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第十八話 意地悪姫と他人事姫
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「それでルウド、今日一日見てどうだった?」
「何ともいえませんね。そもそも皇子でなければ分からないでしょう?」
「……それはそうだけど」
ティア姫とルウドは困って顔を見合わせる。
「赤毛、猫目の小柄な女性なんてどこにでもいるのよね。彼女もレナン伯のパーティに出席したらしいけどちょっとだけだって話だし」
「そのちょっとの間の話でしょう。暇つぶしに他人の恋愛に口を挟むのが趣味なんて、厄介な方で」
「余程に退屈しているのでしょう?あのちょっと人騒がせな変わり者的な所が誰かを思い出して他人の様な感じがしなかったわ」
「ミザリー姫様ですか。お元気ですかね。そろそろ国へ戻りたくなってきたりしませんかティア様?」
「どうせもうすぐ帰るでしょう?それまでに確認しないとダメかしら?」
「……姫様、あまり乗り気ではなさそうですね?」
「ルウド、だって考えても見てよ。もしあの子が当たりだった場合、どうなるのよ?もしもを考えたら何か怖くないかしら」
「……しかし皇子と約束したのでしょう?草の根を分けても探し出すと。私達に出来る事は見つけ出して報告することくらいです。あとは皇子の判断です。ここで見ないふりをしても仕方がありません」
「……そうね、お兄様に手紙を書くわ。でもその前にもっと近い確証を得たいわ。誰か、この国の彼女に近しい人に相談したいけど」
「ギルイッド伯にご相談するにもどなたかにご紹介して頂けなければお会いできませんし」
「出来るだけ大ごとにはしたくないわ。まだ何も分からない話だもの」
「いっそマルスにご招待できればいいのですけど」
「正直に彼女に話して期待を持たせるのもかわいそう。それに彼女がどう言うか分からないし」
「あまり興味なさそうでしたものねえ。皇子見物とか言っていましたし。スティア様にご相談されましたか?」
「相談する前に騎士宿舎の地下に籠って出てこなくなってしまったわ。剣技大会に出場するらしいわよ?」
「へえ、それは楽しみですね」
「どうでもいいわよそんなの。だけどそうするとやっぱり頼るとしたら王妃様ね。リリアナを呼んだのも王妃様だし」
「王妃様ですか。大ごとにならなければいいのですが」
「出来るだけ内々で話してみるわ。この国にとっても重要な話ですもの、きっと良いようにしてくれるわ。ついでに王妃の関心事の半分くらい矛先が向こうに向いてくれて助かるわ」
「……そうですか」
そしてティア姫は朝から王妃に謁見し、話した。
「まあああ!そんなお話が!まあまあまあまあ!」
サラ王妃は狂喜乱舞した。
「大変よ!大変だわそれは!国同士の問題だわ!」
「お、王妃様、落ち着いて下さい。まずうちの兄に確認しなければ分からないのです。そのお相手を見たのは兄だけですから」
「そうね、可能性という問題ね。実際どうだか分からないのね。ああでも気が逸るわ!早急に事実確認をしましょう!ギルイッド家にあるリリアナの肖像画をすぐに取り寄せてマルス国に早馬で送らせましょう!三日で結果が分かりますわ!」
「それは素早い対応で。ありがたいです、相談してよかったです」
「まあティア様、問題は結果の後です!ああ、もしも当たりだったら!
