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持てもしないのに勇者の剣に選ばれまして
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「ようこそお出でくださいました、選ばれし子達よ」
いつの間にか目の前に居る超可愛い女の子が、綺麗な声で歌うみたいに何か言ってる。
ひらひらした服は裾が床に広がっていて、めっちゃファンタジー。
腰まで伸びた銀っぽい髪は水色っぽかったりピンクっぽかったり、コスプレでの再現泣かせな色合いをしていて私好み。
「背が高い凛々しい貴女には、戦士の力を与えましょう」
女の子がふわりと移動し、私の他にもここに人がいることに気付く。
ここは壁も床も真っ白で何もないけど、私と女の子と、後3人普通の人が居る。
背が高いちょっと日に焼けた女は、何かキラキラ光ってる最中。
「思慮深い瞳の貴女には、賢者の知恵を授けましょう」
睨むみたいにちょっと目つきの悪い女は、逃げてキラキラに追いかけ回されている。
「朗らかに微笑む貴方には、世界に愛される幸運を」
ナンパそうな男が女の子に伸ばした手は、キラキラに弾かれてる。
次は、私の番。
「好奇心が旺盛な貴女にはー…」
私もキラキラに触ってみようかなーと手を伸ばすと、女の子はその手に剣を添えてきた。
「この勇者の剣を託しましょう」
***
「やったーーー!かっこいい!!」
はしゃぎついでにがばっと起き上がると、そこはベットの上だった。
「はぁ~~ないわー。せめて一回振り回してかっちょいいポーズ決めたかった~。ひらひら着たかったぁああ」
夢を見てる時って、どんなに非現実的でも受け入れちゃうよね。
楽しい夢を見る度に、夢なんだからもっとすごいことしたらよかった!と起きてから何度思ったことか…。
「お目覚めですかミオ」
「え?あれ、可愛い子ちゃん?」
まだ夢の中ってパターンだったみたい。
よく見れば、こんな両手を伸ばしても端っこに届かないよーなでっかいベットが現実なわけなかったわ。
夢の中で『これは夢』だと気付くことって今までなかったから、テンションあがる…!
友達は夢の中で夢って気付くパターンを経験したことがあるらしく、めっちゃ羨ましいなっていつも思ってたよ…!
「私はこの国の巫女、シェイレと申します。他の方々はもう城を出て行かれましたよ。ミオも出発しますか?」
「うんうん行く行く!どこに行けばいいの?何か目的とかってある?」
「あら…使命についてはお伝えしたはずですが…。忘れてしまうだなんて、しょうがない方。もしかして剣の事も覚えていらっしゃらない?」
「剣は覚えてるよ、でも持った記憶がないんだけど」
「ミオは、勇者の剣に選ばれました。これを持って、魔王の元へ向かっていただきます。…剣を」
聞き耳でもたてていたのか、声をかけると直ぐに騎士っぽい格好をした人達が入ってきた。
マントいいねマント!かっこいい!
ガタイのいい騎士が3人がかりで、重たそうに剣を運んでくる。
「え、無理。あんな鍛えてそうな兄ちゃん3人がかりで持ってる剣とか、持てるわけないじゃん」
「大丈夫です。ミオは厳しい条件の下、剣に選ばれし乙女…」
「なるほどおっけー、私にしか持てないとかそういうやつね!勇者にしか持てない伝説の剣!まぁありかな、私が主人公か~どっちかって言うと魔法の方がテンションあがるけどこれはこれで」
ガラスの箱に入れて運ばれてきた剣に、ノリノリで近づく。
「ぶっちゃけ飾りがなくて地味だけど、ピカピカで綺麗だし、魔方陣みたいな模様がうっすら光っててかっこいい!」
「気に入っていただけたようでよかったですね、勇者様」
「うん!じゃあ早いとこ魔王退治に行きますかー!………待って、持ち上がんない、ちょっと待って」
こういうのって、まるで手に吸い付くようだ…とか、羽のように軽い…ってのがお約束。と思うじゃん?
ところがどっこいこの剣、私の事を勇者と選んでおきながら、普通に重い!
いや、一人で持ててるから持ってきた兄ちゃん達よりは選ばれてると思うんだけど、片手で持つのは厳しい重さだ。
両手でならいけるって感じで、感覚的には米袋?
ってことは10kgぐらいかな。
「大丈夫です。持てるのであれば、とりあえず心配ありません。クロード、ここへ」
「はっ」
「ミオはこの世界のことを知りませんから、このクロードを供に付けます。道中剣は彼が運びますので、お任せくださいな」
「それでいいの?まぁレベル1にして最強の装備はできないって感じなのかな?」
はっはぁ~ん。魔王といい装備条件有りといい、王道RPG路線か。
寝る前にやってたゲームの影響かな?
