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神天地編
第18神話 HOW?①
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「本当に……!申し訳ありませんでした!!」
そんな言葉とともに私と女はいつの間にか地面へと倒れ伏す。
そして何者かが強制的に頭を抑え、土下座をさせるような形へとなっていた。
(なっ……何、今の。)
私からあの男までの足元までかなりの距離があった筈だ。ということは私と同じように強引にここまで連れてきた?
だがそれだったら触れられた感触ぐらいは残るはず……なのに全くその時は気配も、音も、触覚も。何もかも感じ取ることが出来なかった。
左真横に居る正体を掴もうとしても、謎の存在は頭を動かないように鷲掴みにして私の顔が動かないように固定する。
「………はっ」
すると同じように押さえつけられている女が正気を取り戻し、今置かれている状況を理解することが出来たようだ。
「…っハウワ!?」
彼女が押さえつけられながら、久しぶりの発した言葉は初めて耳にする名前だった。
「い、今はとにかくヤハ様に謝罪の誠意を見せましょう…!」
そう男に聞こえないように、謎の存在が囁く。
「……早く結論を答えろ。」
「これは私の助手としての監督不足です…申し訳ございません。」
そう淡々と謝罪の言葉を述べる。
それを男は見ると、黙り込んで何かを考えているようだった。
「そうか……なら君達にはもうここで仕事をしなくて良い。」
「そ、それは…!」
異議があったが、そんなものはお構いなしに話を進めていく。
「次はもう少し下の研究所にでも配属しておく。分かったね。」
「……はい、わかりました。」
男はあいも変わらず威圧して、言うことを聞かせている。ここまでとは………相当な捻れた性根のようだ。
それに対し女はただ言いなりで、ただ弱々しい返事を返すだけだった。
だがそんな返事はするが明らかに納得はしていない。その証拠に白い歯を噛み締めている。
「まぁ、私達の足並みを揃えない時点でそもそも君達は私達の居るそうぞう神《・》のクラスに達していない。」
このヤハという男、言葉を一度も詰まらせることなく威圧の言葉ばかりを並べ続けるが、私にはある部分に耳が強く反応した。
(え?今なんて………?)
確かに今男の口から『創造神』という言葉が出た。つまりこいつは神という絶対的な存在なのか?
(何でも作れる神様のこと?…………というか神様っていうのは本当に居るの?)
改めて考えてみるとこいつは人間の姿、形はしているが本当にただの人間なのだろうか?
今まで人間が太刀打ち出来なかった私の蹴りをいとも容易く防ぎ、私の目で追う前に攻撃をする、とてもじゃないが人間とは確かに言い難い。
(創造神?こいつが?)
隣にいる創造神と言われていた女に目を移そうとする。すると頭に加えられていた力がより一層強くなった。
「いででででで……!!痛い…!痛い…!痛いってば……!!」
この空気感であまり大きな声を出してしまうと、間違いなくまずいことになりそうだったのでなるべく声を抑えて悲痛な叫びを上げる。
「…とにかく今はあなたも黙っててください。あなたにも聞きたいことがありますので。」
真横にいる女の表情は全く見えなかったが、囁きながらも少し怒っている声だったので恐らく険しい顔をしているのだろう。
やっぱりこのまま誤魔化して逃げ切ることは無理だったか……。
となるとじゃあ私はこの男の圧迫を受けさせられ、終わった後は間違いなく創造神と呼ばれた女とまだ顔を見てない女にも問い詰められることだろう。
(終わったぁ………)
私はただガクリと肩を落とすことしかできなかった。
(い、今のうちに良い言い訳を………)
罰を受けることは免れないとしても軽くすることは出来るはず。今はいい理由を付けることに専念するべきだと考え、脳内で言葉一つ一つを構築する。
「ふむ……確かにハウワさんの言うことも一理あります。そこの女性にも証言してもらいましょうか。」
(うぅわぁー(棒)………聞こえてるのぉ?)
言い訳を考えようとした瞬間に男に指をさされ、あまりのフラグを回収する自分に驚いた。
(ど、どうしよ…!な、なんて言えば…)
「え、えっと……」
急に男が私に話を振ってきたことによる焦りで頭の中で構築されていた言葉が全て吹っ飛んでしまい、言葉を詰めることしかできなかった。
「……なるべく簡潔にお願いしますね?私も忙しいのでね。こんなことに一々時間を使いたくないですからね。」
(………いや、だったらここまでして時間を使って怒る時間の方が無駄でしょ。)
原因を起こした私が言うのもお門違いかもしれないが、この男がする矛盾した行動に心の中でツッコミを入れる。本当に面倒くさい奴だ。
(はぁ……じゃ、ちゃんと正直に言おう。逆に言い訳ばかり考えて時間を使ったらこいつがどんどんイライラしていくだけだし。)
このタイプだと、間違いなく時間が長引く程面倒になるパターンだろう。ここは相手を気遣ってやって謝ることでなるべく被害を最小限に抑えるべきだ。
人間の姿を持つ奴にこうしてひれ伏すのは気に食わないが仕方ない。
「ええ、私がこの女を…「わ、私が…!」
私が男に向けて話そうとした時、今まで黙り込んでいた女が急に私の言葉を遮ったことで思わず動かない頭の代わりに目線を女の方へと向けようとするが、視野角が狭いため女の体の一部しか目には映らなかった。
「わ、私がこの神獣を……!勝手に放してしまい…!制御することが出来ませんでした!申し訳ありません!!」
(……は?なんで急に………?)
