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神天地編
第14神話(前書き) メンバー集合!
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ーーその一方、神とウラン
「さぁどうする?俺はこの場所を知っている。襲撃しようと思えばいつだって出来るんだ。」
(な、なんでこの場所が?どうやってここまで嗅ぎつけた?)
「悠長に考えている暇はないぞ?さぁ早く。」
あいつら……
「……分かった古文書の場所を教えてやる。」
俺は悩みに悩み、キメラに向けて言い放つ。
するとウランは静かな笑みを浮かべる。
「……それで良い。」
こいつの余裕が全く崩れない冷静さと神に対する肝の強さは一級品だ。
普通、自分よりも強い相手なんて緊張と恐怖で心が埋め尽くされてしまうのがほとんどなのに。
…もし、こいつが味方についてくれたら……
「……どうした早く言わないのか?」
そんなことを考えるが、今の状況ではそんな甘ったるい思想はなんの役にも立たない。すぐに頭を切り替える。
「ただ…少し聞きたいことがある。それを聞いてからでも良いか?」
「………駄目だ。そういう手法をする奴なんて何人も見てきた。時間稼ぎのつもりだろう?」
(……流石にお見通しか。)
じわじわと此方の勝機を削っていくこいつの手法にみるみる踊らされていく。
俺は余裕そうな表情を作るが内心では焦りが出始める。
それを読み取り、チャンスと感じたのか、次にはキメラが喋り始める。
「それに…お前、気絶する前に何かしただろう?それまでに耐えるつもりといったところか?」
「………なんでそんなことを一々確認する?読めるんだろう?俺の心の中。」
俺がそうわざとらしく言うがキメラは全く動じない。
「とぼけるな。内心の声を空間を操ってどこか遠くの空間へ飛ばしてたのだろう?古文書の場所を割り出そうとしたのに、割り出せなかったのは心底面倒だった。」
と、これすらも完全にお見通しだったことをキメラは伝える。
「だからこうやって自発的に言わせれる状況に俺はシフトしたんだ。」
(…つまりは脅しって訳か)
じげんの神の冷や汗が静かに額をつたう。
とにかく今は内心で余計なことを喋らないように心の中は無言を貫く姿勢をとる。
「それじゃ本題といこう。」
今の所順調に行き過ぎているため、キメラは恍惚とした緊張の顔を混ぜながら聞いてくる。
「…お前に問いたい。お前の神降ろしの条件はなんだ?」
キメラから中々に鋭い質問が返ってくる。
脅されている今、俺はキメラに言われるがまま、口を開く。
「……俺の神降ろしの条件は俺の生きている超高次元で行い、更に古文書に書かれている内容通りに儀式をしないと無理だ。一旦あいつを超次元に連れ帰らないとまず始まらないのさ。ここにその記憶を持ってくるのも無意味だから今もどっかの空間に飛ばしたままだ。」
「…………」
キメラは何か考え込んでいる様子だった。
さぁ、どうでる?
「成る程。それに関しては確かに嘘ではなさそうだな…と、いうことは……」
キメラは少し考えて、またすぐに口を開く。
「色々まだ詳細はわからないが…お前の古文書は超高次元でしか使えないんだろう?」
「……だから?」
「俺だったら、条件も揃って、いつでも隠せて、尚且つ自分しか知らない場所…そこに隠すなぁ…そうこの場所みたいに。」
親指で、俺の大切な場所を指す。
……勘付いたか
「………だぁー駄目だ。降参。」
ついに俺は言い負かされてしまった。完璧なる敗北だ。
「「…は?」」
俺は脱力し、 ごろんと仰向けになって両腕を上へ伸ばす。
キメラはこの俺の態度に驚いたのか、短調な言葉は口から漏れ出る。
「正解だよ。正解。その場所に俺の古文書はある。」
キメラは呆気なく諦めた俺に違和感を感じたのか、声を上げてまで俺の行動が理解出来なかったようだ。
「お、お前……正気なのか?ここはお前にとって大事な存在なんじゃ無いのか!?大切な奴等がいるんだろう?命張ってでも守りはしないのか!?」
「お、さっきの人間じゃないかい。」
あのくうかんの神と合体している人間の声に変わる。
どうやらこいつも思わずびっくりして出てきたようだ。
「まぁ、落ち着けよ。その場所は大切な存在だし、大事な奴等もいっぱいいる。だけど今の俺にできることはもう無さそうだしな。諦めるよ。」
そう言って戦意の無さを示す。キメラと融合している人間は俺の行動について最初こそ意味がわからないような顔つきをしていたが今は違った。
「……へぇ、そんな顔するのか?古文書が折角手に入るのに……喜ばないのか?」
「……っ!!」
ドゴォっ!!
「うぐっ…!」
顔を見下すようにしながら俺の体を蹴り上げ、数十メートル離れた所まで飛ばされる。
蹴る時のキメラの表情には俺を煽る為の悪どい顔でもなく怒りの表情だった。
「…もう良い。本当にお前等みたいな神にはまともな奴等はいねぇんだな。お前に希望を抱いた俺が馬鹿だったよ。」
そう言いながらキメラは空間に映してある店を映し出し、その空間を等身大の大きさに広げそこに向けて歩み出す。
「………じゃあな。」
「さぁどうする?俺はこの場所を知っている。襲撃しようと思えばいつだって出来るんだ。」
(な、なんでこの場所が?どうやってここまで嗅ぎつけた?)
「悠長に考えている暇はないぞ?さぁ早く。」
あいつら……
「……分かった古文書の場所を教えてやる。」
俺は悩みに悩み、キメラに向けて言い放つ。
するとウランは静かな笑みを浮かべる。
「……それで良い。」
こいつの余裕が全く崩れない冷静さと神に対する肝の強さは一級品だ。
普通、自分よりも強い相手なんて緊張と恐怖で心が埋め尽くされてしまうのがほとんどなのに。
…もし、こいつが味方についてくれたら……
「……どうした早く言わないのか?」
そんなことを考えるが、今の状況ではそんな甘ったるい思想はなんの役にも立たない。すぐに頭を切り替える。
「ただ…少し聞きたいことがある。それを聞いてからでも良いか?」
「………駄目だ。そういう手法をする奴なんて何人も見てきた。時間稼ぎのつもりだろう?」
(……流石にお見通しか。)
じわじわと此方の勝機を削っていくこいつの手法にみるみる踊らされていく。
俺は余裕そうな表情を作るが内心では焦りが出始める。
それを読み取り、チャンスと感じたのか、次にはキメラが喋り始める。
「それに…お前、気絶する前に何かしただろう?それまでに耐えるつもりといったところか?」
「………なんでそんなことを一々確認する?読めるんだろう?俺の心の中。」
俺がそうわざとらしく言うがキメラは全く動じない。
「とぼけるな。内心の声を空間を操ってどこか遠くの空間へ飛ばしてたのだろう?古文書の場所を割り出そうとしたのに、割り出せなかったのは心底面倒だった。」
と、これすらも完全にお見通しだったことをキメラは伝える。
「だからこうやって自発的に言わせれる状況に俺はシフトしたんだ。」
(…つまりは脅しって訳か)
じげんの神の冷や汗が静かに額をつたう。
とにかく今は内心で余計なことを喋らないように心の中は無言を貫く姿勢をとる。
「それじゃ本題といこう。」
今の所順調に行き過ぎているため、キメラは恍惚とした緊張の顔を混ぜながら聞いてくる。
「…お前に問いたい。お前の神降ろしの条件はなんだ?」
キメラから中々に鋭い質問が返ってくる。
脅されている今、俺はキメラに言われるがまま、口を開く。
「……俺の神降ろしの条件は俺の生きている超高次元で行い、更に古文書に書かれている内容通りに儀式をしないと無理だ。一旦あいつを超次元に連れ帰らないとまず始まらないのさ。ここにその記憶を持ってくるのも無意味だから今もどっかの空間に飛ばしたままだ。」
「…………」
キメラは何か考え込んでいる様子だった。
さぁ、どうでる?
「成る程。それに関しては確かに嘘ではなさそうだな…と、いうことは……」
キメラは少し考えて、またすぐに口を開く。
「色々まだ詳細はわからないが…お前の古文書は超高次元でしか使えないんだろう?」
「……だから?」
「俺だったら、条件も揃って、いつでも隠せて、尚且つ自分しか知らない場所…そこに隠すなぁ…そうこの場所みたいに。」
親指で、俺の大切な場所を指す。
……勘付いたか
「………だぁー駄目だ。降参。」
ついに俺は言い負かされてしまった。完璧なる敗北だ。
「「…は?」」
俺は脱力し、 ごろんと仰向けになって両腕を上へ伸ばす。
キメラはこの俺の態度に驚いたのか、短調な言葉は口から漏れ出る。
「正解だよ。正解。その場所に俺の古文書はある。」
キメラは呆気なく諦めた俺に違和感を感じたのか、声を上げてまで俺の行動が理解出来なかったようだ。
「お、お前……正気なのか?ここはお前にとって大事な存在なんじゃ無いのか!?大切な奴等がいるんだろう?命張ってでも守りはしないのか!?」
「お、さっきの人間じゃないかい。」
あのくうかんの神と合体している人間の声に変わる。
どうやらこいつも思わずびっくりして出てきたようだ。
「まぁ、落ち着けよ。その場所は大切な存在だし、大事な奴等もいっぱいいる。だけど今の俺にできることはもう無さそうだしな。諦めるよ。」
そう言って戦意の無さを示す。キメラと融合している人間は俺の行動について最初こそ意味がわからないような顔つきをしていたが今は違った。
「……へぇ、そんな顔するのか?古文書が折角手に入るのに……喜ばないのか?」
「……っ!!」
ドゴォっ!!
「うぐっ…!」
顔を見下すようにしながら俺の体を蹴り上げ、数十メートル離れた所まで飛ばされる。
蹴る時のキメラの表情には俺を煽る為の悪どい顔でもなく怒りの表情だった。
「…もう良い。本当にお前等みたいな神にはまともな奴等はいねぇんだな。お前に希望を抱いた俺が馬鹿だったよ。」
そう言いながらキメラは空間に映してある店を映し出し、その空間を等身大の大きさに広げそこに向けて歩み出す。
「………じゃあな。」
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