シェイレに言われるままに、よろよろと剣をクロードに渡すと、彼は普通に一人で持てていた。
何で?私とPT組んだから?
「クロードは騎士団でも将来有望な子です。きっとミオの役にたつでしょう」
子っていった!
見た目は小学生ぐらいなのに、シェイレってロリばばあ属性!?
クロードは私と一緒ぐらいかちょい上かな、目力強めなイケメン。
これを連れ回せるとか気分いい…!
「よろしくねクロード。んじゃさっそく行こっか!」
「はい、ですがまずは身支度を…ミオ様の格好はあまりにも無防備すぎます」
言われて、自分の格好を見下ろす。
Tシャツに短パン…パジャマじゃん!いつもの就寝時の服装。なんでここリアルかなぁ。
防御力ねー、皮の胸当て的な防具ぐらいならつけれそう。鎧は重そう。
あ、マント!マント絶対つけたい!
「メイド服でいいから一瞬貸してもらえる?これで外でるのはちょっとねー」
ノーブラだし。
あ、このファンタジー世界ブラあるのかな?
ないな。巫女ちゃまのささやかバストの横乳が見えてる。
「とりあえずこのドレスをお召しください。城下で好きに着替えればよろしいかと」
掲げられたのは、ワンピース。
前は膝上だけど後ろは足首まで長いTHE☆ファンタジーなデザイン。
正直足を晒すのに抵抗はあるけど、凄く着てみたい!嬉しい…!
けど多分すぐに着替えるなーこれ。
「あ、お金は?軍資金とかくれるの?」
「ミオには勇者の貯金を使う権利があるわ。好きに散財してやんなさい」
「やったーー!一番いい装備を頼むー!」
早くしないと、こんな序盤で夢から覚めたらもったいないから、私はクロードを引っ張って即効城を後にした。
ので、この後の会話を私は知らない。
***
「……勇者様は小賢しい女は嫌だと仰られていたけれど、あれではただの馬鹿ではなくて?私の説明ちゃんと聞いていたのかしら」
「今の所、気に入られたご様子。余計な者まで召喚してしまいましたが、これで一安心ですね」
「まぁね。勇者様ってば拗らせすぎなんですもの。ミオを見つけるまでに何度異界へ渡ったことか!」
勇者の条件。
…またの名を、勇者アレクシスの理想。
20歳以上
(勇者が32歳である為)
冒険に憧れがある事
(大人になると平穏を望みがち)
旅が好きである事
非力である事
(旅ができるような女子は冒険者になっている=強い+非力だとモンスターを恐れ旅に出たがらない=相反する)
自分に媚びない事
(勇者はため息がでる程の美丈夫)
小賢しくないこと
(陰謀や打算お断り)
自分の意見を言えること
(従順なだけの人形は不要)
口付けもまだである事
(結婚適齢期が18なのでこの世界では難しい)
優しい
明るい
健康
笑顔が可愛い
等々の希望を考慮した結果、この世界にそんな奴いねぇよと異世界で人材を探すこととなったのだ。
ミオは、"勇者として"選ばれて剣を託されたと思っているが、本当のところは"既に存在する勇者"に、選ばれていた。
自分が魔王を倒す為に頑張っている間に、結婚して幸せな家庭を築いた同僚。
モンスターに怯えて暮らしながらも、祭りを開きなんやかんや楽しそうな村人。
こんな時勢なのに、戦争になるかもと牽制しあっている国。
色々重なり、拗ねてグレた勇者は、現在魔王城に引きこもっている。
どうやら魔王と仲良くなったようで、手を組む話になったらしい。
野良のモンスターには魔王も手を焼いているが、軍として管理下にある魔族は侵略行為を行わないと通達が来ている。
しかし、それには条件があった。
"勇者の嫁を世話してやってくれ"
とは、魔王が出してきたいくつかの条件の中で最も難題とされた。
14歳で魔王討伐の為冒険にでた童貞勇者は、なんとまぁ夢見がちであったのだ。
勇者が託した剣を通して、アレクシスはミオを見ているし魔法を遠隔操作することが出来る。
他の物が触れたときは重力魔法で付加をかけていたのだ。
クロードだけはしかたなく解除したが、本体はもう少し軽くすべきだったと遠い魔王城で後悔していることだろう。
ミオがモンスターに襲われたとしても、この勇者の魔法によって秒殺できる。