どうしましょう、この国にパラレウス様をお呼びするなんてとんでもないわ。リリアナが出向くべきね!手配しましょう!そうね、マルスの方々に連れ帰っていただいても宜しいかしら?」
「それは勿論。ですけど連れ帰るにしてもギルイッド伯爵のご許可が必要です。それに一度お会いしてちゃんとお話しないといけません」
「そうね、結果が出てから手配しますわ。ギルイット家の婦人は私の姉だから素早く対応出来るのよ。どうぞ大船に乗った気でいて下さいね」
「ありがとうございます」
「ふふふっ、それにしてもこんな嬉しい事続きでいいのかしら?マルス国とはまだまだ縁も深くなりそうね。嬉しい!こうなったらもう孫の誕生まで期待してしまうわ!ふふふふ
ふっ!」
「………」
まだ何も始まっていないと言うのに気が早すぎる。
ティアは笑みを引きつらせてはやる王妃を眺めていた。
「何ともいえませんね。そもそも皇子でなければ分からないでしょう?」
「……それはそうだけど」
ティア姫とルウドは困って顔を見合わせる。
「赤毛、猫目の小柄な女性なんてどこにでもいるのよね。彼女もレナン伯のパーティに出席したらしいけどちょっとだけだって話だし」
「そのちょっとの間の話でしょう。暇つぶしに他人の恋愛に口を挟むのが趣味なんて、厄介な方で」
「余程に退屈しているのでしょう?あのちょっと人騒がせな変わり者的な所が誰かを思い出して他人の様な感じがしなかったわ」
「ミザリー姫様ですか。お元気ですかね。そろそろ国へ戻りたくなってきたりしませんかティア様?」
「どうせもうすぐ帰るでしょう?それまでに確認しないとダメかしら?」
「……姫様、あまり乗り気ではなさそうですね?」
「ルウド、だって考えても見てよ。もしあの子が当たりだった場合、どうなるのよ?もしもを考えたら何か怖くないかしら」
「……しかし皇子と約束したのでしょう?草の根を分けても探し出すと。私達に出来る事は見つけ出して報告することくらいです。あとは皇子の判断です。ここで見ないふりをしても仕方がありません」
「……そうね、お兄様に手紙を書くわ。でもその前にもっと近い確証を得たいわ。誰か、この国の彼女に近しい人に相談したいけど」
「ギルイッド伯にご相談するにもどなたかにご紹介して頂けなければお会いできませんし」
「出来るだけ大ごとにはしたくないわ。まだ何も分からない話だもの」
「いっそマルスにご招待できればいいのですけど」
「正直に彼女に話して期待を持たせるのもかわいそう。それに彼女がどう言うか分からないし」
「あまり興味なさそうでしたものねえ。皇子見物とか言っていましたし。スティア様にご相談されましたか?」
「相談する前に騎士宿舎の地下に籠って出てこなくなってしまったわ。剣技大会に出場するらしいわよ?」
「へえ、それは楽しみですね」
「どうでもいいわよそんなの。だけどそうするとやっぱり頼るとしたら王妃様ね。リリアナを呼んだのも王妃様だし」
「王妃様ですか。大ごとにならなければいいのですが」
「出来るだけ内々で話してみるわ。この国にとっても重要な話ですもの、きっと良いようにしてくれるわ。ついでに王妃の関心事の半分くらい矛先が向こうに向いてくれて助かるわ」
「……そうですか」
そしてティア姫は朝から王妃に謁見し、話した。
「まあああ!そんなお話が!まあまあまあまあ!」
サラ王妃は狂喜乱舞した。
「大変よ!大変だわそれは!国同士の問題だわ!」
「お、王妃様、落ち着いて下さい。まずうちの兄に確認しなければ分からないのです。そのお相手を見たのは兄だけですから」
「そうね、可能性という問題ね。実際どうだか分からないのね。ああでも気が逸るわ!早急に事実確認をしましょう!ギルイッド家にあるリリアナの肖像画をすぐに取り寄せてマルス国に早馬で送らせましょう!三日で結果が分かりますわ!」
「それは素早い対応で。ありがたいです、相談してよかったです」
「まあティア様、問題は結果の後です!ああ、もしも当たりだったら!
どうしましょう、この国にパラレウス様をお呼びするなんてとんでもないわ。リリアナが出向くべきね!手配しましょう!そうね、マルスの方々に連れ帰っていただいても宜しいかしら?」
「それは勿論。ですけど連れ帰るにしてもギルイッド伯爵のご許可が必要です。それに一度お会いしてちゃんとお話しないといけません」
「そうね、結果が出てから手配しますわ。ギルイット家の婦人は私の姉だから素早く対応出来るのよ。どうぞ大船に乗った気でいて下さいね」
「ありがとうございます」
「ふふふっ、それにしてもこんな嬉しい事続きでいいのかしら?マルス国とはまだまだ縁も深くなりそうね。嬉しい!こうなったらもう孫の誕生まで期待してしまうわ!ふふふふ
ふっ!」
「………」
まだ何も始まっていないと言うのに気が早すぎる。
ティアは笑みを引きつらせてはやる王妃を眺めていた。
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