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33 警備員そしてモフとの遭遇
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結局アシャールさんは、スキルちゃん達と協力して家を建てることを選んだ。
アシャールさんの本来持ったスキルは、空間収納と魔導具製作の二つのスキル。そしてスキルとは別枠で魔法や武術を使うのがフェイ族らしい。
ゼルなんとかを素材にしたことで、スキルちゃん達のレベルがUSSSー五まで上がったので、アシャールさんもスキルのレベルを上げたいとのこと。素直でかわいいスキルちゃん達はすっかりアシャールさん大好きなので、協力する気満々だ。
まだ朝日が昇る前の早朝、わたしとアシャールさんは金山ことタラ山(わたし命名)に来て、昨日スキルちゃんがごそっと採取した場所を確認したが、うん、完全では無いが復活してる。採取したタラセタが八割ほど元気に生えてきているわ。
わたしとアシャールさんは、実験の為にノクレイの鱗をそこに差し込んだ。
ついでに生えてくれれば御の字よね。
観察の為に、アシャールさんとキトキトコンビを入れて現状を撮影しておく。パシャリ。
明日以降にまた同じように撮影して、ノクレイが成長するのか確認するのだ。
因みにこの山、魔力を帯びた魔宝石も採れるらしく、スキルちゃん達はわたしが寝てる間に、わたしとアシャールさんのとピホのスマホを、基盤にタラセタを使用してグレードアップしてたのよ。ついでに外装もタラセタに。猫の目紋章と名前はノクレイ、そしてそれぞれ魔宝石を使った精密な装飾がついて、いる。
アシャールさんにはダイヤモンドのような魔宝石で紋章の周りに十二枚の翼。
わたしには、ピンクに青や緑の魔宝石を駆使してパナマ草とまだ見ぬその花。
ピホはピホそっくりの姿が魔宝石で描かれている。
綺麗で芸術的で、とても心の栄養だが、一般流通用では無いわね。
「この様子だと建材は森の木と、このタラセタがメインになりそうですね……」
無料で使えますもんね。
「水道とかの配管はノクレイとタラセタどっちに軍牌が上がります?」
「タラセタです。先程スキルちゃんの掘り当てた源泉から温泉水を引いて来るのも、床暖房に使うのもタラセタですね」
来る途中で一発当てたスキルちゃん。
せっかくだからちゃんと掘って泥を抜いてタラセタで眩い露天風呂にしてきたのです。
「ノクレイの出番は?」
「内装や装飾関係になってくるでしょうか……。ああ、確かスキルちゃんが面白いことを。タラセタにノクレイを貼り付けてちょっとした加工をするのです。するとこういうものが」
アシャールさんから四角い板を渡された。鏡だわ。何気なく裏返すとそれは、透明なガラスのように見える……。
マジックミラーね。でも明るさに関係ない作りになってる……ということは。
「アシャールさん、これ浴室の窓に使いましょう! 寝室の窓にも! プライベートを守りながら、月や星を眺めて眠れるのよね? 素敵! ……あ、でも虫が寄って来るわね。森が近いし」
「そこは対策しますよ」
ここに来る前に、建築予定地をがっつり更地にして地盤も固めておいた。
こうなったら窓枠や金属関係は金(タラセタ)、蛇口や水回りも金を覚悟しておこう。そうなると、下手にシンプルな造形を金にしただけだとなんだかチグハグな印象になっちゃうから、いっそ装飾は思い切ってロココな感じに凝ってほしい。頼むわスキルちゃん達。
オッケーるるららん♪
あと便器、おめーだけは絶対、金はダメだ。汚れがわからず掃除がしにくい。これだけは、しっかりとアシャールさんに頼まなくっちゃ。
そのとき、スキルちゃん達から合図が来た。
「え? ここで?」
「どうかしましたか?」
「生まれるんです! たまごが! 空間収納から出さなくっちゃ」
元々森のたまごを拾った場所……復活した洞窟に、たまごを戻す。それにしても大きいたまごだ。わたしの身長と同じくらい?
既にひび割れがいくつも出来て、そこから光が漏れている。
ガラガラと殻が割れると、そこから現れたのは、とても美しい黄金のドラゴンだ。茶白の猫のように、鼻の上から口元、お腹までは白くて、腹部にはノクレイのようにメラメラ輝く銀色が斑らになっている。頭頂から背面、尻尾まではタラセタのようにキラッキラの黄金で、瞳はアシャールさんやミケ子と同じ、緑の中に青。背にフェイ族のような六枚の翼がある。ただし、こちらの翼の形は普通のドラゴンの羽根……。
「まあ、まるでアシャールさんをドラゴンにしたみたい!」
「なるほど、ではしっかりと強く育てないとですね」
「くるるぅ」
あら~かわいい鳴き声。
スリスリと顔を寄せて来るので、撫でてやる。パナマ草を出すと食べたので、お前もかと思ったけれど。
アシャールさんはスマホで鑑定辞典を確認する。
「〈イラヒヌール イスタリオを守護する聖なる竜。大きさを自在に変えることができる。雑食だがタラセタが好物。主神が気に入った乳も飲みたいと思っている〉……」
「え、いつものたまご達と様子が違わない?」
「ええ、思い切り食べ物に釣られて来てしまった系ですね」
「キトキト?」
「キトキトー?」
「くるるぅきゅぃ!」
キトキトコンビがお鼻を付けながら、お友達? って聞いてる。どうやら仲良く出来そうですよ。
わたしはそこらに落ちてるタラセタと、ムウ乳をバケツに入れて、パナマ草も添えた。
「イラヒヌールって個人名かしら、種族名かしら? とりあえずイラちゃんでいいわよね。イラちゃん、どうぞ」
「きゅるるぅ!」
イラちゃんが食べている姿を撮影し、ライふぉに捧げておく。迷子さん預かってますとメッセージ添えて。
「くるっきゅう!」
え? 迷子じゃ無い?
「ネコノメは地上のイスタリオのようなもの……ひょっとすると、主が遣わして下さったのかも知れません」
「きゅっきゅう!」
「その通りなの……お住まいはここで大丈夫? ご飯も大丈夫? お乳は時々貰いにくると? えーと、ネコノメをパトロールするのがお仕事なのね。じゃあ麓に露天風呂があるから、好きに浸かってね」
「くるるぅ」
わたしはちょっと考えて、食後のキリッとしたイラちゃんの姿を撮影して、ライトモにネコノメアカウントを作って投稿しておく。ゼルなんとかが居なくなったなら、占領できるのでは? なんて思われては困るので、新たな警備員がいることを周知することは大事だ。
なんて思ってると、イラ氏、身体を大きく変化させて、ブォォォっと息を吐いた。白い雲が発生して、ふわぁと飛んでいく。
それからキュオオオオオオオとひと鳴きして光を放つ。
「これは……! ネコノメを守護結界で包んでくれたようですね」
出来る子だ!!!
わたしは追加のミルクを与えて労った。
朝食後、わたしはタラセタで出来た大量の釘やら杭やら、加工した木材やらを出していく。
後はアシャールさんに任せて、奈々美さんやマリーシェラさんと一緒にすぐ後ろの森の手入れに入る。要は散歩です。
わたしが一歩踏み出すごとに木々は採取され道なき森に道が出来上がる。石畳の道だ。
それから倒木とか邪魔な木々を、スキルちゃん達は間引いて採取していく。
「あっ、香子さん魔物が近づいてきます!」
奈々美さんの索敵スキルに引っかかったらしい。
「え? スキルちゃんの自動採取対象外ってことは無害なのか、素材が取れないのかしら……?」
木々の間から、のっしのっしと白い何かが近いて来るのが見えた。熊だったら、即採取。そう思った瞬間、それ、と目が合った。
黒い瞳に金の触角……そう、そしてモッフモフである。
「む……虫ぃぃぃ!!」
奈々美さんが悲鳴をあげた。
そう、虫。蛾ですね。
わたしと蛾さんは束の間見つめ合い、わたしはそっとパナマ草を一束渡した。
「わたし達は今後むこうで、この草やいろんなものを栽培していきます。荒らさないで下さいね。あと物々交換には応じます。森も手入れの為に多少手は入れますが、立ち入って欲しくない場所があれば言ってください」
蛾さんは頷き、パナマ草を齧ってぐっと片前足を上げて了承の意を示した。そしてばっと羽根を広げると、大量の繭をゴロゴロと生み出した。そしてわたしをみてまたぐっと片前足を上げると、のっしのっしと去って行った。
わたしは喜びに飛び跳ねそうなのをぐっと堪えた。
鑑定の結果、繭の中身はお子さんではなく、木の実の種や石とかだ。わたしは一つ残らず採取した。大量の生糸が手に入ったのよ!
