36 / 77
神天地編
第10神話 決闘②
しおりを挟む
(一瞬だけ脳の一部……恐らく前頭葉から予知は見える筈……)
時間を操るような能力はある程度勉強していた為、原理は理解している。
そして覚えた通りに、前頭葉に裂け目を自分の脳内と繋ぐ。
その瞬間に怪物の叫び声が脳内で響く。がんがんともの凄い勢いで音が巡る。
「…ッ!!」
思わずふらつくが、確かめたいことは確かめれた。
(間違いない!こいつの脳内には何も投影されていない!予知だったら脳内に未来の事象が投影される筈だ。)」
これで予知のような時間干渉に関わるような物では無いことが分かった。そこまでは良いのだが、こいつの先読みの正確性の正体が未だに分からない。何だ?時間干渉以外で先を読めるち……。
「……っ!?」
うるさく鳴り響く脳内の中に、何かの信号を突如として神経がキャッチした。
そしてすぐに右方向から違和感を感じる。その直後に空間が崩れ始めた。裂け目だ。
ぱりぃ!
「グラァァアア!!」
その直後に空間から不意打ちを狙ってか、俺の真横から爪が飛んでくる。違和感を感じて俺は咄嗟に屈んで避ける。
(………まさか?)
俺はとある推測を立てて、前頭葉を繋いだままにしておく。するとまたもや違和感を感じる。次は背後から…とみせかけて……
パリパリ
すると背後から裂け目の音が聞こえるが、これはフェイクだ。ここから飛び出てくるんじゃなくて………
(上!)
マガミが俺の頭上から出てきて両爪で攻撃をしようとするが、違和感の力で攻撃が来ることが分かる。そして俺は真横に軽々しく避ける。
「……なるほど。お前のその力の正体は理解した。良い勘だな。」
そう独り言を言っている間にまた前方から違和感を感じる。いや、正面だけじゃない。背後、右斜め、左斜め後ろ……。
パリパリパリ!
そして、違和感を感じた全ての方向から光弾が0距離で飛んでくる。
「よっと。」
俺はその光弾達を別空間に全て飛ばす。
そして最後は……
(右斜め後ろにお前!!)
裂け目から出てくるタイミングを見計らい、俺は武器を構える。
(今!!)
目にも止まらぬ速さでマガミがこちらに特攻して来るのを利用して、カウンターで斬撃を喰らわせようとする。
「ぐあぁッ!」
今のこいつには俺の今の攻撃が生命の危機に瀕していると感じたのか、焦った様子でギリギリで躱した。
こいつは相当防御本能が覚醒していやがる。だが
(動揺したな?)
なんとかマガミの動揺を誘えた。動揺してたらまともに勘を働かすことは難しい。隙が少しは生まれる筈。
そして俺はマガミの力を借りて、違和感を集中して探る。だが暫く経っても違和感を感じることが出来なかった。
(………来ないな)
急な静寂が訪れる。戦場だったこの広大な土地にまた平和が訪れた。そよ風が吹き、木々がざわめく。先程までの戦闘が信じられない。まぁこっちはお前を倒す作戦を考える時間を与えてくれるのは嬉しい…
「と油断してるとこを……」
「ガァっ!」
次の瞬間に自分の足元に裂け目が展開され、そこからマガミが特攻してくるが少し跳んでギリギリで避けた。
そういう行動をしてくれると次に起きる行動も予測しやすくて良い。
(パターンとしては裂け目を使って、俺をあいつ自身の前に転移させるぐらいかここから光弾を出すぐらいか。)
ギュオン!ギュオン!ギュオン!
案の定、後者の仮説が当たった。大きめの光弾が3発出てくる。
(…何処か遠くへ裂け目を使って転移させるか。)
そうして光弾を別空間へ移動させようとするが、3発とも意思を持つように裂け目を避けながら向かって来る。
「……真正面から受け止めろという意思表示か!受けて立つ…!」
そうして俺は飛んでくる大きな光弾を全て切り裂く。だが、切り裂いたと同時に光弾は分裂した。そしてまた俺を狙う。
一旦瞬間移動をして光弾から距離を離す移動すると共に此方に向かって来る。
「よし、どんと来い!」
パリ……
構えた時に、突如空間の割れる音がした。
そして音の方を確認すると、奴が姿を消した。
上手く気配を隠しているのか、中々あいつの存在を感じ取れない。ここで俺は予測を立てる。
(俺を大量の光弾とお前で挟み撃ちか?それとも裂け目を使って0距離まで分裂した光弾を転移させて囲うか?俺に勘で探られないように自分の脳感覚が繋がっている脳の一部分を別空間に移動させながら、空間ごと俺を斬るか?もしくは……)
パリィ!パリィ!パリィ!
