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第二章 奪い合う世界
49話 犬とカラスの奪い合い③
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仮面に覆われていたその顔は大した傷を負う事は無かった。暗闇の中でハニイは揺さぶられた頭に手を添え、ブレた脳みそを定位置に戻す様に頭を振った。
「この瘴気。ダークマターか」
周囲を窺いつつハニイは呟く。
とてつもない密度だ。日の下にあったというのに、視界が全く効かない。コウミの姿もまた、その暗闇の中に消えていた。
自らの用いる剣術、アクシスとは比較にならない程の瘴気の濃さに、ハニイはコウミが普通の人間では無いと確信する。
「デーモン……、クソ!」
敵の正体を位置付けると、ハニイは苦い思いを口にした。
それは、ハニイに取って予想外な程の強敵だったのだ。
デーモン。老いも見せず、傷つけても死ぬ事は無く、自らの営みも持たず、暗闇に潜み続ける。そして、気紛れに、気の赴くままに他人の営みを破壊する。
ハニイは闇の中を見据えながら、自らの勝機を考え続けた。
存在そのものが非常識な奴ら。しかし、そうでありながら、何故か人前では常識的に振る舞おうとする。それが、デーモンの習性。
即死を確信できる致命の一撃。人体の構造的に動かす事の出来ないと、明らかに判断の付く外傷を帯びれば、その時点で動きを止める。
つまり、視界の利く場所で首さえ切り落せば、奴を倒すことはできる、はずだ。
ハニイはすぐさま踵を返し、一目散に走りだした。
瘴気を出る。ここでは奴に勝てない。
走りながら、ハニイはそう考えた。しかし、暗闇はどこまでも長く続いており、行けども行けども、いっこうに抜け出せる気配が見えない。
おかしい。自分は屋根の上に居たはずなのに。
ハニイは足を止めた。
初めから、奴は私を幻惑しようとしていた。闇雲に走ってはダメだ。
現実的では無い事柄を体験し、既に自分がコウミの術中にはまり込んでいる事に気が付く。
奴の言っていた事を思い出せ。これは奴にとっての遊び、私が逃げ帰るまでと、そう言っていた。
ハニイはそう考えると、剣を両手で掴み構えた。
私の精神を削っている。それは、無益な切り合いだろうが、虚空に閉じ込めようが、奴に取っては同じ事。そして、瘴気で覆われた範囲が無限でもない限り、抜け出せぬ理由はない。即ち、瘴気の出どころたる者は、私の直ぐそばに居る。
ハニイは目を瞑り、暗闇の中で耳を澄ました。
来い。この闇の中、貴様に敗北が無いのなら、それはこちらに取っても同じ事だ。この程度の凌ぎ合いで、音を上げる私ではない。
対峙する者の見えない中で、ハニイは構えを解かずジッと動きを止め続けた。
すると、どこからともなく、小さな囁きが耳に届く。
――……さん。しっかり、……。
近い、どこだ。
ハニイは目を開いた。
「ウィンクルム――」
「アクシスは使うな!」
技を繰り出す事を制止する様な大きな声が、ハニイの背後で聞こえた。
「そこか!」
ハニイは声の出どころ目掛けて剣を振るう。
ゴキリと、固い物が削れるような音が聞こえ、そこから飛び散る火花によって、自らの腕で剣を受けるコウミの姿が一瞬映し出された。
止められたままの刀身から、ハニイは力を抜かず、暗闇に隠れるコウミの存在をそこに留めようとした。
すると、自らの存在を明らかにするように、コウミの白く丸い目が暗闇の中で開かれて行った。
「何時の時代だ。アクシスが剣技として広まったのは? 戦いが終わったと言うのに、お前達は何時までそんな物に縋りついている」
