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Maid 66. 7つ目の雫
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「ふぁぁ!おはよう!」
「ミャ~~~~!」
翌朝、ガーネットが起きると、マリンがそばに来て鳴いた。
「戻ってきてたのね!昨日はどこに行ってたの!!」
少し、不機嫌な顔で叱るガーネット。しかし、マリンは、
「ミャッ、ミャ~~~...」
目のやりどころに困った顔をしている。
「ん?」
ガーネットはその時、自分が前かがみなのに気付いた。
マリンの目の前には、大きな美しい胸が垂れている。
「ゴ、ゴ、ゴメン!」
恥ずかしさのあまり、なぜか謝ってしまったガーネットは、とりあえず、メイド服を着た。
そして、テーブルの上を見ると、
「えっ?!」
驚きのあまり、目を見開いてしまう。
そこには7つの魔法のガラス瓶があった。
中には様々な色に輝く液体が。
色は『赤』『橙』『黄』『緑』『青』『藍』『紫』。
「なんで?これは姫様からの使者の方にお渡ししたはずじゃ...それにこの『橙の奇跡の雫』は...」
それはまだ、見つけていないものだった。すると、
「それなんだけど、今日の早朝、お姫様の使者が持ってきたの!」
いつの間にか、部屋に入ってきていたアリーが説明を始めた。
「えっ?!でも、姫様が『保管しておかれる』って...」
ガーネットは首を傾げるが、
「それが、7つ揃ったから、良く考えたら、このままサンストーンのところに持っていけばいいことに気付いたんだって!」
アリーの言葉に、
「そっか!でも、この『橙の奇跡の雫』は?」
次の疑問をぶつける。
「それはその使者が独自のルートで手に入れたらしいよ!『ちょうどいいタイミングだった』って言ってた!」
(まさか、シトリンが入手してたなんてね!ホントにちょうどいいタイミングだったよ!)
アリーが滑らかに説明していくと、
「姫様ったら...『私が手に入れてまいります』って言ったのに...でも...うれしい!!」
ガーネットは愛おしそうに、『橙の奇跡の雫』の入ったガラス瓶を抱きしめた。
「良かったね!7つ揃って!」
アリーが笑いかけるが、
「でも、せっかく姫様の使者の方がお見えになったのなら、起こしてくれれば...」
ガーネットは使者の応対をできなかったことに、罪悪感を感じているようだ。
「だって、良く寝てたし...それに...寝る時は...」
アリーが、恥ずかしそうに頬を染めながら、答えると、
(そ、そういえば何も着てない...この前は気付いたけど、寝ぼけてそのまま出たりなんかしたら!!)
ガーネットの顔が真っ赤になった。
「あ、ありがと!中に入ってもらったの?」
(へ、変な寝顔してないよね?!それに布団がめくれてたら...)
心配が尽きない様子のガーネットに、
「ううん!ちょうどドアの外で会ったから...あたしのことも知ってるみたいだったよ!」
アリーは安心させるように話した。
「そう...」
ホッとした顔のガーネット。そして、思いついたように続けた。
「ちゃんとお礼は言った?」
すると、アリーは、
「そりゃもう!!」
(十分すぎるほどしてあげたよ!)
