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【第八章】あなたと色づく世界
また、一緒に遊ぼう
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お店の前に着くと、すでに同窓会はお開きになったらしく、数人の同級生たちが入口のあたりで楽しそうに笑い合っていた。
胸が高鳴り、心臓の音が耳まで響く。
みんな、私のことわかるかな――ううん、大丈夫。私は確かに今、同窓生なのだ。私が書き換えた設定、うまく機能していてほしい。
深呼吸をして、思い切って歩み寄る。
「ああ~、もう終わっちゃった! 間に合わなかったか!」
よし! 自然な感じで言えた!
ちょうど誰かとハイタッチしようとしていた窪くんが振り返る。
「時安、遅い! さっきお開きになったとこだよ~」
――やった! 窪くんが私を同窓生だと思ってくれてる! うまくいったんだ……よかった!
「そうだ二次会、俺んちのラーメン屋で二次会やろう! なぁ、洵! お前も一緒に来るだろ?」
洵――その名前を聞いた瞬間、私の心臓がぎゅんと音を立てる。窪くんの隣りに立つ男性が、ゆっくりとこちらに振り向いた。
全身の血がざわめいた。まるでスローモーションみたいに、彼の動きだけが鮮明に映る。
長い間、眠っているハチの姿しか知らなかった私の目に、生き生きとした表情が飛び込んできた。その瞬間、胸の奥がじんと熱くなり、涙が零れそうになる。
「ハチ! 久しぶり。元気にしてた?」
何度も何度も、会話をシュミレーションしていたはずなのに、すべて無意味だった。
目の前に、あんなに会いたかったハチがいる。
何を話そうかなんて考えなくても、びっくりするくらい自然に、言葉が溢れ出た。
ハチは口をぽかんと開け、私を見つめている。これはどういうリアクション? 驚き? それとも……?
「どうしたの? もしかして私のこと……忘れちゃった?」
ハチの目を見つめながら、一歩踏み出す。その瞬間、不安が胸を締め付ける。
――やっぱりもう、忘れちゃったのかも……
そう思った矢先――
目の前のハチの表情が、くしゃりと崩れた。
柔らかな微笑みの奥に、涙をこらえるような切なさが滲んでいる。
――なんて顔してるの……ハチ!
その表情を見た途端、鼻の奥がツンとし、胸がぎゅっと苦しくなる。けれどそのあと、心の奥からじんわりと温かさが広がる。
ログが消えてしまっても、ハチの記憶には、私と過ごした日々が、ちゃんと残っていたんだ。
「おいおい、洵どうしたんだよ」
隣で窪くんがからかうように声を上げる。
「時安があんまり美人になってるからって見とれてるのか?」
ハチは顔を真っ赤に染めながら、何か言いたそうに口を動かす。でも、言葉にならない。
――この世界で、今の私はハチにとってどんな存在なんだろう。書き換えた設定は、どこまでハチに影響を与えてる?
「時安可琳……君は……」
呟かれた言葉に、胸が跳ねる。
私は咄嗟に人差し指を唇に当てた――二人だけの秘密、の合図。とりあえずこうしておけば、ハチが都合よく解釈してくれる……と信じたい。言葉にしなくても、ハチへのこの思いが伝わるといいな。
そして――
「ハチ。また一緒に遊ぼう!」
喜びを声にのせる。
ハチとまた逢えたこの瞬間を大切にしたい。そして、またあの頃みたいに、心の底から笑い合える日が来ることを願った。
ハチはじっと私を見つめていたけれど、やがて、表情を緩めて小さく頷いた。
「……ああ」
その一言に、私はようやく安堵の息をついた。
胸が高鳴り、心臓の音が耳まで響く。
みんな、私のことわかるかな――ううん、大丈夫。私は確かに今、同窓生なのだ。私が書き換えた設定、うまく機能していてほしい。
深呼吸をして、思い切って歩み寄る。
「ああ~、もう終わっちゃった! 間に合わなかったか!」
よし! 自然な感じで言えた!
ちょうど誰かとハイタッチしようとしていた窪くんが振り返る。
「時安、遅い! さっきお開きになったとこだよ~」
――やった! 窪くんが私を同窓生だと思ってくれてる! うまくいったんだ……よかった!
「そうだ二次会、俺んちのラーメン屋で二次会やろう! なぁ、洵! お前も一緒に来るだろ?」
洵――その名前を聞いた瞬間、私の心臓がぎゅんと音を立てる。窪くんの隣りに立つ男性が、ゆっくりとこちらに振り向いた。
全身の血がざわめいた。まるでスローモーションみたいに、彼の動きだけが鮮明に映る。
長い間、眠っているハチの姿しか知らなかった私の目に、生き生きとした表情が飛び込んできた。その瞬間、胸の奥がじんと熱くなり、涙が零れそうになる。
「ハチ! 久しぶり。元気にしてた?」
何度も何度も、会話をシュミレーションしていたはずなのに、すべて無意味だった。
目の前に、あんなに会いたかったハチがいる。
何を話そうかなんて考えなくても、びっくりするくらい自然に、言葉が溢れ出た。
ハチは口をぽかんと開け、私を見つめている。これはどういうリアクション? 驚き? それとも……?
「どうしたの? もしかして私のこと……忘れちゃった?」
ハチの目を見つめながら、一歩踏み出す。その瞬間、不安が胸を締め付ける。
――やっぱりもう、忘れちゃったのかも……
そう思った矢先――
目の前のハチの表情が、くしゃりと崩れた。
柔らかな微笑みの奥に、涙をこらえるような切なさが滲んでいる。
――なんて顔してるの……ハチ!
その表情を見た途端、鼻の奥がツンとし、胸がぎゅっと苦しくなる。けれどそのあと、心の奥からじんわりと温かさが広がる。
ログが消えてしまっても、ハチの記憶には、私と過ごした日々が、ちゃんと残っていたんだ。
「おいおい、洵どうしたんだよ」
隣で窪くんがからかうように声を上げる。
「時安があんまり美人になってるからって見とれてるのか?」
ハチは顔を真っ赤に染めながら、何か言いたそうに口を動かす。でも、言葉にならない。
――この世界で、今の私はハチにとってどんな存在なんだろう。書き換えた設定は、どこまでハチに影響を与えてる?
「時安可琳……君は……」
呟かれた言葉に、胸が跳ねる。
私は咄嗟に人差し指を唇に当てた――二人だけの秘密、の合図。とりあえずこうしておけば、ハチが都合よく解釈してくれる……と信じたい。言葉にしなくても、ハチへのこの思いが伝わるといいな。
そして――
「ハチ。また一緒に遊ぼう!」
喜びを声にのせる。
ハチとまた逢えたこの瞬間を大切にしたい。そして、またあの頃みたいに、心の底から笑い合える日が来ることを願った。
ハチはじっと私を見つめていたけれど、やがて、表情を緩めて小さく頷いた。
「……ああ」
その一言に、私はようやく安堵の息をついた。
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