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Burst41. オーパイ前夜
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「どうだ!盛り上がってるか?!」
オトメたちが料理を食べていると、ヤクーザの首領がやってきて、肩をバンバン叩いた。
「痛いよ!楽しんでるよ!どの料理もとっても美味しい!」
「本当ですね!素材が新鮮だからシンプルな調理法がとっても合います!」
「もう食べ過ぎで腹がはち切れそうだ!だけどまだまだいける!」
みんな料理を満喫しているようだ。
「でも首領さん、すっかり若返っちゃったね!別人みたいだよ!まだまだ長生きしそうだね!」
「あったりめぇよぉ!!サユリがいるんだ!死ぬときは一緒だが、まだまだ死なねぇぜ!」
「羨ましいですね!私もオトメさんと死ぬときは...わわ!何でもありません!」
「ところでこの屋敷には襖とか畳とかニホンノ帝国の物がたくさんあるな。首領はニホンノ帝国に行ったことがあると言っていたが、こんなにどうやって持ってきたのだ?」
この屋敷は外観は洋風だが、中に入ると、畳の部屋があったり、大きな部屋を襖で区切ってあったり、床の間が作られていたり、ニホンノ帝国風の物がたくさんあった。
家の中には玄関で履物を脱いで入るし、寝るときも布団で寝るようだ。
グレースは前々から不思議に思っていたらしく、首領に聞いた。
「実は...あたいはニホンノ帝国に行ったことがないんだ...」
首領が照れくさそうに言う。
「えっ!じゃあ、どうやってこれだけの物を集めたのだ?!」
グレースが驚いて尋ねた。
「いや...その...旅の商人がたまに村に寄っていくんだが、何故か『ニホンノ帝国の物』と言われると無性に欲しくなってな...何でもかんでも買ったり、作ってもらったりしているうちにこうなった」
「これだけ改装したとなると金もかかったと思うが...」
「ああ、おかげで今は一文無しだ。オーパイから帰ってきた後、どうでもよくなってな。心慰める物を探しているときに、ニホンノ帝国の書物に出会ったんだ。それを読んでいると何故か懐かしくなって...後先考えずに金を使ってしまった...後、自分で改装したところもある。ニホンノ帝国の書物は部屋がいっぱいになるくらい買い込んだからな...」
「それはサユリ殿の記憶が残っていたのだろうか?」
「それは分からねぇな。だけど記憶は一切残ってねぇはずだ。多分、魂に刻み込まれてたんだろう...」
首領は恥ずかしそうに頬を掻きながら言った。
「素敵です!私の魂にもオトメさんを...わわ!何でもありません!何でも!」
マリアはまた何か言いそうになったが、慌てて否定した。恥ずかしいのか顔が赤くなっている。
「うふふ。私の魂にもマリアちゃんが刻まれてるよ!」
オトメが珍しくキザなセリフを言う。
「もう!オトメさんったら!からかわないでください!」
マリアは真っ赤になって横を向いてしまった。
「ははは。サユリに聞いた通りだな!初々しくてこっちまで恥ずかしくなってくるぜ!」
「な、何を聞いたんですか?!」
マリアが慌てて尋ねる。
「人前であんなことやこんなことをしてみんなの注目を集めていたとか...」
「そ、そんなことしてません!!」
「そ、そうだよ!ただ、ちょっと仲良くしてただけ!私たち仲良しだもんねぇ~」
「はい!」
「まだ何も言ってねぇけどな...まあ、いいや!楽しんでいってくれ!明日はいよいよオーパイに行くんだろ!全て上手くいくといいな!あたいらみたいにはなるなよ!」
「分かっている。それでオーパイに行く前に首領に聞いておきたいことがあるんだが...」
グレースが不意に話し出した。
「何だい?あたいに分かることなら何でも話してやるぜ!」
「なるべく目立たないように話したい。こちらに来てくれるだろうか?」
「別にいいけどよぉ...あたいは隠し事は苦手なんだがねぇ...」
そう言いながら、二人は部屋の隅に歩いていった。
「どうしたんだろ、グレースちゃん...」
「さあ、さっぱりした性格のグレースさんにしては珍しいですね...」
オトメとマリアが話していると、サユリがやってきた。
「この度はありがとうございました。おかげでダーリンとよりを戻すことができました」
サユリが丁寧に礼を言う。
「私たちは何もしてないよ!サユリさんが頑張ったから、それが首領さんに届いたんだよ!」
「そうですね。あのやり取りは私も感動しました!」
「そう言われると少し恥ずかしいです...でも一番、感謝しているのはグレースさんです!彼女が私の背中を押してくれました。あれがなかったら、今はありません!」
「グレースちゃんなら首領さんと何か話してるよ!何か内緒の話らしいけどなんだろう...」
「きっと、明日の事ですね...」
サユリが急に声のトーンを落とした。
「明日のこと?」
オトメもつられて声が小さくなる。
「オトメさんはこの雰囲気が変だとは思いませんか?」
マリアが顔を寄せ、小さな声でささやく。
「マ、マリアちゃん...」
オトメは心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。顔も紅潮してくる。
「どうかしましたか?オトメさん?」
マリアは不思議そうな顔をしている。
「あ、あの...顔が近いから...マリアちゃんの綺麗な唇に引き寄せられそう...」
「あっ!」
マリアも顔の距離に気づき赤くなる。
「ゴ、ゴメン。そんなこと言ってる場合じゃないよね...変ってどういう事?」
オトメもささやき声になる。
「普通、明日にはお互いに忘れてしまうと思うともっとしんみりするものです。ですが、私たちは誰もそれを感じていません」
「言われてみれば...」
「ふふふ。私もそれは感じていました。だから皆さんを案内すると決めたんです。そうじゃなかったらあんなことは言いません」
サユリもマリアと同じことを考えていたようだ。
「きっと、明日の夜にはみんな笑っていられますよ!」
マリアはウインクをした。
「うん...」
オトメは気持ちが楽になるのを感じていた。
・・・
その夜、オトメたち三人は客間で寝かせてもらえることになった。
布団が三つ並んでいる。
「ああ、もうお腹パンパン!お風呂にも入ったし、もう寝ようか!」
オトメがお腹を押さえながら二人に話しかけた。
「その前に、ちょっといいか?」
グレースが何か話しておきたいことがあるらしい。
「いいよ!何?」
オトメが言うが、グレースはささやき声で言った。
「ちょっと布団の中でいいか?私の布団に三人で潜ろう」
「えっ!三人でするってこと!!ゴメン、私、グレースちゃんとは...」
「ち・が・う!私はノーマルだ!お前らと一緒にするな!」
グレースはつい、声を荒らげてしまう。
「まあ、私もノーマルですよ!失礼な...」
マリアが反論するが、
「いや、気づいてないとしたらかなり問題だな...」
グレースがあきれてしまう。
「とにかく、ちょっと顔だけ入れてもらえばいい。明日の話だ」
そう言うと、グレースは布団に顔を突っ込む。
オトメとマリアは顔を見合わせたが、グレースに続いて、布団の中に顔を突っ込んだ。
「すまん。どこで誰が見てるか分からないからな。明日の段取りの話をする。小さい声だが良く聞いてくれ。特に師匠には大事な仕事をしてもらうことになる」
「私が...」
「明日、オーパイに着いたら...」
三人はしばらく布団の中でひそひそ話をしていたのだった。
そして、三人はそれぞれ布団に入り、明日に備え、ゆっくり寝ることにする。
それからしばらく...なかなか寝付けないオトメはマリアに声を掛けた。
「マリアちゃん...起きてる?」
「オトメさん...早く来て...」
「えっ!」
オトメは驚いてマリアの顔を見るがどうやら寝言のようだった。
「ゴ、ゴメン!私もすぐ行くね!」
