パステル

ちょこ

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第1章:始まり

10話

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富岡
「村田さんは、この子達の事…どう思っていますか?」

村田
「大体は直ぐに自分の能力を使う事が出来る生徒達ばかりで助かる。だが、氷鷹君が心配だな」

富岡
「氷鷹君は氷の能力者なんですよね…
氷の能力は…全てを凍りつかせる事が出来る…能力の中では、音と鉄と同じくらいに強力な技です。氷鷹君の能力が暴走しないようにしないといけないですね」

村田
「そうだな。わし達には、教えるしか
方法が無い」

そうわし達には教えるしか方法が無いのだ。
生徒達に教えて生徒達に覚えてもらって能力が暴発しないようにコントロールをさせる。


「あの、村田さん。富岡さん。折角、指導をして頂ける御機会を無駄にしてしまって本当にすみません」

俺は頭を下げる。
俺は心の底から申し訳ないと思っている。
俺は、まだ、自分の能力を上手くコントロールする事が出来ていない。
俺の能力の氷は失敗すると人を完全に凍らせる事が出来てしまう代物だ。
だからこそ、コントロールは必須なんだ。

村田
「まぁ、今回は初めてだから…仕方ないな。次からは気を付けなさい」

富岡
「そうですよ。気を付ければ大丈夫なんです。貴方がコントロールするのが難しいのなら…集中です。集中すれば能力をコントロールする事なんて可能なんですから。それだけ、貴方は能力の才能に恵まれているんですよ」

2人にそう言ってもらえて安心した。
何だか、良かったようなホッとしたような気がした。

音鉄先生
「じゃあ、お二人とも気を付けて帰って下さい」

富岡
「分かりました!皆さん、どうも今日はありがとうございました」

村田
「今日はありがとう。また、次回も来るからな。覚悟しておけよ」

2人は立ち去って行った。
俺達はクラスに戻る。
訓練中に俺は保健室のベットで横になっていたのが恥ずかしいなって思って
それは言えない。

涼真
「先生!次は何をするんですか?」

音鉄先生
「もう、帰って良いぞ。家にな」

南乃花
「どうしてですか?」

音鉄先生
「パステルが出現したからな」

どういう意味なのだろうか。
そのままパステルが出現したという意味なのだろうか。
音鉄先生が言った意味が分からない。
これからどうしたら良いんだろう。

綾香
「家って…自分の住んでる家に…ですか?」

音鉄先生
「あぁ」

林太郎
「僕達は、まだ資格とか取ってないから参加出来ないんですね」

音鉄先生
「まぁな」

生徒達に申し訳ないと思う。
でも、パステルが出現したら僕が直接パステル退治をしないといけないからな。
今日は、大変な1日になりそうだ。

剛志
「じゃあ、帰るか」

涼真
「おう。俺も帰るぜ」

明紀
「はぁ…父親が居なかったら良いんだけどな」

颯太
「父親と仲でも悪いのか?」

明紀
「まぁ、仲は良くないかな…」

林太郎
「まぁまぁ、皆んなで帰ろう」

林太郎
「氷鷹君?」


「悪い、俺…ちょっも先生に用があって」

涼真
「じゃあ、先に家に帰ってるわ。
またな」


「うん。また、明日ね」

俺は心の中で皆んなに謝罪した。
俺は音鉄先生に着いていかないといけない。


「音鉄先生」

音鉄先生
「どうした?ほら、帰るぞ」


「はい」

音鉄先生の優しい声が好き。
心が落ち着く。
そして、瞼が下がる。
目を開けると叔母さんが心配そうな顔で俺の事を見ていた。

叔母
「湊君。ごめんなさいね。起こしちゃった?」


「いいえ。大丈夫です。すみません…
また、心配を掛けてしまって」

叔母
「大丈夫よ。仕事は他の人に任せてきたから」

そう優しく微笑む叔母さん。
叔母さんは俺の父親の姉に当たる人だ。
俺が6歳の頃に父親と兄をパステルに殺された。
俺は、友達の家から自分の住む家に帰って来たばかりだった。
理解する事なんて出来なかった。
俺は1人になったと思った。
叔母さんが引き取ってくれる事になった。
それがただただ嬉しかった。

結衣
「じゃあ、帰るか」

未来
「結衣。皆んなで帰ろう?」

結衣
「私は未来と一緒に帰りたいだけ」

未来
「だーめ。結衣。他の人とも交流だよ?」

結衣
「・・・」

未来は昔から私に未来以外の人とも何とか交流させてくる。
でも、私には未来が居ればそれだけで充分だ。
そう言っても未来は耳を傾けてはくれない。
私は人見知りが激しい。
私は人見知りが激しいから他の人とは上手く会話が出来ないと思う。

南乃花
「草並結衣ちゃんは何が好き?」

結衣
「未来…」

未来
「え?」

雰囲気が最悪になった。
私は昔から雰囲気を悪くしてしまう天災だと思う。
本当に会話って難しい。

南乃花
「あの、えーっと…趣味とかは?」

結衣
「趣味はガーデニング…」

陽葵
「え?ガーデニング好きなの?
私も一緒だ」

結衣
「・・・」

知沙喜
「草並さん。ごめんね…」

結衣
「だ、大丈夫…だよ…」

急に話し掛けられると止まってしまう。
花園さんが折角話し掛けてくれたのに
上手く答えれない私自身が嫌になる。

未来
「ガーデニングが趣味とか良いね!」

陽葵
「鈴代さん、ありがとう!」

急に雰囲気がホワホワして来た。
花園さんが話し掛けて来たからかな。
私は、こういうホワホワした雰囲気の中に居ても良いのか不安になる。
私はパステル。人間からパステルに変えられてしまった。
私は恐らく人間に戻る事は無いだろう。

涼真
「虹崎も色さん達も俺らと一緒に帰らない?」

そう言って水野君は私達のことを誘って来た。
私達は、皆んなで帰る事になった。
氷鷹君は何処に行ってしまったんだろう。

陽葵
「氷鷹君は?」

綾香
「そうだよ!氷鷹君は??」

涼真
「何か用事があるって言ってたな」

林太郎
「何でしょう…体調でも悪かったんですかね」

颯太
「かもな」

結衣
「能力エネルギーのコントロールとかで
能力が合わなかったら…吐き気を催すって言うよね…」

南乃花
「あー、確かに…それなら納得」

明紀
「氷って全てを凍りつかせるんだろ?
凄いよな」

未来
「氷の能力は私達の能力と比べると一番強い能力だもんね。まぁ、大変な訳だよ」

ナレーション)
一方、音鉄先生は龍のパステルと対峙していた。

音鉄先生
「鉄海中(てっかいちゅう)」


「ギャォォォォ!!」

ナレーション)
鉄海中という技とは鉄で包んで上に思いっきり上げて下に思いっきり落とす事が出来るという技である。

音鉄先生
「はぁ…」

これで、今日の仕事は終了した。
家に帰る事にする。
篝に電話をして迎えに来てもらえるように頼もう。


[大智様、如何なさいましたか?]

音鉄先生
[迎えに来い]


[かしこまりました]


[あの、何処に迎えに行けば宜しいでしょうか?]

音鉄先生
[闇口に迎えに来てもらえるか?]


[かしこまりました]

1時間くらいで篝が迎えに来てくれた。
篝が運転する車に乗り込んで家路に着く。
家では妻と子供達が待っている。
そういえば、湊の様子も見に行かないといけないな。

                続く

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