「何だと?」
「負け犬の力に依れば、己自身が負け犬となる。知らないはずはずがないだろう」
「だから……、だから、どうだと言うんだキサラギ一門。デーモンのお前に、人の気持ちが理解できるか! 私がどんな思いで戦いに挑んでいるか、何も知らないくせに! 簡単に踏みにじらせはしない!」
「……そうか、なら、お前の望み通りにしてやるぞ!」
コウミはそう言うと、受け止めていた剣を跳ね除ける。
その力の強さを示す様に、ハニイの剣は勢い良く虚空を舞う。しかし、勢いそのままに、剣はその切っ先で逆〆の字を描く様に旋回し、同じ虚空に浮かぶコウミの目に目掛けて振り下ろされた。
再び固い物同士が打ち付けられる音が響き、尋常ではない程の火花が散った。
コウミは暗闇の中、見えないはずの刀身を素手で打ち返していた。
何故そんな事が叶うのか。ハニイは自分に考える間も与えず、剣による連撃を見舞った。
「愚かな剣士」
剣のぶつかる音が響く中でコウミのハッキリとした声が耳に届く。すると、突然、自分の胸に経験した事の無いような痛みが走った。
「う!?」
ハニイは胸を弄る。心臓の上に突き立てられたムラサメが手に触れた。
刺された。その事に気が付くと、激しい痛みと共に、めまいを覚える様な苦しさが同時に襲って来た。
ハニイが抵抗できない事を見てか、コウミの左手がゆっくりとその首を掴み、胸に突き立てられていたムラサメを引き抜いて行った。
「ああ!」
苦悶の声を上げるハニイ。その顔を白く丸い目がじっと見つめている。
「いや……、小娘。さっきの話の続きだ。俺が言いたいのは、お前がデーモンに堕ちるまで続けると言う事で、それはもう、引き返すことはできない」
コウミの左腕に力が込められて行く。
ハニイは何とか抵抗しようと、コウミの左手を掴み返す。しかし、その思いとは裏腹に、ハニイの膝は力を失った様にゆっくりと崩れ、片方の手に握っていた剣が地面に滑り落ちた。
「お前はギリギリの所で留まってる。俺は知っているんだよ。お前の弱点。お前の絆。お前の妹と共に、テシオ一門の全てを消し去ってやる。お前の居場所はもう、光の届く場所には存在しなくなるんだ」
やめろ。
朦朧とする意識の中で、言葉にならない思いが頭の中で反響した。
「親愛なる者。全てから目を背けろ。耳を塞げ。口を閉ざせ。今日からこの暗闇がお前の居場所だ」
コウミはそう言うと、右手でハニイの顔を覆った。
コウミの白く丸い目が消え、ハニイの視界は真っ暗になる。
依るものが完全に消え去り、孤独となったハニイの精神だけがそこに佇んでいた。
「お……」
声が出た。
「おーい! 誰かー!」
思わず叫んだ。
「誰かー!」
ハニイは走り出した。
「応えて! 誰かー!」
誰も居ない。そう気が付いた時、涙があふれた。
「母様、助けて! ノブカ、モチマル、私はここに居るんだ! プリン、ドリム、ここに来て! お願い!」
これは幻惑じゃない。本当の闇の中にいる。私はデーモンになるんだ。
「嫌だー! なりたくない! デーモンには、なりたくないんだ!」
ハニイはその場に蹲り、呻き声を立てた。
「嘘だ。もう嘘でいい。本当は獣なんかになりたくない。私を家族の下に返してくれ。それ以外は、望まない。助けて……」
ハニイは呟く様に訴えた。
応える者は無く、暗闇だけがシンとした幻聴をハニイの耳元で奏でていた。
――……さん。
幻聴。と思いながらも、ハニイは勢い良く身を起こした。
周囲を窺う。
「どこ!? 私はここ!」
応えは帰って来なかった。
暗闇を見据えながら、ハニイはグスグスと鼻をすする音を立てた。
――ハニイさん。
今度はハッキリと聞こえた。幻聴ではなかった。
