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Episode 17. ドラゴンの素材の回収
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「うわ~~~~~~!!」
ドラゴンの死体のある山の麓に辿り着いたマリーは驚きの声を上げていた。
そこでは、荷車の通った跡で道ができていたのだ。
<ガラガラガラ...>
一組の冒険者パーティが通り過ぎていく。
荷車にはドラゴンの素材が満載されていた。
「こりゃ、急がないと全部持ってかれちゃってるかもね!!」
ローズが心配する。
「うん、でもこの道沿いに進めば、到着できるんだよね!前よりは楽に着けるかも!!」
「そうね!急ぎましょ!!」
マリーとローズはそう言うと、早歩きで山を登りだした。
「へぇ~~~!こう行くと崖を回避できるんだ...」
マリーが感心する。
荷車の通った跡を辿っていくと、回り道だが緩やかで登りやすいコースを通っていた。
「そうね!知ってれば苦労して崖を登らなくてもよかったのに...」
ローズが残念そうに言うが、
「わ、私は崖登り、楽しかったかも...また、ローズちゃんの後について登りたいな...」
そう言って顔を赤らめた。
「あら、マリーは結構、楽しかったのかしら?でも一人で登っちゃダメよ!!足場の取り方にコツがあるんだから!!」
その様子を見てローズが注意する。
「うん!もちろん、ローズちゃんの後以外は登らないよ!!...それと...その時は...可愛い下着着けてね...」
そう言って、またマリーが赤くなる。
「下着??また訳の分からないこと言って!!まあ、家にある下着はマリーと買ったの以外は捨てたから可愛いのしかないけど...」
ローズがそう言うと、
「そうだ!もらった報酬で下着を買い足そうよ!!今度は高い下着も買えるよ!!」
マリーの目が輝く。
「え~~~~!!まだ買うの?あたしはこれで十分だけど...」
ローズはあまり乗り気ではないようだったが、
「ダメ!!女の子は可愛い下着、たくさん持ってないと!!マンネリになっちゃうよ!!」
そう熱弁するマリーに、
「まあ、あたしも可愛い下着、嫌いじゃないけど...」
そう言って満更でもない顔をするのだった。
たわいもない会話をしているうちに、やがてドラゴンのもとへと辿り着く。
そこには多くの冒険者が集まって、めぼしい素材を物色していた。
「わぁ~~~~!!もうこんなに集まってる!!私たちの分、ないんじゃ...」
マリーが心配していると、
「そうよね。素材を採取するだけで高報酬となればみんな先を争って奪いに来るわよね...やっぱり、あの時、すぐに出るべきだったかも...」
ローズも出遅れたことを後悔していた。
「で、でも、あの石のおかげで何度も取りに戻れるよ!!数で挽回しよう!!」
マリーが言うと、ローズも、
「そうね!せっかく来たんだもの!!元を取らなくちゃ!!」
そう言って、二人はドラゴンに群がっている冒険者の中に飛び込んだ。
「うわぁ~~~~!もう高価な素材は全部、持ってかれてる!!あるのは鱗と肉くらい...適当に切り取って持ってくしかないかなぁ...」
マリーが溜息を吐く。
ドラゴンの素材で高価なのは、角・牙・爪でそれらは既に回収されてしまっていた。
鱗と肉は量があるのでまだかなり残っている。
今いる冒険者たちはそれらをブロックに切り取って、運んでいるようだった。
「・・・」
その様子を見ていたローズが何か考えている。
「どうしたの?ローズちゃん!早くしないと肉もなくなっちゃうよ!!」
マリーが急かすが、ローズはふと呟いた。
「ねぇ、ドラゴンの骨って回収素材に含まれてたっけ?」
「えっ?!なかったと思うけど...」
マリーが答えると、
「そうよねぇ...でもドラゴンの骨って特殊な需要があるのよね!」
