米国名門令嬢と当代66番目の勇者は異世界でキャンプカー生活をする!~錬金術スキルで異世界を平和へ導く~

だるま 

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レアネー市救出作戦

レアネー市救出作戦⑤

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「よう! 俺が亀の甲羅団のリーダー、ナスド・チョセだ。チェスターといったか? さっき会ったよな?」

「ええ。先程ぶりです。こちらはフレイティア公爵イリア様です」

「宜しく頼むよ。ナスド」

「ああ、任せときな!」

 マリ達四人がSランク冒険者達の野営地に行くと、ムキムキの男が干し肉を噛みながら出迎えてくれた。ジ○イソン・ステイサム似のちょい悪親父だ。彼は何故か上半身裸だ。見てほしいのかと思い、遠慮なく鍛え上がられた肉体を眺める。
 そんな彼の後ろには年齢も性別も、種族すらもバラバラな四人が控えていて、鋭い眼差しでこちらを射る。

「遠方からわざわざ来てもらって悪いね」

「気にしなくていいぜ! 実績作りと、資金稼ぎにちょうどいい案件だからな、喜んで受けてやんよ! ところで、アンタの後ろに居る妙に魔力の高いガキ共は何者なんだ?」

 ナスドは顎の無精髭を撫でながらマリと試験体066を観察する。

「この子達は、縁あってこの騒動の解決に協力してくれる事になった、力強い助っ人だよ」

「私はマリ・ストロベリーフィールド。手柄と報奨金はアンタ達にあげるから、友好的に接してよね」

「……右に同じく……」

 マリ達の微妙すぎる自己紹介に、ナスドは笑い声を上げる。

「話の分かる奴等だ。気に入ったぜ!」

 右手を差し出されたので、しょうがなく握ってやると、肩が抜けそうな程にブンブンと上下に振られる。慌てて取り戻した手に、オッサンの汁がついてしまい、ハンカチでゴシゴシ拭う。これだから筋肉バカは嫌なのだ。

「チェスター君に聞いたんだけど、君達さっき市内に偵察しに行ったんだってね」

「ああ。仲間の中にインビジブルの魔法を使える者がいてな。約三十分程歩いてきた」

「なるほど。流石はSランク冒険者のパーティーだね。どうやって偵察したのかと不思議だったけど、魔法を使ったわけだ」

「インビジブルって何?」

 この世界の常識に疎いマリは、公爵とナスドの話についていくのが少々きつい。話の腰を折るのは気がひけるが、質問してみる事にした。

「他人から姿を見られなくする魔法。消費魔力が半端ないんで、長時間は使えない」

 ぶっきら棒な口調で説明してくれたのは、紫色のローブに、トンガリ帽子を被った女性だ。肌の色が黒く、瞳が淡いブルーの、神秘的な外見をしている。

「へぇ……。便利そう」

 マリは女性の吸い込まれそうな瞳に魅了されながら頷く。

「こいつはユネ。この国で十本の指に入る魔法使いなんだぜ!」

「そこは嘘でも一番って言え。クソ親父」

「ガハハ!!」

 仲の良さそうなやり取りだ。Sランク冒険者というから、プライドが高く、とっつき難いタイプの人々をイメージしていたが、これならうまく関われそうで、一安心だ。

「偵察の報告をしてやる。俺たちはさっき、東側から中央をなんとか回りきった」

 ナスドは地図を広げ、黒い木炭で東から真ん中を囲む様に円を描いた。

「瘴気に侵されていないと思わしき住民が多数広場に集められていた。恐らく逃げ遅れた奴等なんだと思うが、数十人の監視役が見張っていたな」

 地図の中央部に、ガガッとバツがつけられる。きっとそこが広場なのだ。

「アイツらは、魔人の餌にされちまうだろうな。今まで何人犠牲になったか知らないが、救出を急がないと、やばいのは確かだぜ」

 ナスドの状況説明を聞き、マリと公爵は目を見合わせた。

「瘴気に侵されていない人達が市内に残ってるんだね。……という事は、浄化対象者はさっきの想定より少ない?」

「そうなるのかな? チェスター君、さっき君が言っていた、2,000人という数字に、この人数を反映していた?」

「いえ……。私も今初めて内部の状況を聞いているので、先程は考慮しない数字を言いました」

 浄化対象者が想定より減るのは朗報である。土の神殿の術者達はやる気を出してくれたが、ギリギリまで働かせ、倒れられても困るため、負担を減らしたい気持ちはある。

「それと、広場付近で気になるモンを拾っちまった」

 ナスドは皮袋を漁り、中から何か丸っこい物を取り出した。
 それを見て、マリは思わず叫んでしまった。

「うあぁ!! なんでそんな物が!?」

 何とその物体は、マ○ドナルドのハンバーガーの包み紙だったのである。
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