そう言うとオトメは急いで眠りにつくのであった。
「二人が夢で始める前に寝ないとな...始まったら気になって眠れやしない...」
グレースも早急に眠りにつく必要に迫られたのだった。
オトメたちが料理を食べていると、ヤクーザの首領がやってきて、肩をバンバン叩いた。
「痛いよ!楽しんでるよ!どの料理もとっても美味しい!」
「本当ですね!素材が新鮮だからシンプルな調理法がとっても合います!」
「もう食べ過ぎで腹がはち切れそうだ!だけどまだまだいける!」
みんな料理を満喫しているようだ。
「でも首領さん、すっかり若返っちゃったね!別人みたいだよ!まだまだ長生きしそうだね!」
「あったりめぇよぉ!!サユリがいるんだ!死ぬときは一緒だが、まだまだ死なねぇぜ!」
「羨ましいですね!私もオトメさんと死ぬときは...わわ!何でもありません!」
「ところでこの屋敷には襖とか畳とかニホンノ帝国の物がたくさんあるな。首領はニホンノ帝国に行ったことがあると言っていたが、こんなにどうやって持ってきたのだ?」
この屋敷は外観は洋風だが、中に入ると、畳の部屋があったり、大きな部屋を襖で区切ってあったり、床の間が作られていたり、ニホンノ帝国風の物がたくさんあった。
家の中には玄関で履物を脱いで入るし、寝るときも布団で寝るようだ。
グレースは前々から不思議に思っていたらしく、首領に聞いた。
「実は...あたいはニホンノ帝国に行ったことがないんだ...」
首領が照れくさそうに言う。
「えっ!じゃあ、どうやってこれだけの物を集めたのだ?!」
グレースが驚いて尋ねた。
「いや...その...旅の商人がたまに村に寄っていくんだが、何故か『ニホンノ帝国の物』と言われると無性に欲しくなってな...何でもかんでも買ったり、作ってもらったりしているうちにこうなった」
「これだけ改装したとなると金もかかったと思うが...」
「ああ、おかげで今は一文無しだ。オーパイから帰ってきた後、どうでもよくなってな。心慰める物を探しているときに、ニホンノ帝国の書物に出会ったんだ。それを読んでいると何故か懐かしくなって...後先考えずに金を使ってしまった...後、自分で改装したところもある。ニホンノ帝国の書物は部屋がいっぱいになるくらい買い込んだからな...」
「それはサユリ殿の記憶が残っていたのだろうか?」
「それは分からねぇな。だけど記憶は一切残ってねぇはずだ。多分、魂に刻み込まれてたんだろう...」
首領は恥ずかしそうに頬を掻きながら言った。
「素敵です!私の魂にもオトメさんを...わわ!何でもありません!何でも!」
マリアはまた何か言いそうになったが、慌てて否定した。恥ずかしいのか顔が赤くなっている。
「うふふ。私の魂にもマリアちゃんが刻まれてるよ!」
オトメが珍しくキザなセリフを言う。
「もう!オトメさんったら!からかわないでください!」
マリアは真っ赤になって横を向いてしまった。
「ははは。サユリに聞いた通りだな!初々しくてこっちまで恥ずかしくなってくるぜ!」
「な、何を聞いたんですか?!」
マリアが慌てて尋ねる。
「人前であんなことやこんなことをしてみんなの注目を集めていたとか...」
「そ、そんなことしてません!!」
「そ、そうだよ!ただ、ちょっと仲良くしてただけ!私たち仲良しだもんねぇ~」
「はい!」
「まだ何も言ってねぇけどな...まあ、いいや!楽しんでいってくれ!明日はいよいよオーパイに行くんだろ!全て上手くいくといいな!あたいらみたいにはなるなよ!」
「分かっている。それでオーパイに行く前に首領に聞いておきたいことがあるんだが...」
グレースが不意に話し出した。
「何だい?あたいに分かることなら何でも話してやるぜ!」
「なるべく目立たないように話したい。こちらに来てくれるだろうか?」
「別にいいけどよぉ...あたいは隠し事は苦手なんだがねぇ...」
そう言いながら、二人は部屋の隅に歩いていった。
「どうしたんだろ、グレースちゃん...」
