ヘイそこのいっぺん死んだ彼女! 俺と一緒にドラゴン狩らない?

尾形モモ

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素直

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「君、何を言っているんだ?」

 訝し気にそう尋ねたのはミシェルだった。



 咄嗟に身構えたレイチェルだが、ミシェルはそんなレイチェルの反応になおさら不思議そうな様子を見せる。

「居合わせること、それそのものが君の『加護』の力なんだろう? だからこそ、フェスタ―王子はこうやってここに連れてきたわけで……なんでそれを、そんな風に否定するんだい? 褒められたんだから、素直に受け入れればいいんじゃないのか?」

 責めるわけでもなく悪意を見せるわけでもない。例えるなら幼児が自然現象を見て「なぜ?」と問いかけるような純粋な言葉。拍子抜けするほどあっさりしたその反応に、レイチェルの体から力が抜けていく。



 褒め言葉を受け止める。



 ミシェルが何気なく口にしたその行為はレイチェルにとって、考えたこともない行動だった。

 そもそもレイチェルが褒められることと言えば、ナナリーのために何か我慢した時ぐらいだった。それすら「姉なんだから当然」という前提の上に成り立つもので、レイチェル本人の努力を単体として評価されるものではない。何よりガーランド家で褒められることがある人間といえば、ナナリーぐらいだった。

「ナナリーは耳が聞こえないという障害を持っているけど、頑張って生きている」
「ナナリーは普通とは違う学校に行っているけど、きちんと勉強していい成績を取っている」
「ナナリーは養子だけどレイチェルと違って懸命に自分の生い立ちへ向き合っている」

 ……そんな賛辞の数々を聞かされるだけだったレイチェルが、加護の力があるからとはいえただ「そこにいる」というだけで褒められる。それは未知の体験であり、フェスタ―王子に連れられたからとはいえにわかには信じがたいことだった。



「……まぁ、ミシェルの言う通り素直に受け止めればいいんじゃないかな」

 困惑するレイチェルの耳に、フェスタ―王子の落ち着いた声が響いた。
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