心なしか意地の悪そうな顔で首を振る。
「偉いわね!」
「へへへ!」
ガーネットに褒められ、頬を緩めるアリー。そして、
「使者さん、今頃、何してられるかな?」
ガーネットが、ふと口にした言葉に、
「ぐっすり寝てるんじゃない?ふふふ!」
可笑しそうに笑いだすアリー。
「??」
一瞬、不思議に思ったガーネットだったが、
「そうだね!もう任務から解放されて、二度寝してるかもね!」
アリーに微笑み返す。
「きっと昼までぐっすりだね!ぷぷぷ!」
更に、笑い声を上げるアリーに、
「ゆっくり休んでもらわなきゃ!」
「そうそう!」
二人は笑顔で言葉を交わしたのだった。
話が一段落したところで、
「じゃあ、全部、揃ったことだし、急いでアーガイルに戻らなきゃ!」
ガラス瓶をポーチにしまったガーネットが早速、出発しようとする。
「えっ?!そんなに急がなくても...朝ご飯も食べてないし...」
アリーが驚いているが、
「一刻も早く、姫様にお届けしたいの!!ご飯なんか食べてる場合じゃないよ!」
ガーネットは部屋から駆け出そうとする。
「ダメだよ!!ご飯食べないと、力、出ないよ!!」
「ミャ~~~~!!」
アリーとマリンの説得に、
「じゃあ、大急ぎで!」
ガーネットは朝ご飯をかきこむと、急いでエカティの街を離れるのだった。
☆彡彡彡
アーガイルへの道のりも大変だった。
「ちょっと!そんなに速く歩くと、疲れちゃうよ!!」
「でも、急がないと...」
「それに魔物との遭遇確率も上がるし...ってまた出た!!...エクスプロージョン!」
早足で歩く、ガーネットのせいで、頻繁に魔物と出会い、休むヒマもない。
「夜はゆっくり休まなきゃ!!」
「もうちょっとだけ!少しでも進んでおきたいの!」
「でも、夜は更に魔物との遭遇確率が...って出た!...ファイアウォール!」
夜も休もうとしない。
「マジックアロー!」
早朝、姫様が近くの魔物を一掃していると、
「行かなきゃ!!」
ガーネットが目を覚ます。
<ポンッ!>
慌てて、猫に戻る姫様。
「ん?今、姫様の姿が...」
「き、気のせいだよ!!」
ガーネットをごまかすのに必死のアリー。
「そうだよね...」
「そうそう!」
ホッとしているアリーを前に、ガーネットは思っていた。
(姫様の幻...最近、たくさん見る...早く...会いたい!!)
「行くよ!!」
「ちょっと待ってよ~~~~~!!」
「ミャ~~~~~!!」
更に、足が速くなるガーネットだった。
「ミャ~~~~!」
翌朝、ガーネットが起きると、マリンがそばに来て鳴いた。
「戻ってきてたのね!昨日はどこに行ってたの!!」
少し、不機嫌な顔で叱るガーネット。しかし、マリンは、
「ミャッ、ミャ~~~...」
目のやりどころに困った顔をしている。
「ん?」
ガーネットはその時、自分が前かがみなのに気付いた。
マリンの目の前には、大きな美しい胸が垂れている。
「ゴ、ゴ、ゴメン!」
恥ずかしさのあまり、なぜか謝ってしまったガーネットは、とりあえず、メイド服を着た。
そして、テーブルの上を見ると、
「えっ?!」
驚きのあまり、目を見開いてしまう。
そこには7つの魔法のガラス瓶があった。
中には様々な色に輝く液体が。
色は『赤』『橙』『黄』『緑』『青』『藍』『紫』。
「なんで?これは姫様からの使者の方にお渡ししたはずじゃ...それにこの『橙の奇跡の雫』は...」
それはまだ、見つけていないものだった。すると、
「それなんだけど、今日の早朝、お姫様の使者が持ってきたの!」
いつの間にか、部屋に入ってきていたアリーが説明を始めた。
「えっ?!でも、姫様が『保管しておかれる』って...」
ガーネットは首を傾げるが、
「それが、7つ揃ったから、良く考えたら、このままサンストーンのところに持っていけばいいことに気付いたんだって!」
アリーの言葉に、
「そっか!でも、この『橙の奇跡の雫』は?」
次の疑問をぶつける。
「それはその使者が独自のルートで手に入れたらしいよ!『ちょうどいいタイミングだった』って言ってた!」
(まさか、シトリンが入手してたなんてね!ホントにちょうどいいタイミングだったよ!)
