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Maid 26. アメジストたちとの再会
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「なんでだい?君には手伝ってもらいたいことが、たくさんあるんだけどな!」
サンストーンは乗り気ではないようだったが、
「だって興味があるんだもん!この子がいくつ雫を集めることができるか...どうやって雫を手に入れるのか...」
アリーは目を輝かせながら説明する。
「...まあ、確かにそこら辺は僕も興味があるところだね!」
サンストーンがちょっとその気になったのを見て、アリーは畳みかける。
「それに、これから行くのは辺境の危険な迷宮!戦える人がいないと困るでしょ?」
ガーネットに向かって、賛同を求めると、
「アリーって強いの?」
そんなことを聞いてくるガーネット。
「ああ!疑ってるんだ!...あたし、千年以上も生きてるんだよ!魔法だってたくさん使えるし、状態異常も得意だよ!いざとなったら、相手を眠らせて逃げることもできる!」
アリーの言葉に、
「それは頼もしいかも!...私たち、戦えないし...」
ガーネットがマリンを見ながら口にすると、
「その件なんだけど、その子、なんで猫に?元の姿なら...むぐむぐ...」
何か言おうとしたアリーの口を、サンストーンがふさぐ。
「ま、まあ、確かにそうだね!...よし!いいよ!アリー、その子の力になってあげて!...もごもご...」
サンストーンはアリーの願いを承諾すると、その後、耳元で何かささやいた。
「ありがとうございます!」
ガーネットは頭を下げながらも、二人の様子を不思議がっているようだったが、
「ああ、そういうことね!...人間って複雑...まあ、いいよ!あたしが守ってあげる!だから、雫を全部、手に入れてみせてね!」
アリーはサンストーンの言葉に納得したようで、さっきの言葉はなかったことにして、ガーネットにそう言ってきた。
「うん!絶対、見つける!」
ガーネットの力強い返事に、
「よし!じゃあ、行っておいで!...それとアリーは見たこと聞いたことを、後で報告するように!それがその子についていく条件!」
サンストーンは皆に声をかけた後、アリーに補足をした。
「うっ!サンストーンの命令には逆らえない...でも、それくらいいいか!行こ!」
アリーは少し、苦い顔をしたが、気を取り直すと、ガーネットたちを誘う。
「うん!」
「ミャ~~~~!」
席を立ち、部屋を出ていくガーネットたち。
「ありがとうございました!」
最後にガーネットが挨拶をすると、
「気にすることないよ!こんな楽しそうなこと何年ぶりだろ!僕も久しぶりにワクワクしてきた!帰ってきて報告を聞くのが楽しみだ!またね!」
サンストーンもうれしそうにしていたのだった。
☆彡彡彡
やがて、3人が研究所を出ると、
「あっ!」
「アメジストさん!」
3人組の女の子のパーティーと出会う。
途端に、ガーネットの顔が輝いた。
「ミャ~~~...」
マリンはというと、あからさまにイヤそうな顔をしている。
「アメジストさんたちもこの街に来てたんですか?」
ガーネットがうれしそうに話しかけると、
「そうなんだよ!あんたを捜していてさ!」
アメジストが答える。
「私を?...なんですか?力になれることがあれば、お手伝いします!」
その言葉に、
「実はドラゴンを倒した時にあげた、『黄色の液体の入ったガラス瓶』を返してくれないかな~~~...なんて...」
さすがのアメジストも気まずそうに、目を逸らしながら頼むと、
「いいですよ!大事なものなんですけど、本来はアメジストさんのものですから!」
ガーネットは腰のポーチから、『黄の奇跡の雫』を取り出すと、アメジストに差し出した。
「悪いね!」
そう言いながらも、悪びれなく魔法のガラス瓶を手に取ると、ニンマリ笑うアメジスト。すると、
「えっ?!あげちゃうの?!」
アリーが驚いた声を出す。
『信じられない』といった表情だ。
「そっか!アリーは知らないんだね!...実は...」
・・・
ガーネットがこれまでのいきさつを話すと、
「へぇぇぇ~~~~...」
アリーは白い目でアメジストたちを見ている。
ガーネットはいかに素晴らしい人物かを力説したのだが、洞察力の優れたアリーからすれば、ろくでもない人間なのはバレバレだったのだろう。
そんなアリーをよそに、
「うわっ!妖精っスよ!あたい、初めて見たっス!」
「うむ!さすがはオーガやドラゴンを簡単に倒してしまうだけはあるな!妖精まで従えるとは!」
パールとヒスイが珍しそうにアリーを見ていた。
「汚い目で見ないで!」
アリーが不愉快そうに声を上げると、
「ダメだよ、アリー!この人たちは『正義の味方』なんだから!」
ガーネットがたしなめる。
「ミャ~~~...」
マリンがその様子を見て、うなだれていると、
「あなたも大変ね!」
アリーはマリンに同情する。
そんなマリンとアリーをよそに、
「じゃあ、あたしらはこれで!」
「はい!困っている人のために、その雫も役立ててあげてください!」
陽気に去っていくアメジストたちを、ガーネットは笑顔で見送っている。
「ミャ~~~?」
(行かせていいの?)
