123 / 200
第十九話 悪夢の剣技大会
1
しおりを挟むスティア皇子が秘密特訓を始めてしまい、ティア姫を外へ出す口実がなくなってしまった。
リリアナ嬢の件はサラ王妃がすべていいように手配してくれるそうで悩みの消えた姫はまた図書室に籠り始めた。
「姫様、少しは外に出て下さいよ」
「出るわよ、たまには散歩に。ルウドは訓練しなくていいの?行っていいのよ?」
「……そうですね、では行ってきます」
姫の護衛は城内警備に任せてルウドはスティア騎士団の兵舎に向かう。
途中リリアナ嬢に会った。
「ルウドさん、スティア様が兵舎に籠って出てこないのよ。これじゃ計画が大無しよ?」
「皇子は訓練中ですよ、仕方ありません。剣技大会でいい所を見せてくれるでしょう」
「詰まらないわ、ティア様はどうなさっているの?」
「図書室で調べ物です。終わる作業ではないので時々遊びに誘って外へ出して差し上げて下さい」
「分かったわ、ルウドさんはどこへ行くの?」
「訓練に行ってきます、皇子も頑張っているようですし、部下も鍛えなければ」
「そう」
リリアナ嬢と別れて、ルウドはスティア騎士団の兵舎へ入る。
スティア皇子の秘密特訓。とても気になる。
ルウドが地下へ降りようとすると、騎士に呼び止められた。
「ルウド隊長、行っては駄目ですよ?」
「邪魔はしない、ちょっと見るだけ」
「それじゃ秘密特訓の意味無いじゃないですか」
「……特訓が秘密ではなく特訓内容が秘密なのか?」
「そうですよ、わが騎士団は独特の特訓内容があり、それが秘密なんです」
「少しだけ、駄目か?」
「いけません、普通の騎士が見るものではありません」
すると突如、地下から得体の知れぬ呻き声と轟音がとどろいた。
「うごわおおおおおおおっ!うえええっ!し、死ぬ!もう…!」
「死んでる場合かあああっ、時間の無駄だ早く立てえええっ!」
「うひやああああっ!」
「………」
ルウドが騎士に疑問の目を投げかけると騎士は首を横に振った。
「見ちゃいけません、決して」
「……」
一体地下で何が行われているのか?
ルウドは諦めて兵舎を出て訓練場へ向かう。訓練場には沢山の騎士達が訓練に励んでいる。ルウドもその中に混じり、数日鍛錬に励んだ。
剣技大会は広い訓練場で行われる。訓練場の中に柵を幾つか打ち立ててその中で戦うのだが今回出場者が多く、隣の牧場にまで柵を打ち立てて行う事になった。
試合方式はくじ引きでの組み合わせ。勝者は先に三本とった方。
勝ち続けて残り八人になったところで王や王妃達の前で一組づつ大戦する。
そして勝者には何か褒美が与えられるという。
「今回は異例の出場者が多い。マルスの騎士五十人はともかく、いつも出ない紫の騎士達五十人とスティア皇子まで出る。さらに赤騎士と配下二十人、黒騎士と配下十人、さらにクライブ皇子。あとは緑、黄、青の隊長と隊員数十名。
総勢二百五十人の決戦になる。とても一日ではかたが付かないから三日間を使う事になった。
「おおがかりですね」
「もはや祭りですね。しかしここ数年は勝者も定番で自ら参加しようと言う騎士もほとん
どいなかったのです。ルウドさんのお陰ですね。うちの騎士達をここまでやる気にさせてくれた」
「ヤル気あるロレイアの騎士ですか。怖いですね」
「ははは、まあせっかくですので楽しんで行って下さいね」
出場者は初日に番号札を貰い、その札の番号で相手が決まる。
初日に試合順番と相手が決まり勝ち抜き戦で進んでいく。
訓練所と牧場は試合を見るための見学者で一杯だ。
初戦はすでに始まっており、対戦は順次行われている。
なかなか勝負の決まらない対戦もあれば一撃で勝負の決まる対戦もある。
0
あなたにおすすめの小説
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
転生令嬢はやんちゃする
ナギ
恋愛
【完結しました!】
猫を助けてぐしゃっといって。
そして私はどこぞのファンタジー世界の令嬢でした。
木登り落下事件から蘇えった前世の記憶。
でも私は私、まいぺぇす。
2017年5月18日 完結しました。
わぁいながい!
お付き合いいただきありがとうございました!
でもまだちょっとばかり、与太話でおまけを書くと思います。
いえ、やっぱりちょっとじゃないかもしれない。
【感謝】
感想ありがとうございます!
楽しんでいただけてたんだなぁとほっこり。
完結後に頂いた感想は、全部ネタバリ有りにさせていただいてます。
与太話、中身なくて、楽しい。
最近息子ちゃんをいじってます。
息子ちゃん編は、まとめてちゃんと書くことにしました。
が、大まかな、美味しいとこどりの流れはこちらにひとまず。
ひとくぎりがつくまでは。
お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。
五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。
ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。
年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。
慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。
二人の恋の行方は……
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。
藤原遊
恋愛
「死ぬはずだった運命なんて、冒険者たちが全力で覆してくれる!」
街を守るために「死ぬ役目」を覚悟した私。
だけど、未来をやり直す彼らに溺愛されて、手放してくれません――!?
街を守り「死ぬ役目」に転生したスフィア。
彼女が覚悟を決めたその時――冒険者たちが全力で守り抜くと誓った!
未来を変えるため、スフィアを何度でも守る彼らの執着は止まらない!?
「君が笑っているだけでいい。それが、俺たちのすべてだ。」
運命に抗う冒険者たちが織り成す、異世界溺愛ファンタジー!
【完結】雨の日に会えるあなたに恋をした。 第7回ほっこりじんわり大賞奨励賞受賞
衿乃 光希
恋愛
同僚と合わず3年勤めた仕事を退職した彩綺(さいき)。縁があって私設植物園に併設されている喫茶店でアルバイトを始める。そこに雨の日にだけやってくる男性がいた。彼はスタッフの間で『雨の君』と呼ばれているようで、彩綺はミステリアスな彼が気になって・・・。初めての恋に戸惑いながら、本をきっかけに彼との距離を縮めていく。初恋のどきどきをお楽しみください。 第7回ほっこり・じんわり大賞奨励賞を頂きました。応援ありがとうございました。
【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?
ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。
卒業3か月前の事です。
卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。
もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。
カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。
でも大丈夫ですか?
婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。
※ゆるゆる設定です
※軽い感じで読み流して下さい
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる