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Panic 51. ジュンと謎の女の子
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<ギ~~~~~ッ!>
誰もいなくなったポワンの家。
そこに可愛らしい女の子が入ってきた。
黒髪、黒目で、髪はセミロング。
真っ白なワンピースを着て、手には大きなウサギのぬいぐるみを抱いている。
マコリンとポワンが、夢で会った女の子だ。
「ここが昔のポワンママのお家かぁ~~~!あんまり変わってないね!」
女の子はそう言って微笑む。
女の子が、家の中を見て回っていると、
<ブオン!>
突然、ゲートが現れた。
「私としたことが忘れ物など...」
出てきたのはジュン。
どうやらメモ帳を忘れたようだった。
「こんにちは!」
女の子がジュンに挨拶をする。
「ん?誰だお前は!ここにはポワン以外にも人がいたのか?」
ジュンが驚いて尋ねると、
「ううん!私がマコリンママのためにゲートを開いたの!私もこっそり、ついてきてたんだよ!」
女の子が答える。
「なに?マコリンママだと?...待てよ!『ゲートを開いた』と言ったな!...ということは...まさか!!」
ジュンが何かの可能性に気づく。
「うん!私はマポリン!マコリンママとポワンママの子供だよ!未来から来たの!」
その女の子はマポリンと名乗った。
未来から来たマコリンとポワンの子供だと言う。
「そんなことが?!...『世界の摂理』はそれを認めるのか?!」
ジュンは目を見開いている。
子供がまだ生まれていない段階で、親の人生に関与する・・・自然の摂理に反するはずだった。
「よく分からないけど、ギリギリセーフみたい!できちゃった!」
マポリンは考え込んでいるジュンをよそに、あっさりと答えた。
「まあ、ゲートを開いただけだしな...もしや!!」
納得したかと思ったら、次の瞬間、声を上げたジュン。それを見て、
「ビックリした!!...どうしたの?突然...」
マポリンはいきなりで驚いたようだ。胸に手を当てている。
「そうか...お前がいたから...」
(マコリンが来た途端、結界の解除に成功した理由が分かったぞ!)
ジュンは何かに気づいたようだ。
(確かにあいつはパスワードの問題を解決した...しかし、それは『世界の摂理』に導かれてのこと!!)
ジュンの考察は続く。
(マポリンが存在するということは、あの二人の間に子供ができるのは必然...当然、この世界に閉じ込められた場合でも生まれることになる...)
それは論理上、当然の結論だった。
(しかし、そうしたらこの世界に、二人のマポリンが同時に存在することになる!そんなことを『世界の摂理』が認めるわけがない!!)
マポリンは『マコリンと一緒にこの世界に来た』と言った。
この世界にはジュンの張った結界があった。マポリンもこの世界に閉じ込められることになったはずだ。
すると、将来的に同一人物が、同じ世界の同じ時間に存在することになる。
それは『世界の摂理』に反することだった。
(つまり、結界が解除されるのは必然だった...それがマコリンのアイデアという形で顕現しただけ!!)
ジュンはマポリンを見つめる。そして、
「私はお前に救われたのか...」
ふと、つぶやいた。
「な、なに?怖い...お姉さん、もしかして『じょうちょふあんてい』?」
さっきから、わけの分からない言動をしているジュンの様子に、怯えているマポリン。
「ああ、悪かった!...そうか、お前がいるのならどちらにしろ、あの二人を引き離すのは不可能だな!」
ジュンはマポリンに謝ると、そう口にする。
「まだママたちを別れさせようとしてるの!そんなのマポリンが許さない!!」
マポリンは怒っているが、
「そうじゃない!もともと見逃すつもりだった...それに『世界の摂理』にまで味方されたら私、いや、私の世界の全ての技術を結集しても無理だろう!」
ジュンはそんなマポリンに笑いかける。
「ならいいけど...」
少し安心した様子のマポリン。
「・・・」
「・・・」
お互い、黙り込んでいた二人だったが、ふとジュンが口を開く。
「しかし、ママはどうした?っと自分の存在する世界にはついてこれないか...お前みたいな小さな子が、一人で過去に来るのは感心できないな!」
すると、
「ママみたいなことを言うんだね!でも、昔のママたちを見たかったの!だって、この頃の話をしてるママたち、とっても楽しそうだから!」
マポリンはそう答える。
「そうか...まあ確かに、楽しそうではあるな!」
ジュンは、二人でイチャイチャしていたマコリンたちを思い出す。
自然と笑顔になっていた。
「そうでしょ!二人ともとっても楽しそう!!...時々、変なことしてるけど...」
マポリンが不思議そうに首を傾げた。
「み、見てるのか?!いかん!!あれは大人になってから!!」
ジュンが大慌てでマポリンに注意するが、
「下着のにおいってそんなにいいのかなぁ...二人で嗅ぎ合って楽しんでるの!」
マポリンはそんなことを口にする。
(あ、あいつら、そんなことをしてるのか?!...変態がうつらなければいいが...)
