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Maid 19. 村を訪れた人物
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「じゃあ、あたしたちは村に討伐の報告に行くから、これで...」
「ご苦労様です!また、お会いできるといいですね!」
「そうさね!お嬢ちゃんは気前がいいから、また相手してやるよ!」
「そんな!...いつも助けてもらっているのは私の方で...いつか恩返しさせてください!」
街道に戻ってきたガーネットたち。
挨拶を交わすと、ガーネットとマリンはアーガイルの街に、アメジストたちは村の方角に、それぞれ別れていった。
「はぁ...今回は危なかった!アメジストさんたちがもう少し、遅れていたら...」
ガーネットが、ドラゴンを目の前にした時のことを思い出している。
ブルッと体が震えた。
「ミャ~~~~...」
心配そうなマリン。
「ふふふ!マリン、大丈夫だよ!でも、もう私から離れないで!!約束!!」
「ミャッ!!ミャ~~~~!!」
ガーネットの言葉をどうとったのか、マリンは真っ赤になってあたふたしだした。
そんなマリンをよそにガーネットは考えていた。
(あの時、聞いた声。確かに姫様の...どうして?幻覚なのかな?...姫様...会いたい...会ってあの優しい声で『ガーネット』って呼んでほしい...)
ガーネットの顔が曇る。
「ミャ~~~?」
マリンがそんなガーネットの顔をのぞき込んでくる。
「あっ!ゴメン!ゴメン!...大丈夫!ちょっと姫様に会いたいなって!...まだ1週間近くしか離れてないのに...こんなんじゃ...ダメだね!」
ガーネットが自嘲気味に、自分の頭をコツンと叩く。すると、
「ミャッ!ミャ~~~!!」
マリンは何か言いたそうだ。
「えっ?『会わせてあげる』って?もう!マリンったら!」
ガーネットが笑うが、マリンは真剣な顔をすると、森の茂みに入り込んだ。
「どうしたの?『離れちゃダメ』って!」
ガーネットが慌てて追いかけようとすると、
<ポンッ!>
白い煙が茂みから立ち上がる。
「えっ?!」
何かの気配を感じたガーネットが、茂みを凝視しながら口にする。
「姫...様?!」
「・・・」
<ガサッ!>
茂みが揺れるが、
「そんなはずないよね...姫様はお城から出られないはず!それにもし抜け出してるようなら、私が間違いなく、お城までお送りしないと!!」
ガーネットがそう言うと、
<ポンッ!>
また、白い煙が茂みから上がる。
「ミャ~~~...」
マリンが気まずそうな様子で現れた。
「もう!マリンのいたずら?ダメだよ!また迷子になったら大変でしょ!」
ガーネットはマリンを抱きかかえると、アーガイルに向けて歩きだす。すると、
<ガラガラガラ!>
一台の立派な馬車と10人くらいの護衛の兵士が街道を過ぎていった。
「なんだろ?」
「ミャ~~~?」
首を傾げるガーネットとマリン。しかし、
「王都に用事かな?...行こ!」
「ミャ~~~!」
特に気にすることもなく、再び、歩き始めるガーネットたちだった。
☆彡彡彡
一方、村に着いたアメジストたちは、意気揚々と村長の家に向かっていた。
「おお!あんたら、もしかして、もうドラゴンを倒したのかい?」
「ああ!あたしたちにかかれば、こんなもんさ!」
時折、村人に声をかけられる。
アメジストは、完全に、自分たちだけの手柄にするつもりのようだった。
やがて、村長の家に着いた時、村の入口が騒然となる。
「なんだい?」
様子をうかがうアメジスト。しかし、
「そんなことより、早く、残りの報酬をもらうっス!」
パールが急かす。
「そうだね!...お邪魔するよ!」
<ガラッ!>
アメジストは村長の家の扉を開けるのだった。
☆彡彡彡
「おお~~~!!本当に倒してくださるとは...てっきり、持ち逃げ...いえ、なんでもありません!!信じておりましたぞ!!」
アメジストからの報告に、村長は何か言いかけたが、慌てて言い直すと、愛想笑いを浮かべる。
その時だった。
「あの~~~...少し、よろしいでしょうか?」
村人が村長の家に入ってきて、話しかけてきた。
「なんじゃ?!今、ドラゴンを倒していただいた、アメジスト殿と話をしているところじゃ!!後にせい!!」
村長が怒鳴ると、
「なに?倒してしまったのか?!」
入口から声が聞こえる。
「誰じゃ?」
村長が村人に尋ねると、
「それが...」
「なに~~~~~~~!!もっと早く言わんか!!」
その名を聞いた村長は慌てて、お迎えの準備をするのだった。
「ご苦労様です!また、お会いできるといいですね!」
「そうさね!お嬢ちゃんは気前がいいから、また相手してやるよ!」
「そんな!...いつも助けてもらっているのは私の方で...いつか恩返しさせてください!」
街道に戻ってきたガーネットたち。
挨拶を交わすと、ガーネットとマリンはアーガイルの街に、アメジストたちは村の方角に、それぞれ別れていった。
「はぁ...今回は危なかった!アメジストさんたちがもう少し、遅れていたら...」
ガーネットが、ドラゴンを目の前にした時のことを思い出している。
ブルッと体が震えた。
「ミャ~~~~...」
心配そうなマリン。
「ふふふ!マリン、大丈夫だよ!でも、もう私から離れないで!!約束!!」
「ミャッ!!ミャ~~~~!!」
ガーネットの言葉をどうとったのか、マリンは真っ赤になってあたふたしだした。
そんなマリンをよそにガーネットは考えていた。
(あの時、聞いた声。確かに姫様の...どうして?幻覚なのかな?...姫様...会いたい...会ってあの優しい声で『ガーネット』って呼んでほしい...)