本当にただの荷物持ち・世話係と成り下がるクロードは見せ場がなく可哀想だが、見せ場ができてミオがときめいては大変なことになるのでイケメンの無駄遣いをさせていただく。
「よっしゃー!出発~ 」
ドレスから、無駄にベルトを使いまくったスチームパンクな格好良すぎる衣装に着替えたミオ。
ビロードのような手触りのいいマントをはためかせ、元気に駆け足に旅立っていった。
いつの間にか目の前に居る超可愛い女の子が、綺麗な声で歌うみたいに何か言ってる。
ひらひらした服は裾が床に広がっていて、めっちゃファンタジー。
腰まで伸びた銀っぽい髪は水色っぽかったりピンクっぽかったり、コスプレでの再現泣かせな色合いをしていて私好み。
「背が高い凛々しい貴女には、戦士の力を与えましょう」
女の子がふわりと移動し、私の他にもここに人がいることに気付く。
ここは壁も床も真っ白で何もないけど、私と女の子と、後3人普通の人が居る。
背が高いちょっと日に焼けた女は、何かキラキラ光ってる最中。
「思慮深い瞳の貴女には、賢者の知恵を授けましょう」
睨むみたいにちょっと目つきの悪い女は、逃げてキラキラに追いかけ回されている。
「朗らかに微笑む貴方には、世界に愛される幸運を」
ナンパそうな男が女の子に伸ばした手は、キラキラに弾かれてる。
次は、私の番。
「好奇心が旺盛な貴女にはー…」
私もキラキラに触ってみようかなーと手を伸ばすと、女の子はその手に剣を添えてきた。
「この勇者の剣を託しましょう」
***
「やったーーー!かっこいい!!」
はしゃぎついでにがばっと起き上がると、そこはベットの上だった。
「はぁ~~ないわー。せめて一回振り回してかっちょいいポーズ決めたかった~。ひらひら着たかったぁああ」
夢を見てる時って、どんなに非現実的でも受け入れちゃうよね。
楽しい夢を見る度に、夢なんだからもっとすごいことしたらよかった!と起きてから何度思ったことか…。
「お目覚めですかミオ」
「え?あれ、可愛い子ちゃん?」
まだ夢の中ってパターンだったみたい。
よく見れば、こんな両手を伸ばしても端っこに届かないよーなでっかいベットが現実なわけなかったわ。
夢の中で『これは夢』だと気付くことって今までなかったから、テンションあがる…!
友達は夢の中で夢って気付くパターンを経験したことがあるらしく、めっちゃ羨ましいなっていつも思ってたよ…!
「私はこの国の巫女、シェイレと申します。他の方々はもう城を出て行かれましたよ。ミオも出発しますか?」
「うんうん行く行く!どこに行けばいいの?何か目的とかってある?」
「あら…使命についてはお伝えしたはずですが…。忘れてしまうだなんて、しょうがない方。もしかして剣の事も覚えていらっしゃらない?」
「剣は覚えてるよ、でも持った記憶がないんだけど」
「ミオは、勇者の剣に選ばれました。これを持って、魔王の元へ向かっていただきます。…剣を」
聞き耳でもたてていたのか、声をかけると直ぐに騎士っぽい格好をした人達が入ってきた。
マントいいねマント!かっこいい!
ガタイのいい騎士が3人がかりで、重たそうに剣を運んでくる。
「え、無理。あんな鍛えてそうな兄ちゃん3人がかりで持ってる剣とか、持てるわけないじゃん」
「大丈夫です。ミオは厳しい条件の下、剣に選ばれし乙女…」
「なるほどおっけー、私にしか持てないとかそういうやつね!勇者にしか持てない伝説の剣!まぁありかな、私が主人公か~どっちかって言うと魔法の方がテンションあがるけどこれはこれで」
ガラスの箱に入れて運ばれてきた剣に、ノリノリで近づく。
「ぶっちゃけ飾りがなくて地味だけど、ピカピカで綺麗だし、魔方陣みたいな模様がうっすら光っててかっこいい!」
「気に入っていただけたようでよかったですね、勇者様」
「うん!じゃあ早いとこ魔王退治に行きますかー!………待って、持ち上がんない、ちょっと待って」
こういうのって、まるで手に吸い付くようだ…とか、羽のように軽い…ってのがお約束。と思うじゃん?
ところがどっこいこの剣、私の事を勇者と選んでおきながら、普通に重い!
いや、一人で持ててるから持ってきた兄ちゃん達よりは選ばれてると思うんだけど、片手で持つのは厳しい重さだ。
両手でならいけるって感じで、感覚的には米袋?
ってことは10kgぐらいかな。
「大丈夫です。持てるのであれば、とりあえず心配ありません。クロード、ここへ」
「はっ」
「ミオはこの世界のことを知りませんから、このクロードを供に付けます。道中剣は彼が運びますので、お任せくださいな」
「それでいいの?まぁレベル1にして最強の装備はできないって感じなのかな?」
はっはぁ~ん。魔王といい装備条件有りといい、王道RPG路線か。
寝る前にやってたゲームの影響かな?
シェイレに言われるままに、よろよろと剣をクロードに渡すと、彼は普通に一人で持てていた。
何で?私とPT組んだから?
「クロードは騎士団でも将来有望な子です。きっとミオの役にたつでしょう」
子っていった!
見た目は小学生ぐらいなのに、シェイレってロリばばあ属性!?
クロードは私と一緒ぐらいかちょい上かな、目力強めなイケメン。
これを連れ回せるとか気分いい…!
「よろしくねクロード。んじゃさっそく行こっか!」
「はい、ですがまずは身支度を…ミオ様の格好はあまりにも無防備すぎます」
言われて、自分の格好を見下ろす。
Tシャツに短パン…パジャマじゃん!いつもの就寝時の服装。なんでここリアルかなぁ。
防御力ねー、皮の胸当て的な防具ぐらいならつけれそう。鎧は重そう。
あ、マント!マント絶対つけたい!
「メイド服でいいから一瞬貸してもらえる?これで外でるのはちょっとねー」
ノーブラだし。
あ、このファンタジー世界ブラあるのかな?
ないな。巫女ちゃまのささやかバストの横乳が見えてる。
「とりあえずこのドレスをお召しください。城下で好きに着替えればよろしいかと」
掲げられたのは、ワンピース。
前は膝上だけど後ろは足首まで長いTHE☆ファンタジーなデザイン。
正直足を晒すのに抵抗はあるけど、凄く着てみたい!嬉しい…!
けど多分すぐに着替えるなーこれ。
「あ、お金は?軍資金とかくれるの?」
「ミオには勇者の貯金を使う権利があるわ。好きに散財してやんなさい」
「やったーー!一番いい装備を頼むー!」
早くしないと、こんな序盤で夢から覚めたらもったいないから、私はクロードを引っ張って即効城を後にした。
ので、この後の会話を私は知らない。
***
「……勇者様は小賢しい女は嫌だと仰られていたけれど、あれではただの馬鹿ではなくて?私の説明ちゃんと聞いていたのかしら」
「今の所、気に入られたご様子。余計な者まで召喚してしまいましたが、これで一安心ですね」
「まぁね。勇者様ってば拗らせすぎなんですもの。ミオを見つけるまでに何度異界へ渡ったことか!」
勇者の条件。
…またの名を、勇者アレクシスの理想。
20歳以上
(勇者が32歳である為)
冒険に憧れがある事
(大人になると平穏を望みがち)
旅が好きである事
非力である事
(旅ができるような女子は冒険者になっている=強い+非力だとモンスターを恐れ旅に出たがらない=相反する)
自分に媚びない事
(勇者はため息がでる程の美丈夫)
小賢しくないこと
(陰謀や打算お断り)
自分の意見を言えること
(従順なだけの人形は不要)
口付けもまだである事
(結婚適齢期が18なのでこの世界では難しい)
優しい
明るい
健康
笑顔が可愛い
等々の希望を考慮した結果、この世界にそんな奴いねぇよと異世界で人材を探すこととなったのだ。
ミオは、"勇者として"選ばれて剣を託されたと思っているが、本当のところは"既に存在する勇者"に、選ばれていた。
自分が魔王を倒す為に頑張っている間に、結婚して幸せな家庭を築いた同僚。
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しかし、それには条件があった。
"勇者の嫁を世話してやってくれ"
とは、魔王が出してきたいくつかの条件の中で最も難題とされた。
14歳で魔王討伐の為冒険にでた童貞勇者は、なんとまぁ夢見がちであったのだ。
勇者が託した剣を通して、アレクシスはミオを見ているし魔法を遠隔操作することが出来る。
他の物が触れたときは重力魔法で付加をかけていたのだ。
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ミオがモンスターに襲われたとしても、この勇者の魔法によって秒殺できる。
本当にただの荷物持ち・世話係と成り下がるクロードは見せ場がなく可哀想だが、見せ場ができてミオがときめいては大変なことになるのでイケメンの無駄遣いをさせていただく。
「よっしゃー!出発~ 」
ドレスから、無駄にベルトを使いまくったスチームパンクな格好良すぎる衣装に着替えたミオ。
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