ヘイそこのいっぺん死んだ彼女! 俺と一緒にドラゴン狩らない?

尾形モモ

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解体

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「こんな大物、初めて獲った」とはしゃぐミシェルはすぐに熊の解体を始めた。



「血もたくさん出るし、慣れない人が見たら気分が悪くなる。君はしばらくここから離れた方がいい」

 ミシェルにそう促されたものの、レイチェルはゆるゆると頭を振る。



 今まで意識してなかった自分の『加護』、自分の持っている力が誰かの役に立っていると初めて実感できた瞬間――それに気づかせてくれたミシェルのため、もっと何か役に立つようなことがしたいと考えていた。

 フェスタ―王子に連れられての初仕事、その全容を最後まで見届けたい……加えてレイチェルは今になって、血や内臓に怯えるなんてことはないと思っていた。



 かつて自らの命を投げ捨て、その生命の力が失われていくのを見た時――レイチェルはこれでもかというほど、自分の体から血が溢れ出てくるところを見てきたのだ。



 今更、動物の血なんて怖くなんかない……そう覚悟を決めたレイチェルの心情を察したのか、ミシェルは懐から大きめのナイフを取り出し熊の解体を始める。

「本格的な解体をするには、このナイフだけじゃ足りないし僕だけじゃなくて他の連中の手も借りなきゃいけないけれど……とりあえず運びやすくするために、大雑把に分けるから」

 言いながらレイチェルは、刃を熊の死体に突き立てる。



 狩りの知識がないレイチェルにも、大きな獣の解体が大変だということはなんとなく想像できる。

 だがミシェルの手際は実に鮮やかで、レイチェルはその様子にグロテスクさよりも畏敬の念すら感じた。惚れ惚れしたくなるほどテキパキと、血を抜き熊だったものを細かくしていくミシェル。それでもさすがに疲れたのか、「ふぅ」と息をつく。ひと段落すると「こんなものかな」と呟きレイチェルの方を向き直ると「悪いけど、運ぶのは手伝ってくれないかな」と口を開いた。
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