とローズが言う。
「そうなの?!」
マリーが聞くと、
「ドラゴンの骨は軽くてアダマンタイト級の硬度があるから、力のない人向けの武器などに使われたりするのよ!」
「へぇ~~~!でもあまり...というか全然見ないね!!」
ローズの説明にマリーが首を傾げていると、
「それは確かに硬いんだけど、耐久性がねぇ...10回も打ち合えば折れてしまうわ!」
とローズがその理由を説明する。それを聞いたマリーは、
「えっ!!それじゃ全然使えないじゃない!!」
と言うが、
「だからお金持ちの護身用の武器に使われるのよ!マリーが見たこともないのは当たり前だわ!!」
「そうなんだ...」
ローズの言葉にようやくマリーは納得する。
「だから、そもそも需要が少ないのと、ドラゴンの骨を加工できる職人が少ないのでかなり特殊な素材需要になるわね!」
そのローズの言葉に、
「じゃあ、持っていっても買い取ってくれないんじゃ...」
とマリーが心配するが、
「ただ、欲しい人にとってはどれだけお金を出しても欲しいものなのよ!需要は少ないけど目が飛び出るくらいの価格で取引されている。つまり...」
「つまり?」
マリーが前のめりに聞くと、
「その取引のルートを知っている人には、大金で売れることになるわ!!」
ローズはそう話を結んだ。
「でも、そんな人...って、もしかしてマスター?!」
マリーがようやくローズの狙いに気づく。
「そう。あの人は間違いなく、元は名の知れた冒険者だった!!当然、貴族や、もしかして王室にも繋がりがあるかもしれない!」
「確かに...」
ローズの推察はマリーも同意するところだった。
「だとしたら、ドラゴンの骨の流通ルートを知っていてもおかしくないわ!」
ローズの言うことが本当だとしたら、無造作に捨てられている骨にこそ価値があることになる。
「ねぇ!一度、戻ってマスターに聞いてみない?あの石を使えば一瞬だし!」
ローズの言葉に、
「うん!そうしよう!!」
マリーも賛成の声を上げたのだった。
ギルドに戻った二人はマスターにドラゴンの骨を買い取ってくれるか聞いてみた。
すると、驚いた顔をしていたが、いくつか買い手がつく可能性のある箇所を教えてくれた。
山に戻ったマリーとローズは、『背骨』『肩甲骨』『骨盤』をギルドの予備の倉庫に運び込んだ。
その際、マリーの『筋力強化』が役に立ったのは言うまでもない。
それらを運び込んだ二人にマスターが話しかける。
「しかし、よくドラゴンの骨の使い方について知っていたね!!それを知っているのはごく一部の人間だけだと思うが...」
その言葉にローズは、
「小さい時に、孤児院で院長先生が誰かと話しているのを聞いたことがあって、ふと思い出したんです!」
と答えた。すると、
「ほう...」
マスターは顎に手を当て考え出した。
「まさか...シェナリーで...」
マスターが小さな声でなにやら呟いていたが、ある言葉を聞いたローズが驚く。
「『シェナリー』って!!...なんであたしがシェナリーの孤児院にいたって知ってるんですか?!」
すると、マスターは、
「君の件は冒険者学校の校長から聞いたことがある」
と説明した。
「さすが、冒険者学校のエース!!その頃からギルドにも知られてたんだね!!」
マリーが自分の事のように得意げに話すが、
「そうなんだ...出自まで話すような人じゃないと思うけど...」
ローズがどこか不審に思っていると、
「それよりも、そんな大事な会話をどうやって聞いたのかな?!まさかローズ君の目の前で話していたわけではないだろう?」
とマスターが聞いてきた。するとローズは、
「あ、あの...どこで聞いたんだったかなぁ~~~?」
ととぼけた様子で答える。
「ふう...ローズ君のことだから院長室に忍び込んで盗み聞きでもしたんだろう...今も昔も変わらないな!」
そう言って、マスターが溜息を吐いた。
「ははは...」
ローズは苦笑いするしかないのであった。
ドラゴンの死体のある山の麓に辿り着いたマリーは驚きの声を上げていた。
そこでは、荷車の通った跡で道ができていたのだ。
<ガラガラガラ...>
一組の冒険者パーティが通り過ぎていく。
荷車にはドラゴンの素材が満載されていた。
「こりゃ、急がないと全部持ってかれちゃってるかもね!!」
ローズが心配する。
「うん、でもこの道沿いに進めば、到着できるんだよね!前よりは楽に着けるかも!!」
「そうね!急ぎましょ!!」
マリーとローズはそう言うと、早歩きで山を登りだした。
「へぇ~~~!こう行くと崖を回避できるんだ...」
マリーが感心する。
荷車の通った跡を辿っていくと、回り道だが緩やかで登りやすいコースを通っていた。
「そうね!知ってれば苦労して崖を登らなくてもよかったのに...」
ローズが残念そうに言うが、
「わ、私は崖登り、楽しかったかも...また、ローズちゃんの後について登りたいな...」
そう言って顔を赤らめた。
「あら、マリーは結構、楽しかったのかしら?でも一人で登っちゃダメよ!!足場の取り方にコツがあるんだから!!」
その様子を見てローズが注意する。
「うん!もちろん、ローズちゃんの後以外は登らないよ!!...それと...その時は...可愛い下着着けてね...」
そう言って、またマリーが赤くなる。
「下着??また訳の分からないこと言って!!まあ、家にある下着はマリーと買ったの以外は捨てたから可愛いのしかないけど...」
ローズがそう言うと、
「そうだ!もらった報酬で下着を買い足そうよ!!今度は高い下着も買えるよ!!」
マリーの目が輝く。
「え~~~~!!まだ買うの?あたしはこれで十分だけど...」
ローズはあまり乗り気ではないようだったが、
「ダメ!!女の子は可愛い下着、たくさん持ってないと!!マンネリになっちゃうよ!!」
そう熱弁するマリーに、
「まあ、あたしも可愛い下着、嫌いじゃないけど...」
そう言って満更でもない顔をするのだった。
たわいもない会話をしているうちに、やがてドラゴンのもとへと辿り着く。
そこには多くの冒険者が集まって、めぼしい素材を物色していた。
「わぁ~~~~!!もうこんなに集まってる!!私たちの分、ないんじゃ...」
マリーが心配していると、
「そうよね。素材を採取するだけで高報酬となればみんな先を争って奪いに来るわよね...やっぱり、あの時、すぐに出るべきだったかも...」
ローズも出遅れたことを後悔していた。
「で、でも、あの石のおかげで何度も取りに戻れるよ!!数で挽回しよう!!」
マリーが言うと、ローズも、
「そうね!せっかく来たんだもの!!元を取らなくちゃ!!」
そう言って、二人はドラゴンに群がっている冒険者の中に飛び込んだ。
「うわぁ~~~~!もう高価な素材は全部、持ってかれてる!!あるのは鱗と肉くらい...適当に切り取って持ってくしかないかなぁ...」
マリーが溜息を吐く。
ドラゴンの素材で高価なのは、角・牙・爪でそれらは既に回収されてしまっていた。
鱗と肉は量があるのでまだかなり残っている。
今いる冒険者たちはそれらをブロックに切り取って、運んでいるようだった。
「・・・」
その様子を見ていたローズが何か考えている。
「どうしたの?ローズちゃん!早くしないと肉もなくなっちゃうよ!!」
マリーが急かすが、ローズはふと呟いた。
「ねぇ、ドラゴンの骨って回収素材に含まれてたっけ?」
「えっ?!なかったと思うけど...」
マリーが答えると、
「そうよねぇ...でもドラゴンの骨って特殊な需要があるのよね!」
とローズが言う。
「そうなの?!」
マリーが聞くと、
「ドラゴンの骨は軽くてアダマンタイト級の硬度があるから、力のない人向けの武器などに使われたりするのよ!」
「へぇ~~~!でもあまり...というか全然見ないね!!」
