あなたが好きです

4

弦一郎が目を覚ました。弦一郎はベッドの上で寝かされておりキョロキョロして辺りを見渡した。寝室のようだがあの人には似合わない可愛らしいテディベアのぬいぐるみが部屋中にいっぱいだった。弦一郎は少し.....いやかなり引いてしまっていた。そんな時、ガチャッと扉が空いた。

「起きてたんだね。気分とかどうかな？」

「だ....大丈夫です....って、すみません！ベッドを占領してて！」

弦一郎が慌ててベッドから降りようとしたが悠真に止められた。そして、弦一郎の横に座って頭を撫でた。

「お腹は空いてるかい？空いてるなら用意するけど....。」

「えっと.....まだ空いてないです....。それよりも....色々と教えて欲しいのですが....。」

弦一郎はおずおずとした態度で尋ねてみた。悠真は弦一郎が質問に一つ一つ説明をした。

「(高森　悠真(たかもり　ゆうま)さん....３６歳で俺の旦那さん....。会社経営してて社長さん....社長さんならこんな所に住んでても可笑しくはないな....。俺とは見合いで知り合いそのまま交際し結婚。ここには付き合いから一緒に住んでるらしく俺は悠真さんに甘えて暮らしていたそうだ。高身長、高学歴、高収入....イケメン....。お見合いせんでも色とりどりだろうに.....。そして....俺は何故か川で溺れていて１ヶ月も意識不明だったらしい。同性結婚も出来てそれから.....毎日....悠真さんとセ.....)」

弦一郎は色々と考えてる間、悠真に抱きしめられいろんな所にキスされていた。それに気づいた弦一郎は顔を真っ赤に染めた。

「あの.....高森さん.....。その.....恥ずか....。」

「悠真だよ。」

悠真は弦一郎の言葉を遮った。

「へ....？」

「弦は俺を悠真って呼んでたんだよ。」

「ゆう....ま....さん....？」

悠真は弦一郎の疑問形になってる言葉に笑い出した。

「ぷっ.....。なんでそこに疑問形になるんだい？普通に悠真でいいんだよ。夫婦なんだから敬語もいらないよ。」

「はい....。」

「まぁ.....すぐには無理だろうから徐々にね。」

悠真は微笑みながら弦一郎の頭を撫でる。弦一郎はその言葉に安心して少し微笑んで悠真にくっついた。そして、今後の事はゆっくり考えようと思った。くっついてきた弦一郎に悠真も安心した様子で見守っていた。ゆったりとした時間を過ごす2人にぐうううううっとお腹が鳴り顔を見合わせて笑った。

「お腹すいたね、食べようか。」

「はいっ！」

弦一郎は元気に返事をして悠真と一緒に台所に行きご飯の準備を手伝った。ご飯は弦一郎の好きなオムライスだった。他にはサラダにスープ、デザートにはウサギのリンゴ。弦一郎はワクワクしながら椅子に座り悠真も弦一郎の隣に座った。いただきますと2人で手を合わせ弦一郎はスプーンを取ろうとしたが先に悠真に取られあれ？と思った時に悠真から/スプーンでオムライスを取りアーンの行動をした。

「じ....自分で食べれますよ。」

「あ、ごめんごめん。いつもこうやって食べさせてたからつい。」

しょんぼりとしながら悠真はそう言った。弦一郎はどんだけ俺は甘えてたんだろうかと思ってしまったが甘えたい気持ちもあり....何より悠真を悲しい気持ちにさせたくないと思い悠真の持つスプーンをパクッと食べた。

「んっ！美味しい！もっと食べさせてっ！」

本当に美味しかったのか笑顔で言い、口を開けて次がくるのを待った。そんな様子の弦一郎に悠真は嬉しそうに微笑み食べさせて穏やかな時間になった。