全部か
「グァアアアアアアアアア!!」
裂け目の割れる音と共に、俺の前方から大量の公弾と後方からマガミが向かってくる。
避けようとしようにも、俺の周りから裂け目を通じて光弾が囲うことによって牢屋の様になり、避けるには瞬間移動しかない。
だがお得意の勘で俺が瞬間移動しても、どこに出てくるか感じ取って先読みして回り込むだろう。
じゃあ、そろそろ潮時か。
「お前の暴走した能力値は把握した。中々面白かったぞ。」
「グァァァァ!!」
「…さて、あいつらも待っていることだし、締めくくるか。どういう技名が良いか……よし狂犬とかけて……」
俺は剣を軽々と回しながら呑気に技名を考える。そして、マガミにもう一度
「グゥアアアァァァアアアアアア!!!」
マガミと光弾が約3メートル付近まで近づいていた。
並大抵の奴なら恐怖で動くことすらできなくなっている頃だろう。だがそんな中でもこの人間の皮を被った化け物は技名の思考の整理をし、まとまったのかキメラに向けて真っ直ぐな視線を向ける。
「さてと………マガミ!!」
この綺麗で爽快な三原色が揃った空間で俺はマガミの名を叫ぶ。マガミはそれでも理性を取り戻さず、容赦なく近づき、ついに切り刻もうとする寸前だった。
それでもキメラは動揺の一つすら見せない。
「竟………
全速力でマガミと光弾が同時に飛んでくる。だがそれでもこの化け物は怖気付かない。
大地を踏みしめ、腰を深く落として構える。
「グァァァァァァァッッ!!!」
…剣!」
この綺麗な三原色のある空間は一人の化け物の回転斬りによって紫色と言う概念が生まれた。その斬撃は美しく、また強大な破壊力により空間に亀裂が入り、段々とひび割れていく。
ゆっくりとひび割れていく空間を何故か一匹の狼が見惚れていた。
自分が斬られたことに気付かず。
その狼は暫くの間意識を保っていたが、数秒経つとピクリとも動かなくなった。
立ったまま意識を失い、倒れたのだ。
化け物自身の彼は化け物に化かされ、敗北を決した。
時間を操るような能力はある程度勉強していた為、原理は理解している。
そして覚えた通りに、前頭葉に裂け目を自分の脳内と繋ぐ。
その瞬間に怪物の叫び声が脳内で響く。がんがんともの凄い勢いで音が巡る。
「…ッ!!」
思わずふらつくが、確かめたいことは確かめれた。
(間違いない!こいつの脳内には何も投影されていない!予知だったら脳内に未来の事象が投影される筈だ。)」
これで予知のような時間干渉に関わるような物では無いことが分かった。そこまでは良いのだが、こいつの先読みの正確性の正体が未だに分からない。何だ?時間干渉以外で先を読めるち……。
「……っ!?」
うるさく鳴り響く脳内の中に、何かの信号を突如として神経がキャッチした。
そしてすぐに右方向から違和感を感じる。その直後に空間が崩れ始めた。裂け目だ。
ぱりぃ!
「グラァァアア!!」
その直後に空間から不意打ちを狙ってか、俺の真横から爪が飛んでくる。違和感を感じて俺は咄嗟に屈んで避ける。
(………まさか?)
俺はとある推測を立てて、前頭葉を繋いだままにしておく。するとまたもや違和感を感じる。次は背後から…とみせかけて……
パリパリ
すると背後から裂け目の音が聞こえるが、これはフェイクだ。ここから飛び出てくるんじゃなくて………
(上!)
マガミが俺の頭上から出てきて両爪で攻撃をしようとするが、違和感の力で攻撃が来ることが分かる。そして俺は真横に軽々しく避ける。
「……なるほど。お前のその力の正体は理解した。良い勘だな。」
そう独り言を言っている間にまた前方から違和感を感じる。いや、正面だけじゃない。背後、右斜め、左斜め後ろ……。
パリパリパリ!
そして、違和感を感じた全ての方向から光弾が0距離で飛んでくる。
「よっと。」
俺はその光弾達を別空間に全て飛ばす。
そして最後は……
(右斜め後ろにお前!!)
裂け目から出てくるタイミングを見計らい、俺は武器を構える。
(今!!)