ついに女の口から男に向けての謝罪の言葉を発声した。何故急に私の言葉を遮ってまで謝るのかは一瞬理解が出来なかったが、数秒経つとこの行動に至った理由が分かった気がした。
こいつさては……
そんな言葉とともに私と女はいつの間にか地面へと倒れ伏す。
そして何者かが強制的に頭を抑え、土下座をさせるような形へとなっていた。
(なっ……何、今の。)
私からあの男までの足元までかなりの距離があった筈だ。ということは私と同じように強引にここまで連れてきた?
だがそれだったら触れられた感触ぐらいは残るはず……なのに全くその時は気配も、音も、触覚も。何もかも感じ取ることが出来なかった。
左真横に居る正体を掴もうとしても、謎の存在は頭を動かないように鷲掴みにして私の顔が動かないように固定する。
「………はっ」
すると同じように押さえつけられている女が正気を取り戻し、今置かれている状況を理解することが出来たようだ。
「…っハウワ!?」
彼女が押さえつけられながら、久しぶりの発した言葉は初めて耳にする名前だった。
「い、今はとにかくヤハ様に謝罪の誠意を見せましょう…!」
そう男に聞こえないように、謎の存在が囁く。
「……早く結論を答えろ。」
「これは私の助手としての監督不足です…申し訳ございません。」
そう淡々と謝罪の言葉を述べる。
それを男は見ると、黙り込んで何かを考えているようだった。
「そうか……なら君達にはもうここで仕事をしなくて良い。」
「そ、それは…!」
異議があったが、そんなものはお構いなしに話を進めていく。
「次はもう少し下の研究所にでも配属しておく。分かったね。」
「……はい、わかりました。」
男はあいも変わらず威圧して、言うことを聞かせている。ここまでとは………相当な捻れた性根のようだ。
それに対し女はただ言いなりで、ただ弱々しい返事を返すだけだった。
だがそんな返事はするが明らかに納得はしていない。その証拠に白い歯を噛み締めている。
「まぁ、私達の足並みを揃えない時点でそもそも君達は私達の居るそうぞう神《・》のクラスに達していない。」
このヤハという男、言葉を一度も詰まらせることなく威圧の言葉ばかりを並べ続けるが、私にはある部分に耳が強く反応した。
(え?今なんて………?)
確かに今男の口から『創造神』という言葉が出た。つまりこいつは神という絶対的な存在なのか?
(何でも作れる神様のこと?…………というか神様っていうのは本当に居るの?)
改めて考えてみるとこいつは人間の姿、形はしているが本当にただの人間なのだろうか?
今まで人間が太刀打ち出来なかった私の蹴りをいとも容易く防ぎ、私の目で追う前に攻撃をする、とてもじゃないが人間とは確かに言い難い。
(創造神?こいつが?)
隣にいる創造神と言われていた女に目を移そうとする。すると頭に加えられていた力がより一層強くなった。
「いででででで……!!痛い…!痛い…!痛いってば……!!」
この空気感であまり大きな声を出してしまうと、間違いなくまずいことになりそうだったのでなるべく声を抑えて悲痛な叫びを上げる。
「…とにかく今はあなたも黙っててください。あなたにも聞きたいことがありますので。」
真横にいる女の表情は全く見えなかったが、囁きながらも少し怒っている声だったので恐らく険しい顔をしているのだろう。
やっぱりこのまま誤魔化して逃げ切ることは無理だったか……。
となるとじゃあ私はこの男の圧迫を受けさせられ、終わった後は間違いなく創造神と呼ばれた女とまだ顔を見てない女にも問い詰められることだろう。
(終わったぁ………)
私はただガクリと肩を落とすことしかできなかった。
(い、今のうちに良い言い訳を………)
罰を受けることは免れないとしても軽くすることは出来るはず。今はいい理由を付けることに専念するべきだと考え、脳内で言葉一つ一つを構築する。
「ふむ……確かにハウワさんの言うことも一理あります。そこの女性にも証言してもらいましょうか。」
(うぅわぁー(棒)………聞こえてるのぉ?)
言い訳を考えようとした瞬間に男に指をさされ、あまりのフラグを回収する自分に驚いた。
(ど、どうしよ…!な、なんて言えば…)
「え、えっと……」
急に男が私に話を振ってきたことによる焦りで頭の中で構築されていた言葉が全て吹っ飛んでしまい、言葉を詰めることしかできなかった。
「……なるべく簡潔にお願いしますね?私も忙しいのでね。こんなことに一々時間を使いたくないですからね。」
(………いや、だったらここまでして時間を使って怒る時間の方が無駄でしょ。)
原因を起こした私が言うのもお門違いかもしれないが、この男がする矛盾した行動に心の中でツッコミを入れる。本当に面倒くさい奴だ。
(はぁ……じゃ、ちゃんと正直に言おう。逆に言い訳ばかり考えて時間を使ったらこいつがどんどんイライラしていくだけだし。)
このタイプだと、間違いなく時間が長引く程面倒になるパターンだろう。ここは相手を気遣ってやって謝ることでなるべく被害を最小限に抑えるべきだ。
人間の姿を持つ奴にこうしてひれ伏すのは気に食わないが仕方ない。
「ええ、私がこの女を…「わ、私が…!」
私が男に向けて話そうとした時、今まで黙り込んでいた女が急に私の言葉を遮ったことで思わず動かない頭の代わりに目線を女の方へと向けようとするが、視野角が狭いため女の体の一部しか目には映らなかった。
「わ、私がこの神獣を……!勝手に放してしまい…!制御することが出来ませんでした!申し訳ありません!!」
(……は?なんで急に………?)
ついに女の口から男に向けての謝罪の言葉を発声した。何故急に私の言葉を遮ってまで謝るのかは一瞬理解が出来なかったが、数秒経つとこの行動に至った理由が分かった気がした。
こいつさては……
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