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Maid 18. 助けてくれたのは...
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「姫様!!」
ガーネットはその詠唱に、思わず大声を上げると、目を開く。すると、
「グォォォ~~~~~...」
巨大な稲妻に打たれたドラゴンが、断末魔の叫び声とともに、光となって消えていく。
<コツン...>
床に落ちた、大きな魔石。
そして、ドラゴンのいた向こうからは...
「ミャ~~~~!!」
マリンが慌てて、駆けつけてきた。
「マリン!!大丈夫だったの?!」
飛びついてくるマリンをギュッと抱きしめるガーネット。
「・・・」
大きな胸に挟まれ、マリンは頬を染めている。
しばらくそうしていた二人だったが、
「そうだ!!姫様?!」
ガーネットは姫様を捜し、辺りを見回す。
しかし、どこにも姫様の姿は見つけられなかった。
「幻?...でも今の魔法は...」
狐につままれたような顔をしているガーネット。
すると、入口の方から声が聞こえた。
「どこにいるんだろうね?あのメイド?」
「ホントに大丈夫っスかね?やられたりなんかしてたら...」
「しかし、先ほどの轟音!それと、強力な魔法の光の後、音がしなくなった...おそらくこの先に...」
「アメジストさん!!」
ガーネットが声を上げる。
それはアメジストたち、3人組だった。
「ああ!ここにいたんだね!...この魔石...間違いない!これはドラゴンの...あんたが...」
ガーネットを見つけたアメジストが、何か聞こうとした時、
「もしかして!!」
ガーネットが何かに気付いたようだ。アメジストたちを見つめて叫ぶ。
するとアメジストたちは、
「な、何がさ?!あ、あたしたちは決して、ドラゴン討伐の手柄を横取りしようと思ってるわけではなく...」
「そ、そうっス!!先に村に帰って、『ドラゴンを倒してきました』なんて言うつもりは全く...」
「そ、そうだ!!『あわよくば分け前を』などという卑しい気持ちはこれっぽっちも...」
慌てて、言い訳を始める。
「ミャ~~~...」
そんなアメジストたちを白い目で見ているマリン。
しかし、ガーネットは違った。
「ありがとうございました!!」
アメジストたちに向け、大きく頭を下げる。
「はっ?!」
「えっ?!」
「なにっ?!」
戸惑っているアメジストたち。
そんなアメジストたちの前で、ドラゴンの残した特大の魔石を拾うガーネット。そして、
「はいっ!」
笑顔でアメジストに差し出す。
「こ、こ、これはどういう...」
そう言いながらも、当たり前のように魔石を受け取っているアメジスト。
「ちょっ!!いいんスか?!」
パールが咎めるが、
「これはあたしたちのものでいいんだよね?!」
アメジストは念のためにガーネットに確かめている。
すると、ガーネットは、
「もちろんです!!それにドラゴンの財宝も...」
アメジストたちを奥の方へと案内しだした。
「ミャ~~~...」
『またか』という表情のマリン。
しかし、それを無視して、皆は財宝の山へとたどり着く。
「これはこれは...なかなかのもんじゃないか!!」
「す、すごいっス!!」
「私もこれほどの宝は見たことも...」
その光景に、アメジストたちが感激の声を上げていると、
「ふふふ!どうぞ困っている人のために役立ててください!」
ガーネットが笑顔で話しかける。
「そうさね!実は困ってたんだよ!」
「そうそう!もうどうしようかと...でもいいんスか?ちょっとだけもらえたらそれで...」
「うむ!私たちは少しでいい!」
ろくでなし3人組も、さすがに遠慮するが、
「ふふふ!相変わらず謙虚なんですね!どうぞ全部...」
ガーネットはにっこり笑っている。
「では、遠慮なく...」
喜びが顔から隠せない様子のアメジストだったが、
「いや、さすがにそれはまずいだろ!!少しくらい持っていけ!!」
ヒスイはガーネットに向き直ると、宝を勧める。
「でも...」
ガーネットは断ろうとしたが、
「ミャ~~~~!」
マリンの声に振り返る。
「なに?これはアメジストさんたちの...」
そう言いながらマリンを抱き上げようとすると、
<カチャン!>
ガラス瓶が落ちた。
「あっ!割れちゃったかも!!」
ガーネットが慌てて拾い上げるが、
「なんだ!魔法のガラス瓶か...」
全く、傷がないのを見て安心するガーネット。
そして、中を見ると、
「綺麗...」
黄色の液体が幻想的に光っていた。
「ああ!それくらいなら分けてあげるよ!もらっておきな!」
アメジストがまるで自分のもののように言うと、
「いいんですか?!...じゃあ、お言葉に甘えて...」
その液体に心惹かれるものを感じたガーネットは、腰のポーチにしまう。
「これで一件落着だな!!」
高らかに宣言するアメジストに、
「本当に欲のない人たちですね!」
目を輝かせるガーネット。
「...少し、胸が痛むっス!」
「実は私も...」
少し、罪悪感を感じているパールとヒスイ。そして、
「ミャ~~~...」
『困ったもんだ』とばかりに首を振っているマリンがいた。
ガーネットはその詠唱に、思わず大声を上げると、目を開く。すると、
「グォォォ~~~~~...」
巨大な稲妻に打たれたドラゴンが、断末魔の叫び声とともに、光となって消えていく。
<コツン...>
床に落ちた、大きな魔石。
そして、ドラゴンのいた向こうからは...