目にも止まらぬ速さでマガミがこちらに特攻して来るのを利用して、カウンターで斬撃を喰らわせようとする。
「ぐあぁッ!」
今のこいつには俺の今の攻撃が生命の危機に瀕していると感じたのか、焦った様子でギリギリで躱した。
こいつは相当防御本能が覚醒していやがる。だが
(動揺したな?)
なんとかマガミの動揺を誘えた。動揺してたらまともに勘を働かすことは難しい。隙が少しは生まれる筈。
そして俺はマガミの力を借りて、違和感を集中して探る。だが暫く経っても違和感を感じることが出来なかった。
(………来ないな)
急な静寂が訪れる。戦場だったこの広大な土地にまた平和が訪れた。そよ風が吹き、木々がざわめく。先程までの戦闘が信じられない。まぁこっちはお前を倒す作戦を考える時間を与えてくれるのは嬉しい…
「と油断してるとこを……」
「ガァっ!」
次の瞬間に自分の足元に裂け目が展開され、そこからマガミが特攻してくるが少し跳んでギリギリで避けた。
そういう行動をしてくれると次に起きる行動も予測しやすくて良い。
(パターンとしては裂け目を使って、俺をあいつ自身の前に転移させるぐらいかここから光弾を出すぐらいか。)
ギュオン!ギュオン!ギュオン!
案の定、後者の仮説が当たった。大きめの光弾が3発出てくる。
(…何処か遠くへ裂け目を使って転移させるか。)
そうして光弾を別空間へ移動させようとするが、3発とも意思を持つように裂け目を避けながら向かって来る。
「……真正面から受け止めろという意思表示か!受けて立つ…!」
そうして俺は飛んでくる大きな光弾を全て切り裂く。だが、切り裂いたと同時に光弾は分裂した。そしてまた俺を狙う。
一旦瞬間移動をして光弾から距離を離す移動すると共に此方に向かって来る。
「よし、どんと来い!」
パリ……
構えた時に、突如空間の割れる音がした。
そして音の方を確認すると、奴が姿を消した。
上手く気配を隠しているのか、中々あいつの存在を感じ取れない。ここで俺は予測を立てる。
(俺を大量の光弾とお前で挟み撃ちか?それとも裂け目を使って0距離まで分裂した光弾を転移させて囲うか?俺に勘で探られないように自分の脳感覚が繋がっている脳の一部分を別空間に移動させながら、空間ごと俺を斬るか?もしくは……)
パリィ!パリィ!パリィ!
全部か
「グァアアアアアアアアア!!」
裂け目の割れる音と共に、俺の前方から大量の公弾と後方からマガミが向かってくる。
避けようとしようにも、俺の周りから裂け目を通じて光弾が囲うことによって牢屋の様になり、避けるには瞬間移動しかない。
だがお得意の勘で俺が瞬間移動しても、どこに出てくるか感じ取って先読みして回り込むだろう。
じゃあ、そろそろ潮時か。
「お前の暴走した能力値は把握した。中々面白かったぞ。」
「グァァァァ!!」
「…さて、あいつらも待っていることだし、締めくくるか。どういう技名が良いか……よし狂犬とかけて……」
俺は剣を軽々と回しながら呑気に技名を考える。そして、マガミにもう一度
「グゥアアアァァァアアアアアア!!!」
マガミと光弾が約3メートル付近まで近づいていた。
並大抵の奴なら恐怖で動くことすらできなくなっている頃だろう。だがそんな中でもこの人間の皮を被った化け物は技名の思考の整理をし、まとまったのかキメラに向けて真っ直ぐな視線を向ける。
「さてと………マガミ!!」
この綺麗で爽快な三原色が揃った空間で俺はマガミの名を叫ぶ。マガミはそれでも理性を取り戻さず、容赦なく近づき、ついに切り刻もうとする寸前だった。
それでもキメラは動揺の一つすら見せない。
「竟………
全速力でマガミと光弾が同時に飛んでくる。だがそれでもこの化け物は怖気付かない。
大地を踏みしめ、腰を深く落として構える。
「グァァァァァァァッッ!!!」
…剣!」
この綺麗な三原色のある空間は一人の化け物の回転斬りによって紫色と言う概念が生まれた。その斬撃は美しく、また強大な破壊力により空間に亀裂が入り、段々とひび割れていく。
ゆっくりとひび割れていく空間を何故か一匹の狼が見惚れていた。
自分が斬られたことに気付かず。
その狼は暫くの間意識を保っていたが、数秒経つとピクリとも動かなくなった。
立ったまま意識を失い、倒れたのだ。
化け物自身の彼は化け物に化かされ、敗北を決した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる