77 / 200
第十三話 ルウドと世界一の宝の鍵
1
しおりを挟むルウド=ランジール二十八歳。未だに独身恋人なし。
二十歳で騎士隊入隊、それからずっと城内警備を管轄。
趣味、薔薇の世話。仕事、お姫様の警護。
真面目で固く、部下達の面倒見もいい。周囲の評判も上々。
外見、銀髪青眼。長身の筋肉質。
隊長クラスだけあって剣腕、柔腕は上級。
幼いころ庭師として雇われた父母と共にマルス城に来て家族と住み暮らし、少年時代、騎士を志して王立士官学校を得て、城に入った。
父母はすでに死去し、最後まで彼らの素性は謎になった。銀髪青眼は母親譲り。
庭師の父の仕事を譲り受けて、騎士の合間に庭師の仕事も兼業している。
「こんな堅物男が何を持っているって?」
「なんかすごい宝だってさ」
「見るからに夢も希望もなさそうなただの田舎者の庭師にしか見えなかったが?」
「それが罠だという事もある、何しろそれなりに強いというから」
「そりゃ騎士ならそれなりの腕があって当然だろう?護衛だというし」
「何が怪しいってあの国の王が隠しているってことだ」
「何を隠しているって?あの騎士を?そんな風には見えなかったが?」
「大体どこから出たんだよその噂?王が隠しているから宝持っているって?」
「良く考えたら意味分からないな」
「そうだよなあ…?」
ルウドは困っていた。
ティア姫の機嫌がすこぶる悪い上にまた何か厄介な事を企み始めた。
護衛なのに部屋を追い出された。その上、
「ルウドの馬鹿ああああっ!どうせ私は子供よおおおおおっ!入ってこないでえええっ!絶対このままじゃ済まさないんだからああああっ!」
「……‥」
先日の子供扱いがそんなに傷ついたのだろうか?
しかしまた何を企んでいるのか?
部屋の入り口に護衛数名を置いてルウドはすごすごと引き下がった。
途中ハリスに会った。
「ルウド、どうしたんだ?姫の護衛は?」
「……また訳の分からない事を言われて部屋を追い出された。ホントに難しい年頃で困る。またよからぬ事を企んでいるようだ」
「……‥」
ハリスは何故か遠くを見つめた。
「ところで今陛下はどこに居られるかな?謁見出来るか?」
「執務中だろう。どうかしたのか?」
「お聞きしたい事があるんだ。先日レナン邸で聞き捨てならない事を聞いてな」
「何だ?」
「私がすごいお宝を隠し持っているらしい」
「それは羨ましいな。ぜひとも分けてくれ」
「私は知らん。分からないから陛下に聞くんだ。一体どこからそんな噂が流れたんだか知らないが陛下は何か知っているはずだ」
「そうなのか?」
「私の父の友人だったというから色々知っているはずなんだ。未だに何一つ教えて貰えないが今回こそは聞き出してみせる」
「そ、そうか、まあ頑張ってくれ」
ルウドはハリスと別れ、王の執務部屋へ向かう。
「失礼いたします、陛下」
ノックをして部屋に入ると王は難しい顔で書面を見ていた。
「何だ、用か?忙しいから手早く言ってくれ」
「はい、では単刀直入にお聞きしますが私が宝を隠し持っているとの噂が貴族間であるようなのですが何か心当たりは?」
「あるわけないだろう。何だ、宝を隠し持っているならぜひ分けてくれ」
「……申し訳ございません。失礼いたしました」
ルウドはさっさと引き下がった。
0
あなたにおすすめの小説
転生令嬢はやんちゃする
ナギ
恋愛
【完結しました!】
猫を助けてぐしゃっといって。
そして私はどこぞのファンタジー世界の令嬢でした。
木登り落下事件から蘇えった前世の記憶。
でも私は私、まいぺぇす。
2017年5月18日 完結しました。
わぁいながい!
お付き合いいただきありがとうございました!
でもまだちょっとばかり、与太話でおまけを書くと思います。
いえ、やっぱりちょっとじゃないかもしれない。
【感謝】
感想ありがとうございます!
楽しんでいただけてたんだなぁとほっこり。
完結後に頂いた感想は、全部ネタバリ有りにさせていただいてます。
与太話、中身なくて、楽しい。
最近息子ちゃんをいじってます。
息子ちゃん編は、まとめてちゃんと書くことにしました。
が、大まかな、美味しいとこどりの流れはこちらにひとまず。
ひとくぎりがつくまでは。
崖っぷち令嬢の生き残り術
甘寧
恋愛
「婚約破棄ですか…構いませんよ?子種だけ頂けたらね」
主人公であるリディアは両親亡き後、子爵家当主としてある日、いわく付きの土地を引き継いだ。
その土地に住まう精霊、レウルェに契約という名の呪いをかけられ、三年の内に子供を成さねばならなくなった。
ある満月の夜、契約印の力で発情状態のリディアの前に、不審な男が飛び込んできた。背に腹はかえられないと、リディアは目の前の男に縋りついた。
知らぬ男と一夜を共にしたが、反省はしても後悔はない。
清々しい気持ちで朝を迎えたリディアだったが……契約印が消えてない!?
困惑するリディア。更に困惑する事態が訪れて……
死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。
藤原遊
恋愛
「死ぬはずだった運命なんて、冒険者たちが全力で覆してくれる!」
街を守るために「死ぬ役目」を覚悟した私。
だけど、未来をやり直す彼らに溺愛されて、手放してくれません――!?
街を守り「死ぬ役目」に転生したスフィア。
彼女が覚悟を決めたその時――冒険者たちが全力で守り抜くと誓った!
未来を変えるため、スフィアを何度でも守る彼らの執着は止まらない!?
「君が笑っているだけでいい。それが、俺たちのすべてだ。」
運命に抗う冒険者たちが織り成す、異世界溺愛ファンタジー!
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
とめどなく波が打ち寄せるように
月山 歩
恋愛
男爵令嬢のセシルは、従者と秘密の恋をしていた。彼が従者長になったら、父に打ち明けて、交際を認めてもらうつもりだった。けれども、それを知った父は嘘の罪を被せて、二人の仲を割く。数年後再会した二人は、富豪の侯爵と貧困にあえぐ男爵令嬢になっていた。そして、彼は冷たい瞳で私を見下した。
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
契約結婚のススメ
文月 蓮
恋愛
研究一筋に生きてきた魔導士のレティシアは、研究を続けるために父に命じられた結婚をしかたなく承諾する。相手は社交界の独身女性憧れの的であるヴィラール侯爵アロイス。だが、アロイスもまた結婚を望んでいなかったことを知り、契約結婚を提案する。互いの思惑が一致して始まった愛のない結婚だったが、王の婚約者の護衛任務を受けることになったレティシアとアロイスの距離は徐々に縮まってきて……。シリアスと見せかけて、コメディです。「ムーンライトノベルズ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる