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Maid 39. ガーネットを追う影
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ここは迷宮の入口。
ガーネットたちが潜って、しばらく後、
「じゃあ、行くとするかね!」
物陰から姿を現した、ろくでなし3人組。
「ホントに何かあるんスかね?」
パールは疑問なようだったが、
「あの子が魔力を出し惜しみするほどだ!絶対、何かある!!」
アメジストは自信たっぷりに言う。
「まあ、魔物はあいつらが倒してくれるわけだし、後をついていくだけだ!この迷宮の構造を知っておくだけでも損はないだろう!」
ヒスイも賛成のようだ。すると、
「そうっスね!迷宮の情報は金になるし、無駄足にはならないっス!こっそり、見つからないように...」
パールは入口の兵士に冒険者証を見せると、迷宮に入っていった。
「待て!一人で行動するな!」
ヒスイも後に続く。そして、
「ふふふ!楽しみじゃないか!あの子はホント、役に立つねぇ...」
ニンマリ笑ったアメジストがゆっくりと、迷宮に足を進めた。
☆彡彡彡
「何してるのさ?」
入口をくぐってすぐ、アメジストは岩陰に隠れているパールとヒスイに気付く。
「シッ!!」
しかし、ヒスイは口に人差し指を当て、アメジストに注意を促す。
「ん?」
岩陰から、こっそり顔を出すと、
「なるほど...」
小さな声でささやくアメジスト。
「こう開けてたら、おちおち、出ていけないっス!」
パールもささやき返す。
「そうだね...」
仕方なく、ガーネットたちの姿が見えなくなるまで、じっとしているアメジストたち。
やがて、ガーネットたちは階段を見つけたようだが、なぜか、マリンだけが下りて、ガーネットとアリーは待機している。
「何してるんだろうね?」
「さあ...」
アメジストの言葉に、パールも首をひねっている。
待つこと数分。二人も下に下りていった。
「よし!チャンスだ!」
ヒスイの言葉に、3人は階段、目掛け走りだすが、
「待て!!」
なぜか、マリンとアリーが戻ってきた。
「伏せろ!!」
「ギャッ!」
「何をする!」
アメジストに、地面に顔を押しつけられ、声を上げるパールとヒスイ。
(熱いっス!)
(我慢しろ!)
パールにヒスイが注意する。
地面は溶岩の熱で熱せられて、熱かった。
顔が焼けそうだったが、必死で地面にへばりつくアメジストたち。
3人は見つからないかヒヤヒヤしながら、息をひそめている。すると、
(ん?)
アメジストが何かに気付いた。
近くの溶岩の一部が、ゆっくりと動いているように見える。
<ツンツン!>
アメジストはパールの横腹をつつく。すると、
(なんスか!今は...って『マグマスライム』!!)
パールは危うく、大声を出しそうになった。
それはマグマの塊が意思を持った魔物で、高温の体を持つ。
体力もなく、体当たりしてくるだけだが、ぶつかるとそのダメージは半端なものではない。
ゆえに、戦闘時は最初に一掃するのが定石なのだが...
(ま、まずいぞ!今、動いたら...)
ヒスイが焦っている。
倒すのは簡単だが、そうしたら、マリンたちに気付かれてしまう。
(は、早く行け!!)
アメジストたちは、マリンたちが行ってくれるのを待つしかなかった。
マグマスライムはゆっくりとアメジストたちに近づいてくる。
そして、攻撃態勢をとった。
(ヤバい!!)
もはや、悠長に隠れている場合ではない。
アメジストが呪文を詠唱しようとした時、
「もういいよ~~~!」
ガーネットの声に再び、下りていくマリンたち。
「アイスソード!」
二人が見えなくなった瞬間、ヒスイが特技でマグマスライムを斬り捨てる。
<ポウッ!>
光と消えたマグマスライム。
「危なかったっス!...何してたんスかね?」
パールが不思議そうに立ち上がると、
「分からん!強い敵が出たのだろうか?」
ヒスイがそう推測する。
「まあ、そんなとこだろうね!...気をつけていくよ!!」
アメジストの警告に、今度は素早く動きながらも、注意を逸らさないパールとヒスイだった。
☆彡彡彡
2階に下りてきたアメジストたち。思ったのは、
「なんか1階より涼しくないっスか?」
焼けるような暑さだった1階に比べ、明らかに温度が低い。
暑さに慣れた身には、風が吹くと心地よかった。
「それに、ここに来てから、魔物の気配がしないが...」
ヒスイが、先を歩いていくガーネットたちを見ながら言う。
1階では頻繁に戦闘をしていたが、ここでは、魔物が全く襲ってこない。
「こういう層なのか、さっき、あのメイドが何かしたのか...」
アメジストは考え込むが、そうしている間に、
「あっ!また猫だけ下りていったっス!」
パールの声がする。
順調に進んでいたガーネットたちは、もう次の層への階段を見つけたようだ。
「何か意味があるのだろうか?」
ヒスイは、マリンを先行させる理由を考えているが、
「まあ、いいじゃないのさ!今回も、また猫と妖精だけ戻ってくるかもしれないね!気をつけな!」
