8 / 33
犬と被害者と少女の夢(その1)
しおりを挟む
堆肥センターの火曜日は、二次発酵槽の切り返しと完熟堆肥の袋詰め。
一次発酵槽から二次発酵槽への移動。
袋詰め堆肥ならびにバラ堆肥の配送。
こうした作業が中心となる。
生ゴミと一緒に攪拌され一次発酵槽で寝かされている堆肥は、二日から三日置きに切り返され水分の調整と発酵の促進を促される。二週間ほどで一次発酵は終了し、堆肥は二次発酵槽へ持ち込まれる。
ホイールローダーで一次発酵槽から掬われた堆肥は、異物除去装置に掛けて残滓を取り除きながら攪拌コンベアに投入される。同時に投入される発酵剤と攪拌されながら二次発酵槽へと落とし込まれていく。
二次発酵槽は、形状は一次発酵槽とほぼ同じだが、一回り大きく、槽内に上下前後に動く螺旋状の攪拌棒が設置してある。
二次発酵に入ると、発酵熱によって、堆肥の温度が六十度から時には八十度近くにまで上昇する。
堆肥の温度が六十度以上に上がると、一次発酵の際に堆肥内に存在していたほとんどの細菌や昆虫類が死滅する。その一方で発酵時に大量の酸素を消費するため、堆肥内で発酵斑を生じ、品質の低下を招きやすい。
例えれば、酸欠を起こした箇所が部分的に壊死する。
そう言うイメージだろうか。
そこで、発酵槽の床に設置した曝気ブロアーで空気を送り込みながら、三日に一度の切り返し作業を行い、均等に空気を含ませながら攪拌して発酵させる。
こうやって前後二十日かけて堆肥が完成する。
完成した堆肥は順次袋詰めされて出荷されるか、貯蔵用ヤードにストックされる。仮に在庫過多になった場合は、一次発酵槽や二次発酵槽に投入することもある。完熟堆肥は、良質の発酵剤でもあり、同時に原料でもある。
午前中、ぼくは一次発酵槽から二次発酵槽への移動作業を行っていた。
一次発酵槽から堆肥をすくい取り、異物除去装置を通してコンベアに乗せる。
コンベアの先の二次発酵槽では、有馬工場長が陣取っていて発酵剤の投入と攪拌作業をやっている。
二次発酵槽への移動作業そのものは二時間ほどで終わった。
その後、異物除去装置でふるい落とされたられた残滓の分別を行った。
残滓には大きく分けて、プラスティックなどの化学製品、スプーンや金たわしなどの金属類、甲殻類の殻・骨・貝殻類になる。除去装置を通した時点で大まかにふるい分けられているので、基本的には貝殻類に混じり込んだプラスティック片や金属片を取り除くのが主な仕事になる。分別した貝殻類は、破砕機にかけて粉々に砕き袋詰めにする。つまり、石灰肥料として再生されるというわけだ。
ぼくは、分別された貝殻や蟹の爪や鶏の骨を破砕器に放り込みながら、今朝見た夢のことを考えていた。
『死体を切断して潰すのは、金槌と破砕器の違いはあっても、ぼくの日常の風景だ。眠っておかなければ今日の仕事の支障をきたす……。そんな潜在意識が、金槌でしっかりと死体を潰す夢を見せたのだろう。ちゃんといつもの仕事が出来るんだよ、と。
この五年、ぼくは悪夢を見ている間、自分自身でも遺体を捜してきたが、今回は違う。多分ぼくは捜さなくてもいい。ところが、全部人任せになってしまって、逆に不安になっているのではないか。だから、ぼくは持ち込まれた遺体をただ日常の業務のように潰していればいいのだと。そうやって、悪夢で眠れない日が、それがいつまで続くかわからない不安を安心に変えようとしているのかもしれない』
「おい、木塚。飯の時間だ」
有馬工場長の声に、ぼくは飛び上がった。いつの間にかぼうっとしていたのだろう。驚きのあまり悲鳴を上げなかったのが、幸運なくらいだった。
「なんか調子狂うな……」
と工場長は言った。
「いつもは、風に遭ったかなんか知らんが、死体探しの時はカミソリみたいにぴりぴりしてるくせに、今日は溶けたナメクジみたいになってるぞ」
はあ、すいません、とぼくは生返事をした。
「今日は、運送会社の連中は来れないそうだから、昼からの配送は木塚ひとりで行ってくれ。下福元の押領寺さんとこに、十五キロ袋で二百五十袋。頼むな」