ローズの説明にマリーが首を傾げていると、
「それは確かに硬いんだけど、耐久性がねぇ...10回も打ち合えば折れてしまうわ!」
とローズがその理由を説明する。それを聞いたマリーは、
「えっ!!それじゃ全然使えないじゃない!!」
と言うが、
「だからお金持ちの護身用の武器に使われるのよ!マリーが見たこともないのは当たり前だわ!!」
「そうなんだ...」
ローズの言葉にようやくマリーは納得する。
「だから、そもそも需要が少ないのと、ドラゴンの骨を加工できる職人が少ないのでかなり特殊な素材需要になるわね!」
そのローズの言葉に、
「じゃあ、持っていっても買い取ってくれないんじゃ...」
とマリーが心配するが、
「ただ、欲しい人にとってはどれだけお金を出しても欲しいものなのよ!需要は少ないけど目が飛び出るくらいの価格で取引されている。つまり...」
「つまり?」
マリーが前のめりに聞くと、
「その取引のルートを知っている人には、大金で売れることになるわ!!」
ローズはそう話を結んだ。
「でも、そんな人...って、もしかしてマスター?!」
マリーがようやくローズの狙いに気づく。
「そう。あの人は間違いなく、元は名の知れた冒険者だった!!当然、貴族や、もしかして王室にも繋がりがあるかもしれない!」
「確かに...」
ローズの推察はマリーも同意するところだった。
「だとしたら、ドラゴンの骨の流通ルートを知っていてもおかしくないわ!」
ローズの言うことが本当だとしたら、無造作に捨てられている骨にこそ価値があることになる。
「ねぇ!一度、戻ってマスターに聞いてみない?あの石を使えば一瞬だし!」
ローズの言葉に、
「うん!そうしよう!!」
マリーも賛成の声を上げたのだった。
ギルドに戻った二人はマスターにドラゴンの骨を買い取ってくれるか聞いてみた。
すると、驚いた顔をしていたが、いくつか買い手がつく可能性のある箇所を教えてくれた。
山に戻ったマリーとローズは、『背骨』『肩甲骨』『骨盤』をギルドの予備の倉庫に運び込んだ。
その際、マリーの『筋力強化』が役に立ったのは言うまでもない。
それらを運び込んだ二人にマスターが話しかける。
「しかし、よくドラゴンの骨の使い方について知っていたね!!それを知っているのはごく一部の人間だけだと思うが...」
その言葉にローズは、
「小さい時に、孤児院で院長先生が誰かと話しているのを聞いたことがあって、ふと思い出したんです!」
と答えた。すると、
「ほう...」
マスターは顎に手を当て考え出した。
「まさか...シェナリーで...」
マスターが小さな声でなにやら呟いていたが、ある言葉を聞いたローズが驚く。
「『シェナリー』って!!...なんであたしがシェナリーの孤児院にいたって知ってるんですか?!」
すると、マスターは、
「君の件は冒険者学校の校長から聞いたことがある」
と説明した。
「さすが、冒険者学校のエース!!その頃からギルドにも知られてたんだね!!」
マリーが自分の事のように得意げに話すが、
「そうなんだ...出自まで話すような人じゃないと思うけど...」
ローズがどこか不審に思っていると、
「それよりも、そんな大事な会話をどうやって聞いたのかな?!まさかローズ君の目の前で話していたわけではないだろう?」
とマスターが聞いてきた。するとローズは、
「あ、あの...どこで聞いたんだったかなぁ~~~?」
ととぼけた様子で答える。
「ふう...ローズ君のことだから院長室に忍び込んで盗み聞きでもしたんだろう...今も昔も変わらないな!」
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「ははは...」
ローズは苦笑いするしかないのであった。
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