アメジストは先ほどのことを思い出し、パールとヒスイに注意を呼びかけるのだった。
ガーネットたちが潜って、しばらく後、
「じゃあ、行くとするかね!」
物陰から姿を現した、ろくでなし3人組。
「ホントに何かあるんスかね?」
パールは疑問なようだったが、
「あの子が魔力を出し惜しみするほどだ!絶対、何かある!!」
アメジストは自信たっぷりに言う。
「まあ、魔物はあいつらが倒してくれるわけだし、後をついていくだけだ!この迷宮の構造を知っておくだけでも損はないだろう!」
ヒスイも賛成のようだ。すると、
「そうっスね!迷宮の情報は金になるし、無駄足にはならないっス!こっそり、見つからないように...」
パールは入口の兵士に冒険者証を見せると、迷宮に入っていった。
「待て!一人で行動するな!」
ヒスイも後に続く。そして、
「ふふふ!楽しみじゃないか!あの子はホント、役に立つねぇ...」
ニンマリ笑ったアメジストがゆっくりと、迷宮に足を進めた。
☆彡彡彡
「何してるのさ?」
入口をくぐってすぐ、アメジストは岩陰に隠れているパールとヒスイに気付く。
「シッ!!」
しかし、ヒスイは口に人差し指を当て、アメジストに注意を促す。
「ん?」
岩陰から、こっそり顔を出すと、
「なるほど...」
小さな声でささやくアメジスト。
「こう開けてたら、おちおち、出ていけないっス!」
パールもささやき返す。
「そうだね...」
仕方なく、ガーネットたちの姿が見えなくなるまで、じっとしているアメジストたち。
やがて、ガーネットたちは階段を見つけたようだが、なぜか、マリンだけが下りて、ガーネットとアリーは待機している。
「何してるんだろうね?」
「さあ...」
アメジストの言葉に、パールも首をひねっている。
待つこと数分。二人も下に下りていった。
「よし!チャンスだ!」
ヒスイの言葉に、3人は階段、目掛け走りだすが、
「待て!!」
なぜか、マリンとアリーが戻ってきた。
「伏せろ!!」
「ギャッ!」
「何をする!」
アメジストに、地面に顔を押しつけられ、声を上げるパールとヒスイ。
(熱いっス!)
(我慢しろ!)
パールにヒスイが注意する。
地面は溶岩の熱で熱せられて、熱かった。
顔が焼けそうだったが、必死で地面にへばりつくアメジストたち。
3人は見つからないかヒヤヒヤしながら、息をひそめている。すると、
(ん?)
アメジストが何かに気付いた。
近くの溶岩の一部が、ゆっくりと動いているように見える。
<ツンツン!>
アメジストはパールの横腹をつつく。すると、
(なんスか!今は...って『マグマスライム』!!)
パールは危うく、大声を出しそうになった。
それはマグマの塊が意思を持った魔物で、高温の体を持つ。
体力もなく、体当たりしてくるだけだが、ぶつかるとそのダメージは半端なものではない。
ゆえに、戦闘時は最初に一掃するのが定石なのだが...
(ま、まずいぞ!今、動いたら...)
ヒスイが焦っている。
倒すのは簡単だが、そうしたら、マリンたちに気付かれてしまう。
(は、早く行け!!)
アメジストたちは、マリンたちが行ってくれるのを待つしかなかった。
マグマスライムはゆっくりとアメジストたちに近づいてくる。
そして、攻撃態勢をとった。
(ヤバい!!)
もはや、悠長に隠れている場合ではない。
アメジストが呪文を詠唱しようとした時、
「もういいよ~~~!」
ガーネットの声に再び、下りていくマリンたち。
「アイスソード!」
二人が見えなくなった瞬間、ヒスイが特技でマグマスライムを斬り捨てる。
<ポウッ!>
光と消えたマグマスライム。
「危なかったっス!...何してたんスかね?」
パールが不思議そうに立ち上がると、
「分からん!強い敵が出たのだろうか?」
ヒスイがそう推測する。
「まあ、そんなとこだろうね!...気をつけていくよ!!」
アメジストの警告に、今度は素早く動きながらも、注意を逸らさないパールとヒスイだった。
☆彡彡彡
2階に下りてきたアメジストたち。思ったのは、
「なんか1階より涼しくないっスか?」
焼けるような暑さだった1階に比べ、明らかに温度が低い。
暑さに慣れた身には、風が吹くと心地よかった。
「それに、ここに来てから、魔物の気配がしないが...」
ヒスイが、先を歩いていくガーネットたちを見ながら言う。
1階では頻繁に戦闘をしていたが、ここでは、魔物が全く襲ってこない。
「こういう層なのか、さっき、あのメイドが何かしたのか...」
アメジストは考え込むが、そうしている間に、
「あっ!また猫だけ下りていったっス!」
パールの声がする。
順調に進んでいたガーネットたちは、もう次の層への階段を見つけたようだ。
「何か意味があるのだろうか?」
ヒスイは、マリンを先行させる理由を考えているが、
「まあ、いいじゃないのさ!今回も、また猫と妖精だけ戻ってくるかもしれないね!気をつけな!」
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