたちはあの神社の茶屋の側にある池へ着いた。
そこに待っていたのは、濃紺の地に水の流れる模様の入った着流しの男。
そしてわたしの師匠だった。
「その呼び方はやめないか慶介くん。それに<その子>が驚いている。」
「驚いたかい大和。」
きっと大和が人の形を保っていたなら、あのオレンジの瞳を大きく瞬かせていたに違いない。
その表情はきっと可愛い事だろう。
「さて、おかえり我が子。
今の名は大和と言うのだな。」
深夜の神社の裏手で、わたしたちはこの日特別な儀式をした。
師匠は大和にも丁寧に説明をしてその間<彼>は虫の形のままわたしの肩に留まっていた。
「理解出来たな?」
「はい。」
「では、始めようか。」
後から聞けば、師匠は魔法使いと言われるひとだった。
わたしたちはこの日特別な儀式でわたしたちの送るべき命の時はうんと伸びた。
師匠はあの時三桁のお年を召していらしたが、それにしてはお若い姿をしておられた。
代わりに大きな代償も得た。
わたしたちはあの儀式の日から各所を4年と経たずに移動しなければならなかった。
そうでなくては、変わらぬ見た目の差に疑問を抱く者がいたからだ。
それから多くの友だった人、恩師、親戚お隣さんの命を見送った。
それが当時のわたしにはとても、とても苦しくて胸が痛かった。
この世界にはわたしたちと師匠だけしか居ないのかと、呪いそうになる日々もあった。
しかし、わたしには大切な仕事が有った。
それは、<この子>たちを育てる事。
わたしはこの仕事を師匠から譲り受けた。
大和の額にキスをして、こそこそと師匠の元へ通っていた日々が今は遠く懐かしい。
元来、蛍が短命なのは、彼らの口が非常に退化してしまった事にある。
それは年々暖かくなるこの星の変化に彼ら蛍は着いていけなかったのだ。
師匠は幾つかの蛍たちにひとつの術をかけた。
その内、ひとつの種がとある変化を遂げた。
退化した口ではせいぜい砂糖水しか摂れない彼らが、大気中の溢れる生気を吸い始めたのだ。
それも蛹(さなぎ)から成虫になると、彼らは人型を取れるようになり言葉も理解した。
わたしはこの話を聞いて感心したのだ。
師匠の術も凄いが、
生きようと進化を遂げた彼らも凄いと。
師匠が何故この様な術を編み出したのかは知らないが。
きっとあの顔は恋に違いない、と大和がこそりとわたしに耳打ちした。
ともかく彼らの生きたいと言う煌めきが、わたしのつまらない人生を彩り恋を、愛を教え、
生きがいとも言える仕事に出会わせてくれた。
「慶介さん。」
「どうしたんだい?」
「それは、何をしているの?」
相変わらず美しい瞳で大和はわたしを見ている。
彼も緩やかに歳を経て今や青年の出立になっていた。
きっとわたしが師匠の元に弟子入りしなければ
彼のこんなに凛々しく立つ様は見られなかった事だろう。
「これは破廉恥な物語だよ。」
「な、にっ、を。」
「相変わらず可愛い君のぷるりとしたお尻をわたしはここに書き留めているんだ。
昨夜の君は惜しげもなく見せてくれたから入念に書き込んでいるところだよ?」
読んでみるかい、と促したが帰ってきたのは見事な罵声だった。昨夜の乱れた声よりも余程大きな声でひとつ怒鳴っていってしまった。
「バカ、!好きだけど、ほんとっ、バカっ、!」
「口が悪いなぁ。」
きっと師匠が教えたのだ。
前なら破廉恥と言う言葉の意味すら知らなかったろうに。
彼ら蛍は非常に賢く優しく美しい。
しかし
その命はほんの一夏程度しかない。
それでも<この子>たちは精一杯に生きていくのだ。
わたしはそんな彼らの命を
一時預かっているに過ぎない。
時が来ればこの子たちは
わたしと大和が出会った様に好いた人と巡り合い恋を知り愛を知り肌を合わせる熱さを知って、満足してその命を生きてほしい。
「せんせぇ?」
「どうしたんだい?」
「やまとくんがよんでる。」
「じゃあ、君も行こう。」
「うん。」
「上手に歩ける様になったね?」
「えへ。やまとくんがおしえてくれると
すぐにあるけるのじょうずになったよ」
「ふむ。わたしは教えるのは下手だからね。」
「そんなことないよ。」
「ありがとう、きみたちはやさしいなぁ。」
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