意地悪姫の反乱

相葉サトリ

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第二十六話 ルウドの選択

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 旅人のロズは街で宿をとり情報収集をしている。
 ルウドは昼食後、彼に会いに街へ出た。
 彼がいる宿の食堂で飲み物を貰って世間話などをする。

「あはは、ルウドも大変だね。そんなに人気者なんだ?」

「そんな気は全くしないが何故か上官や同僚から言われるんだ。よく分からないのだけど」

「あちこちから引く手あまたか。退屈しなさそうでいいね」

「せっかくの休みなのでもっと静かに過ごしたいのに心配が絶えない」

「大変だねルウドは。騎士ってそんな忙しいんだ?」

「要人の護衛が仕事だからね。大変ではある」

「ふうん、でも何か楽しそう」

「それでロズはどうなんだ?街でいい情報は入ったのか?」

「うーん、それがねえ…。城内の面白情報はたくさん手に入るのだけど欲しい情報は微塵も手に入らない。何でだろうねえ…」

「欲しい情報って何だ?そもそもこの国に頑なに隠さねばならない情報なんてあるのか?私はずっと城に住んでいるが聞いた事もないぞ?」

「他国人の交流の多い国だから簡単に見つかるような隠し方はしてないだろうね」

「…ロズは国が隠すような情報が欲しいのか?」

「僕の欲しい情報が国が隠すようなものかどうかは分からない」

「そうか」

「もしよかったら調べ物を手伝ってほしいな?」

「この時間は暇なのでいいよ。今休暇中だし」

「わあ本当?ありがとう」

 暇なルウドの予定が決まった。この日からルウドは街へ出てロズと共にぶらぶらと情報収集を始める。






 



 物音がする。すぐ傍で人が動く気配がする。
 殺気こそはなかったが気配だけで目が覚めてしまった。
 それでもルウドは眠ったふりをする。
 取られる様なものはなにもないのだがとにかくさっさと出て行ってくれないと眠れない。
 捕まえて問いただす事も出来るがあとが面倒なので知らぬ顔をしていた方がいい。
 しかしそれからが長かった。
 盗人は随分諦めが悪く何かを捜していた。
 やっと出て行ったとほっとした頃には夜明けの頃になっていた。









 深くため息をつくのをロズに見られて笑われた。

「何だいルウド?疲れているのか?」

「この所眠れなくて…」

「眠れない?何で?」

「人が忍んできて…」

「…ああそう言うことか。まあほどほどにしときなよ?」

「……」

 誤解だか細かい説明はできないので黙るしかない。
 ロズは街で得た情報と資料を見て説明する。

「アルメディアの最後の血族の軌跡をたどっていくとある貴族の所までたどり着くことが出来たんだ。そしてその貴族達はこの国にも何度か足を運んだ形跡がある。
 この国にもその痕跡が残っているはずだから調べてみたい」

「ロズ。言っては何だが貴族だろう?別にこの国でなくとも幅広く交流があるのではないか?」

「勿論、だけどこの国を訪れた事を最後に姿を消した人がいる。その人を捜し出せばきっと答えに行きつける」

「……まさか、アルメディアの血族に?」

「血が途絶えているという可能性もある。だけど結果は必ずあるはずだ」

「……それを見つけてロズはどうする気だ?」

「ううん?そうだねえ…?」

 彼は意味ありげに微笑む。

「…‥まあそれは答えを見つけてから教えてあげるよ?」

 ルウドは不穏に感じる。
 遠い遠い昔話がある日突然現実となり目前に訪れる。
 それは一体どんな気分だろうか?







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