下福元町の押領寺さんの圃場だと、堆肥センターから往復するだけなら三十分もあればすむ。通常だと、堆肥センターの二トンダンプで積み卸しまで入れて一台で一時間ほど、延べで三時間もあれば充分な作業のはずである。しかし、工場長が、木塚ひとりで行ってくれ、と言ったことばが気になった。
「工場長。ぼくひとりですか? あの押領寺さんとこだし、定時にも帰れなくなりますが」
「当然だ。手が足りないからな。それに今回は死体探しもないんだろ。ま、がんばって、定時までには帰ってこい。当然だが、遅くなっても残業代は出ないから」
工場長はにやりと笑った。
押領寺さんの圃場配送の場合、センターの四トンクレーン車が圃場に入らないので、袋詰め堆肥の積み下ろしはすべて手作業になる。そのため、大量に運ぶ場合は二台で運搬するか、積み卸しの作業員を付けて、作業時間の短縮化を図るのが常である。特に押領寺さんは異常な話好きで、積み卸し作業の手伝いをしてくれているのか、妨害をしているのかわからないことがある。そのため、忙しくなると必ず二台以上、ふたり以上の作業員を投じて、彼の話で作業が中断されないように防護策を講じていたほどだった。
ぼくは昼食の弁当を呑み込むようにして食べ、一時過ぎには堆肥を積み込んで押領寺さんの圃場に向かった。
押領寺さんは、十棟のハウスで軟弱野菜を生産していて、作物にもよるが、ハウス一棟につき三四ヶ月から半年ごとに堆肥を投入して土壌改良を行っている。普通の農家よりも堆肥を投入する量回数ともに多い。押領寺さんによると、
「その方が品質も収量も安定してくるし、病害虫にも強い。結果的に生産コストも下がっている」
のだそうだ。年間百トン単位で購入してくださる、ありがたい顧客のひとりである。
ぼくが圃場に着くと、人気もなく静かだった。この時間、昼食をはさんで午後二時過ぎまでは押領寺さんはいない。昼寝をしているのだ。
押領寺さんの日常は、早朝三時過ぎから出荷の準備をし、出荷を終えた八時過ぎに朝食。昼食まで除草施肥散水といった肥培管理。昼食後昼寝をして、除草、施肥、耕耘などの肥培管理を日暮れまで続ける。夜九時前までには就寝。と聞いた。
ぼくは、何事もなく指定された場所に百袋の堆肥を下ろすとセンターに戻った。残り二回、二百袋を下ろしていると、必ず押領寺さんに捕まる。そう考えると気が重かった。
昨日今日のことで、甲突川沿いで見つかったバラバラ死体のことが、押領寺さんの話題の中心になるに違いなかったからだし、ぼくは現場近くに住んでいて、しかも発見者だった。
午前中には各メディアによってばらつきはあったものの、被害者が特定されたと報じられただけだったが、午後からは被害者が実名で報じられるようになり、報じられる被害者情報の周辺から推理した、犯人探しすら流れるようになっていた。
『まだ、首すら見つかっていないのに……』
ぼくはカーラジオのスイッチを切った。電源が落ちるまでのほんのわずかな時間、それまで流れていたラジオの音声が耳障りな雑音に変わり、消えた。
二度目の配送の時も、押領寺さんの姿は見えなかった。姿が見えないだけでこんなに静かなのか、と思いながら堆肥を下ろし終えた。残り一台もこの調子ならいいが、と考えながら圃場を出ようとすると、圃場の片隅を掘っている押領寺さんの後ろ姿が目に入った。
三台目を運び込んだ時、押領寺さんは姿を見せたが口も聞かず黙々と荷下ろしを手伝い、
「いつも、ありがとうな」
ひとことだけ言って大きなためいきをついた。ぼくは納品伝票を切って渡した。
「押領寺さん、今日は話す間もなかったですね。世間は大騒ぎですよ」
水を向けたが、押領寺さんはどこか上の空で、
「しばらくは寂しいだろうな」
とだけ言って、ハウスの中に入っていった。押領寺さんが、ハウス内の作業机に伝票を置き、ひものような物を置くのを見ながら、ぼくは、何か物足りなさを感じつつ圃場を出、センターへと戻った。