「さあ、さっぱりした性格のグレースさんにしては珍しいですね...」
オトメとマリアが話していると、サユリがやってきた。
「この度はありがとうございました。おかげでダーリンとよりを戻すことができました」
サユリが丁寧に礼を言う。
「私たちは何もしてないよ!サユリさんが頑張ったから、それが首領さんに届いたんだよ!」
「そうですね。あのやり取りは私も感動しました!」
「そう言われると少し恥ずかしいです...でも一番、感謝しているのはグレースさんです!彼女が私の背中を押してくれました。あれがなかったら、今はありません!」
「グレースちゃんなら首領さんと何か話してるよ!何か内緒の話らしいけどなんだろう...」
「きっと、明日の事ですね...」
サユリが急に声のトーンを落とした。
「明日のこと?」
オトメもつられて声が小さくなる。
「オトメさんはこの雰囲気が変だとは思いませんか?」
マリアが顔を寄せ、小さな声でささやく。
「マ、マリアちゃん...」
オトメは心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。顔も紅潮してくる。
「どうかしましたか?オトメさん?」
マリアは不思議そうな顔をしている。
「あ、あの...顔が近いから...マリアちゃんの綺麗な唇に引き寄せられそう...」
「あっ!」
マリアも顔の距離に気づき赤くなる。
「ゴ、ゴメン。そんなこと言ってる場合じゃないよね...変ってどういう事?」
オトメもささやき声になる。
「普通、明日にはお互いに忘れてしまうと思うともっとしんみりするものです。ですが、私たちは誰もそれを感じていません」
「言われてみれば...」
「ふふふ。私もそれは感じていました。だから皆さんを案内すると決めたんです。そうじゃなかったらあんなことは言いません」
サユリもマリアと同じことを考えていたようだ。
「きっと、明日の夜にはみんな笑っていられますよ!」
マリアはウインクをした。
「うん...」
オトメは気持ちが楽になるのを感じていた。
・・・
その夜、オトメたち三人は客間で寝かせてもらえることになった。
布団が三つ並んでいる。
「ああ、もうお腹パンパン!お風呂にも入ったし、もう寝ようか!」
オトメがお腹を押さえながら二人に話しかけた。
「その前に、ちょっといいか?」
グレースが何か話しておきたいことがあるらしい。
「いいよ!何?」
オトメが言うが、グレースはささやき声で言った。
「ちょっと布団の中でいいか?私の布団に三人で潜ろう」
「えっ!三人でするってこと!!ゴメン、私、グレースちゃんとは...」
「ち・が・う!私はノーマルだ!お前らと一緒にするな!」
グレースはつい、声を荒らげてしまう。
「まあ、私もノーマルですよ!失礼な...」
マリアが反論するが、
「いや、気づいてないとしたらかなり問題だな...」
グレースがあきれてしまう。
「とにかく、ちょっと顔だけ入れてもらえばいい。明日の話だ」
そう言うと、グレースは布団に顔を突っ込む。
オトメとマリアは顔を見合わせたが、グレースに続いて、布団の中に顔を突っ込んだ。
「すまん。どこで誰が見てるか分からないからな。明日の段取りの話をする。小さい声だが良く聞いてくれ。特に師匠には大事な仕事をしてもらうことになる」
「私が...」
「明日、オーパイに着いたら...」
三人はしばらく布団の中でひそひそ話をしていたのだった。
そして、三人はそれぞれ布団に入り、明日に備え、ゆっくり寝ることにする。
それからしばらく...なかなか寝付けないオトメはマリアに声を掛けた。
「マリアちゃん...起きてる?」
「オトメさん...早く来て...」
「えっ!」
オトメは驚いてマリアの顔を見るがどうやら寝言のようだった。
「ゴ、ゴメン!私もすぐ行くね!」
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