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Episode 13. マリーのその後
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その頃、ドラゴンを挟んで反対側の茂みが音もなく揺れていた。
(ふむ。ドラゴンの尻尾が当たる寸前にエアボールで自らを吹き飛ばしたか...)
ギルドのマスターが茂みから出てきて、遠くから二人の様子を窺う。
(気を失ったマリー君をすぐに助けたローズ君の判断も素晴らしい!)
そして死んだドラゴンの様子を確かめ始めた。
(まさか本当に二人だけで倒してしまうとは...)
何度か助けに出ようと思ったマスターだったが、その度に、二人はピンチを抜け出した。
(もちろん、今回の勝利はローズ君の成長の賜物だ...しかし、マリー君の果たした役割はそれ以上に大きい!)
最初に、空中のローズに向けてブレスが吐き出された時のことを思い出す。
(あの時はさすがに半分、飛び出しかけた...しかし『エアボール』だったか...『ファイアボール』の風版。私も初めて見た!)
それはおそらく誰も使ったことがない魔法だった。
(おそらく、『ファイアボール』を応用して、初見で出したのだろう...絶体絶命のピンチに冷静、かつ大胆な行動。立派というほかない!!)
あれはマスターをして驚かせた魔法だった。
(そしてローズ君にかけた『敏捷性強化』。あれがローズ君の秘めたる力を開花させるとは...恐ろしいほど的確な判断だ!)
マスターは決してマリーを評価していたわけではない。
しかし、マリーのローズを見る目を見ていると、『この子はローズ君を変えるかも』と思わせる何かを感じたのだ。
それは本当に『長年の勘』でしかなかったが、意外とそういうものが後々、有効だったと思えることをマスターは知っていた。
だからマリーを同伴させたのだが、
(今や、マリー君の評価を見直さねばならないだろう...ローズ君以外とパーティを組んでも上手くいくとは限らないが...)
マスターは『ローズとマリー』というペアに新しい可能性を感じ取っていた。
(ローズ君は強力な仲間よりも、マリー君のような自分を活かしてくれる仲間と一緒の方が良いかもしれないな...)
そんな事を考えていると、マスターは足元に転がっている銀色に輝く石に気がついた。
(ん?これはもしや!!)
屈み込んで拾うと詳しく調べてみる。
(やはりこの文様は...だとしたらこのドラゴンは...調べてみる必要があるな!)
そう考えると、石を地面に置き、何かを念じた。
ふっと音もなくマスターの姿が消えた。
一方、しばらくマリーの回復を待っていたローズだったが、目を覚ます気配はない。
「どうしよう...やっぱり怪我してるんじゃ...でもそれを確かめるには...」
今、目に見えている範囲には傷一つない。あるとしたら、服の下だ。
「や、やっぱり、確かめるべきよね!!これはマリーの為なの!!女同士だし、下着姿くらい...」
ローズの顔が赤くなる。
マリーのローブに手を回すが何度も躊躇ってしまう。
「こんなことしてる場合じゃないのに!!落ち着いて!そっと...優しく...」
ローズは一つ深呼吸をすると、マリーのローブをそっと脱がしてあげた。
「綺麗...」
ローズはマリーの下着姿にうっとりとなる。
大きな胸。くびれたウエストに細い手足。
太ももも魅力的だった。そして、
「可愛い...」
マリーの好きなピンクの下着だ。ローズが選んでくれたというのもあって、とても大事にしていたのを思い出す。
そして、玉のように白い肌。
「本当に綺麗...いつまでも見つめてたいくらい...」
マリーの体を隅々まで眺めていたローズだったが、ふと我に返る。
「そ、そうじゃなくて、怪我を確かめないと!!そ、そうよ!!今まで怪我を探してたのよ!!決してマリーの体が目的じゃ...」
真っ赤になって言い訳しながらも、マリーに怪我がないのにホッとしていた。そして、