胸だ。自分の胸の中から声が聞こえたのだ。
ハニイは、自分の胸に手を添えた。聞こえてくる音を待ち構える様に、目を瞑りじっと黙った。
手に伝わる心臓の鼓動。それに混じって、もう一度ハッキリとした声が頭の中に響いた。
――ハニイさん!。
ハニイは目を開いた。
眩しい程の朝日が、視界に飛び込んだ。
「ハニイさん。……よかった」
頭上から日々喜の声が聞こえた。
気が付けば、ハニイは膝元に縋りつき、それを日々喜が抱き留める格好になっていた。
「長岐……。どうして……」
震える声で、ハニイが尋ねた。
日々喜は安心させようとその背中を優しく撫でた。
「僕にも、妹がいます」
その言葉を聞き、ハニイは暫くの間沈黙し、太陽を眺めていた。暗闇から抜け出した身体を陽光が温め、同時に緊張させ続けた精神が緩んで行くのを感じた。
「そうか、同じだな……」
眠気を誘うその瞬間に、ハニイは多くの事に気が付かされた。
「お前も、絆を守っているんだ……」
その言葉を最後に、ハニイは眠る様に目を瞑り、気を失ってしまった。
「ハニイさん!?」
「放って置け」
慌てる日々喜に対し、コウミは背を向けながらそう言い放った。
「勝負は着いた。寝かせておけばいい」
コウミはそう言うと、なおも心配する日々喜を他所に、周囲の状況を窺い始めた。
街では既にモンスターの影は無く、フェンネルの展開する球体状の魔法陣も消えていた。見習い達の姿も無くなっており、恐らくは屋敷に向かって帰って来ているのだろうと分かった。
戦いは終わった。
無残な敗北者の死体をめぐる様に、キュプレサスの残骸の周りに、カラス達が群がって来ている様を見て、コウミはそう考えた。
「……カラス?」
よく考えれば、燃えた木切れにカラスがたかるはずがない。コウミは慎重にそれらを観察した。
黒い鳥獣の仮面を付ける人影達。そこから何かを探す様に群がっている。
「いや、あれは人間か」
その正体を見極めると、コウミは安心した様に呟いた。
「この瘴気。ダークマターか」
周囲を窺いつつハニイは呟く。
とてつもない密度だ。日の下にあったというのに、視界が全く効かない。コウミの姿もまた、その暗闇の中に消えていた。
自らの用いる剣術、アクシスとは比較にならない程の瘴気の濃さに、ハニイはコウミが普通の人間では無いと確信する。
「デーモン……、クソ!」
敵の正体を位置付けると、ハニイは苦い思いを口にした。
それは、ハニイに取って予想外な程の強敵だったのだ。
デーモン。老いも見せず、傷つけても死ぬ事は無く、自らの営みも持たず、暗闇に潜み続ける。そして、気紛れに、気の赴くままに他人の営みを破壊する。
ハニイは闇の中を見据えながら、自らの勝機を考え続けた。
存在そのものが非常識な奴ら。しかし、そうでありながら、何故か人前では常識的に振る舞おうとする。それが、デーモンの習性。
即死を確信できる致命の一撃。人体の構造的に動かす事の出来ないと、明らかに判断の付く外傷を帯びれば、その時点で動きを止める。
つまり、視界の利く場所で首さえ切り落せば、奴を倒すことはできる、はずだ。
ハニイはすぐさま踵を返し、一目散に走りだした。
瘴気を出る。ここでは奴に勝てない。
走りながら、ハニイはそう考えた。しかし、暗闇はどこまでも長く続いており、行けども行けども、いっこうに抜け出せる気配が見えない。
おかしい。自分は屋根の上に居たはずなのに。
ハニイは足を止めた。
初めから、奴は私を幻惑しようとしていた。闇雲に走ってはダメだ。
現実的では無い事柄を体験し、既に自分がコウミの術中にはまり込んでいる事に気が付く。
