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1日目

目覚めると、

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※あらすじを読んだ前提で始まります



目を開けると、天井が見えた。

「あれ・・・」

いつもの天井とは違う。
当たりを見渡すと、知らないアパートの一室のようだ。
狭くて、少し古くさい。ベッド側から見て右にベランダに出られる窓があり、左側には手前に押し入れ、奥側に玄関に続くだろう廊下が見え、そこにはキッチンがあった。

今、この状況がどういうことか分からない翔は混乱した。
さっきまでは、友達の家に遊びに行こうとして歩いていたはずだ。
なのになぜこんな所にいるのか。

知らない家に居るこの状況が分からないまま、思考は停止し、体はベッドの上から動こうとせず、固まってしまった。

すると、キッチンがある廊下の方からシャワーの音が聞こえてきた。

(誰かいる!!)

しばらくシャワーの音が続く。
少し冷静になってきた翔は、何となくベッドにこのままいるのは良くないと思い、廊下の方に近づいた。
廊下は右側にキッチン、左側に風呂場があった。

翔が風呂場に近づいたその時、その扉が空いた。
翔はびっくりして、身体をビクッと震わせ、そのまま体のバランスを崩してしまった。

転んで尻もちをつきそうになる。その時、お風呂場から出てきた人がすかさず翔の背中を支え、間一髪のところで翔は転ばないで済んだ。

ほっとしたあと、上を向くと20代ぐらいの若い男性の顔が近くにあった。
さっきのシャワーの音は掃除でもしていたのだろうか、男性は服を着ており、Tシャツにラフな短パンという格好だった。
ほっとしたのもつかの間、知らない人に抱き抱えられていることに気づき、ゾワッとして自分の体を支えてくれている腕をはらって離れようとする。

ところがその腕の力が強く、抵抗が全く通用しない。
その見知らぬ男性は翔の身体を抱き寄せて、そのままひょいと持ち上げてしまった。
翔は急に抱き抱えられて混乱している。そのまま風呂場にあるトイレに座らせられた。

翔は生まれた時から家族と一軒家に住んでいたので、ユニットバスを見るのは初めてだった。
トイレに座っているのに、隣には湯船があるのが不思議な感じだ。

男性は風呂場の扉を閉めた。知らない人と密室に2人きりになってしまい、不安になる。
男性はしゃがんでこちらに向かい、よく翔の顔を見た。そして

「やっぱり可愛い顔してんね、ほぼ女の子と変わんねーや」

と言って翔のほっぺをぷにぷにと指で押した。

翔はそんなことを言われた意味が分からないのと、可愛いと言われるのが小5ながら男のプライド的に不満だったので、男性のことを訝しげに見たが、男性はそんなことを気にしていないようだった。
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