「ミャ~~~~!!」
マリンが慌てて、駆けつけてきた。
「マリン!!大丈夫だったの?!」
飛びついてくるマリンをギュッと抱きしめるガーネット。
「・・・」
大きな胸に挟まれ、マリンは頬を染めている。
しばらくそうしていた二人だったが、
「そうだ!!姫様?!」
ガーネットは姫様を捜し、辺りを見回す。
しかし、どこにも姫様の姿は見つけられなかった。
「幻?...でも今の魔法は...」
狐につままれたような顔をしているガーネット。
すると、入口の方から声が聞こえた。
「どこにいるんだろうね?あのメイド?」
「ホントに大丈夫っスかね?やられたりなんかしてたら...」
「しかし、先ほどの轟音!それと、強力な魔法の光の後、音がしなくなった...おそらくこの先に...」
「アメジストさん!!」
ガーネットが声を上げる。
それはアメジストたち、3人組だった。
「ああ!ここにいたんだね!...この魔石...間違いない!これはドラゴンの...あんたが...」
ガーネットを見つけたアメジストが、何か聞こうとした時、
「もしかして!!」
ガーネットが何かに気付いたようだ。アメジストたちを見つめて叫ぶ。
するとアメジストたちは、
「な、何がさ?!あ、あたしたちは決して、ドラゴン討伐の手柄を横取りしようと思ってるわけではなく...」
「そ、そうっス!!先に村に帰って、『ドラゴンを倒してきました』なんて言うつもりは全く...」
「そ、そうだ!!『あわよくば分け前を』などという卑しい気持ちはこれっぽっちも...」
慌てて、言い訳を始める。
「ミャ~~~...」
そんなアメジストたちを白い目で見ているマリン。
しかし、ガーネットは違った。
「ありがとうございました!!」
アメジストたちに向け、大きく頭を下げる。
「はっ?!」
「えっ?!」
「なにっ?!」
戸惑っているアメジストたち。
そんなアメジストたちの前で、ドラゴンの残した特大の魔石を拾うガーネット。そして、
「はいっ!」
笑顔でアメジストに差し出す。
「こ、こ、これはどういう...」
そう言いながらも、当たり前のように魔石を受け取っているアメジスト。
「ちょっ!!いいんスか?!」
パールが咎めるが、
「これはあたしたちのものでいいんだよね?!」
アメジストは念のためにガーネットに確かめている。
すると、ガーネットは、
「もちろんです!!それにドラゴンの財宝も...」
アメジストたちを奥の方へと案内しだした。
「ミャ~~~...」
『またか』という表情のマリン。
しかし、それを無視して、皆は財宝の山へとたどり着く。
「これはこれは...なかなかのもんじゃないか!!」
「す、すごいっス!!」
「私もこれほどの宝は見たことも...」
その光景に、アメジストたちが感激の声を上げていると、
「ふふふ!どうぞ困っている人のために役立ててください!」
ガーネットが笑顔で話しかける。
「そうさね!実は困ってたんだよ!」
「そうそう!もうどうしようかと...でもいいんスか?ちょっとだけもらえたらそれで...」
「うむ!私たちは少しでいい!」
ろくでなし3人組も、さすがに遠慮するが、
「ふふふ!相変わらず謙虚なんですね!どうぞ全部...」
ガーネットはにっこり笑っている。
「では、遠慮なく...」
喜びが顔から隠せない様子のアメジストだったが、
「いや、さすがにそれはまずいだろ!!少しくらい持っていけ!!」
ヒスイはガーネットに向き直ると、宝を勧める。
「でも...」
ガーネットは断ろうとしたが、
「ミャ~~~~!」
マリンの声に振り返る。
「なに?これはアメジストさんたちの...」
そう言いながらマリンを抱き上げようとすると、
<カチャン!>
ガラス瓶が落ちた。
「あっ!割れちゃったかも!!」
ガーネットが慌てて拾い上げるが、
「なんだ!魔法のガラス瓶か...」
全く、傷がないのを見て安心するガーネット。
そして、中を見ると、
「綺麗...」
黄色の液体が幻想的に光っていた。
「ああ!それくらいなら分けてあげるよ!もらっておきな!」
アメジストがまるで自分のもののように言うと、
「いいんですか?!...じゃあ、お言葉に甘えて...」
その液体に心惹かれるものを感じたガーネットは、腰のポーチにしまう。
「これで一件落着だな!!」
高らかに宣言するアメジストに、
「本当に欲のない人たちですね!」
目を輝かせるガーネット。
「...少し、胸が痛むっス!」
「実は私も...」
少し、罪悪感を感じているパールとヒスイ。そして、
「ミャ~~~...」
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