奴の言っていた事を思い出せ。これは奴にとっての遊び、私が逃げ帰るまでと、そう言っていた。
ハニイはそう考えると、剣を両手で掴み構えた。
私の精神を削っている。それは、無益な切り合いだろうが、虚空に閉じ込めようが、奴に取っては同じ事。そして、瘴気で覆われた範囲が無限でもない限り、抜け出せぬ理由はない。即ち、瘴気の出どころたる者は、私の直ぐそばに居る。
ハニイは目を瞑り、暗闇の中で耳を澄ました。
来い。この闇の中、貴様に敗北が無いのなら、それはこちらに取っても同じ事だ。この程度の凌ぎ合いで、音を上げる私ではない。
対峙する者の見えない中で、ハニイは構えを解かずジッと動きを止め続けた。
すると、どこからともなく、小さな囁きが耳に届く。
――……さん。しっかり、……。
近い、どこだ。
ハニイは目を開いた。
「ウィンクルム――」
「アクシスは使うな!」
技を繰り出す事を制止する様な大きな声が、ハニイの背後で聞こえた。
「そこか!」
ハニイは声の出どころ目掛けて剣を振るう。
ゴキリと、固い物が削れるような音が聞こえ、そこから飛び散る火花によって、自らの腕で剣を受けるコウミの姿が一瞬映し出された。
止められたままの刀身から、ハニイは力を抜かず、暗闇に隠れるコウミの存在をそこに留めようとした。
すると、自らの存在を明らかにするように、コウミの白く丸い目が暗闇の中で開かれて行った。
「何時の時代だ。アクシスが剣技として広まったのは? 戦いが終わったと言うのに、お前達は何時までそんな物に縋りついている」
「何だと?」
「負け犬の力に依れば、己自身が負け犬となる。知らないはずはずがないだろう」
「だから……、だから、どうだと言うんだキサラギ一門。デーモンのお前に、人の気持ちが理解できるか! 私がどんな思いで戦いに挑んでいるか、何も知らないくせに! 簡単に踏みにじらせはしない!」
「……そうか、なら、お前の望み通りにしてやるぞ!」
コウミはそう言うと、受け止めていた剣を跳ね除ける。
その力の強さを示す様に、ハニイの剣は勢い良く虚空を舞う。しかし、勢いそのままに、剣はその切っ先で逆〆の字を描く様に旋回し、同じ虚空に浮かぶコウミの目に目掛けて振り下ろされた。
再び固い物同士が打ち付けられる音が響き、尋常ではない程の火花が散った。
コウミは暗闇の中、見えないはずの刀身を素手で打ち返していた。
何故そんな事が叶うのか。ハニイは自分に考える間も与えず、剣による連撃を見舞った。
「愚かな剣士」
剣のぶつかる音が響く中でコウミのハッキリとした声が耳に届く。すると、突然、自分の胸に経験した事の無いような痛みが走った。
「う!?」
ハニイは胸を弄る。心臓の上に突き立てられたムラサメが手に触れた。
刺された。その事に気が付くと、激しい痛みと共に、めまいを覚える様な苦しさが同時に襲って来た。
ハニイが抵抗できない事を見てか、コウミの左手がゆっくりとその首を掴み、胸に突き立てられていたムラサメを引き抜いて行った。
「ああ!」
苦悶の声を上げるハニイ。その顔を白く丸い目がじっと見つめている。
「いや……、小娘。さっきの話の続きだ。俺が言いたいのは、お前がデーモンに堕ちるまで続けると言う事で、それはもう、引き返すことはできない」
コウミの左腕に力が込められて行く。
ハニイは何とか抵抗しようと、コウミの左手を掴み返す。しかし、その思いとは裏腹に、ハニイの膝は力を失った様にゆっくりと崩れ、片方の手に握っていた剣が地面に滑り落ちた。
「お前はギリギリの所で留まってる。俺は知っているんだよ。お前の弱点。お前の絆。お前の妹と共に、テシオ一門の全てを消し去ってやる。お前の居場所はもう、光の届く場所には存在しなくなるんだ」
やめろ。
朦朧とする意識の中で、言葉にならない思いが頭の中で反響した。
「親愛なる者。全てから目を背けろ。耳を塞げ。口を閉ざせ。今日からこの暗闇がお前の居場所だ」
コウミはそう言うと、右手でハニイの顔を覆った。
コウミの白く丸い目が消え、ハニイの視界は真っ暗になる。
依るものが完全に消え去り、孤独となったハニイの精神だけがそこに佇んでいた。
「お……」
声が出た。
「おーい! 誰かー!」
思わず叫んだ。
「誰かー!」
ハニイは走り出した。
「応えて! 誰かー!」
誰も居ない。そう気が付いた時、涙があふれた。
「母様、助けて! ノブカ、モチマル、私はここに居るんだ! プリン、ドリム、ここに来て! お願い!」
これは幻惑じゃない。本当の闇の中にいる。私はデーモンになるんだ。
「嫌だー! なりたくない! デーモンには、なりたくないんだ!」
ハニイはその場に蹲り、呻き声を立てた。
「嘘だ。もう嘘でいい。本当は獣なんかになりたくない。私を家族の下に返してくれ。それ以外は、望まない。助けて……」
ハニイは呟く様に訴えた。
応える者は無く、暗闇だけがシンとした幻聴をハニイの耳元で奏でていた。
――……さん。
幻聴。と思いながらも、ハニイは勢い良く身を起こした。
周囲を窺う。
「どこ!? 私はここ!」
応えは帰って来なかった。
暗闇を見据えながら、ハニイはグスグスと鼻をすする音を立てた。
――ハニイさん。
今度はハッキリと聞こえた。幻聴ではなかった。
胸だ。自分の胸の中から声が聞こえたのだ。
ハニイは、自分の胸に手を添えた。聞こえてくる音を待ち構える様に、目を瞑りじっと黙った。
手に伝わる心臓の鼓動。それに混じって、もう一度ハッキリとした声が頭の中に響いた。
――ハニイさん!。
ハニイは目を開いた。
眩しい程の朝日が、視界に飛び込んだ。
「ハニイさん。……よかった」
頭上から日々喜の声が聞こえた。
気が付けば、ハニイは膝元に縋りつき、それを日々喜が抱き留める格好になっていた。
「長岐……。どうして……」
震える声で、ハニイが尋ねた。
日々喜は安心させようとその背中を優しく撫でた。
「僕にも、妹がいます」
その言葉を聞き、ハニイは暫くの間沈黙し、太陽を眺めていた。暗闇から抜け出した身体を陽光が温め、同時に緊張させ続けた精神が緩んで行くのを感じた。
「そうか、同じだな……」
眠気を誘うその瞬間に、ハニイは多くの事に気が付かされた。
「お前も、絆を守っているんだ……」
その言葉を最後に、ハニイは眠る様に目を瞑り、気を失ってしまった。
「ハニイさん!?」
「放って置け」
慌てる日々喜に対し、コウミは背を向けながらそう言い放った。
「勝負は着いた。寝かせておけばいい」
コウミはそう言うと、なおも心配する日々喜を他所に、周囲の状況を窺い始めた。
街では既にモンスターの影は無く、フェンネルの展開する球体状の魔法陣も消えていた。見習い達の姿も無くなっており、恐らくは屋敷に向かって帰って来ているのだろうと分かった。
戦いは終わった。
無残な敗北者の死体をめぐる様に、キュプレサスの残骸の周りに、カラス達が群がって来ている様を見て、コウミはそう考えた。
「……カラス?」
よく考えれば、燃えた木切れにカラスがたかるはずがない。コウミは慎重にそれらを観察した。
黒い鳥獣の仮面を付ける人影達。そこから何かを探す様に群がっている。
「いや、あれは人間か」
その正体を見極めると、コウミは安心した様に呟いた。
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