アリーが滑らかに説明していくと、
「姫様ったら...『私が手に入れてまいります』って言ったのに...でも...うれしい!!」
ガーネットは愛おしそうに、『橙の奇跡の雫』の入ったガラス瓶を抱きしめた。
「良かったね!7つ揃って!」
アリーが笑いかけるが、
「でも、せっかく姫様の使者の方がお見えになったのなら、起こしてくれれば...」
ガーネットは使者の応対をできなかったことに、罪悪感を感じているようだ。
「だって、良く寝てたし...それに...寝る時は...」
アリーが、恥ずかしそうに頬を染めながら、答えると、
(そ、そういえば何も着てない...この前は気付いたけど、寝ぼけてそのまま出たりなんかしたら!!)
ガーネットの顔が真っ赤になった。
「あ、ありがと!中に入ってもらったの?」
(へ、変な寝顔してないよね?!それに布団がめくれてたら...)
心配が尽きない様子のガーネットに、
「ううん!ちょうどドアの外で会ったから...あたしのことも知ってるみたいだったよ!」
アリーは安心させるように話した。
「そう...」
ホッとした顔のガーネット。そして、思いついたように続けた。
「ちゃんとお礼は言った?」
すると、アリーは、
「そりゃもう!!」
(十分すぎるほどしてあげたよ!)
心なしか意地の悪そうな顔で首を振る。
「偉いわね!」
「へへへ!」
ガーネットに褒められ、頬を緩めるアリー。そして、
「使者さん、今頃、何してられるかな?」
ガーネットが、ふと口にした言葉に、
「ぐっすり寝てるんじゃない?ふふふ!」
可笑しそうに笑いだすアリー。
「??」
一瞬、不思議に思ったガーネットだったが、
「そうだね!もう任務から解放されて、二度寝してるかもね!」
アリーに微笑み返す。
「きっと昼までぐっすりだね!ぷぷぷ!」
更に、笑い声を上げるアリーに、
「ゆっくり休んでもらわなきゃ!」
「そうそう!」
二人は笑顔で言葉を交わしたのだった。
話が一段落したところで、
「じゃあ、全部、揃ったことだし、急いでアーガイルに戻らなきゃ!」
ガラス瓶をポーチにしまったガーネットが早速、出発しようとする。
「えっ?!そんなに急がなくても...朝ご飯も食べてないし...」
アリーが驚いているが、
「一刻も早く、姫様にお届けしたいの!!ご飯なんか食べてる場合じゃないよ!」
ガーネットは部屋から駆け出そうとする。
「ダメだよ!!ご飯食べないと、力、出ないよ!!」
「ミャ~~~~!!」
アリーとマリンの説得に、
「じゃあ、大急ぎで!」
ガーネットは朝ご飯をかきこむと、急いでエカティの街を離れるのだった。
☆彡彡彡
アーガイルへの道のりも大変だった。
「ちょっと!そんなに速く歩くと、疲れちゃうよ!!」
「でも、急がないと...」
「それに魔物との遭遇確率も上がるし...ってまた出た!!...エクスプロージョン!」
早足で歩く、ガーネットのせいで、頻繁に魔物と出会い、休むヒマもない。
「夜はゆっくり休まなきゃ!!」
「もうちょっとだけ!少しでも進んでおきたいの!」
「でも、夜は更に魔物との遭遇確率が...って出た!...ファイアウォール!」
夜も休もうとしない。
「マジックアロー!」
早朝、姫様が近くの魔物を一掃していると、
「行かなきゃ!!」
ガーネットが目を覚ます。
<ポンッ!>
慌てて、猫に戻る姫様。
「ん?今、姫様の姿が...」
「き、気のせいだよ!!」
ガーネットをごまかすのに必死のアリー。
「そうだよね...」
「そうそう!」
ホッとしているアリーを前に、ガーネットは思っていた。
(姫様の幻...最近、たくさん見る...早く...会いたい!!)
「行くよ!!」
「ちょっと待ってよ~~~~~!!」
「ミャ~~~~~!!」
更に、足が速くなるガーネットだった。
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