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Burst23. アネノ・ワガマーマ
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「ふぁぁ~~~!よく寝た!」
オトメが気持ちよさそうに目を覚ます。
「私も快眠でした。とても楽しい夢を見ていた気がします」
マリアもすっきりした顔をしている。
「みんな、よく寝れたようだな!ところで師匠はどんな夢を見たんだ?」
グレースも負けじとパッと目を覚ます。
「う~~ん。なんだかとてもフワフワして...」
「私も夢を見たよ!なんだかとてもワクワクして...」
「オトメさんの手がとっても...」
「そうそう、マリアちゃんの顔がとっても...」
ふと目が合う二人。
目が合った瞬間、二人は真っ赤になってしまった。
「おいおい、何の夢を見たんだ?まさか同じ夢じゃないだろうな?」
「まさか!オトメさんがあんなこと!」
「そうだよ!マリアちゃんがあんなこと!」
「「するわけがない!」」
二人は力説した。
「でも、して欲しいんじゃないのか?」
グレースが言うと、二人はまた目を見合わせ、真っ赤になって俯いてしまった。
(こいつらどれだけ通じ合ってんだ?)
グレースは一昨日の合図の仕方といい、感心するほかなかった。
「さ、さて!今日はアネノ姫様との面会です!気を引き締めていきましょう!」
「そ、そうだね!私...ちゃんと挨拶できるかな...」
「大丈夫です!昨日、教えたとおりに話すだけです!」
「うん!頑張る!」
(話題変えたな...)
こうして、三人は身支度を整えると、街の入口の門の前に向かっていった。
門の前では報酬を受け取る人の列ができていた。
現金か、ライセンスカードへの振り込みか選べるらしい。
普通はパーティ内で分け合うため、現金でもらうのだが、
「報酬は全額、オトメさんのライセンスカードへ振り込んでください」
とマリアが言った。
「えっ!マリアちゃんとグレースちゃんは?」
「私たちは十分、持っていますので...オトメさんは下着も節約するほど困ってらっしゃいますよね。どうぞ使ってください。グレースさんも同じ意見でした」
「で、でもこんな大金...」
オトメたちは大量の魔物を倒したため、かなりの額の報酬が出ていた。
「気にするな!私たちは十分過ぎるほど持っている。それで好きな服でも買ったらどうだ?」
グレースが笑いながら言う。
「ありがとう...何か困ったときは言ってね!このお金はみんなのお金だと思ってるから!」
オトメは二人の気遣いがうれしくて涙が出そうだった。
そんな三人にメグが声をかける。
「皆さん、報酬は受け取ったようですね。アネノ姫様との面会は10時からです。少し早いですが9時に城門前に来ていただけますか?」
「分かりました。服装はどうしましょう?今着ているのが一番いい服なのですが...」
マリアはきれいなドレスを来ているが、オトメはキレイめのワンピース。グレースは戦闘服だ。
「それで構いません。女の子の三人組ということで、お茶会を開かれるようです。気さくな方ですので普通に話していただいて結構ですよ!」
「そう言っていただけると助かります。ではこの衣装でお邪魔させていただきます」
オトメたちはそれを聞いて、少し気が楽になった。
集合まで時間があるので、軽く食事を取りにホテルに戻るのだった。
・・・
「おお!よう来た!お茶の準備は整っておる。そちら側の席に座るがよい!」
面会の部屋に入ると、美しい女性が三人を出迎えた。
テーブルには紅茶の茶器一式と共に、様々なお菓子が並んでいる。
きれいなテーブルクロスに美しい花や調度品で飾られた部屋の中。
使用人たちと共に一人のイケメン男子が黒のスーツで控えていた。どうやら姫様の護衛役らしい。
アネノ姫のドレスは美しいが豪華絢爛というほどではない。アクセサリーも控えめだ。
おそらく、皆に気を使って、簡素な衣装を身にまとっているのだろう。
それだけ見ても、聡明な女性だと思えた。あのようなお触れを出すとは考えられなかった。
「わ、わ、わたくし、ドリーミング・ガールズの代表をしております、オ、オトメ・アイリンと申します!こ、こ、この度は...」
「ふふふ。慣れない挨拶などよい。オトメとマリアとグレースじゃな?もう聞いておる。さっさと席に座るがよい」
オトメとグレースはマリアの目を見る。マリアは、アネノ姫に対し、深く礼をすると、恭しく言った。