ジュンはマポリンが心配になるのだった。
そして、とりあえず話題を変えることにする。
「...ゲートの管理はちゃんとできてるのか?暴走して変な世界へとつながったりしてないよな?!」
ジュンが念を押すと、
「そ、それは...」
マポリンは決まり悪そうに、そっぽを向く。
「おい!今まで問題は起きなかったのか?!」
ジュンが慌てて聞くと、
「大丈夫!なんとかなったから!...でもママたちには悪いことしたかも...」
マポリンは少し反省しているようだった。
「おい!なら、もう来るのは...」
『やめろ』と続けたかったジュンだったが、
「やだよ~~~~!だって、ママたち見てると飽きないんだもん!」
マポリンにその気はないようだった。先に言われてしまう。
「あのな~~~~!何かあってからでは...」
そこまで口にして、ジュンは今回の件を思い出す。
(ん?私たちはこいつのおかげで助かったんだよな...まさか、何かある度に『世界の摂理』が助けてくれてる?!)
それは衝撃の事実だった。
本来、問題を起こさせないように存在しているはずの『世界の摂理』が、子供の無邪気な行動で発生した問題を解決していることになる。
(つまり、未来に起こる出来事を成就させるため、『世界の摂理』は過去の世界に干渉している?なんてことだ!!)
信じられない事実に、ジュンが驚愕していると、マポリンが口を開く。
「それでね!お姉さんにお願いしたいことがあるの!」
「なに?」
ジュンは思いがけない、相談を受けることになる。
「あのね!」
・・・
その内容に、
(そ、そんなことが許されていいのか!!しかし...)
ジュンは断ろうとしたが、現状をよく考えてみる。
(なぜ、私はマポリンと出会った?メモ帳さえ忘れなければ会うことはなかったし、ちょうど取りに来た時にこの場にいたのも運命を感じる...)
そして出た結論は、
(もしや『世界の摂理』がそれを望んでいる?!バカな!!)
しかし、論理的に考えると、それ以外の答えはなかった。
「いいだろう!マコリンたちに伝えておこう!」
「やった~~~~~!!マポリン、ママたちの役に立ったよ!!」
ジュンの返事に、大喜びするマポリンだった。
誰もいなくなったポワンの家。
そこに可愛らしい女の子が入ってきた。
黒髪、黒目で、髪はセミロング。
真っ白なワンピースを着て、手には大きなウサギのぬいぐるみを抱いている。
マコリンとポワンが、夢で会った女の子だ。
「ここが昔のポワンママのお家かぁ~~~!あんまり変わってないね!」
女の子はそう言って微笑む。
女の子が、家の中を見て回っていると、
<ブオン!>
突然、ゲートが現れた。
「私としたことが忘れ物など...」
出てきたのはジュン。
どうやらメモ帳を忘れたようだった。
「こんにちは!」
女の子がジュンに挨拶をする。
「ん?誰だお前は!ここにはポワン以外にも人がいたのか?」
ジュンが驚いて尋ねると、
「ううん!私がマコリンママのためにゲートを開いたの!私もこっそり、ついてきてたんだよ!」
女の子が答える。
「なに?マコリンママだと?...待てよ!『ゲートを開いた』と言ったな!...ということは...まさか!!」
ジュンが何かの可能性に気づく。
「うん!私はマポリン!マコリンママとポワンママの子供だよ!未来から来たの!」
その女の子はマポリンと名乗った。
未来から来たマコリンとポワンの子供だと言う。
「そんなことが?!...『世界の摂理』はそれを認めるのか?!」
ジュンは目を見開いている。
子供がまだ生まれていない段階で、親の人生に関与する・・・自然の摂理に反するはずだった。
「よく分からないけど、ギリギリセーフみたい!できちゃった!」
マポリンは考え込んでいるジュンをよそに、あっさりと答えた。
「まあ、ゲートを開いただけだしな...もしや!!」
納得したかと思ったら、次の瞬間、声を上げたジュン。それを見て、
「ビックリした!!...どうしたの?突然...」
マポリンはいきなりで驚いたようだ。胸に手を当てている。
「そうか...お前がいたから...」
(マコリンが来た途端、結界の解除に成功した理由が分かったぞ!)
ジュンは何かに気づいたようだ。
(確かにあいつはパスワードの問題を解決した...しかし、それは『世界の摂理』に導かれてのこと!!)
ジュンの考察は続く。
(マポリンが存在するということは、あの二人の間に子供ができるのは必然...当然、この世界に閉じ込められた場合でも生まれることになる...)
それは論理上、当然の結論だった。
(しかし、そうしたらこの世界に、二人のマポリンが同時に存在することになる!そんなことを『世界の摂理』が認めるわけがない!!)
マポリンは『マコリンと一緒にこの世界に来た』と言った。
この世界にはジュンの張った結界があった。マポリンもこの世界に閉じ込められることになったはずだ。
すると、将来的に同一人物が、同じ世界の同じ時間に存在することになる。
それは『世界の摂理』に反することだった。
(つまり、結界が解除されるのは必然だった...それがマコリンのアイデアという形で顕現しただけ!!)
ジュンはマポリンを見つめる。そして、
「私はお前に救われたのか...」
ふと、つぶやいた。
「な、なに?怖い...お姉さん、もしかして『じょうちょふあんてい』?」
さっきから、わけの分からない言動をしているジュンの様子に、怯えているマポリン。
「ああ、悪かった!...そうか、お前がいるのならどちらにしろ、あの二人を引き離すのは不可能だな!」
ジュンはマポリンに謝ると、そう口にする。
「まだママたちを別れさせようとしてるの!そんなのマポリンが許さない!!」
マポリンは怒っているが、
「そうじゃない!もともと見逃すつもりだった...それに『世界の摂理』にまで味方されたら私、いや、私の世界の全ての技術を結集しても無理だろう!」
ジュンはそんなマポリンに笑いかける。
「ならいいけど...」
少し安心した様子のマポリン。
「・・・」
「・・・」
お互い、黙り込んでいた二人だったが、ふとジュンが口を開く。
「しかし、ママはどうした?っと自分の存在する世界にはついてこれないか...お前みたいな小さな子が、一人で過去に来るのは感心できないな!」
すると、
「ママみたいなことを言うんだね!でも、昔のママたちを見たかったの!だって、この頃の話をしてるママたち、とっても楽しそうだから!」
マポリンはそう答える。
「そうか...まあ確かに、楽しそうではあるな!」
ジュンは、二人でイチャイチャしていたマコリンたちを思い出す。
自然と笑顔になっていた。
「そうでしょ!二人ともとっても楽しそう!!...時々、変なことしてるけど...」
マポリンが不思議そうに首を傾げた。
「み、見てるのか?!いかん!!あれは大人になってから!!」
ジュンが大慌てでマポリンに注意するが、
「下着のにおいってそんなにいいのかなぁ...二人で嗅ぎ合って楽しんでるの!」
マポリンはそんなことを口にする。
(あ、あいつら、そんなことをしてるのか?!...変態がうつらなければいいが...)
ジュンはマポリンが心配になるのだった。
そして、とりあえず話題を変えることにする。
「...ゲートの管理はちゃんとできてるのか?暴走して変な世界へとつながったりしてないよな?!」
ジュンが念を押すと、
「そ、それは...」
マポリンは決まり悪そうに、そっぽを向く。
「おい!今まで問題は起きなかったのか?!」
ジュンが慌てて聞くと、
「大丈夫!なんとかなったから!...でもママたちには悪いことしたかも...」
マポリンは少し反省しているようだった。
「おい!なら、もう来るのは...」
『やめろ』と続けたかったジュンだったが、
「やだよ~~~~!だって、ママたち見てると飽きないんだもん!」
マポリンにその気はないようだった。先に言われてしまう。
「あのな~~~~!何かあってからでは...」
そこまで口にして、ジュンは今回の件を思い出す。
(ん?私たちはこいつのおかげで助かったんだよな...まさか、何かある度に『世界の摂理』が助けてくれてる?!)
それは衝撃の事実だった。
本来、問題を起こさせないように存在しているはずの『世界の摂理』が、子供の無邪気な行動で発生した問題を解決していることになる。
(つまり、未来に起こる出来事を成就させるため、『世界の摂理』は過去の世界に干渉している?なんてことだ!!)
信じられない事実に、ジュンが驚愕していると、マポリンが口を開く。
「それでね!お姉さんにお願いしたいことがあるの!」
「なに?」
ジュンは思いがけない、相談を受けることになる。
「あのね!」
・・・
その内容に、
(そ、そんなことが許されていいのか!!しかし...)
ジュンは断ろうとしたが、現状をよく考えてみる。
(なぜ、私はマポリンと出会った?メモ帳さえ忘れなければ会うことはなかったし、ちょうど取りに来た時にこの場にいたのも運命を感じる...)
そして出た結論は、
(もしや『世界の摂理』がそれを望んでいる?!バカな!!)
しかし、論理的に考えると、それ以外の答えはなかった。
「いいだろう!マコリンたちに伝えておこう!」
「やった~~~~~!!マポリン、ママたちの役に立ったよ!!」
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