ガーネットの顔が曇る。
「ミャ~~~?」
マリンがそんなガーネットの顔をのぞき込んでくる。
「あっ!ゴメン!ゴメン!...大丈夫!ちょっと姫様に会いたいなって!...まだ1週間近くしか離れてないのに...こんなんじゃ...ダメだね!」
ガーネットが自嘲気味に、自分の頭をコツンと叩く。すると、
「ミャッ!ミャ~~~!!」
マリンは何か言いたそうだ。
「えっ?『会わせてあげる』って?もう!マリンったら!」
ガーネットが笑うが、マリンは真剣な顔をすると、森の茂みに入り込んだ。
「どうしたの?『離れちゃダメ』って!」
ガーネットが慌てて追いかけようとすると、
<ポンッ!>
白い煙が茂みから立ち上がる。
「えっ?!」
何かの気配を感じたガーネットが、茂みを凝視しながら口にする。
「姫...様?!」
「・・・」
<ガサッ!>
茂みが揺れるが、
「そんなはずないよね...姫様はお城から出られないはず!それにもし抜け出してるようなら、私が間違いなく、お城までお送りしないと!!」
ガーネットがそう言うと、
<ポンッ!>
また、白い煙が茂みから上がる。
「ミャ~~~...」
マリンが気まずそうな様子で現れた。
「もう!マリンのいたずら?ダメだよ!また迷子になったら大変でしょ!」
ガーネットはマリンを抱きかかえると、アーガイルに向けて歩きだす。すると、
<ガラガラガラ!>
一台の立派な馬車と10人くらいの護衛の兵士が街道を過ぎていった。
「なんだろ?」
「ミャ~~~?」
首を傾げるガーネットとマリン。しかし、
「王都に用事かな?...行こ!」
「ミャ~~~!」
特に気にすることもなく、再び、歩き始めるガーネットたちだった。
☆彡彡彡
一方、村に着いたアメジストたちは、意気揚々と村長の家に向かっていた。
「おお!あんたら、もしかして、もうドラゴンを倒したのかい?」
「ああ!あたしたちにかかれば、こんなもんさ!」
時折、村人に声をかけられる。
アメジストは、完全に、自分たちだけの手柄にするつもりのようだった。
やがて、村長の家に着いた時、村の入口が騒然となる。
「なんだい?」
様子をうかがうアメジスト。しかし、
「そんなことより、早く、残りの報酬をもらうっス!」
パールが急かす。
「そうだね!...お邪魔するよ!」
<ガラッ!>
アメジストは村長の家の扉を開けるのだった。
☆彡彡彡
「おお~~~!!本当に倒してくださるとは...てっきり、持ち逃げ...いえ、なんでもありません!!信じておりましたぞ!!」
アメジストからの報告に、村長は何か言いかけたが、慌てて言い直すと、愛想笑いを浮かべる。
その時だった。
「あの~~~...少し、よろしいでしょうか?」
村人が村長の家に入ってきて、話しかけてきた。
「なんじゃ?!今、ドラゴンを倒していただいた、アメジスト殿と話をしているところじゃ!!後にせい!!」
村長が怒鳴ると、
「なに?倒してしまったのか?!」
入口から声が聞こえる。
「誰じゃ?」
村長が村人に尋ねると、
「それが...」
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その名を聞いた村長は慌てて、お迎えの準備をするのだった。
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