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2. 流美の大事な思い出

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「今日も清華さやかちゃん、綺麗だったなぁ~~~!」
自分の部屋に入り、カバンを置いた流美るみはほうっと惚けたような顔になる。
「お胸もおっきいし、形も綺麗...って見てるの気づかれてないよね?!」
ブレザーをハンガーにかけながらそんなことを言っている。
「それに比べて...」
流美は自分の胸元を覗き込む。
<シュルッ!>
襟元のリボンをほどくと、ブラウスを脱ぎ捨てた。
「・・・」
姿見で自分の下着だけになった胸を見つめる。
「全然、違う!こんなんじゃ好きになってもらえない!」
流美は悲しそうな顔をする。
「足だって...」
<チィィ~~~~!>
<パサッ!>
ファスナーを下ろすと、スカートが脱げ落ちる。
完全に下着姿になった全身を見ていた流美だったが、
「はぁ...魅力的じゃないなぁ...こんなんじゃ清華ちゃんに見せられないよ!」
思わずため息が出てしまう。
「...可愛い下着、買おっかなぁ...そしたら少しは...って下着姿見せ合う間柄じゃないけどね!」
そんなことを言って苦笑いをする流美だったが、すぐにあることに気づく。
「そ、そうだ!もし清華ちゃんがお漏らししたら私の下着を...って、こんな下着、着せられない!!」
流美の着ている下着は白無地の量産品だ。はっきり言って子供っぽい。
「や、やっぱり可愛い下着買わないと!でもお小遣い、足りるかなぁ...」
そう言ってまた、ため息をつくのだった。

<ドサッ!!>
勢いよくベッドにダイブする流美。
「あ~~~あ!上手くいかないなぁ...」
下着姿で愚痴っていると、枕元にある古ぼけたつぎはぎだらけのウサギのぬいぐるみが目に入った。
「このぬいぐるみ...」
流美の顔が思わず笑顔になる。
「『いい加減捨てなさい』って言われてるけど、捨てれるわけないよ!!だって...」
そう言うと、昔のことを思い出すのだった...

☆彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡

「え~~~~~~~ん!!」
河原で小さな女の子が泣いている。幼い頃の流美だ。

まだ染めていない黒髪は今より短く切りそろえられている。
服は白のブラウスと赤のサスペンダー付きのスカートをはいていた。

「どうしたの?!流美ちゃん!!」
可愛い女の子が慌てて流美の傍に寄ってくる。

幼い清華だ。すでに美しさの片鱗はあり、愛くるしい顔に程よく痩せた体つきだ。
髪型は今とそう変わらない。
綺麗な水色のワンピースを着ていた。

「私のウサちゃんが~~~~!!」
見ると、大きな犬がウサギのぬいぐるみを咥え、遊んでいた。
どうやら玩具おもちゃだと思っているらしく、楽しそうに尻尾を振りながら放り投げたり、咬んだりしている。
「こら!あっち行って!!これは流美ちゃんの大事なお友達なんだから!!」
清華がそう言って、ぬいぐるみを取り返そうとすると、
「グルルル...」
犬が玩具を取られると思ったのか威嚇してくる。
「キャッ!!」
流美が怖がるが、
「大丈夫!私に任せて!」
清華は流美を落ち着かせると、近くにあった小枝を投げる。
「えいっ!」
「キャン!!」
すると、犬は臆病な性格なのか逃げていってしまった。
清華は残されたぬいぐるみを拾うと、埃を落とし、流美に渡す。
「はい!」
「わぁ~~~!!」
一瞬、満面の笑みを見せた流美だったが、
「え~~~~~ん!!私のウサちゃんが~~~!!」
咬まれてあちこちほつれてしまったぬいぐるみを見てまた泣き出してしまった。
それを見て困った顔をする清華だったが、
「怪我してるね!でも大丈夫!私が直してあげる!!」
そう言うと、流美の頭を撫でてあげていた。
「本当に?!」
流美が泣きやむ。
「うん!明日まで待ってて!!」
にっこり笑ってそう言うと、清華はぬいぐるみを持ち帰っていった。