マリンの言葉が分かったのか、
「大丈夫だよ!きっとあの雫は倍になって返ってくるから!」
アリーは意味ありげにそう答えるのだった。
サンストーンは乗り気ではないようだったが、
「だって興味があるんだもん!この子がいくつ雫を集めることができるか...どうやって雫を手に入れるのか...」
アリーは目を輝かせながら説明する。
「...まあ、確かにそこら辺は僕も興味があるところだね!」
サンストーンがちょっとその気になったのを見て、アリーは畳みかける。
「それに、これから行くのは辺境の危険な迷宮!戦える人がいないと困るでしょ?」
ガーネットに向かって、賛同を求めると、
「アリーって強いの?」
そんなことを聞いてくるガーネット。
「ああ!疑ってるんだ!...あたし、千年以上も生きてるんだよ!魔法だってたくさん使えるし、状態異常も得意だよ!いざとなったら、相手を眠らせて逃げることもできる!」
アリーの言葉に、
「それは頼もしいかも!...私たち、戦えないし...」
ガーネットがマリンを見ながら口にすると、
「その件なんだけど、その子、なんで猫に?元の姿なら...むぐむぐ...」
何か言おうとしたアリーの口を、サンストーンがふさぐ。
「ま、まあ、確かにそうだね!...よし!いいよ!アリー、その子の力になってあげて!...もごもご...」
サンストーンはアリーの願いを承諾すると、その後、耳元で何かささやいた。
「ありがとうございます!」
ガーネットは頭を下げながらも、二人の様子を不思議がっているようだったが、
「ああ、そういうことね!...人間って複雑...まあ、いいよ!あたしが守ってあげる!だから、雫を全部、手に入れてみせてね!」
アリーはサンストーンの言葉に納得したようで、さっきの言葉はなかったことにして、ガーネットにそう言ってきた。
「うん!絶対、見つける!」
ガーネットの力強い返事に、
「よし!じゃあ、行っておいで!...それとアリーは見たこと聞いたことを、後で報告するように!それがその子についていく条件!」
サンストーンは皆に声をかけた後、アリーに補足をした。
「うっ!サンストーンの命令には逆らえない...でも、それくらいいいか!行こ!」
アリーは少し、苦い顔をしたが、気を取り直すと、ガーネットたちを誘う。
「うん!」
「ミャ~~~~!」
席を立ち、部屋を出ていくガーネットたち。
「ありがとうございました!」
最後にガーネットが挨拶をすると、
「気にすることないよ!こんな楽しそうなこと何年ぶりだろ!僕も久しぶりにワクワクしてきた!帰ってきて報告を聞くのが楽しみだ!またね!」
サンストーンもうれしそうにしていたのだった。
☆彡彡彡
やがて、3人が研究所を出ると、
「あっ!」
「アメジストさん!」
3人組の女の子のパーティーと出会う。
途端に、ガーネットの顔が輝いた。
「ミャ~~~...」
マリンはというと、あからさまにイヤそうな顔をしている。
「アメジストさんたちもこの街に来てたんですか?」
ガーネットがうれしそうに話しかけると、
「そうなんだよ!あんたを捜していてさ!」
アメジストが答える。
「私を?...なんですか?力になれることがあれば、お手伝いします!」
その言葉に、
「実はドラゴンを倒した時にあげた、『黄色の液体の入ったガラス瓶』を返してくれないかな~~~...なんて...」
さすがのアメジストも気まずそうに、目を逸らしながら頼むと、
「いいですよ!大事なものなんですけど、本来はアメジストさんのものですから!」
ガーネットは腰のポーチから、『黄の奇跡の雫』を取り出すと、アメジストに差し出した。
「悪いね!」
そう言いながらも、悪びれなく魔法のガラス瓶を手に取ると、ニンマリ笑うアメジスト。すると、
「えっ?!あげちゃうの?!」
アリーが驚いた声を出す。
『信じられない』といった表情だ。
「そっか!アリーは知らないんだね!...実は...」
・・・
ガーネットがこれまでのいきさつを話すと、
「へぇぇぇ~~~~...」
アリーは白い目でアメジストたちを見ている。
ガーネットはいかに素晴らしい人物かを力説したのだが、洞察力の優れたアリーからすれば、ろくでもない人間なのはバレバレだったのだろう。
そんなアリーをよそに、
「うわっ!妖精っスよ!あたい、初めて見たっス!」
「うむ!さすがはオーガやドラゴンを簡単に倒してしまうだけはあるな!妖精まで従えるとは!」
パールとヒスイが珍しそうにアリーを見ていた。
「汚い目で見ないで!」
アリーが不愉快そうに声を上げると、
「ダメだよ、アリー!この人たちは『正義の味方』なんだから!」
ガーネットがたしなめる。
「ミャ~~~...」
マリンがその様子を見て、うなだれていると、
「あなたも大変ね!」
アリーはマリンに同情する。
そんなマリンとアリーをよそに、
「じゃあ、あたしらはこれで!」
「はい!困っている人のために、その雫も役立ててあげてください!」
陽気に去っていくアメジストたちを、ガーネットは笑顔で見送っている。
「ミャ~~~?」
(行かせていいの?)
マリンの言葉が分かったのか、
「大丈夫だよ!きっとあの雫は倍になって返ってくるから!」
アリーは意味ありげにそう答えるのだった。
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