「...まだ、確かめてない場所があるわね...」
ローズの目がマリーの下着のある場所に向かう。
「だ、大丈夫だとは思うけど、念の為...そう!怪我を確かめるだけよ!!それ以上の意味は...うん!女同士、一瞬くらいいいよね!!」
そう言うと、マリーのブラに手を伸ばした。
そしてホックを外そうとした時、
「う、う~~ん...」
うめき声を上げてマリーが目を開けた。
ローズとマリーの目が合った。
「あれ?ローズちゃん...私、ドラゴンの尻尾が来て、咄嗟にエアボールを唱えて...」
そう言って上体を起こしたマリーは、自分の姿に気づく。
「キャ~~~~~!!」
マリーは地面に置かれていた自分のローブで体を隠してしまった。
「あっ!」
その際に、ローズの触れていたホックが外れる。
マリーは真っ赤になってしまった。
「ロ、ローズちゃん、何を...」
女の子座りをしてローブを体に押し付けながら、口にしたマリーの言葉に、
「ち、違うの!!本当に違うのよ!!あたし、マリーがいつまでも目を覚まさないから心配になって、どこか怪我してるんじゃないかと思って...」
ローズは必死に言い訳をする。
「ローブの上からじゃ分からないし、マリーには悪いけど脱がせて確かめただけ!そう、それだけなの!!」
ローズはマリーの目を見て精一杯、訴えた。
「...それだけ?」
マリーはちょっと残念そうな声を出したが、
「そっか...怪我はないよ!!エアボールの衝撃で気を失ってただけ...それだけだから...」
安心させるようにそう言うと、にっこり笑った。
「ゴ、ゴメンね。勝手に服を脱がせて...」
ローズが謝るが、
「ううん!私の事を考えてくれたんだよね!!ならうれしい!!」
そう言ってマリーは満面の笑みを浮かべる。しかしすぐに、
「で、でも、さっきブラに手をかけてなかった?」
また顔を赤くしながらマリーが言う。
ブラをつけなおそうとしているのか、もぞもぞしている。
しかし、その為にはローブを離さないといけない。
マリーはどうしようか迷っているようだ。
「そ、そ、それは...その...し、下着の下を怪我してるのかなって...」
ローズが真っ赤になりながら言うと、
「!!」
マリーも同じく真っ赤になってしまった。
「ゴ、ゴ、ゴメン!!さすがにそれはやりすぎだよね!!外す前に気がついてくれて良かった!!」
ローズが慌ててそう言う。しかし、
「...見て...もらおうかな...」
「えっ?!」
マリーの言葉にローズがドキッとなる。
「下着の下...怪我してたら困るし...ローズちゃんに...た、確かめて...」
マリーは恥ずかしいのか、目を閉じ、耳まで真っ赤にしながら言う。
「で、でも!!」
ローズは気の利いた断り方を考えるが出てこない。するとマリーは、
「こんなこと頼むのローズちゃんだけだよ!お願い...確かめて...」
そう言って立ち上がったマリーの手にしていたローブが落ちる。
そして、下着をそっと外した。
☆彡彡彡
ドラゴンを倒し終えて、山を下りていく二人。
しかし、二人とも無言のままだった。
気まずい空気が流れている。
(わ、わ、私、なんてことを!!きっと誰にでも裸を見せる露出狂だと思われた!!)
(み、み、み、見ちゃった!!マリーの可愛いとこ全部!!下着姿も可愛かったけど、その下はもっと綺麗だった...)
そんな事を考えているマリーとローズ。更に、
(そ、そ、それにあ、あ、あそこまで見せちゃうなんて...わ、私のって変じゃないかな?!ローズちゃん、嫌がってないよね?!)
(あんな綺麗なの持ってるんだ...マリーの体ってホント完璧だよね...女でも見惚れちゃう...ちょっと劣等感感じちゃうな...)
そして、
(それに...綺麗なローズちゃんからしたら見せられても迷惑だったよね...ホント、なんてことしちゃったんだろう...)
(あたしなんかが見て良かったのかな...あの様子だと裸、見られるの初めてだよね...)
そう結論付けた二人が思ったことは奇しくも一緒だった。
((とりあえず謝ろう!!))