一次発酵槽から二次発酵槽への移動。
袋詰め堆肥ならびにバラ堆肥の配送。
こうした作業が中心となる。
生ゴミと一緒に攪拌され一次発酵槽で寝かされている堆肥は、二日から三日置きに切り返され水分の調整と発酵の促進を促される。二週間ほどで一次発酵は終了し、堆肥は二次発酵槽へ持ち込まれる。
ホイールローダーで一次発酵槽から掬われた堆肥は、異物除去装置に掛けて残滓を取り除きながら攪拌コンベアに投入される。同時に投入される発酵剤と攪拌されながら二次発酵槽へと落とし込まれていく。
二次発酵槽は、形状は一次発酵槽とほぼ同じだが、一回り大きく、槽内に上下前後に動く螺旋状の攪拌棒が設置してある。
二次発酵に入ると、発酵熱によって、堆肥の温度が六十度から時には八十度近くにまで上昇する。
堆肥の温度が六十度以上に上がると、一次発酵の際に堆肥内に存在していたほとんどの細菌や昆虫類が死滅する。その一方で発酵時に大量の酸素を消費するため、堆肥内で発酵斑を生じ、品質の低下を招きやすい。
例えれば、酸欠を起こした箇所が部分的に壊死する。
そう言うイメージだろうか。
そこで、発酵槽の床に設置した曝気ブロアーで空気を送り込みながら、三日に一度の切り返し作業を行い、均等に空気を含ませながら攪拌して発酵させる。
こうやって前後二十日かけて堆肥が完成する。
完成した堆肥は順次袋詰めされて出荷されるか、貯蔵用ヤードにストックされる。仮に在庫過多になった場合は、一次発酵槽や二次発酵槽に投入することもある。完熟堆肥は、良質の発酵剤でもあり、同時に原料でもある。
午前中、ぼくは一次発酵槽から二次発酵槽への移動作業を行っていた。
一次発酵槽から堆肥をすくい取り、異物除去装置を通してコンベアに乗せる。
コンベアの先の二次発酵槽では、有馬工場長が陣取っていて発酵剤の投入と攪拌作業をやっている。
二次発酵槽への移動作業そのものは二時間ほどで終わった。
その後、異物除去装置でふるい落とされたられた残滓の分別を行った。
残滓には大きく分けて、プラスティックなどの化学製品、スプーンや金たわしなどの金属類、甲殻類の殻・骨・貝殻類になる。除去装置を通した時点で大まかにふるい分けられているので、基本的には貝殻類に混じり込んだプラスティック片や金属片を取り除くのが主な仕事になる。分別した貝殻類は、破砕機にかけて粉々に砕き袋詰めにする。つまり、石灰肥料として再生されるというわけだ。
ぼくは、分別された貝殻や蟹の爪や鶏の骨を破砕器に放り込みながら、今朝見た夢のことを考えていた。
『死体を切断して潰すのは、金槌と破砕器の違いはあっても、ぼくの日常の風景だ。眠っておかなければ今日の仕事の支障をきたす……。そんな潜在意識が、金槌でしっかりと死体を潰す夢を見せたのだろう。ちゃんといつもの仕事が出来るんだよ、と。
この五年、ぼくは悪夢を見ている間、自分自身でも遺体を捜してきたが、今回は違う。多分ぼくは捜さなくてもいい。ところが、全部人任せになってしまって、逆に不安になっているのではないか。だから、ぼくは持ち込まれた遺体をただ日常の業務のように潰していればいいのだと。そうやって、悪夢で眠れない日が、それがいつまで続くかわからない不安を安心に変えようとしているのかもしれない』
「おい、木塚。飯の時間だ」
有馬工場長の声に、ぼくは飛び上がった。いつの間にかぼうっとしていたのだろう。驚きのあまり悲鳴を上げなかったのが、幸運なくらいだった。
「なんか調子狂うな……」
と工場長は言った。
「いつもは、風に遭ったかなんか知らんが、死体探しの時はカミソリみたいにぴりぴりしてるくせに、今日は溶けたナメクジみたいになってるぞ」
はあ、すいません、とぼくは生返事をした。
「今日は、運送会社の連中は来れないそうだから、昼からの配送は木塚ひとりで行ってくれ。下福元の押領寺さんとこに、十五キロ袋で二百五十袋。頼むな」