「アネノ・ワガマーマ様。この度はお招きありがとうございます。慣れないものゆえ失礼もあるかと思いますがお許しください...さあ、オトメさん、グレースさん。姫様もああ言っておられますし、席に着かせていただきましょうか?」
その言葉で安心したのか、二人はテーブルの席に着いた。
「あぁ、マリアはエライヒト家の者じゃったな。護衛もつけずに旅に出て家の者は何も言わぬのか?」
「わたくし、恥ずかしながら家を飛び出してきております。どうしても行きたい場所があるのですが、お父様の許可が下りなかったもので...」
「ははは。これは愉快。妾もそのように自由に生きたいものじゃ。もっとも、おばあ様は相当なおてんばで城を飛び出したそうじゃが...」
「その話も後でゆっくり伺いたいと思っております。とりあえずはお茶にいたしましょうか?きっとわたくしも知らない良いお茶なのでしょうね。楽しみにしております」
「ははは。プレッシャーをかけるでない。まあまあのお茶じゃ。気に入らなかったら替えさせるが...」
「ご謙遜を。ではゆっくりいただきましょうか?」
オトメとグレースは貴族の会話に参加することもできず、ただ、見とれているのみだった。
「まあ、いい香りです。わたくし、このお茶、気に入りました」
「それは何より」
「マリアちゃん!このケーキ美味しいよ!マリアちゃんにも取ってあげる」
「マリア師匠!このマカロンとかいうお菓子、実に可愛らしい。こういうのを食すと、女子力も上がるのだろうか...」
三人はしばらく経つとすっかりリラックスしていた。
「ほほほ。仲の良いパーティで羨ましいことじゃ...ところでオトメよ。お主、あまり胸がないようじゃが...まさかAカップではあるまいな!」
アネノ姫は少し、機嫌が悪くなったようだ。
「違います!私はB...」
「オトメさんはアンダーAです!Aではありません!」
マリアが慌ててオトメの言葉を遮る。
(「姫様の前で嘘はいけません。不都合でも本当のことだけを話すのです!」)
マリアがオトメに耳打ちして作法を教える。
「そうか。アンダーAか。なら良い...」
(アンダーAは嫌いではないのか...ではAカップだけを嫌う理由とは...)
グレースがそんなことを考えていると、
「そういえば、アネノ姫様の妹君が最近、お輿入れしたとお聞きしました。失礼ですが、そのお話を伺っても...」
マリアが慎重に話を切り出す。
その瞬間、周りの空気が凍った気がした。
(やはり、それが原因か...)
グレースがアネノ姫の様子を窺う。
「聞きたいか?」
アネノ姫の口調が若干、冷たい。
「いえ、結構です。ただ、聞けばお力になれるのではと...『貧乳隔離政策』は取りやめになったとお聞きしました。ですが、Aカップの方を困らせる方法は他にもあると存じますが...」
「ほう?例えば?」
アネノ姫が興味を持ったようだ。
「その為には、このようなことになった経緯をお聞きしなければなりません。わたくしにも力にならせてください」
「...それでその方になんの得が?」
「アネノ姫様も我が国の貴族ならお分かりでしょう?貴族同士、恩を売っておくメリットが...」
「ふむ。その方、なかなか策士と見える。よかろう、話してやろう」
アネノ姫が双子の妹、『イモ―ト・ワガマーマ』の結婚の話を始めた。
オトメが気持ちよさそうに目を覚ます。
「私も快眠でした。とても楽しい夢を見ていた気がします」
マリアもすっきりした顔をしている。
「みんな、よく寝れたようだな!ところで師匠はどんな夢を見たんだ?」
グレースも負けじとパッと目を覚ます。
「う~~ん。なんだかとてもフワフワして...」
「私も夢を見たよ!なんだかとてもワクワクして...」
「オトメさんの手がとっても...」
「そうそう、マリアちゃんの顔がとっても...」
ふと目が合う二人。
目が合った瞬間、二人は真っ赤になってしまった。
「おいおい、何の夢を見たんだ?まさか同じ夢じゃないだろうな?」
「まさか!オトメさんがあんなこと!」
「そうだよ!マリアちゃんがあんなこと!」
「「するわけがない!」」
二人は力説した。
「でも、して欲しいんじゃないのか?」
グレースが言うと、二人はまた目を見合わせ、真っ赤になって俯いてしまった。
(こいつらどれだけ通じ合ってんだ?)
グレースは一昨日の合図の仕方といい、感心するほかなかった。
「さ、さて!今日はアネノ姫様との面会です!気を引き締めていきましょう!」
「そ、そうだね!私...ちゃんと挨拶できるかな...」
「大丈夫です!昨日、教えたとおりに話すだけです!」
「うん!頑張る!」
(話題変えたな...)