「ゴメン!!ローズちゃん!!」「ゴメン!!マリー!!」
「「えっ?!」」
二人で顔を見合わせてしまう。
「どうしてローズちゃんが謝るの??」
「そういうマリーだって!」
お互い、キョトンとした顔をしていると、マリーが言った。
「だ、だって、あんな変なもの見せられて...ローズちゃん迷惑だったよね!!」
マリーの顔が赤くなっている。
「そんなことないわ!!マリー、とっても綺麗だった!!隅から隅まで!!本当よ!!」
ローズが慌ててそう言う。
しかし、マリーは心配そうにローズの目を見て聞いてくる。
「...ホント?」
「ホントに!!世界中の女性が羨ましがると思うわよ!!だから自信持って!!」
ローズは真面目な顔でそう言う。
「...それなら...良かった...」
マリーはどこか恥ずかしそうな、それでいてうれしそうな様子で答える。それを見たローズは、
「でも...あたしなんかが見ちゃって良かったの?...その...見られるの初めてなんでしょ?」
恥ずかしそうに目を逸らしながらそう言うと、
「いいの!むしろ初めてがローズちゃんで良かった...」
「それってどういう...」
マリーの答えにローズが戸惑いながら尋ねると、
「ううん。今はそれだけでいい!!いつか...もっと関係が深まったら...しようね...」
マリーは俯きながらそう言った。ちらっと見えたその顔は、とても恥ずかしそうだった。
(どういう意味かしら?...確かに今日の戦闘は抜群のコンビネーションだった...それと関係あるのかな?わざわざ聞くのもなんだし...)
そう思ったローズはとりあえず肯定した。
「う、うん...」
それを聞いたマリーが満面の笑顔に変わる。
「よろしくね!!ローズちゃん!!」
そう言って楽しそうに走り出したマリーをローズが追いかける。
「そんなに急ぐと転ぶわよ!!」
「いてっ!!」
「ほらっ!もう!!」
「へへへ」
照れ笑いするマリー。その様子を微笑ましげに眺めていたローズは、
「はい!あたしが運んであげる!今日は特別!!」
そう言うと、マリーをお姫様抱っこした。
「ロ、ローズちゃん!!」
恥ずかしがるマリー。
「いいから、いいから!!」
ローズは楽しそうに山を駆け下りていくのだった。
(ふむ。ドラゴンの尻尾が当たる寸前にエアボールで自らを吹き飛ばしたか...)
ギルドのマスターが茂みから出てきて、遠くから二人の様子を窺う。
(気を失ったマリー君をすぐに助けたローズ君の判断も素晴らしい!)
そして死んだドラゴンの様子を確かめ始めた。
(まさか本当に二人だけで倒してしまうとは...)
何度か助けに出ようと思ったマスターだったが、その度に、二人はピンチを抜け出した。
(もちろん、今回の勝利はローズ君の成長の賜物だ...しかし、マリー君の果たした役割はそれ以上に大きい!)
最初に、空中のローズに向けてブレスが吐き出された時のことを思い出す。
(あの時はさすがに半分、飛び出しかけた...しかし『エアボール』だったか...『ファイアボール』の風版。私も初めて見た!)
それはおそらく誰も使ったことがない魔法だった。
(おそらく、『ファイアボール』を応用して、初見で出したのだろう...絶体絶命のピンチに冷静、かつ大胆な行動。立派というほかない!!)
あれはマスターをして驚かせた魔法だった。
(そしてローズ君にかけた『敏捷性強化』。あれがローズ君の秘めたる力を開花させるとは...恐ろしいほど的確な判断だ!)
マスターは決してマリーを評価していたわけではない。
しかし、マリーのローズを見る目を見ていると、『この子はローズ君を変えるかも』と思わせる何かを感じたのだ。
それは本当に『長年の勘』でしかなかったが、意外とそういうものが後々、有効だったと思えることをマスターは知っていた。
だからマリーを同伴させたのだが、
(今や、マリー君の評価を見直さねばならないだろう...ローズ君以外とパーティを組んでも上手くいくとは限らないが...)
マスターは『ローズとマリー』というペアに新しい可能性を感じ取っていた。
(ローズ君は強力な仲間よりも、マリー君のような自分を活かしてくれる仲間と一緒の方が良いかもしれないな...)
そんな事を考えていると、マスターは足元に転がっている銀色に輝く石に気がついた。
(ん?これはもしや!!)
屈み込んで拾うと詳しく調べてみる。
(やはりこの文様は...だとしたらこのドラゴンは...調べてみる必要があるな!)
そう考えると、石を地面に置き、何かを念じた。
ふっと音もなくマスターの姿が消えた。
一方、しばらくマリーの回復を待っていたローズだったが、目を覚ます気配はない。
「どうしよう...やっぱり怪我してるんじゃ...でもそれを確かめるには...」
今、目に見えている範囲には傷一つない。あるとしたら、服の下だ。
「や、やっぱり、確かめるべきよね!!これはマリーの為なの!!女同士だし、下着姿くらい...」
ローズの顔が赤くなる。
マリーのローブに手を回すが何度も躊躇ってしまう。
「こんなことしてる場合じゃないのに!!落ち着いて!そっと...優しく...」
ローズは一つ深呼吸をすると、マリーのローブをそっと脱がしてあげた。
「綺麗...」
ローズはマリーの下着姿にうっとりとなる。
大きな胸。くびれたウエストに細い手足。
太ももも魅力的だった。そして、
「可愛い...」
マリーの好きなピンクの下着だ。ローズが選んでくれたというのもあって、とても大事にしていたのを思い出す。
そして、玉のように白い肌。
「本当に綺麗...いつまでも見つめてたいくらい...」
マリーの体を隅々まで眺めていたローズだったが、ふと我に返る。
「そ、そうじゃなくて、怪我を確かめないと!!そ、そうよ!!今まで怪我を探してたのよ!!決してマリーの体が目的じゃ...」
真っ赤になって言い訳しながらも、マリーに怪我がないのにホッとしていた。そして、
「...まだ、確かめてない場所があるわね...」
ローズの目がマリーの下着のある場所に向かう。
「だ、大丈夫だとは思うけど、念の為...そう!怪我を確かめるだけよ!!それ以上の意味は...うん!女同士、一瞬くらいいいよね!!」
そう言うと、マリーのブラに手を伸ばした。
そしてホックを外そうとした時、
「う、う~~ん...」
うめき声を上げてマリーが目を開けた。
ローズとマリーの目が合った。
「あれ?ローズちゃん...私、ドラゴンの尻尾が来て、咄嗟にエアボールを唱えて...」
そう言って上体を起こしたマリーは、自分の姿に気づく。
「キャ~~~~~!!」
マリーは地面に置かれていた自分のローブで体を隠してしまった。
「あっ!」
その際に、ローズの触れていたホックが外れる。
マリーは真っ赤になってしまった。
「ロ、ローズちゃん、何を...」
女の子座りをしてローブを体に押し付けながら、口にしたマリーの言葉に、
「ち、違うの!!本当に違うのよ!!あたし、マリーがいつまでも目を覚まさないから心配になって、どこか怪我してるんじゃないかと思って...」
ローズは必死に言い訳をする。
「ローブの上からじゃ分からないし、マリーには悪いけど脱がせて確かめただけ!そう、それだけなの!!」
ローズはマリーの目を見て精一杯、訴えた。
「...それだけ?」
マリーはちょっと残念そうな声を出したが、
「そっか...怪我はないよ!!エアボールの衝撃で気を失ってただけ...それだけだから...」
安心させるようにそう言うと、にっこり笑った。
「ゴ、ゴメンね。勝手に服を脱がせて...」
ローズが謝るが、
「ううん!私の事を考えてくれたんだよね!!ならうれしい!!」
そう言ってマリーは満面の笑みを浮かべる。しかしすぐに、
「で、でも、さっきブラに手をかけてなかった?」
また顔を赤くしながらマリーが言う。
ブラをつけなおそうとしているのか、もぞもぞしている。
しかし、その為にはローブを離さないといけない。
マリーはどうしようか迷っているようだ。
「そ、そ、それは...その...し、下着の下を怪我してるのかなって...」
ローズが真っ赤になりながら言うと、
「!!」
マリーも同じく真っ赤になってしまった。
「ゴ、ゴ、ゴメン!!さすがにそれはやりすぎだよね!!外す前に気がついてくれて良かった!!」
ローズが慌ててそう言う。しかし、
「...見て...もらおうかな...」
「えっ?!」
マリーの言葉にローズがドキッとなる。
「下着の下...怪我してたら困るし...ローズちゃんに...た、確かめて...」
マリーは恥ずかしいのか、目を閉じ、耳まで真っ赤にしながら言う。
「で、でも!!」
ローズは気の利いた断り方を考えるが出てこない。するとマリーは、
「こんなこと頼むのローズちゃんだけだよ!お願い...確かめて...」
そう言って立ち上がったマリーの手にしていたローブが落ちる。
そして、下着をそっと外した。
☆彡彡彡
ドラゴンを倒し終えて、山を下りていく二人。
しかし、二人とも無言のままだった。
気まずい空気が流れている。
(わ、わ、私、なんてことを!!きっと誰にでも裸を見せる露出狂だと思われた!!)
(み、み、み、見ちゃった!!マリーの可愛いとこ全部!!下着姿も可愛かったけど、その下はもっと綺麗だった...)
そんな事を考えているマリーとローズ。更に、
(そ、そ、それにあ、あ、あそこまで見せちゃうなんて...わ、私のって変じゃないかな?!ローズちゃん、嫌がってないよね?!)
(あんな綺麗なの持ってるんだ...マリーの体ってホント完璧だよね...女でも見惚れちゃう...ちょっと劣等感感じちゃうな...)
そして、
(それに...綺麗なローズちゃんからしたら見せられても迷惑だったよね...ホント、なんてことしちゃったんだろう...)
(あたしなんかが見て良かったのかな...あの様子だと裸、見られるの初めてだよね...)
そう結論付けた二人が思ったことは奇しくも一緒だった。
((とりあえず謝ろう!!))
「ゴメン!!ローズちゃん!!」「ゴメン!!マリー!!」
「「えっ?!」」
二人で顔を見合わせてしまう。
「どうしてローズちゃんが謝るの??」
「そういうマリーだって!」
お互い、キョトンとした顔をしていると、マリーが言った。
「だ、だって、あんな変なもの見せられて...ローズちゃん迷惑だったよね!!」
マリーの顔が赤くなっている。
「そんなことないわ!!マリー、とっても綺麗だった!!隅から隅まで!!本当よ!!」
ローズが慌ててそう言う。
しかし、マリーは心配そうにローズの目を見て聞いてくる。
「...ホント?」
「ホントに!!世界中の女性が羨ましがると思うわよ!!だから自信持って!!」
ローズは真面目な顔でそう言う。
「...それなら...良かった...」
マリーはどこか恥ずかしそうな、それでいてうれしそうな様子で答える。それを見たローズは、
「でも...あたしなんかが見ちゃって良かったの?...その...見られるの初めてなんでしょ?」
恥ずかしそうに目を逸らしながらそう言うと、
「いいの!むしろ初めてがローズちゃんで良かった...」
「それってどういう...」
マリーの答えにローズが戸惑いながら尋ねると、
「ううん。今はそれだけでいい!!いつか...もっと関係が深まったら...しようね...」
マリーは俯きながらそう言った。ちらっと見えたその顔は、とても恥ずかしそうだった。
(どういう意味かしら?...確かに今日の戦闘は抜群のコンビネーションだった...それと関係あるのかな?わざわざ聞くのもなんだし...)
そう思ったローズはとりあえず肯定した。
「う、うん...」
それを聞いたマリーが満面の笑顔に変わる。
「よろしくね!!ローズちゃん!!」
そう言って楽しそうに走り出したマリーをローズが追いかける。
「そんなに急ぐと転ぶわよ!!」
「いてっ!!」
「ほらっ!もう!!」
「へへへ」
照れ笑いするマリー。その様子を微笑ましげに眺めていたローズは、
「はい!あたしが運んであげる!今日は特別!!」
そう言うと、マリーをお姫様抱っこした。
「ロ、ローズちゃん!!」
恥ずかしがるマリー。
「いいから、いいから!!」
ローズは楽しそうに山を駆け下りていくのだった。
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