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Maid 74. 今後の計画
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「私、実はマリ...」
「そういえば、姫様には私の行動はお見通しなのでしたね!」
「えっ?!」
カミングアウトしようとした姫様は、ガーネットの言葉に唖然とする。
「ふふふ!エカティで姫様の使者の方にうかがったんです!」
ガーネットが笑って説明すると、
「えっ?!...あっ、そうだったわね!そ、そう!私にはなんでもお見通しよ!!」
姫様はとっさにごまかす。
「あ、あの...お風呂とか寝ている時の様子は...」
そのセリフに、ガーネットが真っ赤になりながら確認すると、
「み、見てないわ!!お風呂で足を大きく広げて、あそこのにおいを嗅がせている時の、恥ずかしそうな顔も、何も着けていない綺麗な体で、私...じゃなくて、マリンをベッドに呼んでくれる女神様のような姿も...」
姫様は否定するが、動揺しているのか、余計なことまでしゃべってしまっている。
「そ、そ、そんなことを...」
「あちゃ~~~~!」
聞いてしまったことを後悔しているサンストーンと、『やってしまった』という顔のアリー。
しかし、ガーネットは、
「良かった!それならいいんです!」
心底、ホッとしているようだった。
「マジ?」
信じられない様子のサンストーンと、
「さすがね!」
慣れっこになっているアリー。
すると、ガーネットは更に聞く。
「じゃ、じゃあ、脱いだ下着のにおいを嗅いでるところも?」
「もちろん、見てないわ!!」
(聞きはしたけど...)
姫様は顔をつくろうと、そう答えた。
「聞いて良かったんだろうか...」
呆然としているサンストーン。
「忘れてあげたら?」
そんなサンストーンに、アリーは顔を赤らめながらも勧告する。
「良かったです!!そんなとこ見られたら、姫様に嫌われると思いまして...」
安心した様子のガーネットに、
「大丈夫よ!そんなことで嫌いになったりしないから!!む、むしろ、ドキドキしちゃうというか...」
頬を染めている姫様。
「も、もう!変なこと言わないでください!!そんなこと言われたら...ってしてないですからね!!」
ガーネットも真っ赤になって何か言おうとしたが、慌てて否定した。
「ま、まあ、いいじゃないか!それより...」
サンストーンがこれ以上、余計なことを聞くまいとばかりに、話題を変えようとすると、
「でも、サンストーンがなんでここに?アーガイルにいたんじゃ...」
姫様が尋ねてくる。
「それは...」
説明しようとしたサンストーンだったが、
「シッ!」
アリーが止める。
そして、姫様の耳元に近づくと、ガーネットに聞こえないようにささやいた。
「アメジストに渡した通信用の魔道具だけど、実は、お互いの位置を入れ代える機能もあるの!それで王都にいた、アメジストたちと入れ代わったってわけ!」
「なるほど...じゃあ、今頃、アメジストたちは...」
納得の姫様。するとアリーは、
「うん!アーガイルだよ!...まあ、あいつらのことだから、楽しくやってるんじゃない?」
「早く出してくれ~~~~!」
牢屋に入れられているとは、考えもしない姫様たちだった。
「なんですか?今、アメジストさんの名前が聞こえたような...」
ガーネットが、なにやらヒソヒソ、話している二人を不思議に思っていると、
「な、なんでもないわ!!その...サンストーンたちはガーネットの様子を心配して、追いかけてきてくれたんだって!」
姫様は適当にごまかす。
「そうなんですか!!わざわざ、ありがとうございます!!」
それを聞いて、サンストーンとアリーに深く頭を下げるガーネット。
「ま、まあ、いいけどね!」
「...ホントに素直な子...」
苦笑いをするサンストーンと、ある意味、感心しているアリーだった。
「ところで、この後、どうするの?『奇跡の雫』はなくなっちゃったけど...」
アリーが二人の今後を問いかけると、
「そんなのもう一度、探しに行くに決まってるじゃないですか!!」
即答したガーネットに、
「「えっ?!」」
言葉を失う姫様とサンストーン。
対して、アリーは、
「やっぱり!!...そうこなくっちゃね!!」
ご満悦の様子だ。
「しかし、『奇跡の花』たちが蜜をつけるのは数十年に一度...」
サンストーンがその難しさを力説するが、
「ですから、別の花を探せば...」
ガーネットは平然としている。
「別といっても、おそらくこの国には...」
サンストーンは更に説得するが、
「では、他の国に行きます!!」
ガーネットは当然のように答える。すると、
「ふふふ!」
姫様が笑いだした。
「どうされました?」
サンストーンが訝しんでいると、
「『ガーネットもたくましくなったな』って思ったの!」
姫様がガーネットを見て微笑む。
「そ、そんなことは...」
照れるガーネット。
「ふふふ!」
そんなガーネットを見て、もう一度、笑った姫様は、背中を押すように声をかける。
「行ってらっしゃい!ずっと待ってるから!」
するとガーネットは、
「よろしいので?」
驚いた顔をしている。
「いいもなにも...そうしないとガーネットと結婚できないでしょ!」
姫様がウインクした。
<カアッ!>
途端に真っ赤になるガーネット。
「じゃあ、決まりだね!もちろん、あたしもついてくよ!」
そんな二人を見て、アリーが口にすると、
「えっ?!ダメだよ!!アリーには手伝ってもらいたい仕事が山ほど...」
サンストーンは反対のようだったが、
「でも、2回も『奇跡の雫』を手に入れる人間なんて、二度と現れないよ!そんな貴重なサンプルを放っておいていいの?」
アリーにそう言われると、
「うっ!」
悩みだしたサンストーン。
「ふふふ!じゃあ、行っていいよね!」
アリーが笑いかけると、
「仕様がないなぁ...」
サンストーンはしぶしぶ、了承する。
「やった!アリーも一緒だ!...後は...マリン!マリンは?!」
喜んだものの、マリンがいないことに今更、気付くガーネット。しかし、
「マリンなら大丈夫だよ!お城に入れないから、街をぶらぶらしてるみたい!」
アリーの言葉に、
「大丈夫かな...迷子になってないかな...」
心配になるガーネットだったが、
「マリンは賢いから大丈夫よ!出発の時には必ず戻ってくるわ!」
姫様も太鼓判を捺す。
「...そうですね!じゃあ、早速!!」
すぐに旅立とうとしたガーネットだったが、姫様は優しく諭した。
「そんな格好で?」
「えっ?!」
ガーネットが自分の姿を見ると、泥だらけで、服はボロボロだった。
ちなみに傷は姫様の『パーフェクト・ヒール』で癒やされている。
「お風呂できれいにして、服も替えて...疲れだって溜まってるわ!!今日一日、ここで休んで、明日の朝、出なさい!」
姫様がそう勧めると、
「はい!」
うれしそうに答えるガーネット。
その日、ガーネットは姫様とのつかの間のひと時を楽しんだのだった。
「そういえば、姫様には私の行動はお見通しなのでしたね!」
「えっ?!」
カミングアウトしようとした姫様は、ガーネットの言葉に唖然とする。
「ふふふ!エカティで姫様の使者の方にうかがったんです!」
ガーネットが笑って説明すると、
「えっ?!...あっ、そうだったわね!そ、そう!私にはなんでもお見通しよ!!」
姫様はとっさにごまかす。
「あ、あの...お風呂とか寝ている時の様子は...」
そのセリフに、ガーネットが真っ赤になりながら確認すると、
「み、見てないわ!!お風呂で足を大きく広げて、あそこのにおいを嗅がせている時の、恥ずかしそうな顔も、何も着けていない綺麗な体で、私...じゃなくて、マリンをベッドに呼んでくれる女神様のような姿も...」
姫様は否定するが、動揺しているのか、余計なことまでしゃべってしまっている。
「そ、そ、そんなことを...」
「あちゃ~~~~!」
聞いてしまったことを後悔しているサンストーンと、『やってしまった』という顔のアリー。
しかし、ガーネットは、
「良かった!それならいいんです!」
心底、ホッとしているようだった。
「マジ?」
信じられない様子のサンストーンと、
「さすがね!」
慣れっこになっているアリー。
すると、ガーネットは更に聞く。
「じゃ、じゃあ、脱いだ下着のにおいを嗅いでるところも?」
「もちろん、見てないわ!!」
(聞きはしたけど...)
姫様は顔をつくろうと、そう答えた。
「聞いて良かったんだろうか...」
呆然としているサンストーン。
「忘れてあげたら?」
そんなサンストーンに、アリーは顔を赤らめながらも勧告する。
「良かったです!!そんなとこ見られたら、姫様に嫌われると思いまして...」
安心した様子のガーネットに、
「大丈夫よ!そんなことで嫌いになったりしないから!!む、むしろ、ドキドキしちゃうというか...」
頬を染めている姫様。
「も、もう!変なこと言わないでください!!そんなこと言われたら...ってしてないですからね!!」
ガーネットも真っ赤になって何か言おうとしたが、慌てて否定した。
「ま、まあ、いいじゃないか!それより...」
サンストーンがこれ以上、余計なことを聞くまいとばかりに、話題を変えようとすると、
「でも、サンストーンがなんでここに?アーガイルにいたんじゃ...」
姫様が尋ねてくる。
「それは...」
説明しようとしたサンストーンだったが、
「シッ!」
アリーが止める。
そして、姫様の耳元に近づくと、ガーネットに聞こえないようにささやいた。
「アメジストに渡した通信用の魔道具だけど、実は、お互いの位置を入れ代える機能もあるの!それで王都にいた、アメジストたちと入れ代わったってわけ!」
「なるほど...じゃあ、今頃、アメジストたちは...」
納得の姫様。するとアリーは、
「うん!アーガイルだよ!...まあ、あいつらのことだから、楽しくやってるんじゃない?」
「早く出してくれ~~~~!」
牢屋に入れられているとは、考えもしない姫様たちだった。
「なんですか?今、アメジストさんの名前が聞こえたような...」
ガーネットが、なにやらヒソヒソ、話している二人を不思議に思っていると、
「な、なんでもないわ!!その...サンストーンたちはガーネットの様子を心配して、追いかけてきてくれたんだって!」
姫様は適当にごまかす。
「そうなんですか!!わざわざ、ありがとうございます!!」
それを聞いて、サンストーンとアリーに深く頭を下げるガーネット。
「ま、まあ、いいけどね!」
「...ホントに素直な子...」
苦笑いをするサンストーンと、ある意味、感心しているアリーだった。
「ところで、この後、どうするの?『奇跡の雫』はなくなっちゃったけど...」
アリーが二人の今後を問いかけると、
「そんなのもう一度、探しに行くに決まってるじゃないですか!!」
即答したガーネットに、
「「えっ?!」」
言葉を失う姫様とサンストーン。
対して、アリーは、
「やっぱり!!...そうこなくっちゃね!!」
ご満悦の様子だ。
「しかし、『奇跡の花』たちが蜜をつけるのは数十年に一度...」
サンストーンがその難しさを力説するが、
「ですから、別の花を探せば...」
ガーネットは平然としている。
「別といっても、おそらくこの国には...」
サンストーンは更に説得するが、
「では、他の国に行きます!!」
ガーネットは当然のように答える。すると、
「ふふふ!」
姫様が笑いだした。
「どうされました?」
サンストーンが訝しんでいると、
「『ガーネットもたくましくなったな』って思ったの!」
姫様がガーネットを見て微笑む。
「そ、そんなことは...」
照れるガーネット。
「ふふふ!」
そんなガーネットを見て、もう一度、笑った姫様は、背中を押すように声をかける。
「行ってらっしゃい!ずっと待ってるから!」
するとガーネットは、
「よろしいので?」
驚いた顔をしている。
「いいもなにも...そうしないとガーネットと結婚できないでしょ!」
姫様がウインクした。
<カアッ!>
途端に真っ赤になるガーネット。
「じゃあ、決まりだね!もちろん、あたしもついてくよ!」
そんな二人を見て、アリーが口にすると、
「えっ?!ダメだよ!!アリーには手伝ってもらいたい仕事が山ほど...」
サンストーンは反対のようだったが、
「でも、2回も『奇跡の雫』を手に入れる人間なんて、二度と現れないよ!そんな貴重なサンプルを放っておいていいの?」
アリーにそう言われると、
「うっ!」
悩みだしたサンストーン。
「ふふふ!じゃあ、行っていいよね!」
アリーが笑いかけると、
「仕様がないなぁ...」
サンストーンはしぶしぶ、了承する。
「やった!アリーも一緒だ!...後は...マリン!マリンは?!」
喜んだものの、マリンがいないことに今更、気付くガーネット。しかし、
「マリンなら大丈夫だよ!お城に入れないから、街をぶらぶらしてるみたい!」
アリーの言葉に、
「大丈夫かな...迷子になってないかな...」
心配になるガーネットだったが、
「マリンは賢いから大丈夫よ!出発の時には必ず戻ってくるわ!」
姫様も太鼓判を捺す。
「...そうですね!じゃあ、早速!!」
すぐに旅立とうとしたガーネットだったが、姫様は優しく諭した。
「そんな格好で?」
「えっ?!」
ガーネットが自分の姿を見ると、泥だらけで、服はボロボロだった。
ちなみに傷は姫様の『パーフェクト・ヒール』で癒やされている。
「お風呂できれいにして、服も替えて...疲れだって溜まってるわ!!今日一日、ここで休んで、明日の朝、出なさい!」
姫様がそう勧めると、
「はい!」
うれしそうに答えるガーネット。
その日、ガーネットは姫様とのつかの間のひと時を楽しんだのだった。
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