こうして、三人は身支度を整えると、街の入口の門の前に向かっていった。
門の前では報酬を受け取る人の列ができていた。
現金か、ライセンスカードへの振り込みか選べるらしい。
普通はパーティ内で分け合うため、現金でもらうのだが、
「報酬は全額、オトメさんのライセンスカードへ振り込んでください」
とマリアが言った。
「えっ!マリアちゃんとグレースちゃんは?」
「私たちは十分、持っていますので...オトメさんは下着も節約するほど困ってらっしゃいますよね。どうぞ使ってください。グレースさんも同じ意見でした」
「で、でもこんな大金...」
オトメたちは大量の魔物を倒したため、かなりの額の報酬が出ていた。
「気にするな!私たちは十分過ぎるほど持っている。それで好きな服でも買ったらどうだ?」
グレースが笑いながら言う。
「ありがとう...何か困ったときは言ってね!このお金はみんなのお金だと思ってるから!」
オトメは二人の気遣いがうれしくて涙が出そうだった。
そんな三人にメグが声をかける。
「皆さん、報酬は受け取ったようですね。アネノ姫様との面会は10時からです。少し早いですが9時に城門前に来ていただけますか?」
「分かりました。服装はどうしましょう?今着ているのが一番いい服なのですが...」
マリアはきれいなドレスを来ているが、オトメはキレイめのワンピース。グレースは戦闘服だ。
「それで構いません。女の子の三人組ということで、お茶会を開かれるようです。気さくな方ですので普通に話していただいて結構ですよ!」
「そう言っていただけると助かります。ではこの衣装でお邪魔させていただきます」
オトメたちはそれを聞いて、少し気が楽になった。
集合まで時間があるので、軽く食事を取りにホテルに戻るのだった。
・・・
「おお!よう来た!お茶の準備は整っておる。そちら側の席に座るがよい!」
面会の部屋に入ると、美しい女性が三人を出迎えた。
テーブルには紅茶の茶器一式と共に、様々なお菓子が並んでいる。
きれいなテーブルクロスに美しい花や調度品で飾られた部屋の中。
使用人たちと共に一人のイケメン男子が黒のスーツで控えていた。どうやら姫様の護衛役らしい。
アネノ姫のドレスは美しいが豪華絢爛というほどではない。アクセサリーも控えめだ。
おそらく、皆に気を使って、簡素な衣装を身にまとっているのだろう。
それだけ見ても、聡明な女性だと思えた。あのようなお触れを出すとは考えられなかった。
「わ、わ、わたくし、ドリーミング・ガールズの代表をしております、オ、オトメ・アイリンと申します!こ、こ、この度は...」
「ふふふ。慣れない挨拶などよい。オトメとマリアとグレースじゃな?もう聞いておる。さっさと席に座るがよい」
オトメとグレースはマリアの目を見る。マリアは、アネノ姫に対し、深く礼をすると、恭しく言った。
「アネノ・ワガマーマ様。この度はお招きありがとうございます。慣れないものゆえ失礼もあるかと思いますがお許しください...さあ、オトメさん、グレースさん。姫様もああ言っておられますし、席に着かせていただきましょうか?」
その言葉で安心したのか、二人はテーブルの席に着いた。
「あぁ、マリアはエライヒト家の者じゃったな。護衛もつけずに旅に出て家の者は何も言わぬのか?」
「わたくし、恥ずかしながら家を飛び出してきております。どうしても行きたい場所があるのですが、お父様の許可が下りなかったもので...」
「ははは。これは愉快。妾もそのように自由に生きたいものじゃ。もっとも、おばあ様は相当なおてんばで城を飛び出したそうじゃが...」
「その話も後でゆっくり伺いたいと思っております。とりあえずはお茶にいたしましょうか?きっとわたくしも知らない良いお茶なのでしょうね。楽しみにしております」
「ははは。プレッシャーをかけるでない。まあまあのお茶じゃ。気に入らなかったら替えさせるが...」
「ご謙遜を。ではゆっくりいただきましょうか?」
オトメとグレースは貴族の会話に参加することもできず、ただ、見とれているのみだった。
「まあ、いい香りです。わたくし、このお茶、気に入りました」
「それは何より」
「マリアちゃん!このケーキ美味しいよ!マリアちゃんにも取ってあげる」
「マリア師匠!このマカロンとかいうお菓子、実に可愛らしい。こういうのを食すと、女子力も上がるのだろうか...」
三人はしばらく経つとすっかりリラックスしていた。
「ほほほ。仲の良いパーティで羨ましいことじゃ...ところでオトメよ。お主、あまり胸がないようじゃが...まさかAカップではあるまいな!」
アネノ姫は少し、機嫌が悪くなったようだ。
「違います!私はB...」
「オトメさんはアンダーAです!Aではありません!」
マリアが慌ててオトメの言葉を遮る。
(「姫様の前で嘘はいけません。不都合でも本当のことだけを話すのです!」)
マリアがオトメに耳打ちして作法を教える。
「そうか。アンダーAか。なら良い...」
(アンダーAは嫌いではないのか...ではAカップだけを嫌う理由とは...)
グレースがそんなことを考えていると、
「そういえば、アネノ姫様の妹君が最近、お輿入れしたとお聞きしました。失礼ですが、そのお話を伺っても...」
マリアが慎重に話を切り出す。
その瞬間、周りの空気が凍った気がした。
(やはり、それが原因か...)
グレースがアネノ姫の様子を窺う。
「聞きたいか?」
アネノ姫の口調が若干、冷たい。
「いえ、結構です。ただ、聞けばお力になれるのではと...『貧乳隔離政策』は取りやめになったとお聞きしました。ですが、Aカップの方を困らせる方法は他にもあると存じますが...」
「ほう?例えば?」
アネノ姫が興味を持ったようだ。
「その為には、このようなことになった経緯をお聞きしなければなりません。わたくしにも力にならせてください」
「...それでその方になんの得が?」
「アネノ姫様も我が国の貴族ならお分かりでしょう?貴族同士、恩を売っておくメリットが...」
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