「カオリコさん、今のキンマユガですわ! 珍しいものを繭で包む習性がある魔物なんですの」
奈々美さんを支えるマリーシェラさんも興奮している。
「そうなの? じゃあ木の実の種は何が成るか楽しみね。後は魔宝石と……真珠が多いわね。あれ、ここまだ海に近くは無いわよね、どうして真珠?」
「それです!! キンマユガが繭の中で育てる貴重な宝玉! 大当たりですわ」
「ふふ、じゃあ馬車の中で確認しよっか」
アシャールさんの本来持ったスキルは、空間収納と魔導具製作の二つのスキル。そしてスキルとは別枠で魔法や武術を使うのがフェイ族らしい。
ゼルなんとかを素材にしたことで、スキルちゃん達のレベルがUSSSー五まで上がったので、アシャールさんもスキルのレベルを上げたいとのこと。素直でかわいいスキルちゃん達はすっかりアシャールさん大好きなので、協力する気満々だ。
まだ朝日が昇る前の早朝、わたしとアシャールさんは金山ことタラ山(わたし命名)に来て、昨日スキルちゃんがごそっと採取した場所を確認したが、うん、完全では無いが復活してる。採取したタラセタが八割ほど元気に生えてきているわ。
わたしとアシャールさんは、実験の為にノクレイの鱗をそこに差し込んだ。
ついでに生えてくれれば御の字よね。
観察の為に、アシャールさんとキトキトコンビを入れて現状を撮影しておく。パシャリ。
明日以降にまた同じように撮影して、ノクレイが成長するのか確認するのだ。
因みにこの山、魔力を帯びた魔宝石も採れるらしく、スキルちゃん達はわたしが寝てる間に、わたしとアシャールさんのとピホのスマホを、基盤にタラセタを使用してグレードアップしてたのよ。ついでに外装もタラセタに。猫の目紋章と名前はノクレイ、そしてそれぞれ魔宝石を使った精密な装飾がついて、いる。
アシャールさんにはダイヤモンドのような魔宝石で紋章の周りに十二枚の翼。
わたしには、ピンクに青や緑の魔宝石を駆使してパナマ草とまだ見ぬその花。
ピホはピホそっくりの姿が魔宝石で描かれている。
綺麗で芸術的で、とても心の栄養だが、一般流通用では無いわね。
「この様子だと建材は森の木と、このタラセタがメインになりそうですね……」
無料で使えますもんね。
「水道とかの配管はノクレイとタラセタどっちに軍牌が上がります?」
「タラセタです。先程スキルちゃんの掘り当てた源泉から温泉水を引いて来るのも、床暖房に使うのもタラセタですね」
来る途中で一発当てたスキルちゃん。
せっかくだからちゃんと掘って泥を抜いてタラセタで眩い露天風呂にしてきたのです。
「ノクレイの出番は?」
「内装や装飾関係になってくるでしょうか……。ああ、確かスキルちゃんが面白いことを。タラセタにノクレイを貼り付けてちょっとした加工をするのです。するとこういうものが」
アシャールさんから四角い板を渡された。鏡だわ。何気なく裏返すとそれは、透明なガラスのように見える……。
マジックミラーね。でも明るさに関係ない作りになってる……ということは。
「アシャールさん、これ浴室の窓に使いましょう! 寝室の窓にも! プライベートを守りながら、月や星を眺めて眠れるのよね? 素敵! ……あ、でも虫が寄って来るわね。森が近いし」
「そこは対策しますよ」
ここに来る前に、建築予定地をがっつり更地にして地盤も固めておいた。
こうなったら窓枠や金属関係は金(タラセタ)、蛇口や水回りも金を覚悟しておこう。そうなると、下手にシンプルな造形を金にしただけだとなんだかチグハグな印象になっちゃうから、いっそ装飾は思い切ってロココな感じに凝ってほしい。頼むわスキルちゃん達。
オッケーるるららん♪
あと便器、おめーだけは絶対、金はダメだ。汚れがわからず掃除がしにくい。これだけは、しっかりとアシャールさんに頼まなくっちゃ。
そのとき、スキルちゃん達から合図が来た。
「え? ここで?」
「どうかしましたか?」
「生まれるんです! たまごが! 空間収納から出さなくっちゃ」
元々森のたまごを拾った場所……復活した洞窟に、たまごを戻す。それにしても大きいたまごだ。わたしの身長と同じくらい?
既にひび割れがいくつも出来て、そこから光が漏れている。
ガラガラと殻が割れると、そこから現れたのは、とても美しい黄金のドラゴンだ。茶白の猫のように、鼻の上から口元、お腹までは白くて、腹部にはノクレイのようにメラメラ輝く銀色が斑らになっている。頭頂から背面、尻尾まではタラセタのようにキラッキラの黄金で、瞳はアシャールさんやミケ子と同じ、緑の中に青。背にフェイ族のような六枚の翼がある。ただし、こちらの翼の形は普通のドラゴンの羽根……。
「まあ、まるでアシャールさんをドラゴンにしたみたい!」
「なるほど、ではしっかりと強く育てないとですね」
「くるるぅ」
あら~かわいい鳴き声。
スリスリと顔を寄せて来るので、撫でてやる。パナマ草を出すと食べたので、お前もかと思ったけれど。
アシャールさんはスマホで鑑定辞典を確認する。
「〈イラヒヌール イスタリオを守護する聖なる竜。大きさを自在に変えることができる。雑食だがタラセタが好物。主神が気に入った乳も飲みたいと思っている〉……」
「え、いつものたまご達と様子が違わない?」
「ええ、思い切り食べ物に釣られて来てしまった系ですね」
「キトキト?」
「キトキトー?」
「くるるぅきゅぃ!」
キトキトコンビがお鼻を付けながら、お友達? って聞いてる。どうやら仲良く出来そうですよ。
わたしはそこらに落ちてるタラセタと、ムウ乳をバケツに入れて、パナマ草も添えた。
「イラヒヌールって個人名かしら、種族名かしら? とりあえずイラちゃんでいいわよね。イラちゃん、どうぞ」
「きゅるるぅ!」
イラちゃんが食べている姿を撮影し、ライふぉに捧げておく。迷子さん預かってますとメッセージ添えて。
「くるっきゅう!」
え? 迷子じゃ無い?
「ネコノメは地上のイスタリオのようなもの……ひょっとすると、主が遣わして下さったのかも知れません」
「きゅっきゅう!」
「その通りなの……お住まいはここで大丈夫? ご飯も大丈夫? お乳は時々貰いにくると? えーと、ネコノメをパトロールするのがお仕事なのね。じゃあ麓に露天風呂があるから、好きに浸かってね」
「くるるぅ」
わたしはちょっと考えて、食後のキリッとしたイラちゃんの姿を撮影して、ライトモにネコノメアカウントを作って投稿しておく。ゼルなんとかが居なくなったなら、占領できるのでは? なんて思われては困るので、新たな警備員がいることを周知することは大事だ。
なんて思ってると、イラ氏、身体を大きく変化させて、ブォォォっと息を吐いた。白い雲が発生して、ふわぁと飛んでいく。
それからキュオオオオオオオとひと鳴きして光を放つ。
「これは……! ネコノメを守護結界で包んでくれたようですね」
出来る子だ!!!
わたしは追加のミルクを与えて労った。
朝食後、わたしはタラセタで出来た大量の釘やら杭やら、加工した木材やらを出していく。
後はアシャールさんに任せて、奈々美さんやマリーシェラさんと一緒にすぐ後ろの森の手入れに入る。要は散歩です。
わたしが一歩踏み出すごとに木々は採取され道なき森に道が出来上がる。石畳の道だ。
それから倒木とか邪魔な木々を、スキルちゃん達は間引いて採取していく。
「あっ、香子さん魔物が近づいてきます!」
奈々美さんの索敵スキルに引っかかったらしい。
「え? スキルちゃんの自動採取対象外ってことは無害なのか、素材が取れないのかしら……?」
木々の間から、のっしのっしと白い何かが近いて来るのが見えた。熊だったら、即採取。そう思った瞬間、それ、と目が合った。
黒い瞳に金の触角……そう、そしてモッフモフである。
「む……虫ぃぃぃ!!」
奈々美さんが悲鳴をあげた。
そう、虫。蛾ですね。
わたしと蛾さんは束の間見つめ合い、わたしはそっとパナマ草を一束渡した。
「わたし達は今後むこうで、この草やいろんなものを栽培していきます。荒らさないで下さいね。あと物々交換には応じます。森も手入れの為に多少手は入れますが、立ち入って欲しくない場所があれば言ってください」
蛾さんは頷き、パナマ草を齧ってぐっと片前足を上げて了承の意を示した。そしてばっと羽根を広げると、大量の繭をゴロゴロと生み出した。そしてわたしをみてまたぐっと片前足を上げると、のっしのっしと去って行った。
わたしは喜びに飛び跳ねそうなのをぐっと堪えた。
鑑定の結果、繭の中身はお子さんではなく、木の実の種や石とかだ。わたしは一つ残らず採取した。大量の生糸が手に入ったのよ!
「カオリコさん、今のキンマユガですわ! 珍しいものを繭で包む習性がある魔物なんですの」
奈々美さんを支えるマリーシェラさんも興奮している。
「そうなの? じゃあ木の実の種は何が成るか楽しみね。後は魔宝石と……真珠が多いわね。あれ、ここまだ海に近くは無いわよね、どうして真珠?」
「それです!! キンマユガが繭の中で育てる貴重な宝玉! 大当たりですわ」
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