翌朝、
「はい!」
小学校に一緒に行こうと迎えに来た清華が流美に昨日のぬいぐるみを渡した。
あちこち、つぎはぎがされているが、綺麗に修復されていた。
「わぁ~~~~!!ウサちゃん!怪我治ったんだ!!」
流美の目が輝いている。
「ちょっとお洋服が変わっちゃったけど...」
清華が心配そうに言うが、
「ううん!こっちの方が可愛い!!ありがとう!!」
そう言って、流美はそのぬいぐるみを抱きしめた。
「良かった!!」
清華も笑顔になる。

そして一緒に手を繋いで登校していると、流美が言い出した。
「そうだ!何かお礼しないと!!」
しかし、清華は、
「いいよ!ウサちゃんと流美ちゃんが元気になったんだから。それが一番うれしい!!」
そう行って微笑む。
「ダメ!私、清華ちゃんに助けてもらってばっかり...ええと...」
あれこれ悩んでいた流美だったが、
「そうだ!大人になったらお嫁さんになってあげるね!!」
名案とばかりに満面の笑みでそう言った。
「うん!うれしい!約束!!」
「うん!約束!!」
清華と流美はそう言って微笑み合うのだった。

ミミミミミミミミミミミ☆

「・・・」
そこまで思い出したところで流美が真っ赤になる。
「『お嫁さんになってあげる』なんて...今考えるとなんておこがましい...」
そしてぬいぐるみに向かって土下座をしだした。
「『お願いします!!私をもらってください!!』でしょ!!」
過去の自分に向かってダメ出しをしている。
「大体、清華ちゃんが本気でとってるわけないし...きっともう忘れてるよね...」
流美は寂しそうな顔に変わる。
そして、ウサギのぬいぐるみを手に取った。
「後で知ったんだけど、この継ぎ当て...清華ちゃんの大事な服を切り取って作ったんだよね...私なんかの為に...」
流美の目が潤む。
「清華ちゃん...好き...でもお嫁さんになるなんて...私、そんな自信ないよ...」
ギュッとぬいぐるみを抱きしめた流美は、一筋の涙を流すのだった...

☆彡彡彡

一方、その夜。清華の家の浴室では、
「フ~~ン♪フ~~ン♪」
清華の機嫌の良さそうな鼻歌が聞こえていた。
「ふふふ。今日の流美、可愛かったな~~~!」
どうやら学校からの帰り道のことを思い出しているらしい。
ニコニコしながら体を洗っている。
「『私がお漏らししたら』なんて聞いたら一生懸命、対策を考えてくれて...」
今は胸を洗っているようだ。大きくて綺麗な胸がプルンと揺れた。
「本当はもっと早く止めるつもりだったけど、楽しくって最後まで聞いちゃったわ!」
そして体の下の方へと順に洗っていく。
「私のここを拭くのだって、自分の下着をはかれるのだって、私の為なら大丈夫だって!」
そう言って、チラッと足の間を覗く。
「ふふふ。本当にお漏らししちゃおうかしら!」
ご機嫌でそう言った清華だったが、ふとあることに気づく。
「で、でも...そ、それって...ここ、見られちゃうってことよね...」
清華は足を開くと覗き込んで良く観察する。
「わ、わ、私のってどうなのかしら?...他の子の見たことないから...流美に引かれないかな...」
清華は心配になったようだ。
「で、で、でも、いずれ見せるんだし...だ、だ、大丈夫!!いつも清潔にしておけば...」
そう言って、そこを丁寧に洗い出した。
「それと...下着...」
清華はいつもつけている下着を思い返す。
お母さんが買ってきた、白で無地の安売り商品だ。決してオシャレとは言えない。
「あんなんじゃ流美にガッカリされちゃう!!」
清華が悲痛な声を漏らす。
「可愛い下着...欲しいな...」
そして、最後にそうつぶやいたのだった。
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