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第二十八話 魔法の鍵の物語
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しおりを挟む庭師の村の事はお城で少し調べてあっさり分かった。
そもそも毎年手伝いに来る人たちである。分からない訳がない。
ただ単に今までルウドが興味を持たなかっただけだ。
「庭師の住む村に行ってみます」
昔、そこに住んでいたと母に聞いた事があったがルウドはほとんど覚えていない。
確か余所ものはいっさい受け付けない村だと聞いて関わるのに抵抗を持った。
お屋敷で馬を借りてルウドは村へ向かう。
国の隅にある隠された村なので分かりにくいがけして遠いところという認識はない。
街を出て、ひたすら北西へ向けて馬を走らせる。
山へ入り森を進むと何だか懐かしい感じがした。
「……」
馬を降りて辺りを見回す。
こんな森来た事もないし知らないはずだ。
だけど知った匂いがする。馴染んだ感じがする。
ルウドがぼんやりと森を眺めているとどこからか物音がする。
「―――――!」
突如矢が飛んできた。
「誰だ!」
「人だ!」
「………いきなり何をするんだ、まず出て来い!」
矢を持った男が出てきた。
「この森から出て行け。これ以上先へ進むなら命はないぞ?」
「私はこの森の奥にある村に用があるんだ。先へ進まない訳にはいかない。それより君は村のものか?だったら案内してほしい」
「…誰だお前?」
「私は王宮騎士ルウド=ランジール。庭師の村で尋ねたい事があるんだ」
「……着いてこい」
そう言った男はルウドに構わずさっさと先へ行ってしまった。
ルウドは慌てて後を追う。
案内がいなければ確実に迷いそうな森の小道を抜けてようやくと言った頃に村に行き着いた。小さな村だ。人もあまり見かけない。
それでも門を抜けて中へ入ると誰かの視線が突き刺さる。
「ギル、なんだその男は?余所ものか?」
「王宮の者だ。騎士ルウド=ランジール」
「・・・ランジール?」
「用件は俺の家で聞く、こっちだ」
ギルはルウドを案内し、家に入れる。
「・・・あの、村長は?」
「俺だ」
ルウドの向かい側に座ったギルが言う。
彼は見た所ルウドと同年代。三十年も前の事を聞いても分からないだろう。
「・・・誰か年輩の方は?」
「老人は余りいないな。昔の事を知る者は余りいない。一体何が聞きたいんだ?」
「昔、ここで暮らしていた、たぶん母が忘れた物を・・・」
「何だ、過去を捜しに来たのか」
「何か知っていたら教えてほしい」
「・・・・お前達一家が暮らしていた家が残っている。村の最奥に」
「えっ?何故また?」
「知らん、先代の村長の命令だった。いつか、ルウドが戻ってくるかもしれないと」
「・・・・・」
「捜し物があるならそこへ行けばいい。残ってはいるが誰も手を入れて居ない、そのままになっているはずだ」
「有難うございます、行ってみます」
なんだか愛想のない彼を置いてルウドは立ち上がり外へ向かう。
「……あの、もしかして会った事がありますか?」
「……なんだ、覚えていないのか」
「…?」
何故か彼に苦虫を噛み潰された。
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