下福元町の押領寺さんの圃場だと、堆肥センターから往復するだけなら三十分もあればすむ。通常だと、堆肥センターの二トンダンプで積み卸しまで入れて一台で一時間ほど、延べで三時間もあれば充分な作業のはずである。しかし、工場長が、木塚ひとりで行ってくれ、と言ったことばが気になった。
「工場長。ぼくひとりですか? あの押領寺さんとこだし、定時にも帰れなくなりますが」
「当然だ。手が足りないからな。それに今回は死体探しもないんだろ。ま、がんばって、定時までには帰ってこい。当然だが、遅くなっても残業代は出ないから」
工場長はにやりと笑った。
押領寺さんの圃場配送の場合、センターの四トンクレーン車が圃場に入らないので、袋詰め堆肥の積み下ろしはすべて手作業になる。そのため、大量に運ぶ場合は二台で運搬するか、積み卸しの作業員を付けて、作業時間の短縮化を図るのが常である。特に押領寺さんは異常な話好きで、積み卸し作業の手伝いをしてくれているのか、妨害をしているのかわからないことがある。そのため、忙しくなると必ず二台以上、ふたり以上の作業員を投じて、彼の話で作業が中断されないように防護策を講じていたほどだった。
ぼくは昼食の弁当を呑み込むようにして食べ、一時過ぎには堆肥を積み込んで押領寺さんの圃場に向かった。
押領寺さんは、十棟のハウスで軟弱野菜を生産していて、作物にもよるが、ハウス一棟につき三四ヶ月から半年ごとに堆肥を投入して土壌改良を行っている。普通の農家よりも堆肥を投入する量回数ともに多い。押領寺さんによると、
「その方が品質も収量も安定してくるし、病害虫にも強い。結果的に生産コストも下がっている」
のだそうだ。年間百トン単位で購入してくださる、ありがたい顧客のひとりである。
ぼくが圃場に着くと、人気もなく静かだった。この時間、昼食をはさんで午後二時過ぎまでは押領寺さんはいない。昼寝をしているのだ。
押領寺さんの日常は、早朝三時過ぎから出荷の準備をし、出荷を終えた八時過ぎに朝食。昼食まで除草施肥散水といった肥培管理。昼食後昼寝をして、除草、施肥、耕耘などの肥培管理を日暮れまで続ける。夜九時前までには就寝。と聞いた。
ぼくは、何事もなく指定された場所に百袋の堆肥を下ろすとセンターに戻った。残り二回、二百袋を下ろしていると、必ず押領寺さんに捕まる。そう考えると気が重かった。
昨日今日のことで、甲突川沿いで見つかったバラバラ死体のことが、押領寺さんの話題の中心になるに違いなかったからだし、ぼくは現場近くに住んでいて、しかも発見者だった。
午前中には各メディアによってばらつきはあったものの、被害者が特定されたと報じられただけだったが、午後からは被害者が実名で報じられるようになり、報じられる被害者情報の周辺から推理した、犯人探しすら流れるようになっていた。
『まだ、首すら見つかっていないのに……』
ぼくはカーラジオのスイッチを切った。電源が落ちるまでのほんのわずかな時間、それまで流れていたラジオの音声が耳障りな雑音に変わり、消えた。
二度目の配送の時も、押領寺さんの姿は見えなかった。姿が見えないだけでこんなに静かなのか、と思いながら堆肥を下ろし終えた。残り一台もこの調子ならいいが、と考えながら圃場を出ようとすると、圃場の片隅を掘っている押領寺さんの後ろ姿が目に入った。
三台目を運び込んだ時、押領寺さんは姿を見せたが口も聞かず黙々と荷下ろしを手伝い、
「いつも、ありがとうな」
ひとことだけ言って大きなためいきをついた。ぼくは納品伝票を切って渡した。
「押領寺さん、今日は話す間もなかったですね。世間は大騒ぎですよ」
水を向けたが、押領寺さんはどこか上の空で、
「しばらくは寂しいだろうな」
とだけ言って、ハウスの中に入っていった。押領寺さんが、ハウス内の作業机に伝票を置き、ひものような物を置くのを見ながら、ぼくは、何か物足りなさを感じつつ圃場を出、センターへと戻った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる